Phase205 FWパニック・CONCLUSION-Take5-
忍ばないN/反撃の狼煙〜さあ行け!ニンニンジャー!〜


――ズドドドオオォォンッ!!

――ドカドカドカアァァンッ!!!




ビクトリウムフェニックスの一行の戦いもクライマックスに差し掛かっていた。

内部の戦いは、せがた三四郎を始めとする謎の面々の介入によって事なきを得ていたため、残るは宇宙空間の巨大モンスターたちの排除を残すのみとなっていたのだ。

しかし、その宇宙空間でも意外な面々が登場していたことにより、戦局は大きく傾いていたのだ。







―――真覇!

「猛撃烈破!!」
「機神猛撃拳!!」




自らを修羅と名乗る二人の武闘派、フォルカ・アルバークとフェルナンド・アルドゥク。

二人の操る“双子の修羅神”、ヤルダバオトとビレフォールが、お互いにその髪をなびかせ、敵に必殺の一撃を浴びせる。

その姿は、荒々しき獣を思わせる…。







「必殺ぅぅ!!8710式龍虎射連打!!!」

まさに“番長スタイルのゴツいロボット”と言う呼び方がピッタリな青いロボット・Gバンカランを操るは、これまた番長スタイルの学生服を着こなす漢(おとこ)、ミチル・ハナテン。

どこからか取り出した“御意見無用(意訳:ツッコミ禁止)”と書かれた袋で敵を何回も叩き、最後に下駄型の足でケンカキックを繰り出すと言う、まさに戦いも番長スタイルであった…。

この男、敵に廻したら恐ろしくなりそうだ…。







「ライジングメテオ・インフェルノ!」

続いて登場したのは、真っ白で屈強そうな外見を持つロボット・大雷凰(だいらいおう)。

パイロットのトウマ・カノウはその強大な機体を操り、驚異的な格闘術で敵を圧倒する。







一方の面々は、歴戦の勇士のごときコンビネーションを発揮していた!



「必殺!!ゲートブレイカー!!」

ファイター・エミィの操る“Gサンダーゲート”の突貫攻撃で敵モンスター数体に体当たりを仕掛けると――。



「コード・麒麟!!この一撃にかける!!」
「さくさく……さくさく……いきますの。」
「行くぜ!カイザー・バースト!!」




アクセル・アルマーの操る“ソウルゲイン”、アインスト・アルフィミィの半身的存在“ぺルゼイン・リヒカイト”、ファイター・ロアの愛機“コンパチブルカイザー”が一気に必殺攻撃で畳み掛ける!







とにもかくにもこのスーパーロボット連合軍たちの破竹の勢いはとどまらず、清掃課が差し向けたモンスターたちが一気に大ダメージを受けて追い詰められていったのだ。



―――シュバババッ!!!



