Phase215 FWパニック・CONCLUSION-Take15-
覚醒するP/赤き勇者のbodhi(覚悟)とresolve(決意)〜Believe in my existence〜


亜空軍に操られたとはいえ、仲間であり愛する存在をその手にかけようとした撃谷電我と綾瀬裕人。

円環の理として世界を見守ってきた、古の魔法少女・鹿目まどか。

彼らの胸中に、言い知れぬ心の傷と後悔の念が積み重なっていた……。





………本当に人間という存在は脆いモノなんだね。

自身の中で大切な存在を自分の手で傷つけただけで心が折れ、一方は自ら選んだ運命に後悔している。

そんなに“愛するもの”というのが君たちにとって大切なのかな…?

ボクには到底理解できないものだね…。

でもまぁ、もし君たちが本当にその人たちを守りたいって願うなら……、ボクが力になってあげるよ?






そんな3人の脳裏に悪魔のささやきが響いた、次の瞬間―――。











「……しっかりしろおォッ!!!!!!!!!!!!」
――バシッ!ビシッ!!パアァンッ!!!!!!

『!!!???』

「「「………!!!」」」








失意しかけた3人を現実に呼び戻したもの。

それは、見るに耐えかねたのだろうアキッキーの怒号と、自分たちの頬を彼が力強く叩いた音だった…!

「ア、アキッキー!?」

さすがにこの状況は想定外だったのか、大和は慌てふためく。

「お、おい!お前、大丈夫か!?」

「落ち着け!1度冷静になるべきだ!」

見かねたレオとタスクが彼を止めに入ろうとするが……。







「ボクはもう……、こんな闇に囚われる状況に振り回されたくない!」

『―――!?』




アキッキーの怒りは別なところにあったのか、彼の一言に驚く一同。

「長い歴史の中で……、ヒーローやヒロインたちが戦ってきた歴史の中で…、“どうして生きていくのか!?”と納得できないのに、いきなり悪魔を相手に戦うのか!!!???」

「おい、ちょっと…。」

「シッ!黙っていて。」

「彼の話を聞いてみましょう。」

「…あぁ…今は、アキッキーの意見を聞くべきだ。」

アキッキーの話を止めようとする剛だったが、何かを察したアムとセラが彼を引き止める。

そして操も、アキッキーの言葉に何かがあると感じ取り、そのまま彼の話を聞き続ける……。



「知らなくちゃいけないんだ!ボクの戦う理由…それが何なのか…!相手が何を考えているのか‥‥!どうしたらいいのか…!それがどんな奴なのか……!!」

『…………。』

言葉が出なかったのか、3人はアキッキーを見つめることしか出来ない…。

「怖いから目を背けるんじゃないっ!ボクは…相手を知ろうとせずに逃げることが一番怖いんだ!!!」

「アキッキー、お前は…」

「キリト君……。」

返す言葉が見当たらないキリトとアスナ。

「先輩…。」

「……。」

ハルユキも黒雪姫に返答を求めるが、彼女として答えが浮かばない。







少し前までのボクがそうだった!!

仲間を心配するチーフやソラ、
ダイスケたちのお人よしすぎる優しさも、
空課長がすぐ怒って鉄拳制裁してきたときも、
アスミンさんと甜歌ちゃんや愛実ちゃんがいつも口論していた時も、
レッドさんやゴルゴさんがつまらないギャグを見せてくれた時も、
セイコーさんが難しい言葉で投げかけてくる時も、
キラ君やトーヤ君が黙ってコンピューターで黙々黙っている時も!

訳が分からなくて怖かった!

だから最初は逃げていた!!






「でも、今は違う……!!!」

「‥‥‥‥。」

仲間のことに声を荒げるアキッキーと何も言わず黙り続けるマーベラス。

彼もまた、アキッキーの胸のうちにある“決意”を感じ取っていたのだ…。







チーフと、ソラとダイスケは背中を任せられるボクの盟友だ!

空課長とアスミン、甜歌ちゃんや愛実ちゃんは、ピンチのボクの前に立ってくれるほどすごく頼りになる!

ゴルゴさんやレッドさんは、落ち込んでいるときも笑わせて元気にしてくれるほど賑やかで楽しい人たちだ!

セイコーさんはチームのバラバラになっていた人々の中心となって、みんなをまとめてくれる頼りがいのある人だ!

キラ君やトーヤは物知りで困ったことの相談に乗ってくれる!!

