Phase217 FWパニック・CONCLUSION-Take17-
覚醒するP/目覚めよ!伝説獣と超新星 〜純愛カオス〜


「…?!ここは‥‥?」





それはアキッキー、電我、裕人の3人が新たな決意を見せたのと同じ頃―――。

神崎すみれは気づいたら見知らぬ空間に立っていた。

「ここは……もしや亜空間!?…しかし、ほかの皆さんは一体どこに…?」

いきなり亜空間に飛ばされて呆然とするすみれ。

とりあえず状況を整理しようと……。





「おーーーーい。」

「?!」






突然背後から声をかけられた。

振り返ると、ナンバーズのノーヴェの姿が。

「あら、ノーヴェさん。」

そしてその傍には、ラブプリア武将の1人である魏延も。

さらにその声に反応したのか、別方向からイストファンタジアの河城にとり、ファントムレイダーズの俵小百合も合流した。

「おい、これっていったいどうなっているんだ!?」

「さっき、アカレッドが敵にやられた時に逃げていたら、突然光に包まれて気が付いたらここに…。」

「あなたたちもですか…。」

同じ境遇に出くわした者が自分以外にも数名…。

これにはすみれも首をかしげるしかない。

ふと、魏延が脳裏で何かを思い出した。

「あれ!?そういえば蒲公英(たんぽぽ)は!?」

「ここにいるぞ!!!」

声の聞こえた方角を振り返ると、蒲公英こと馬岱は近くの崖らしき場所で堂々と直立していた。

「無事だったか蒲公英〜。まったく心配させるなよなぁ。」

「大丈夫だって焔耶(えんや)、平気だよ。…にしても、ここは一体どこだろう?」

やっぱり蒲公英も現在いる場所はわかっていないようだ。





―――――カッ!!!!





ふと、突然6人のポケットから何か光った。

慌てて一同はポケットを探ってみると、それぞれ一枚ずつ、計6枚のカードが入っていた。





<DENGEKI SENTAI CHANGE-MAN "CHANGE-GRIFFIN">
<DENGEKI SENTAI CHANGE-MAN "CHANGE-PEGASUS">
<DENGEKI SENTAI CHANGE-MAN "CHANGE-MERMAID">
<DENGEKI SENTAI CHANGE-MAN "CHANGE-PHOENIX">
<CHOSINSEI FLASH-MAN“BLUE-FLASH”>
<CHOSINSEI FLASH-MAN“YELLOW-FLASH”>






「これって、アキッキーさんと同じスーパー戦隊のカードではありませんか!?」

いつの間にこんなものが…?!

いきなりの状況に言葉をなくす一同。







「うわ〜〜〜っ!!????」

『――!?』








突然大きな悲鳴が!?

慌てて一同は、声の方向に急行!

すると、同じく巻き込まれたであろう3人の男女が、茶髪ポニーテール姿の少女につけ狙われている光景を発見!!





「まずい!!」

―――ドカッ!!

「グッ!?」








咄嗟の判断でノーヴェは当て身を食らわせて少女を気絶させる。

「大丈夫ですの?」

「あ、ああ。すまない。」

「ありがとうございます。」

緑を基調とした女性忍者と眼鏡姿のさえない中年男性、とりあえず助かったので一安心。

「はぁ……びっくりしたよ、もぉ〜。」

坊主頭姿の少年も胸をなでおろす。



「フーちゃん!!!」

『!?』


すると突然プラチナブロンドのロングヘア―の少女が割り込んで、先ほどの少女を庇ったではないか。

「えっ、ちょっと、何してんのさ?」

「そうよ、いくらなんでも向こうから攻撃をしてくるのが悪いんじゃない?」

「違います!フーちゃんは……。」





















――おなかが空いているだけなんです!!!











『…………………………へ!?』


















すると、ムクリと起き上がった先ほどの茶髪の少女、脱力したような表情でお腹を押さえると……。

















――グウウゥゥゥ……。













「ワシ……腹が減った。」



『あらららら!』

―――ズコオォォォッ!