その横からモンスターに向けて攻撃する影。

視線を向けると、深い青色の特殊な形状の戦闘機が合計で4機飛来しており、援護射撃を行っていたのだ。

その戦闘機の名は、“クロムチェスター”シリーズ。

α、β、γ、δの計4機が存在する、ビクトリウムフェニックスの数少ない遊撃戦力である。

ふと、スーパーロボットたちのコクピットと、ウルトラマンXのエクスデバイザーに音声通信が入る。

「亜空軍と対峙するロボットたち、そして未知なる赤と銀のウルトラマンに告ぐ。私はディスタンスフォース所属の戦闘指揮官を務める、陣野義昭と申す。」

それは、ジャイロ機のような形状の隊長専用機“クロムチェスターβ”のコクピットからだった。

「貴殿らが亜空軍と相対する様子は見させてもらい、君らを我らの同志と判断した。我々も君たちの戦いに加勢させてもらう!」

ビクトリウムフェニックス内の安全も確保され、外部の援護が早急に必要と判断した上での出撃だったのだ。

その要請に、ウルトラマンエックスはサムズアップのサインで答える。

「手助けしてくれるっちゅうなら、お言葉に甘えさせてもらうで!」

「サポートよろしくお願いします!」

ロボットのパイロットたちもその要請を快諾した。

「よし、各機散開して援護射撃開始!!」

「α機・サクヤ、Got it(ガレット)!」

「γ機・ヒヨリ、Got it(ガレット)!」

「δ機・ゴウキ、Got it(ガレット)!!」

各機に搭乗するメンバーたちの同意の合図が聞こえ、4機のクロムチェスターは散開、攻撃を開始した。

まずはαがホーミングマイクロミサイル“スパイダーミサイル”を乱射、加えてγがマイクロミサイル“アビロック”を掃射して敵全軍に威嚇射撃。

その隙を突いたβが両翼部のメガレーザーを発射して追加ダメージ、さらにδが“クアドラブラスター”と呼ばれるレーザー砲を発射させてダメージを与える。



「エックス、僕らも遅れるわけにはいきませんよ!」

「あぁ、こっちもそろそろ詰めるぞ!!」

「俺も援護するぞ、エックス!」

甲板上で戦っていたエックスとビクトリーも、負けじと応戦。

未知のモンスターを相手に得意技と特殊能力を駆使して相手を蹴散らす。

そして、満身創痍になったモンスターたちを一箇所に集めた。

「今だ!Set into “HYPER STRIKE CHESTER”!!!

「「「Got it!!!」」」

次の瞬間、α、β、γの3機が縦列合体し、その上に変形したδがドッキング!

合体戦闘機・ハイパーストライクチェスターの完成である!

「アリサ、マナ、ビクトリウムキャノンの準備は!?」

「いつでもいけます!」

「エネルギーは既に充填済みだ。」

さらに、いつの間にかブリッジに向かっていた彼らの仲間も、最大の武器を既に準備させていた!

「それじゃ、そろそろ決めますよ、エックス!」

「見せてやるぞ、俺たちの必殺技を!!」

「よし、これでとどめだ!!」

その瞬間―――!!!





「ビクトリウムシュート!!!」

「ハイパーストライクバニッシャー、ファイアァァァッ!!!!」

「ビクトリウムキャノン、発射ああぁぁっ!!!!」

「ザナディウム光線!!!!」




―ズドドドドッ、ドッカアァ〜ンッ!!!!






人間たちとウルトラマンの合体必殺攻撃が1箇所に集中砲火し、その攻撃によってモンスターたちは全員爆散した。

「敵軍の反応全て消滅、増援ありません!」

内外問わず、亜空軍全員を退けることに成功した連合軍一同。







―――ヴィーッ!ヴィーッ!ヴィーッ!

『!!!???』








…と思った矢先の警報!?

「…前方11時の方角で空間転移反応。ゲート生成!」

アンドロイドの通信音声が全員に響き、全員が身構える…!

「おいおいおい、このタイミングでまた敵の増援かいな!?」

「空気読んで欲しいもんだぜ!」

ミチルとトウマがぼやきながらも武器を構える。







―――ビュワワアアァァンッ!!!!







やがてゲートが開き、内部から3隻の大型艦が現れた。

それは銀色のボディの鳥の形をしたものと、空母のような概観の戦艦、そして大きな屋敷を載せた奇妙な形の艦だった…。

「え…?なんだありゃ…?」

「亜空軍…とは違うみたいなの……。」

アクセルとアルフィミィも、予期せぬ来訪者に呆然…と思いきや。

―――ピピピピッ!

「大野リーダー、ようやくこちらに到着か。」

「陣野隊長、お待たせして申し訳ない。」

顔見知り!?…と一部の面々が思ったこのやりとり。

現れたのは、ディスタンス・フォースの独立部隊“ブライトルーパーズ”の一行だったのだ。

「諸君、来てもらってありがとう。早速だが、こちらに来て欲しい。情報を整理せねばならぬことがある。」

キサラ女王の通信音声を受け取った一同、今回の戦闘のことも踏まえた情報交換を行うことになった…。



















































所変わって、魔空監獄の“プリキュア墓場”に移る…。





「荒れ果てた街が続く次元世界・“ディヴァステイション”に…。」

「“アラガミ”と言う“神”を喰らうもの・“ゴッドイーター”か…。」

ナイツとベヨネッタは、つい先ほど自分たちのそばに現れた6人組から詳しい事情を聞いていた。









雨宮リンドウ――。

ソーマ・シックザール――。

アリサ・イリーニチナ・アミエーラ――。

香月ナナ――。

シエル・アランソン――。

アヤノ・クロシェット――。




彼ら6人は、もともと“ディヴァステイション”と呼ばれる荒廃した世界で、“アラガミ”と言う獣を狩る戦士・ゴッドイーターとして活動しており、常に死と隣り合わせの過酷で危険な任務をこなしてきた戦士たちなのだ。