それだけじゃない!

シン君とシンク、一夏や弦太郎くんだって、今は大事な友達だ!!

アミタちゃんやルナマリアちゃん、チンク達ナンバーズのみんなや春香ちゃんは、妹思いでいいお姉ちゃん達だ!

Jや番場隊長、烈さんやダイゴさん、ダンテツさんは変わった面もあるけど本物のヒーローみたくカッコイイ人たちばかりだった!!!

……みんな、ボク1人が困っているときに手を差し伸べてくれたからこそ、ボクたちがみんなを知ることができた!!

知らないってことは不安なんだ!

………………ボクね…怒っているんだよ…。

でも、いろいろシードピアでの戦いを見てきて来て今わかったよ…。

ボク自身が戦って…関係ない人たちを巻き込んで、“ごめんなさい”って悪いことで改心した人も必死で謝っているって…、それでも‥‥みんなのことが好きになれない!!

でもボクがすることがわかったよ…。



あいつを…ほむらちゃんを…引っ叩くッ!!!

絶対に引きずり出して、引っ叩いて、
悪魔に魂を売り渡した心の奥底で『ごめんなさい』て言えるように引っ叩いてやるから…!!

だからボクが…今ボクが望む事‥‥それは…―――!!!!



悪を倒して人々の大切なもの守る力――!!!!!



そう……夢をつかみ取る力だ!!!!!!!








“欲しい夢を自分の手で掴みとる”―――。

人間の心理の奥底にある想いとも言うべき強さであり、行動理念でもあるその力…。

ゴーカイジャーにも通じるその言葉に、マーベラスは感慨深く笑みを浮かべる。

「そうか…そうですよね!」

その時、十数秒間の沈黙を破り、ふと光実が口を開く。



「僕もかつて、力を求めすぎたために心を歪ませ、その果てに大切な人を失い、力に溺れて暴れまくったけど…、友が…大切な人が僕を止めてくれた。」



すると他のメンバー達も口を開きだす。



「俺だって、道を示してくれた友がいる!あいつは、己以外の弱者を甚振る冷酷な奴だったが…、あいつがいなければ、乱暴な奴を止めることができなかったし、何より己の道を進んで相手を止められる揺るがない強さがあった…!俺は、そんなあいつの心を信じていったから進んでいけた!!」

自分の信じる強さと、それに共感する仲間を守るために拳を極めた男・ザック。



「確かに。俺も、昔大切な友を失ったときは怖かった…。でも、大切な仲間や凰蓮さんと出会えた時、俺も夢を探して、生まれ変わることができた!!」

「C'est juste(そうよ)。昔、傭兵だったワテクシ達も、彼らのおかげで自分たちの進むべき道を教えてくれたわ。おかげ大切なパートナーに出会えたんだから!」

武器と職を手に持ち、双方で戦い続けた城ノ内と、彼らと共にヘルヘイムの死線を潜り抜けた師匠・凰蓮。



「俺も、戦いのために道を踏み外すこともあったし、ついには自分の弟と刃を交える時もあった。だが、生まれかわれる道と交わった時、人は新たな変身することが出来、過ちをやり直すことができる!!」

出会いとすれ違いと別れを繰り返し、周りに翻弄されながらも、己の信念を最後まで貫いた貴虎。



「俺は仮面ライダーであるうえ、1人の警察官だ。最初は何回も敵を倒してきたさ。でも、1回、俺と同じ存在を知ってわかったよ。かつて俺の倒した奴らも、最後には俺たちと和解して共に歩む道も作れた!!」

市民の生活と笑顔を守るという使命を胸に戦い続けた、泊 進ノ介。



「かつて俺は自分のコピーに成り代わったことがある。最初は敵として戦う存在だった。だが、もし今再び巡り合えた時、自分の中のわからなかった悩みを知って大切な友達と言える存在となれたかも知れない!」

己のコピーが敵として、味方として戦っていたことを知り、その存在と共感していた狩野洸一。



「私だって、“あの事件”で娘が仮想世界に囚われたことを知って、自暴自棄にもなりかけたわ。…だけど、痛みを感じる娘の本当の心を知り、明日を信じる力を手に入れて、やっと娘と再会できることができた!!」

己の価値観を悔い改め、ようやく娘と向かい合うことが出来た結城京子。



「僕も京子さんと同じで、自分が仕出かした罪が原因で1度は闇に捕らわれそうなときがあった。でも、僕を心から慕うあの子の力で僕は可能性をつなぐ光の力を手に入れた。今度こそ一緒に進みたい!宝石のように輝く笑顔を守るために!未来への扉を開けていくために!!」