まさかの発言に全員脱力したようにずっこけた。

事情を知ったにとり、遠慮がちに弁当箱を取り出しながら二人に近づき……。

「あの……、よかったら少し前に作っていたおにぎりとキュウリならあるけど…。」

――キラッ

「?!」

――ガシッ
「「いただきますっ!!!!」」


急に二人の眼がキラッと輝いたかと思いきや、その弁当を奪い取り、がっつくかのようにおにぎりとキュウリを食べだした。

『…………………;;;;;;』

どうやらガチでお腹が空いていたらしく、無心に食べ進める少女2人に一同は呆然するしかなかった…。





………というか、どんだけこの亜空間を彷徨っていたのだろうか、この二人…。













「「ごちそうさまでした!!」」



ややあって、とりあえず食事は終わったようだ。

「とりあえず助けてくれてありがとうございました。ほら、フーちゃんも。」

「本当に申し訳ございませんでした。」

「いやいやこちらこそ……。」

ひとまず、当面の問題は解決のようだ。





「お〜い、竜心!!!」

「!」






背後から突然新たな声が。

振り返ると、若い感じをした青年が手を振って向かってきた。

竜心と呼ばれた坊主頭の少年は、見覚えのある彼の顔を見て嬉しそうに手を振り―――。





「立花団長!!!」

――ズサァ〜〜〜!!!!!






「あ……あれ?」

「違うよ!大野だよ、“やたがらす丸”の!」

「あっ、すいません。てっきり間違えました。」

おいおいおい、上司の名前間違えてどうすんの…。

「いやぁ、やたがらす丸から向こうに転属になって随分経っていたので、つい……。」

「あのなぁ……。まったく、ルヴェラの非常事態に困っているのに…。」

「…“ルヴェラ”!?」

そんな二人の会話の中で聞き捨てならないキーワードを聞き、すみれは待ったをかけた。

そして、小百合とノーヴェもその単語をしっかりと聞き届けていたため、その視線を二人に向けていた。

「お待ちなさい!もしかしてあなた方は…、“アカレッド”…アキッキーさんの顔見知りではありませんこと!?」

「「!?」」

彼女の突発的な一言に驚きの顔を見せる大野と竜心。

「ちょ、ちょっと待った!なぜ我々がその関係者だと!?」

「それに、どうしてアカレッドの存在を知っているのですか!?」

その言葉に対し、すみれは自己紹介も交えてその理由を簡潔に語った。

「私は神崎すみれ。亜空軍打倒のために戦うアキッキーさんの同志ですわ。ここにいる小百合さんとノーヴェさんも、彼らの仲間である“シードピア連合軍”の一員なのです。」

「わたしたちもアキッキーさんのことについて、間接的に仲間たちから聞いているのです。」

「故郷の世界が“ルヴェラ”って言うこともな。あんたたちがその名前を口にしていたから、もしかしてって思ったんだ。」

後に続くようにして証言した小百合とノーヴェの言葉を聞き、竜心と大野は納得した表情になった。

「…なるほど、そうだったんですね。」

「…となれば、自分たちの正体も知っておく必要もあるな。」





小澤竜心と大野拓朗―――。

ルヴェラにおけるディスタンス・フォースの特殊部隊“ウィズ・ウィズ・ユアーズ(W.W.Y.)”と“ブライトルーパーズ”に所属する二人は、本局である“プロヴィデント・フォートレス”からの緊急要請を受け、シードピアに向かっている最中であった。