ある日、いつものようにその討伐任務を遂行していたとき、いつの間にか見知らぬ空間に全員が飛ばされ、彷徨っているうちにここにたどり着いてしまったそうなのだ。









「でも意外だったわね。別世界に飛ばされた人たちなら、それなりに困惑したりすると思ったんだけど。」

そう、ベヨネッタの言うとおり、普段とは全く違う異世界に飛ばされたとなれば、どうすればいいものかと戸惑うはずなのだ。

ただし、“それ自体が初めての経験ならば”の話である。

「まぁ、以前俺たちはその流れを経験しているしな。」

「あれからもう数年は経っているものの、今となっては忘れられない出来事だったな。」

「私に至っては2度も体験していますし、もう慣れました。」

ベテラン勢の3人は既に状況を心得ているようだ。

「私たちも前にアリサ先輩と一緒に旅したよね。」

「えぇ。普段請け負っている任務では体験できない、驚きの連続でしたからね。今でも覚えています。」

ナナとシエルも、目にしたことの無い様々な世界や技術に触れたこともあり、その記憶はしっかりと残っているようだ。

…ただ、そんな状況下で置いてけぼりを食らっている者が一人。

「えっと…、一体全体、何がどうなっているの…?」

今回の件で初めて異世界の旅を経験することになった、アヤノだ。

彼女はディヴァステイションのゴッドイーターとして最近頭角を見せてきた若手で、これまでにも尋常とは言い難い任務を経験してきている。

しかし、当然のことながら、その故郷の世界以外の場所を渡り歩いたことなど全くなく、現在の一同の中で唯一、この現状に大混乱しているのだ。

「それに、別次元の世界って…、えぇ????」

…いや、大混乱しすぎて頭がパンク寸前のようだ…。

「アヤノちゃん、今の気持ちすごく分かるよ。あたしだって最初は何がなんだか分からなかったんだし。」

「でも、出来れば一刻も早くこの状況に慣れてもらいたいものです。おそらく、これからアラガミ以外の存在とも遭遇することになりますから。」

「そ、そうは言っても…、急には慣れないよ〜。」

ナナとシエルが彼女を落ち着かせようとするが、どうやらそうも言っていられないらしい…。





――ビュワワアアァァンッ!

「ひゃあぁぁっ!!??」

『!?』






その混乱を助長させるかのように、さらなる亜空間のゲートが出現、中から一人の女の子が現れた!?





「お!?」

「ぬ!?」

「え…!?」

「ありゃ!?」

「えっ!?」

「あれ?」







しかし、現れた女の子の姿を見て、一行は目を疑った。



・白みがかったようなショートヘアの金髪

・胸元がはだけそうな露出度の高い衣装

・アクセサリーと思しき「Σ」の形の髪留め

・身の丈ほどの大きさを持つ“見覚えのある”黒い剣のような武器

・右腕に装備されたこれまた“見覚えのある”赤い腕輪。




この姿、どう見ても…。

「もう一人の……わたし!?」

そう、それは言うなれば“数年前のアリサ”を体現したかのようなデジャヴ感満載の女の子だったのだ。

「いたたたた…。一体何がどうなって…、ん?」

するとその少女、目の前のアリサたちの姿を初めて目視で確認…したと思いきや、その一行をマジマジと確認するや否や……。





「あぁ〜っ!!!!!」

『!?』






いきなり大声で一行を指差したと同時に――。





「あなたたち、“ディヴァステイション”の神機使いでしょ!!??」

『!!!!!』






……え!?

しょ、初対面のはずなのにアリサたちを知っている!?

「えっ!!??ど、どうしてわたしたちを知っているんですか!?」

「フフフ、もちろんですよ。」

するとその少女、予想の斜め上を行く衝撃のカミングアウトを口にした!

「私、あなた方の住む世界の住人を先祖に持つ、彼らの子孫とも言える存在なんです。」

『えええぇぇっ!!!???』

…ってことは、実質的な未来の神機使い!!??

その血脈を持つ少女は立ち上がり、改めて自分の素性を名乗った。

「改めまして、私は“ゴッドイーター”といいます。私の先祖の異名からこの名前を授かりました。」

この少女の名前が“ゴッドイーター”?