その心に一人の女性の姿を映し、彼女のために生きることを誓ったプリンス・カナタ。



「私だって以前、敵のせいで闇に捕らわれる時もあったわ。でもあなたの怒りを知って、改めてわかったの。たとえどんなに闇に堕ちても、強く優しく美しい心の力で踏み出していく、私はそうやって何回も闇を振り払ってきた!!」

巨大な闇に立ち向かう友のために、その夢を支えるために、彼女たちを支えてきた七瀬ゆい。



「たとえ何度倒れても立ち上がっていけばいい。変わらない強い意志だって明日への絆になることができる!!」

迷いそうなときに、いつでも光を示してくれた仲間たちのために戦い続けた、クレナイ・ガイ。



「そうだな…。大勢の生き物たちが生きる俺たちの世界で、俺やみっちゃんが、彼ら4人の仲間たちが集まって、世界を守る1つの群れが生まれたんだ!!」

動物を愛し全ての動物を共に生きていくために決意を固めた大和たちジュウオウジャー。



「俺も…かつて悪魔の余計な策略に引っかかって何度も苦痛に感じたことがあった。だがアキッキーの言葉でわかったぜ。ダチを…、“絆”を大切にしてりゃ、どんな事件にも追跡して撲滅してマッハで事件を解決させることができる!アキッキー、俺は乗るぜ!!」

過去に受けた悲痛な出来事を克服していき、最後に自分の道を進んでいく決意を固めた詩島剛。





確かに、俺も数年間”あの事件“で意識を失っていることもあったし、何度も地獄のような光景は見てきたさ。

でも、絶対に再び会おうと約束したアスナや、A.L.O.で分らないことを教えてくれた直葉。

大きなトラウマにあっても戦って進んでいけたシノン、病を抱えながらも前向きで笑顔でいられて、生きる希望を見つめてきたユウキ。

そして俺とアスナの大切な娘として、電脳世界で生きて行って、いつか本当に3人で歩いていきたいユイ…!

大切な仲間が…大好きな家族がいたから、俺はここまで歩んで行けたんだ!!




様々な電脳世界のゲームの中で出会いと別れを何度も経験していたが、そのゲームの中で共に肩を並べあい背中を預け、時には幸せなひと時を歩いて行きながら自分の道に進むことを決めたキリト。



「あたしたちも、キリト君には何度も助けられた。そして、これまでも何度もあなたを助けてあげた…!」

「絶望に立たされたときでも、お兄ちゃんが何度もあたしたちを奮い立たせてくれたから、ここまで戦うことが出来たんだもん‥!」

「キリト…、心が挫けそうなときには頼れる仲間がいるってことを、あなたは私に教えてくれた。だから、私自身の過去と向き合えたのよ。」

「ボクだって、一人ぼっちだった寂しさを、キリトとアスナが何度も埋めてくれた…。あの世界でみんなに出会えたから、ボクはここにいるんだよ。」

「プログラムでしかなかった私を、娘として迎えてくれたパパは、私のたった一つの誇りですから‥‥!」

そんな彼にずっと歩いていく決意を固めたアスナ、リーファ、ユウキ、シノン、ユイ。



「俺も…小さなときはいじめられていたけど、今は先輩や大切な仲間たちがいたし、広い世界を羽ばたいていけそうな気持ちになれた!!」

「そうだな。この時間が長くずっと続いている永遠の時にずっと生きてきた。だが、ハルユキ君や仲間たちとともにまた歩んで行ける、そして今度は新たな道を歩んで行きたい!!」

長い時間の世界の中、本当に歩く道を見つけその道を進んで行こうと決意したハルユキと黒雪姫。



彼らの本音を曝け出した“覚悟”の言葉は、傍観していた悪魔にとって全く予期すらしなかった決意の言葉だった…。



「ボクたちは、どんな絶望的な状況になっても、自分の道を切り開く!そして、その夢を守るために戦う……!」



―――君たちは、今、どうしたいんだ…?



「俺は‥‥。」

「俺達は‥‥。」

「私は‥‥‥‥。」



………悪魔の誘いを受け、光を失う様子を見せていた電我、裕人、まどかの3人。

しかし、戦士たちの決意とアキッキーの言葉を受け、その目に光が戻ってきていた…。

そしてこの状況が、悪魔に予想外の事態を引き起こしていった。







これは……なんということだ!?