そう、彼らもまたシードピアという次元世界が騒動の中心となっているということを知っていたのである。

しかし、いつの間にか謎の光に包まれて彷徨っているうちに、この空間にたどり着いてしまったらしい…。





「なるほど…あんたたちもあたしたちと同じ境遇だったってワケだな。」

話を聞き、大方納得した表情のノーヴェたち。

「まあ、俺とルナ君の場合は戦姫列島って場所から迷い出たってことだしな。」

「ええ。でも確かに最近の世の中はとんでもない事件が起きていますね…。」

中年男性――“伊賀崎旋風”と、緑装束のくの一――“九重ルナ”の2人も、彼らの証言を聞いて若干納得したような雰囲気を見せる。

「リンネ、この人たちの話を聞く限り、やっぱりこれは……!」

「ええ…!もう私達だけの問題ではじゃないわ…すべての世界の問題よ!!」

一方の2人、“フーカ・レヴェントン”と“リンネ・ベルリネッタ”は状況のまずさに焦った様子を見せている。

「でも、結局わかっている手掛かりはこれだけだな。」



<CHOSINSEI FLASH-MAN“RED-FLASH”>



そう言って大野が取り出したのは、つい先ほど手に入れたレンジャーカードだった。

「……!!」

そのカードを見て反応した竜心が、突然口を開いた。

「ちょっと待ってください大野課長!僕も持っていますよ!!」

「えっ!?」

<DENGEKI SENTAI CHANGE-MAN “CHANGE-DRAGON”>



竜心が取り出したのは、確かにレンジャーカード。

しかも大野の持つそれとは明らかに異なる姿の戦士だった。

「リンネ、ワシらも!!」

「ええ。私達も持っています!!」



<CHOSINSEI FLASH-MAN“GREEN-FLASH”>

<CHOSINSEI FLASH-MAN“PINK-FLASH”>




なんとフーカとリンネも同じレンジャーカードを持っていた。

「これって…一体どういうことなのかな?」

技術者としても知られているにとりも、さすがに理解が及ばず、かなり困った様子だ。







―――ピカアアァァッ!!

『――!!??』








すると突然カードが光り出し、それが光の玉となって彼らの腕を回る。

やがてそれは、ブレス型の固有アイテムに変化してそれぞれの腕に取り付けられる。

「これは……!!??」





「みんな、待っていたぞ!」

――!?






声が聞こえ、振り向く一同。

そこにはいつの間にか現れていた、10人の男女の姿があった。

その中に、フーカとリンネの顔見知りの姿もあった。

「おぉ!?ダイさん!」

「ルーさん…!!」

「フーカ!リンネ!無事だったか!」

「良かったわ、あなたたちの姿を見ることが出来て。」


後で聞いた話だが、フーカとリンネは亜空軍による次元崩壊事象に巻き込まれた際、時空を越えてダイたちの世界に漂着。

その時に彼らに助けられ、1年間の過酷な修行を積んでいったというのだ。

「時が来た!俺たちのハートに火を着けてくれる者たちが現れる瞬間が!!」

『!?』

やがて、一人の男――剣飛竜の開口一番によって、この空間に集まったメンバーたちの運命が告げられた。

もちろん、その一言は一同を驚愕させた。

「それって、ひょっとして……、わ、私たちのことか?!」

「ああ、そうだ。今、君たちの住む世界にピンチがやってきている!」

ノーヴェの言葉を肯定した青年――ブンは、さらなる危機が迫っていることを仄めかす。

「それって、さっきみんなに教えられていた“亜空軍”ってやつらなの?!」

「いえ、そうではないわ。もっとこう…これまで以上にものすごく大きな何か…。それを止めないと、あなたたちの大きな未来が危ないかも知れない…!!」

『……!!!』

サラという名の女性の言葉に一同はさらに驚愕する。

亜空軍以上な大きな何かが迫ってきているというのか…!?