なにやらややこしいこと極まりない名前だ…。

ここで、ナナが彼女に近寄って話を切り出す。

「ねぇねぇ、さっき『私たちの世界のご先祖様から』って言ってたけど…、キミ、どこから来たの?」

「“ゲイムダストリー”という異世界から来たんです。その世界のとある国で防衛隊を務めていまして…。」

この少女も異世界の人間なのか…。

さしずめ、“ゲイムダストリーの神機使い”と言ったところか…。

「しっかしまぁ、お前も全然動じないな。自分の故郷と全く違う場所に迷い込んだって言うのに…。」

「えぇ。以前、憧れだった私の先輩から、“生きることから逃げるな”と教わったので、どんな状況になっても恐れちゃダメだって思いまして…。」

その一生懸命で健気な性格、頼もしくも守ってあげたい雰囲気すらも感じさせそうだ。

「…それにしても…。」

ふと、ここでアリサが何やら口を開いた。

しかも、彼女の衣服や姿をまじまじと見ながら…。

「服装といい、武器といい、しゃべり方といい…何だか少し前の私を見ている感じがして、恥ずかしいです…////」

まるで鏡の中の自分。

そう思わざるを得なかったようだ…。

「えっと、そう言われても、私もどう返せばいいか…。」

その光景を見て、アヤノは頭を抱えた。

アリサが二人になった…というより、妹が増えた感じがする……という複雑な状況に…。







「ふ〜ん、そういうことでしたの?」

『!?』







またしても他の人間の声!?

一同が振り向くと、2足歩行戦車に乗った女性と、その仲間と思しき小型ロボットたちが。

「お久しぶりですわね、ゴッドイーターの皆さん☆」

「お?おめぇさん、確か…。」

「トロン・ボーンと、コブンたちか!?」

「ごぶさたしています!」

それは、ソーマたちベテラン勢からすれば見覚えのある面々だった。

かつて異世界を渡る旅に巻き込まれた際に、異なる流れの未来からやってきた空賊ボーン一家の長女だった。

「しばらく見ないうちに、雰囲気変わりましたわね。」

「ふふっ、私たちからすれば、3年前の出来事でしたからね。」

「あら?そうでしたの?」

“あの日”の出来事から3年経過するとここまで雰囲気が変わってくるのだろうか…?

印象がガラリと様変わりしすぎるような気がするが…。

「おーいトロン。」

「先に行かないでよ〜。」

…と、ここで背後から彼女の仲間と思しき4つの影が。

「あれ…?あの人たちって…。」

「どうやら、見知った連中がいるようだな。」

しかし、そのうちの後者は、大半にとっては顔見知りの存在だった。

「あぁ、イレギュラーハンターのエックスさんとゼロさん!」

「久しぶり〜。二人とも相変わらずだね〜。」

シエルとナナにとっても、二人と会うのは久しぶりだった。

「フッ、俺たちと同じく、どうやら面倒ごとに巻き込まれやすいらしいな。」

「全くだな。ソーマやリンドウもかなり雰囲気が変わったな。」

そんな慣れ親しんだ雰囲気を見たトロン、話が早くて済みそうだと感じていた。

「エックスたちでも見知った人たちがいるみたいですし、ロックとロールにも分かりやすく、掻い摘んで話すとしましょうか。」





――その後、数分間で手短に情報を共有するため、中略――





全員の話を聞いていたナイツとベヨネッタ。

なにやら納得したような表情だった。

「なるほどなぁ…。ってことは、ざっくりと話をまとめると…。」

「あんたたちは歴史が異なる未来のパラレルワールドから迷い込んできたってわけね…。」

……そう、“技術が驚異的に発達した世界”と、“荒廃した大地の世界”と言う違いがあるものの、彼らは実質上『未来の時間軸』ややってきた未来人たちということになる。

その面々がこうやって一同に会することは普通ならありえない…。

これも亜空軍の仕業と言うことなのだろうか…。







「お取り込み中すみませんが…。」

「何をやってんだてめぇらぁ…!」

『!!!???』







背後から声!?

