Phase206 FWパニック・CONCLUSION-Take6-
なぜ、2人の赤き戦士は戦わなければいけないのか?〜極限Dreamer〜


それは、『第2次テレヴィアンクライシス』と呼ばれたあの出来事が、歴史に刻まれたころ……。



レインボー・ガーディアンズとアンダー・ワールド・ファミリーの共闘によって、魔王の魂が再び7つに分かたれて封印された歴史的事件が、伝説として語り継がれていったころだった……。





テレヴィアの町並みや技術が発達し、テレヴィアの防衛の要であるレインボー・ガーディアンズの隊員が代替わりしていったのと同じように、アンダーワールドの王族たちも代替わりしていった。

特にアンダーワールドは、あの日以来、全ての光を無くし、文字通りの真っ暗な世界と成り果ててしまったが、数年を経て新たな灯りと動力源を手に入れた。

それは、不毛な大地の奥底からいつしか延びてきた不思議な結晶。

太陽の輝きとは異なる、しかし、純粋な輝きを放つ神秘的なものだった。

後にそれは“ビクトリウムクリスタル”と名づけられ、住人たちはその輝きと共に手を取り合って新たな生活を営んでいた。







だが、ある日を境にそれは絶望へと変わった。







魔王の力によって縮小された大地・プラズマプレートの反動による大地震によって、テレヴィアだけでなくアンダーワールドまでもが完全崩壊に見舞われたのだ。

その直後、間もなくして“虹の聖王”と呼ばれる存在によって大地は元に戻ったものの、もはやアンダーワールドは再起不能まで追い込まれ、多くの住人たちも地震によって帰らぬ人となった…。

さらに、テレヴィアとアンダーワールドを結んでいたトンネルも破壊され、唯一の国交手段を失ってしまったのだ…。

だが、そんな状況下の中でも、ビクトリウムクリスタルだけは輝きを失っていなかった。

その輝きが、一族の最後の希望でもあったのだ。

どんなに絶望的な状況に立たされても、この輝きがあれば未来に立ち向かっていける。





やがて彼らは一つの決意を固める。











―――新しい居場所を探しに行こう。











その決意を胸に、女王を始め、生き残った一族はアンダーワールド脱出計画を立ち上げ、新たな活動拠点となる大型母艦の建造に乗り出した。

生き残った住人たちの中に、アンダーワールドでの最高の科学者と屈指の技術者が数十人いたため、彼らが計画の先導者となっていったのが、不幸中の幸いだった。

母艦の動力はもちろん、ビクトリウムクリスタルの力を駆使した、プラズマエンジン。

外部の装甲には、テレヴィアの科学者一族が残した超合金・テレハルコンが使われた。

やがて完成したその艦は、“ビクトリウムフェニックス”と名づけられ、生き残ったアンダーワールドの住人たちと共にテレヴィアに別れを告げたのだった………。











「我らの先祖はその日を境に、自らを“A.A.A.リネージュ”と名を改め、プラズマ界を放浪しながら新天地を求める長い旅路に出たのだ…。」

「…そうだったんですか……。」

テレヴィアとシードピアの歴史を繋ぐ生き証人がまだ残っていた。

その事実にニコルは驚きを隠せなかった。

「しかし、まさかそのテレヴィアの勇者たちが時を越えて現れるとは…!」

その気持ちは、彼らと共闘関係を結んでいたブライトルーパーズたちも同じであった。

キサラ女王たちの先祖に当たる伝説の虹の勇者たちの、時空を超えた再来など、考えもしなかったのだ。

「ニコル・アマルフィよ、虹の勇者たちはシードピアにいるのだな!?」

「えぇ、間違いありません。ただ…。」

「?」

言葉を一旦区切ったニコル。

そう、今てれび戦士たちは、予想も付かない混乱の最中にあったのだ!





「そのシードピアは亜空軍の侵攻によって壊滅的危機に瀕していて、てれび戦士たちも苦戦を強いられている可能性が……!!」

『!!!!』





一刻を争う…!!

全員がそう感じ取っていたのは言うまでもない。







――ピイイィィンッ!