もはやこの危機的状況は、プラズマ界全土に拡がっている。

フーカとリンネの予想は、図らずも大当たりを射抜いていた。

「それで、私たちはどうすればいいんですか?」

不安を募らせた小百合の言葉に対し、ルーが希望を投げかける。

「大丈夫、あきらめてはいけない。シードピアへつながる希望は絶対あるわ!」

「シードピアへつながる希望…?」

その言葉を皮切りに、先代の戦士たちが後輩たちに言葉を伝える。

「近い未来、俺たちの目の前に、シードピアへ希望をつなぐ6人の戦士たちが現れる。」

「その戦士たちは俺たちの前に立って、みんなを引っ張ってくれる。」


「それだけじゃないのよ。まだ捨てていない希望をつなぐ戦士たちの存在もあるわ!」

「その戦士たちと歴代の戦士たちの思いを繋ぐ絆を、あなたたちに守り抜いて欲しいの。」


疾風翔、大空勇馬、渚さやか、翼麻衣の願いに各々でその重みを感じていた。

「私達が‥‥。」

にとりは特にその責任の重さに心臓がドキドキしていた。

緊張と恐怖によって…。









「やろう。」









そんな重苦しい空気を振り払ったのが、率先して決意の言葉を口にしたフーカだった。

そして、その傍らには、同じく覚悟を固めた表情のリンネの姿も。

「ここであきらめちゃ、世界は平和にならないんじゃ!!」

「うん、そうだね。輝く明日のために!私たちの思いもみんなにつながっていくように!!」

その一言を受けて一同が全員賛同したように言葉を言う。

「俺も、このカードの力があるから進んでこれた!危険の意味なんて忘れてしまったのさ!!」

「今この命を懸けてこの腕で未来を必ずつかんでみせる!!」

「俺もやるぞ、せっかく息子たちが体を張って頑張っているんだ!」

「私も夢の仇、やっつけちゃって懲らしめるわ!!」

彼らの決意と表情を見届け、笑みを浮かべたレンジャーソウルたちがゲート状の物を生み出す。

「さあ、みんな、行ってくれ。俺たちの力で作ったそのゲートの先に、君達が進むべき道がある!!」

「まだ見ぬ後輩たちのために頑張ってくれよ!!」


この腕で未来を掴むため、輝く明日へ進むため、選ばれた戦士たちは一直線に駆け出した……!!!!





























…………気がつくと、アキッキーたち一同は、とある船の甲板に立っていた。

―――!!??

その場所は、スマッシュブラザーズの神殿から程近い場所に墜落していた“あの船”だった……。



「へっ……ゴーカイガレオンか…、懐かしいな。」

マーベラスも、久方ぶりに乗り込んだ自分の船の姿に感慨深くなる。

「…もしかして、私たち、異空間から脱出したの!?」

「どうやらそのようですね。」

―――リリリリリリ!

ふと、音子の懐から携帯の受信音が響いた。

S.C.の共通装備である通信機キネマトロンだ。

「はい、こちら雅音子です。」

『おぅ、米田だ。お前たち無事か!?』

「米田さん、無事だったんですね!?」

『いやいやビックリしちまったよ。いきなり目の前が真っ白になったかと思ったら、突然月面の軌道上まで出てきちまったから、どうなってんだと思ったよ。』

―――月面の軌道上!?

その通信を聞いて一同が一斉に空を仰いで視線を泳がす。

「皆の者、あそこだ!!」

アンゴル・フィアが目的のものを見つけ、その場所に杖を向ける。

その先には、明らかに通常の戦艦より大きな物体が浮かんでいる。

「うそだろ…!?」

思わず驚愕の声を漏らす裕人はもちろん、こればかりは一同も目を疑わざるを得なかった。

自分たちが先ほどまでいたはずの空中戦艦ミカサが、何事もなかったかのように浮かんでいたのだ…!

「何がどうして、そうなったんだろう…!?」

「…まぁ、とりあえず、無事でよかった。」

『そうだな。こっちは、艦内に残っているメンバーたちでどうにか復旧を進める。また連絡する。』

米田の無事が確認でき、安堵の一同。

――キラッ…、キラッ…。

「「「?」」」

ふと、アキッキー、電我、裕人のポケットから光が点滅している。

徐に取り出せば、裕人のそれは、マドカ・ダイゴから託されたスパークレンスが光ったものだった。

そして、アキッキーと電我の光の正体はブランクキー…と思いきや―――?!



―――ピカアアァァッ!!!!



強烈な光と共にブランクキーが違った形に変化した!

それは、海賊の姿を模した赤と銀色の戦士を模した鍵。

…そう、それはまさに―――。

「ゴーカイジャーの…レンジャーキー…!!!」

すると、今度は電我の左手に光の玉が現れ、それが一つの形を作り出す…!

それは、ゴーカイシルバーこと伊狩 鎧が使っていた携帯アイテムだった!