全員が危険を察知して即座に距離をとる。

現れたのは、機械的な外見の黒い魔導師のような存在と、スマートなスタイルのピエロの青年だった。

「さっきからこちらのほうで話し声が聞こえていたので、気になって来て見たのですが…。」

「てめぇら…、一体どっからここに来たぁぁ!!!???」

紳士的な言葉をしゃべるピエロとは違い、魔導師のほうはかなり口調が荒っぽいようだ。

「この怪しげな雰囲気…。」

「さしずめ、この墓場の番人ってところね。」

リンドウとアリサの直感は、大当たりだった。

「おっと、自己紹介が遅れました。私は亜空軍の幹部・ジョーカーと申します。こちらは魔空監獄の番人の一人、ジャッジ・ザ・ハードでございます。」

「へっ、堅苦しい挨拶は抜きだ、ジョーカー!邪魔者はすぐに片付けるに限る!それだけだぁ!!!」

そう言ってジャッジ・ザ・ハードが手に持った杖を振りかざし―――。





「「「「「シュリケン忍法・金縛りの術!!!!!」」」」」

―――ガチッ!!!

「なッ!!!???」

『!!??』






何者かの介入によって動きを封じられた!?

さらに―――。





「シュリケン忍法・風の術!!!」
<ハリケーンじゃぁ!!>

―――ビュウウゥゥッ!!!

―――ズババババッ!!!

「ぬおっ!!!??」






これまたどこかから繰り出された突風で怯んだ隙をつかれ、一気に攻撃された。

現れたのは、忍びの装束に身を包んだ6人の男女。

そのうち5人は一振りの忍刀を、一人はエレキギター風の独自の装備を手にしていた。

「あら、ニンジャなんて今時珍しいわね。」

「確かに。だがどこか雰囲気が違うな。」

そう、彼らは普通の忍者と何かが違うのだ…。

「じいちゃんの指示でここに忍んでみれば、随分物騒なところに来たもんだな。」

「しかし、向こうの敵さんはあっしらの忍術を見破れなかったようでやんすね。」

余裕すらも伺えそうなこの忍者たち、ただものではなさそうだ…!!

「てめぇら…、俺に不意打ちを食らわせるとは、大した度胸じゃねぇか…!!」

かなりダメージが大きいかと思われた今の攻撃だったが、ジャッジ・ザ・ハードはまだ体力的に余裕を残しているようだ。

さすがにこれは雰囲気が悪い…。

全員がそう感じ取った、次の瞬間―――。





『……皆さん、私の声が聞こえますか…!?』

『!!??』






ベヨネッタたちとアリサたち、そして忍者たち全員の脳裏に女の子の声が響いた!?

振り向くと、墓場の中心と思しき場所に4人の少女がそれぞれ閉じ込められているではないか!?

しかし、よく見るとあの4人だけエターナルケージの形状が異なっている。

中心に禍々しい錠前が取り付けられているぞ…!?

さっきの声はもしや、あそこにいる女の子からか!?

『皆さん、ジャッジ・ザ・ハードとジョーカーのベルトについている鍵を取り返してください。』

“鍵”…!?

その言葉を聴いて、一行は二人のベルトをよく見る。

すると、確かに二人のベルトの両端に、男のものとは思えない可愛らしい形状の鍵が付けられている。

『その鍵を取り返せば、私たちはこの封印から逃げることが出来ます!どうか、私たちを助けてください!』

その言葉を聴き、全員の目つきが変わった。

その雰囲気を見て、ジョーカーとジャッジ・ザ・ハードはこれからの状況を察した。

「どうやら、我らとやる気みたいですね…。ならば容赦は―――。」





――シュバッ!!!!

『!!??』






言い切らないうちにジョーカーは何者かによって上空に放り出された!

その張本人は―――。

「ッ!!」

既にジョーカーの目の前にいた。

「ピエロさんよぉ、お前の相手は俺がやってやるぜ!」

悪夢の化身とも言うべき存在・ナイツだ―――。

その目元にはペルソナマスクを装備している。

「……1対1の空中戦ですか…!面白いッ!!!!

ナイツの挑戦状を呑んだジョーカー、すぐさま彼に向かって突撃、戦闘を開始した!!