彼も諦めることは全くない!?



それどころか、彼に歩み寄った人たちも諦めることがないではないか……!!??



彼らの心の中にある物……こ、これは!!??







獣達が戦い、生きていくための“本能”――!?





繋がっていくための、融和の“絆”――!?





作り、生み出していくための、進むべき“風”――!?





技術の中で生まれる、希望の“炎”――!?





そして…愛する者が受け入れ、歩んでいく“光”――!!??







ま、まさか……!

これが噂で聞いていた、シードピアの歴史の中で最大のものとされている大いなる力……。

“真化”の力なのか!!!???












―――チャキ!
「ッ!!!??」








ふと、謎の声の主の背中に一本の刀が突き付けられた。

「特S級重要次元犯罪者、“キュゥべぇ”だな?」

「私達と一緒に来てもらおうかしら。」

そこには、武器を突きつけた一人の男と、巨大なハンマーを持った1人の少女が立っていた。

(こ、これは…マズイ!)

キュゥべぇと呼ばれた存在、状況不利を察して直ぐに逃亡体制を―――。





―――カチン!!
「なっ!!???」






……とろうとした瞬間、即座に己の体が凍り付いた。

「大丈夫。あんたは私の“霊器”で完全に凍りつかせたから。」

現れたのは、手に水晶玉のような道具を持った1人の少女。

彼女の魔法のような力が影響しているようだ。

「おっ、どうやら向こうが解決するみたいだぜ。」



……尚、彼ら3人とキュゥべぇの今のやり取り、当人たち以外には一切見えていなかったことを補足しておく……。







「みんな……ありがとう。」

さて、ガイたち9人の決意の言葉に後押しされたアキッキー。

自身の中で今まで以上に心強い同士が出来たことに、感謝の言葉を述べた………。









―――――キラァン!!!!

『!!!???』










突然、アキッキーの懐から光が…!?。

彼は慌ててポケットをまさぐり、そのアイテムを取り出した。

「ブランクキーが!?」

輝いていたのは、カレンやトリン達と渡された時からずっと持っていた、6本のブランクキーだった。









「よくぞ言った!!赤き勇者よ!」

―――!!!!!










その謎の声とともに、ブランクキーの輝きは強くなり、その瞬間、アキッキーたちの姿は消えた……。



その直後、先ほどキュゥべぇを捕らえた3つの影が降り立った。





「おっと、会うのが早かったかな?」

「もう、早く来すぎたらいけないんだし。」

「それよりも早く引き渡さないと、さっさと捕まえた“コイツ”の扱いもめんどくさそうだし。)

「そうだな。じゃあさっさと行こうぜ!“マリア”、“椿”!!」

「「OK、“ブレード”!!」」





そういって3つの影は、再び姿を消した………。































再び舞台はアドラメレク。

ネクロムとジュウオウバードが参戦したこの一戦。

その戦いは、いつの間にか巨大甲板上に舞台を移していた。



<GUN!>

―――バン!バン!バン!




ガンモードに切り替えたルパンガンナーを撃つルパン。



<TENGAN!“GRIM”! MEGA UL-ORDER.>

<(♪〜)FIGHTING-PEN!!>




一方のネクロムは、幻想的なイメージの音楽と共に“グリム魂”にフォームチェンジ。

両肩にあるペン先型の装備“ニブショルダー”を射出、エネルギーチューブを自在に操って攻撃する。

「相楽くん、援護するぞ!」

――ジャラジャラジャラ!!!

それに続いて、ZXが“マイクロチェーン”を取り出して投げつけ、亜空軍の怪人たちを次々と拘束していく。



「シュリケン変化!!!」

<ニンジャアアァァッ!>




変わってこちら、好天が“忍者一番刀”を使ってアカニンジャーに変身!

老人とは思えないほどの身軽且つ素早い動きで敵を翻弄する。



「「「タァ!!!」」」

――ズバズバッ!!!

「「グアッ!!」」




その隙を突いて、ジュウオウバード、ジライヤ、好天の同時剣撃が炸裂、ポカネとドミトルを着実に追い詰めていく。



<TENGAN!“SANZOU”! MEGA UL-ORDER.>

<(♪〜)SAIYU-ROAD♪>




勢いを感じたネクロムは、高僧・三蔵法師の力を借りた“サンゾウ魂”へとフォームチェンジ、同時に固有武器のガンガンキャッチャーを召喚した。



「このまま畳み掛けるぞ!」

『おうっ!!!』





<DAIKAIGAN!>

ネクロムはグリムアイコンをガンガンキャッチャーの手に装填、キャッチャーの形を銃モードに変形して構えた――!