「!」








ふと、ゴーストの適合者として戦う純太の脳裏で何かを感じ取った。

「純太、どうしたの!?」

その状況に感づいた、彼の幼馴染・羽月ひかるが声をかける。

「今、英雄の魂の覚醒を感じた…!」

それを感じていたのは、ドールガンも同じだった。

『確かに。新たな英雄眼魂(えいゆうアイコン)が3人現れたようだね。』

「それって、どこなの!?」

「多分…、話に出てきた“シードピア”からだ!」

向かうべき理由が増えたようだが、いずれにせよシードピアに向かって彼らの手助けをしなければならないのは確かだ!

『諸君、話は聞かせてもらったぞ!』

そこに、やたがらす丸で待機していた麿長官が通信に入る。

『シードピアへの次元転移座標は、こちらのほうで計算を始めている。準備が整い次第、すぐに向かうぞ!』

その連絡を受け、女王が全員に号令した!







「よし、皆の者、配置につけ!これよりシードピアに急行する!!」

『アイアイサー!!』
「了解!!」
『Got it!!』




















































――ドドォォンッ!ズガアァァンッ!!



激戦続くメディアステーション、そこでは連合軍と亜空軍の全面対決が繰り広げられていた。

数で勝る亜空軍とは対称的に、連合軍はそれを一騎当千ばりの強大なヒーロースキルをこれでもかと言わんばかりにつぎ込み、次々に怪人や戦闘兵を吹き飛ばす!



――たああぁぁぁぁっ!!!!



その勢いの最大の活力とも言うべき存在・アカレッド=アキッキーも、全てのヒーローを引っ張る戦士として、これまでにない追い風を起こしていた。



――ドドドオオォォンッ!!

「ッ!!!!」




だが、その勢いをとめるものがいた。

それに阻まれたネプテューヌたちが後退する形でアカレッドのところに合流する。

「まったく、復活したばかりでこんな強敵って、ナイんじゃないの!?」

ネプテューヌがヒロインらしからぬ愚痴をこぼしているぞ!?

その彼女たちを追いかけるような形で、プリキュアや零児たちがこちらに合流してきた。

「ちょ、一体どうしたの!?」

「どうしたもこうしたもないわよ!」

「亜空軍の奴らが新手を投入してきやがったんだ!」

アイエフと零児の視線の先を向けると、それまで見たことのない怪人たちが数体現れていた!

それぞれが、“ラスト”、“ラミネート”、“ダイナモ”、“ヤンキー”、“エッジ”と名づけられた、亜空軍開発のオリジナルドーパント軍団と、“ケンタウロス座”の模様が体に刻まれたオリジナルゾディアーツだ。

その文字通りの新参者の怪人たちを率いていたのは、キバ=渡にとって戦いにくい存在だった。

「やばいぜ渡…、あいつがこんなところにくるなんて…!」

「大牙兄さん…!」

仮面ライダーサガこと、登大牙。

彼の実兄にあたる存在なのだ。

加えてもう一人、幹部クラスと思しき仮面ライダーが現れていた。

そのベルトには、3種類のメダルが治められており、青白い仮面と深い青の両腕、赤い足で構成されていた。

その邪悪な存在を、知っている者がここにいた。

「あれは…!仮面ライダーポセイドン!!」

「どうしてあいつがここに…!?」

先代のオーズとして戦った火野映司と、未来世界の仮面ライダーアクア=ミハルだ。

未来世界において開発された特殊コアメダルと、“ポセイドンドライバー”と呼ばれる変身ベルトで変身することが出来る悪の戦士として誕生したポセイドン。

その強さは、経験者である二人が充分に知っていた。



――ドガアァァンッ!!

『うわああぁぁぁぁっ!!!!』

「ッ!!!!」




そこに、別方向からの攻撃を受けた面々がアカレッドのところに飛んできたのだ!

「みっ、みんな!!」

直後に悪寒を感じたアキッキー、視線を真正面に向ける。

そこには、仮面の海賊を筆頭に敵意をむき出しにしていた、イービルライダーズたちの姿があったのだ!

「いててて…、とんでもない相手にぶつかっちまったぜ…。」

「あいつら、いつの間にかパワーアップしていやがる…!」

アスミンとシンがダメージを負いながらも立ち上がるが、相手側の猛攻に苦戦を強いられていた。



――ジジ、ジジジッ、ボオォォンッ!!!