同じ頃、地上では―――。

「忍者の皆さん、この場から脱出するためにご協力をお願いします!」

「もちろんだ!一緒に戦おうぜ!!」

アリサたちと忍者たちが共同戦線を快諾したところだった。

「よぉし、みんな!こっちもイケイケドンドンで行くぞ!!!」

『応ッ!!!』

6人の忍者たちはその言葉を合図にアリサたちの前に出て、謎の手裏剣を構える。



<アカニンジャーシュリケン!>
<アオニンジャーシュリケン!>
<キニンジャーシュリケン!>
<シロニンジャーシュリケン!>
<モモニンジャーシュリケン!>
<スターニンジャーシュリケン!>




前者5人は、それを武器の忍刀の柄の部分に、後者は懐から取り出したハンバーガー型のデバイスに装填する。



<ザ・変化!!>
<THE CHANGE!!>




そして全員がそれらを構えた、次の瞬間―――。



!!』
「シュリケンチェンジ!!」




装填した手裏剣を勢いよく回し、その瞬間、全員の姿一変した!!!





<アカジャー!>
<アオジャー!>
<キジャー!>
<シロジャー!>
<モモジャー!>
<ニンジャーッ!!!!!>
<スターニンジャー!WOW!!>




手裏剣型の仮面を装備した、6色の忍者戦士が姿を見せた!!



「なっ…!?」

「これは…!!」

さすがの一同もこれには驚かざるを得なかった。

「き、貴様ら、何者!!??」

ジャッジ・ザ・ハードが驚愕する中、現れた忍者の戦士たちは、名乗り口上を上げた!!!



「暴れて天晴れ!アカニンジャー!!

「轟け八雲!アオニンジャー!!

「きらめきの凪!キニンジャー!!

「ひとひら風花!シロニンジャー!!

「揺らめく霞!モモニンジャー!!

「彩りの星!スターニンジャー!!

「忍びなれども忍ばない!!」
「忍びなれどもパーリィナァイッ(Party Night)!!」

―――手裏剣戦隊!!!
ャー!!!!!!』






その姿、まさに忍者と表現するにはあまりにもカラフルすぎた未知なるヒーローだった。





「忍ぶどころか、暴れるぜ!!!!!!」



















































場面は再び、ビクトリウムフェニックス内。

キサラ女王らがいる謁見の間に移る。

先ほどの戦いで彼らの手助けを敢行し、窮地を救ったニコルと、偶発的に巻き込まれたマルキオ導師たち。

そして、戦闘直後に合流した第5やたがらす丸陣営の、大野と虎南、出川とあきえ。

さらに、謎のロボットに乗っていた一行が、ウルトラマンビクトリー=ショウの案内で、ここに通されていたのだ。

「皆さん、この度はご苦労様です。戦いに加わっていただいた一同にも、厚く御礼を申し上げます。」

一同の主であるキサラ女王が、代表して一礼する。

「お礼なんて言われるほどではないですよ。」

「お役に立てて、光栄ですの…。」

アクセルとアルフィミィがメンバーたちを代表して一礼する。

「私はキサラ。この艦・ビクトリウムフェニックスでプラズマ界をさすらう一族、“A.A.A.(トリプルエース)リネージュ”の女王であります。」

「「え!?じょ、じょ、女王さまぁ!!??」」

トウマとハナテン、彼女の素性を知って動揺。

おもわずその場で土下座した。

さらに、律儀にもフォルカとフェルナンドもその場で跪く。

「これは失礼をした。」

「女王とは露知らず、ご無礼を…。」

「フフ、そう堅苦しくなる必要もないぞ。」

立場的にいわゆる“一般人”と“主の従者”と言う雰囲気ゆえか、どうしても堅苦しくなってしまう…。

ふと、そんな彼らと偶発的に行動していたプレア、自分たちの傍にいたヒーローたちに目が留まる。

赤を基調とした和風のイメージの少年たち3人と、戦隊ヒーローを彷彿とする赤・青・黄の少女3人、そして幽霊を思わせる雰囲気のオレンジ色の戦士だった。

すると、彼の視線に気づいたのか、一行も彼の元へと歩み寄る。

「よぉ、お前は確か、あのウルトラマンと一緒に来たやつだろ?」

「え、あの…、そうです、けど…。」

戸惑うプレアに対し、彼らは変身を解除する。

「えっ!!??」

そこには、自分らと同年代の少年少女たちがいた。

「俺は茜純太。“仮面ライダーゴースト”として戦っている協力者だ。」

「あたしは花丘イサミ。新撰組のチームリーダーよ。」

観束総二。“ツインテイルズ”のリーダー・テイルレッドとして戦っている。」

その光景を見てプレアが真っ先に思ったのは、一つだけだった。

「えっと、純太さんとイサミさんに関してはなんとなく分かるんですけど…、どうしてソウジさんだけ、女の子の姿に…?