「ほぉ、ゴーカイセルラーか。やっぱり…。」

「…?」

彼の背後でその瞬間を見たマーベラス、何やら確信を得たような表情だった。

「……あれ?そういえば、NEXTは!?」

ふと、アキッキーは自分の相棒の姿がないことに気づいた。

「おーいバディ、こっちだ!」

声が聞こえ、懐を慌てて探ってみる。

すると、触れたことのない硬い感触があった。

取り出すと、それはマーベラスの持っていたモバイレーツと全く同じ形の携帯電話だった。

「これって……。」





「バディよぉ、お前も鈍いな。」

「うわぁっ!!??」






首をかしげた途端に聞こえたNEXTの声。

ビックリしたアキッキーは思わず携帯を取りこぼす。

「おっと!」

咄嗟に電我がそれを拾い上げて、なんとかセーフ……。

「ビックリした…というかNEXT、その姿って…!」

「イヤイヤ、オレも分かんないんだよ。いきなりレンジャーチェンジャーが光ったと思ったらそれが突然俺の中に入り込んで、気がついたらこんな姿になってたんだよ。」

「……え!?」

…NEXTの言葉を聞いて自分の左腕に視線を向ける。

すると、確かにさっきまで腕にあったレンジャーチェンジャーがいつの間にか消えていたのだ。

「ホントだ…、無くなっている!」

まさか…、あのときに!?

アキッキーがそう思った、その瞬間――――。







「ギャアアァァァ!!!!」

「えっ?」

――ガツウゥゥンッ!!!!

「ギャフッ!!!」
「ンガッ!!??」

『えっ!!??』








………頭の上から茶色い体の鳥型ロボットが落ちてきた。

「…へっ、相変わらずだな、鳥。」

一同がポカーンとする中、マーベラスだけは懐かしそうな笑みを浮かべていた。

―――カチャカチャカチャ…、ピコォン!





未来の希望の種が集まる大地を礎に、

闇の使者が三つの世界の縦糸を束ねる

その先駆けに戦士たちの多くの命が闇に囚われ

彼の者たち、忌まわしき力の傘下に下る

しかし、五色の光に選ばれたる数多くの勇者たちが目覚め、

人間と心を通わす鉄の巨人と、死したものと心を交える光の勇者が降り立つ

その者たち、闇に反旗を翻す大いなる同志なり

そして、後に夢を掴む力を得る赤き勇者は、

時と場所を越えて現れた戦士たちから、

『特命』という名の未知の力を受け取るだろう…






―――!?

その瞬間、ロボットが口にした予言じみたその言葉。

それは明らかに、今まさに起こっているこの出来事そのものだったのだ。





希望の種が集まる大地―――即ちメディアステーションを中心に、
闇の使者=亜空軍が、シードピア、バサラワールド、ミッドチルダを1つに束ねてしまう。

その先駆けにバサラワールドの戦士たちの多くの関係者が亜空軍の人質に囚われ、彼らがやむなく亜空軍の傘下に下る。

しかし、五色の輝き=レンジャーズソウルに選ばれたる次世代のスーパー戦隊たちが目覚め、
人間と心を通わす鉄の巨人=ブレイブポリスや勇者特急隊と、
死したものと心を交える光の勇者=1度は死んだ永と融合した、光の勇者・ウルトラマンゼロが降り立つ。

彼らはみな亜空軍に反旗を翻す大いなる同志なり

そして、夢を掴む力を得る赤き勇者=ゴーカイレッドの力を得たアキッキーは、
時と場所を越えて現れた新たなるスーパー戦隊たちから、
『特命戦隊ゴーバスターズ』と『獣電戦隊キョウリュウジャー』という名の新世代スーパー戦隊の力を受け取るだろう…。






まさに絶望の時に与えられた希望という名の予言に思いを感じる一同。

「どうやら、時が来たらしいな…!」

マーベラスは待ち望んでいた到来を感じ取り、一つの決意を固めた。

「おい、アキッキーと電我!」

「「?」」

「付いて来い。」

名を呼ばれた2人はマーベラスの後に続く。

もちろん、他の面々もその後に続く。

たどり着いたのは、かつてアキッキーがゴーカイガンとゴーカイサーベルを手に入れたあの場所…。

そう、あの宝箱が置かれていた部屋だった。

「お前ら、この宝箱を開けろ。」

「「えっ?」」

全員が集合するなり、いきなり告げられたマーベラスの言葉に首をかしげる2人。

しかし、彼にはこの宝箱を開ける理由を確信していた。







俺たちは過去に様々な次元世界を、あらゆる宇宙を旅をしてきた。

その道中でスーパー戦隊たちの大いなる力を手に入れてきた。

だが、ザンギャックの連中と痛み分けを喫したとき、この大いなる力が悪用されることを恐れ、俺たちはこれをこの箱の中に封印する形で残した。

そして、この箱の封印を解く“鍵”と呼ばれる人物が来るのをずっと待っていた…!!