「きゃあぁっ!!!」




なんとここで、春香の装備していたG3-Xシステムが破損!

イービルライダーズの強化された攻撃によって、蓄積ダメージの許容量を大幅に超えてしまい、システムがオーバーロードしてしまったのだ!

「春香さん!」

「そんな…、G3-Xが壊れてしまうなんて…!」

彼女の唯一の力の拠り所が失われてしまった。

この戦力減少はあまりにも痛い…。





―――スッ

「……お前らは下がっていろ。」






すると、仮面の海賊が声を発し、ゆっくりと前に出る。

「「!?」」

ふと、すぐ近くで戦っていたフローリアン姉妹の脳裏で何かが過ぎった。

“聞き覚えのある声…!?”

二人はそう思っていたのだ。

彼女たちの視線が、アカレッドたちの方を向く。

ややあって、仮面の海賊はその仮面に手をかけ、中から強い目つきを見せると―――。







「2代目の“アカレッド”、アキヨシ・エンリュウインだな…?」

「!!??」







「てめぇの強さを……、確かめさせてもらうぞ!!!」

―――バッ!!!!!!








その仮面を剥ぎ取り、携帯電話とレンジャーキーを取り出した―――!!!!!!







「なにっ!!??」

「まさかっ!!??」








その姿を偶然目の当たりにしたトリンとダイゴが眼を疑ったのもつかの間―――!







「豪快チェンジ!!」

―ガチャッ、ビキュウゥゥンッ!!!!

<ゴオオォォォカイジャーッ!!!!!!>








変身携帯モバイレーツでレンジャーキーの力を解放、真っ赤な海賊戦士へと変貌した!!!!

『…………!!!!!!!!』

目の前で何が起こったのか理解できない――。

おそらく、その光景を目撃した連合軍一同はそう思ったかもしれない。

だが、これは現実だ…!

誰もが予想し得なかった、“史上最強の海賊”が姿を現したのだ…!

フローリアン姉妹とトリンは、大混乱の中で、彼の名を叫んだのが、その証だった…!!!







「そんな‥‥!?」

「嘘よ…信じないわよ!」

「なぜだ…!!なぜお前がここにいるんだ…!!!」




――キャプテン・マーベラス!!!!!!












そして、その光景をキャプテンシャーク内で見ていたワルターとシリアスも…。

「兄上、あれを!!!」

「クッ…、これは最悪の状況だ…!」

敵同士となってこの戦場で再会することになるなんて…!

一体、あの後の彼らに何があったと言うのだ…!?





「……あれが、初代アカレッドの後継者…!」

死んだと思われた相手が生きていた――。

スーパー戦隊の後継者が、自分の目の前に立っている…!

アキッキーとて目の前の光景が信じられなかった。

「どうして、あなたがここに…。いや、それよりも、なぜボクと戦わなければいけないんですか!?」

「そうよ、マーベラス!一体どういうつもりよ!!」



―――バンバンバンッ!!!

「きゃああぁっ!」

「キリエっ!」




ゴーカイレッドのゴーカイガンが火花を拭き、キリエがダメージを受けた!

「外野は黙ってろ。」

「!!?」

「今の俺の相手は、アキヨシ・エンリュウイン、お前だけだ!」

そのゴーカイサーベルの切っ先は明らかに自分に向けられている。

仮面の奥の瞳は窺い知ることは出来ないが、問答無用と言う雰囲気があるのは確かだった。

「おい、バディ…どうするよ…。」

思わぬ流れになってNEXTも困惑するしかなかったが…。

「…NEXT、しばらく黙って、隠れててくれ。」

「え?…で、でも…。」

「言うとおりにするんだ。あの人は、本気だ…!!」

意を決したのか、アキッキーは立ち上がり、自分の武器を両手に構える。

「その挑戦、望みどおり受けてやる!」

「へっ、そうこなくっちゃな…!」

やがて二人は構える。

その気配に合わせる形か、周りの連合軍と怪人たちも身構える。

その恐怖にも似た悪寒を感じた春香は、巻き込まれてはまずいと離れようとしたが…、既に遅かった。





―――ド派手に行くぜッ!!!!!!!!

―――ドドドドォォォッ!!!!!