<Tune!“Lupin Blade”!>

ルパンはガンナーに、固有アイテムの“ルパンバイラルコア”を装填、剣として構えた。

<Ultimate!>

その武器――“ルパンブレード”にエネルギーを充填、必殺技の体制を整える…!



<ザ・技!>
<なんじゃ?なんじゃ?なんじゃなんじゃ?♪>


さらにアカニンジャー・好天は、忍者一番刀の力をフルチャージ。



もちろん、それに続くかのように他の面々も必殺技の構えを取った。





<OMEGA FINISH!!>

<Lupin…Stlash!!>

「ZXキック!!」

「ライザースピニングスラッシュ!!」

「シュリケン忍法奥義!!“忍烈斬”!!」
<忍者一閃!!!>

「磁光真空剣・真っ向両断!!」


<ドカッ!!!!!!>

「グアアアァァァァァ!!!!!!」

―――ドッカアアァァァンッ!!!!!!






全員が放った一斉攻撃によって、怪人勢が大ダメージを受け吹っ飛ばされた!!

「ちょっと!!負けているじゃないのよ!」

圧倒的な攻撃にティラもさすがにうろたえた。

「大口を叩いてこのザマか!?責任を取れ!!」

さらにはレリウスも珍しく怒りの表情を仮面の奥から垣間見せ、ドミトルとポカネに厳しくあたる。

(くっ、負けてなるものか!!)

(ここで負けると“あのお方”に申し訳が立たない!!)


………ん?今、ポカネとドミトルが何か言ったような…!?

「こうなったら最後の手段だ!!」

「お前たち“コンティニュー”しなさい!!」

…と思いきや、二人は怪人たちに何やら金色のメダルのようなものを口に投げ入れたではないか!?











『グッ!!??グググググググググ‥‥‥‥ッ!!!!』



――巨大モンガアアァァッ!!!!!!!!!!!!

『どわあああぁぁぁっ!!!!???』












なんと、金色のメダルを飲み込んだモグラロイド、ブルブル、シオマネキング、スペースイカデビル、ヤマアラシロイドが一斉に巨大化したではないか!!??

この想定外の事態に一同もたじろいだ。

「こうなったらもうやけくそだ!ここをぶっ壊して野球場に作りかえってやる!!」

そんな野球仮面の一言と共に、巨大怪人たちがやけくそと言わんばかりに戦闘エリアに会ったあらゆるものを破壊し始めた!!

「うわっ!?」

ただし、敵味方お構いなしの大暴れということもあり、その被害はティラたちにも…。

「ちょっと!こっちまで被害が及んでいるじゃない!?」

大混乱になりかねないこの収拾の付かない事態。

ティラも混乱しかけるが……。

「ささっ、ティラ様。ここは危険でございます。レリウス様もこちらへ!!」

「ここがいないうちにさっさと脱出を!!」

いつの間にかポカネとドミトルが亜空間ゲートを開いて撤退の準備を整えていた。

「クッ…仕方ないわね!!」

気が進まない状況だが、しぶしぶティラはその誘導に従う。

「…フン、せっかくだ。連合軍ども、置き土産の代わりとしてこいつをくれてやろう!!!」

<MONSTER RIDE、“SKULL GOMORA”、“THUNDER KILLER”、“PEDANIUM Z-TON”>

そういってレリウスが出した、3枚のモンスターライドカード。

その中から召喚されたのは――!?





・全身に赤い角をはやした筋骨隆々な怪獣

・真っ黒なボディに、左腕に金属製の巨大な鉤爪を合体させたような怪獣

・発色するロボットのようなボディに、黒い腕と赤い爪が特徴的ないかにも屈強そうな怪獣






「きょっ…巨大な怪獣じゃと!?」

しかもそれまで見たことのない怪獣だったというからさらに厄介である。

「ついでに、こいつもおまけよ!!」

さらにティラは、コブラ、コウモリ、クモをそれぞれモチーフにしたミニカーを、懐から取り出し、まだフィールドに残っていた数体の素体ロイミュードに投げつける。

「グァ―――ッ!!!!!!」

すると素体ロイミュードたちは暴走状態になり体の一部が飛び出した姿へ変貌する。

「なっ、なんだよこれ!?」

「フン、せいぜい頑張るといいわ!!」

慌てる一同を尻目に、3人は亜空間のゲートへと撤退していった……。







(ふん…。どうせ亜空軍の戦艦の1隻なくなったところで、“あの方”にとっては対したことじゃねぇからな。)

(さて、次の計画に動きましょうか?)