「アキッキー、電我……それがお前たち2人だ!!!」

「「…!!」」


二人は、この宝箱を開ける資格がある―――!

思いもかけなかった言葉に一同は驚愕する。

もちろん、当の本人である二人も同じであった。

だが、アキッキーは以前マーベラスが残したあるメッセージを思い出した。

「そうか…!そういうことだったのか…!!」

「ど、どういうことだ。」

「電我くん、実はこの宝箱を見つけたとき、こんなメッセージが残されていたんだ。」




Captain.Mよりこの船へ入ってきた者へ



この船の封印を解いたことは褒めてやるぜ。

だが、この箱はそう簡単には開けさせねえぜ。

開けたければ“スーパー戦隊の頂点に立つ戦士の化身”“すべての力を1つにまとめ上げれる者”を連れてきな!

そうすれば、この箱の中にある大いなる力はお前たちにくれてやるぜ!!





それは、宝箱の片隅に残されていたCaptain.M――即ち、キャプテン・マーベラスの置手紙だったのだ。

そして、先ほどのマーベラスの言葉の意味と総合すると――。

「この宝箱を開ける資格を持っているのは、『スーパー戦隊の頂点に立つ戦士の化身』――つまり『歴代スーパー戦隊達の象徴的存在である“赤の戦士”』のボクと…!」

「たとえ悪に身を墜としていても、大切だった「仲間たちの思いをまとめ上げれた」俺だったのか。」

メッセージの意味を理解した2人は、意を決した。

「じゃあ、開けるよ。」

「ああ。」

二人はゆっくりと宝箱に歩み寄り、その蓋に手をかける…。









「1…」

「2の…」

「「3!!」」

――ガチャッ!!!!










合図と共に箱を開けた二人。

眩い光と共に中に入っていたのは、歴代のスーパー戦隊、そして自分ではまだ知らない戦隊のレンジャーキーが複数。

ざっと見積もって、およそ250本以上は入っている…!!

「…これが、大いなる力…?」







「あなたたちの歴史を受け継ぐ力確かに見させていただきました。」

『―――!?』







声が聞こえたと思いきや、宝箱の中から、明らかに人間ではない姿の生き物たちがそこに現れていた。

その存在を、マーベラスは見たことがあった。

「こいつらは……“もじもん”か?!」

「もじもん?」

ユウキにとって、もじもんの存在は初めて目の当たりにする。

それはもちろん、アキッキーたちやキリトたちにとっても同じである。

「母さん、もじもんって聞いたことある?」

「えぇ、調べたことはあるわ。様々な世界の人々が大切にする“言葉”を司るもじの精霊たちのことよ。伝承でしかないって思っていたけれど、まさか実在していたなんて…。」

元大学教授だった京子にとっても、本物のもじもんの存在は始めてであった。





「長い歴史の中で、ついにあなたたちは最大の宝に出会うことが出来ました。」

まるで黄金の鳳凰を彷彿とする、「宝」を模る伝説のもじもん・“とれじゃーの”



「スーパー戦隊の歴史は長くても、鮮やかに続いていくものだし!」

羊と人魚を併せたような独特の姿をした「鮮」のもじもん“せんこ”



「たとえ困難に何度もあっても一歩、また一歩と歩いていけばいい。」

老人のような亀の姿をした「歩」のもじもん“あるくめです”



「どんな心が固く閉ざされていくときも…」

「真の文字を描く筆のように広い心を持っていくといいぞ。」

アルマジロのような外見をした「固」のもじもん“かたまじろ”

まるでヤギの仙人のような姿をした「筆」のもじもん“ふでじい”



「人はいろいろな面をかぶって生きていくことがある。だが、いつでもたまに面と向かっていけばいい。」

まるでチョイワルおやじのような風貌のカメレオンの姿をした「面」のもじもん“かめんれおん”



「どんなに長い時が流れていても、人として守れるものを大切にしていくでヤンス。」

顔が時計のようにみえる「時」のもじもん“ときお”



いずれも強大な力を秘めたもじもんたちばかりだ…!