『うおおおおぉぉぉぉぉっ!!!!!!』






爆発音が響き渡り、連合軍と怪人軍団が四方八方で突撃していき、戦闘が再開された。

その様相はさながら、ルヴェラの“レンジャーズラグナロク”の再来を思わせるものだった…!!!

























「まさかこんなことになるなんて…!!!」

現場の様子を見ていたユグドルシオン・メインブリッジ。

各種戦闘地域の混乱の沈静やデータ収集、覚醒したヒーローたちの情報共有など、“スピリット・オブ・レンジャー”との通信を交えてやり取りを繰り返していたが、仮面の海賊=キャプテン・マーベラスのいきなりの登場によって事態は一気に変貌した。

海賊のスーパー戦隊ヒーローが亜空軍として現れようなど、誰も推測していなかったのだ。

「ちょっと!ゴーカイジャーってもしかして、あの船の元の持ち主なんじゃないの!?」

『そんな人がどうして亜空軍と一緒に!?』

しかもよりにもよって、自身の実質的後輩に当たるアキッキーに牙をむいてきたというからさらに混乱!

どうしてこんなことになってしまったのか…!?

「とにかく、今はこの状況の打開が最優先よ!このままじゃ私たちまでやられてしまうわ!」

いかにヒーローの力が連合軍にあるとはいえ、さすがにここまで超絶的な大規模集団に囲まれて総攻撃を加えられたとあれば、いわゆるジリ貧に近い状況になってもおかしくない…!

彼らがやられてしまえば、非戦闘員であるこちらもいつ全滅してしまうか分からないのだから…!

そう、それはこの戦いの最大級の正念場が近づいている証拠でもあった。





―――ピピピッ、ピピピッ!

『!?』





その最中、サツキたちのいるスピリット・オブ・レンジャーにメール受信音が。

こんなときに一体誰が……と、サツキの頭の中で思っていたかも知れないそんな苛立ち。

しかし、メッセージを開封した途端、彼女の表情が変わった。

『………大丈夫よ!』

「…!?」





『まだ希望はあるわ!!!』









その瞬間、メディアステーション付近で次元ゲートのワープアウトが確認、“希望の光”が続々とこちらに向かっていった……!!!!!

























……唐突だが、こちらはバサラワールドの某所……。







亜空軍の総攻撃によって各所に黒い亜空間が点在し、その影響によって吸い込まれたあらゆる街。

生き残っている人々がいるかすらも怪しまれる状況。

そして、その世界を我が物顔で堂々と歩み続ける亜空軍の軍勢…。





「とりゃあぁぁっ!!!!」





その絶望感漂う光景を突き進む一人の少女がいた。

緑衣を身にまとい、首からは神秘のコンパス、両手にはボウガンを装備した金髪の少女。

まるで二丁拳銃を巧みに扱うかのように連射して敵を蹴散らすその姿は、暗闇を打ち払う勇者のような風貌さえ感じさせる。

「う〜ん…、えっと…。」

ふと、地図を取り出して色々と方角を確認しているようだが…。

「ここはドコ?」

…って、道に迷ったんかい!!??

意外とドジな少女のようだ。





―――ケケエエェェッ!!!

「!!!」






背後から敵影!!??

反応が遅れた少女は、襲い掛かってきたゴブリンに攻撃を受けそうになったが――!





「あぶないよっ!!!」

―――ズバババッッ!!!