――全ては蒼き清浄なる世界のために…!







意外な置き土産を残され手も足も出ない連合軍と、自軍の艦であるにも関わらず容赦なしに破壊活動を続けていく巨大怪人と怪獣たち。



――ドガッ!!
「キャァ!!」




その最中、崩れて落ちてきた瓦礫がダークネクロムピンクに当たり、その衝撃で彼女の変身が解けた。



――ガラガラ!!
「――ッ!!!!」

「危ないッ!!!」




その直後に容赦なく降ってきた瓦礫の第2波。

だが、クラスター・ジャドウがそこに割り込んで彼女をかばった―――!!!



―――ドゴゴゴッ!!!!
「グアァァッ!!!」




無数の瓦礫をその身で受けたことでブラックブートレグのスーツが破損、クラスターは元の姿に戻る。

その決死の姿にサチも目を見開いた。

「…ッ!どうして‥‥?なんであたしを庇ったの…!?」

「さあな…。だが、俺の守りたいものが一体何なのか…それを少し知りたいと思っていたからさ…。」

「……“守りたいもの”……」

――パリン!!!
「ッ!!??」


その時、彼女の中から何か砕けるような音が響き、封印されていた何かが脳裏に焼きついてきた。

「クッ……頭が……ッ!!!」

―――ガラガラガラ!!!
「「!!!!!!」」


その時、巨大怪獣たちの暴走によって、再び大量の瓦礫が二人に目掛けて降ってきた―――!!!







<DAIKAIGAN!“OMEGA CRUSH”!!>
「ハッ!!」

<BREAK!>
「あらよっと!!!」

「ジライバスター!!」

「ガマガマ銃!!」

「衝撃集中爆弾!!」

―――ドカドカドカアアァァンッ!!!








しかし、死を覚悟した二人の頭上で、その瓦礫が次々と破壊された。

「「!!??」」

その視線を動かすと、ZX、ネクロム、ルパン、ジライヤ、好天の姿が。

彼らが武器を使って自分たちの危機を退けたのだ。

「…なぜだ…?なぜ、我々を助けてくれるのだ!?」

敵方であるはずの自分たちをどうして庇うのか、二人には理解できなかった。

だが…。



「分からねえ。でも、俺たちの仲間が生きていると思っていた時こそ、知らねえうちに手が出ていたしな!!」

「それに俺たちが戦っていたらいつか、頼れる後輩たちに会えるはずだしな!」

「この老いぼれでも儂だって1人の忍。大切な息子や孫たちも無事でいるはずだ!!」

「たとえ孤独であっても、命ある限り戦い続ける…それが、仮面ライダーってやつだろ!!」

「………!!!」



“守りたいもの”をその心に映す彼らの言葉を聞いたとき、クラスターとサチの心の中に、何かが芽生え始めた……。

「やかましい!!!みんなまとめて地獄へ行っていイカ!!!?」

その時、スペースイカデビルが連合軍たちに止めを刺すべく、右腕の足を6人に向かって振り下ろしてきた―――!!!







―――ガキイイィィィンッ!!!!!

『!?』








一同は目を疑った。

敵と連合軍の間に強力なバリアが発生し、スペースイカデビルの攻撃を一気に防いだのだ。

「い、イカァ!?」

そして、その瞬間亜空軍の怪人たちに立ちはだかったのは…!?























「メリ〜〜〜〜クリスマァァス!!!」







「サ、サンタクロース!???」




---to be continued---


☆あとがき

「なんでサンタクロースやねん!?」…なんて思っている方がいるかもしれませんが、実はこれ、アキッキーさんが今回のエピソードを書くときに“どうしても導入したい”と言っていた、小ネタだったりしています。
サンタクロースの正体は次回のエピソードで早速明かされます。

ちなみに、『“サチ”と“サンタクロース”というのにも、ちゃんと“原典ネタ”が存在します。』…といえば、ファンの方なら少しはお察しがつくと思います☆







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