「今こそ、あなたに捧げます。プラズマ界を救う人たちの大いなる力を…!」



ふと、とれじゃーのがアキッキーの前に降り、彼に新たな光を注ぎ込んだ。

「これであなたは『光のアーカイブの疑似所有権』を得ました。」



それは具体的に言えば、アーカイブの化身であるリリィやミクたちとほぼ同等の力。

つまり、これを使えば、すべてのスーパー戦隊の大いなる力を使うことができるのだ。

さらに今後、新たなスーパー戦隊の覚醒者が現れた場合、自分の判断でその人達に対して契約と継承を行うことも可能なのだ。



「たしかに‥‥何かものすごい力を感じる…!!ありがとう、もじもんたち!」

改めてゴーカイジャーたちスーパー戦隊の大いなる力を手に入れたことを喜ぶアキッキー。

「…で、俺達にはあと1つやるべきことが残っているしな。」

―――…??

もう1つやるべきこと…?

かたまじろが不意に口にした一言を聞いて一同は首をかしげる。

「我ら正しき言葉の精霊・もじもんたちが様々な事を行っていながら……。」

「文字と並ぶ大切な物、即ち“言葉”という物を巧みに利用して……。」

「人々の心の闇を次々と歪めて弄んだ、とんでもない悪党がな。」

「!?」

その言葉に真っ先に驚いたのはまどかだった。

もじもんたちが言っているのは、自分たち「魔法少女」たちの運命を決めた存在…。

そう、“アイツ”の存在だ…!!

「さあ、出てくると言いでヤンス。人々と共にこの時間を見てきた少年。」

ときおの視線は、後ろの柱のところに向けられている。

「…………あ〜あ、さすがにばれちゃしょうがねえか。」

するとその言葉と共に陰からシードピア歴史の真実を知るあのツンツン頭の少年が現れた。

「お前は、鷲悟!!」

ジュンイチの兄である鷲悟だ。

「よっ、久しぶりだな。それにしてもお前たち、相当の災難だったな。」

「こんなの平気だよ。でも‥‥いったいどうして?」

「なに、真実を知るためには、奴らに直接会ったほうがいいと思ってな。そうだろブレード!」

そういって柱の陰から現れたのは3つの影。

いずれも、過去のシードピアクライシスを知る者たちだった。

“ブレード”“マリア”、それに“武内椿”。あの戦いでGUNDAMの第2適合者として訪れた2番隊のメンバーだった奴らだ。もっとも俺達が封印を行った後は、姿を消したはずだからな。」

「悪いな。シードピアが平和になっていた後も、さらなる悪しき者を狩る為に色んな世界を渡り歩いていたものでな。」

ブレードと言われた青年は自嘲気味に今の状況を明かす。

「でも、いったい何のために…?」

アキッキーの一言に対し、ブレードたちはその目つきを変え、氷の塊を取り出す…!

「…苦労の末にやっと捕まえたぜ。」

「さあ、よく見てみなさい!!」

「これがあなたの運命を狂わせた、“真の元凶”よ!!!」





―――パキャアァァンッ!!!

「っ!!!」






椿が持っていたハンマーで氷を叩き割ると、中から白い姿をした1匹の“動物の皮をかぶった悪魔”が現れたのだ…!







「―――キュゥべぇ!?」



---to be continued---


☆あとがき

やっと書けたあああぁぁぁぁ!!!(大泣)

もう正直、何度も心が折れましたが、続けたいという一心でようやく完成させることが出来ました。

さて、ようやくアキッキーと電我が新世代のゴーカイジャーとなり、僕が前々から書きたいと願っていた反撃の瞬間が近づいてまいりました!
しかし、キュゥべぇが絡んでくる今、彼に対する怒りの鉄槌を思いっきりぶつけたいと思うのも事実。
…というわけで、今後の展開でキュゥべぇに対するフルボッコを敢行させていただきます!
(……それ、日頃の鬱憤に対する八つ当たりじゃない?)







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