横から一つの赤い影がゴブリンに襲い掛かり、装備していた短剣で攻撃―――





「妖魔、退散ッ!!!!」





一気に敵を蹴散らした。

「………!!!!」

その光景に目を見開いた緑衣の少女。

技の華麗さもそうだが、何より一番驚いたのは…。

「忍者だぁぁ!カッコいい☆☆」

現れたその存在の姿だった。

ボディラインがくっきりと浮き出るほどのぴっちりとした赤い装束と、腕と体に身を守るための最低限の装甲を、そして二本の忍者刀を背中に装備したくの一だったのだ。

おそらく、緑衣の少女と同年代と思われる顔つきと、金色の髪と髪飾りが印象的である。

「ふう、アンタ大丈夫かい?」

「はい、助かりました!」

無事を確認したくの一の少女、安堵の笑みをこぼす。

「あの、お名前を聞かせていただいてもいいですか?」

「あぁ、構わないよ。アタシはナツ。見ての通り、くの一って言う女の忍者だよ。」

「ナツさん、ですね?アタシはリンクルです。初めまして!」

握手を求めるそのしぐさと純粋な眼を持つあたり、どうやら敵意を持つものでも、“あの真っ黒な敵”の仲間と言うこともでもなさそうだ。

ナツはリンクルの真っ直ぐな眼を見てそう確信した。

それと同時に、何か親近感すらも沸いてくるような、そんな雰囲気を感じた。

「それよりも、こんな物騒な場所で一人でいるなんて、危なっかしいよ。」

「心配はいりません。自分の身は自分で守れますから。」

確かにボウガンを持っているからにはそれなりの戦いの心構えはあるみたいだが…。

「…っていうか、こんなところで何しているわけ。」

「あの、それなんですけど……。」

「?」











「……ここはドコなんでしょうか?」



「………………はぁぁ!!!???」












……思わず間抜けな声を上げてしまったナツ、まさか初対面の女の子にそんなことを聞かされることになろうとは……。





その後、ナツはリンクルから自身に関する詳しい話を聞いた。

彼女は“ハイラル王国”に程近い小さな村で生まれ育った少女だったのだが、王国が謎の魔物たちの総攻撃によって壊滅のピンチに見舞われたと言う話を聞き、祖母の形見であるコンパスを手に、王国を救うための旅に出発したとのこと。

しかし、目的地である城を目指して旅を続けていくうちに見知らぬ場所に迷い込んでしまったのだと言う…。





「……そ……そうなの…。」

その話を聞いてナツは頭を抱えたと同時にリンクルを哀れに感じた。

“コイツ、どんだけ方向音痴なのよ!?”…と。

祖母の形見のコンパスを首に下げて、地図を持っているにも関わらず、どうしてここまで見当違いに方向に躊躇なくいけるのだろうか…。

「でも、アタシはくじけませんよ!なんたって、勇者の生まれ変わり…のはずなんですから!このコンパスだって、きっとその証なんです!」

……この純粋な少女の言葉に、ナツは別の意味で泣きそうだった。

先立った彼女の祖母の苦労が忍ばれる、と言う奴なのかもしれない…。

ホントに勇者の末裔なのかと疑ってかからなければ付き合ってられない…。





……ん!?





ここに来てナツは一つの疑問に気づいた。

「ちょっと待って!!!!」

「は、はい!?」

彼女はリンクルに詰め寄った。

「アンタさっき、“ハイラル王国”の近くの村の生まれって言ったよね?」

「は、はい、そうですけど…。」

その瞬間、ナツはさらに信じがたい一言をリンクルに告げた。











「そんな名前の王国………全く聴いたことないわよ!!??

「……ふぇ?」












一瞬だけ二人の空間の時間が止まったかのような雰囲気になり、二人は直後に、お互いが持っている地図を照らし合わせた。

「あ、あれ?そっちの地図と私の地図…全然違いますね…?」

「そりゃそうじゃん、こっちが本当の地図。アンタのそれってまるっきり別モンじゃん、まるでココとは違う世界…………!?」

………その瞬間、ナツの脳裏である出来事が思い出された。

たまたま開いた異空間の力によって、自分たちの住む場所とは異なるところに流れ着いてしまった、忘れがたいあの出来事のことを…!

「…ウソ、でしょ…!?……これって、マジ!!??」





リンクルは自分たちの住む世界とは異なる別次元の人間―――。





リンクルの残念な性格以前の重大な問題が、ココに来て発覚してしまった……





「……?……どうしました?」

いや、リンクル、お前は黙ってろ!!!!!!

---to be continued---


☆あとがき

ついにゴーカイレッド=キャプテン・マーベラスがシードピアにド派手に参戦です!!!!
2代目のアカレッドにして後輩のアキッキーに対して牙をむいた彼の登場が、今後の展開に波乱を呼び込みます!!!

一方、バサラワールドの某所ではリンクルとナツが初登場!
純真な自称・勇者の少女と、コギャル風のくの一という異色のコンビ、後々彼女たちにもシードピアに合流してもらう予定です。
ただし、この展開はアキッキーさんに事前相談すらしていない、突発的な投入ですが。(苦笑)
……アキッキーさん、またまたすみません。








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