「あぁ…やっぱりそこツッコむ…。」

大体予想はしていたが…。

「まぁ、これに関しては、この変身アイテムを作った異次元人の趣味ってことで、それ以上は追及しないでくれ…。」

「はぁ…。」

ツッコミどころが満載だと思うのは、僕だけだろうか…。

プレアはそう思ったかもしれない…。

まぁ、それについては彼の意思を尊重するとして…。

「…ん?」

……変身アイテムを作った異次元人…!!??

ここでプレアは、先ほどの総二の言葉で気になるキーワードを思い出す。

「あの、ちょっと待ってください!」

『!?』

「もしかして、皆さんの変身アイテムも、異世界から授かった…って言うこと、ですか!?」

『!』

どうやらさっきの総二の言葉で少なからずヒントを与えてしまったようだ。

やがて一行はその事実を認め、自分たちがそれぞれ異世界の人間であるということを踏まえ、その経緯を語り始めた。







私たち新撰組はバサラワールドって言う異世界に住んでいて、この3つのアイテムは私たちのご先祖様から受け継がれてきた秘宝でもあるの。

この中には、“ルミノタイト”って言うロストロギアが込められていて、私たちはその力を解放することで変身することが出来るの。

私たちはその力で、突然襲ってきたあの亜空軍と戦っていたんだけど、バサラワールドの崩壊に巻き込まれて、私たち3人と他の仲間を除いて、みんなはぐれてしまって…。

それで今、この船でキサラ女王たちと一緒に戦っているって言うわけ。



俺と愛香と慧理那も、このプラズマ界の片隅の世界で暮らしていた平凡な高校生でしかなかったんだけど、異次元世界から来たトゥアールってやつにいきなりこのブレスレットを付けられて、さっきの女の子に変身しちまってさ…。

最初は成り行き任せでしかなかったんだけど、戦いを重ねていくに連れて、この世界を守りたいって言う想いが芽生えてきてたんだ…。

俺たちがあの亜空軍に出くわしたのはそんなときだった。

辛うじて仲間たちと一緒に脱出することが出来た後、新撰組とおんなじ理由で、この船に厄介になっているってわけさ。



俺の場合は、ひかるや仲間たちと一緒に色んな世界を放浪する旅をしていたときだったな。

たまたま立ち寄った世界でA.A.A.リネージュの連中と知り合ったんだ。

そいつらが得体の知れない連中に襲われているのを見て、すぐにそいつらの助けに入ったんだ。

そのときに、変てこな爺さんに出会って、そこでこのゴーストドライバーを受け取ったんだ。

その力で俺はみんなを助け、その成り行きでこの船の仲間として行動を共にすることになったんだ。







経緯と力を手にした流れは違えど、彼らも成り行き上で仲間になったと言うことで間違いなさそうだ……







一方、ニコルの目にふと不思議な壁画が映る。

真っ黒な円形の大地に巨大な城が聳え立つ画が。

見渡すと、周りには幾つかの壁画が飾られている。

考えてみれば、ここは女王の謁見の間。

彩るための画くらいは飾ってあるのは当然か…。

「!?」

すると、その中で目を疑うものを見つけてしまった…!!





「ええぇぇ〜っ!!!???」

『!?』






思わず驚きの声をあげてしまったニコル。

一同もいきなりの事態に驚く。

「そ、そなた、どうした?」

「あ、す、すみません…!」

キサラ女王もいきなりの叫び声に驚く。

「あ、あの、女王様、あの画は…!?」

「あぁ…。我々の先祖が虹の勇者たちと共闘し、魔王を打倒した後に描いたものと言われているそうだ。」

その話を聞き、ニコルは確信を持った。

























「僕……今、シードピアと言う世界で彼らと一緒に戦っているんです…!」

あの壁画に描かれた、“てれび戦士”たちと……!!!


























―えええええええぇぇぇぇぇ!!!!???









そのニコルの発言に、ビクトリウムフェニックスが大きく揺れた…。









そして、彼の指差した先には、テレヴィアのてれび戦士たちの肖像画が、混乱にゆれようとしている女王たちの姿を見守るように飾られていた…。



---to be continued---


☆あとがき

緊急停止前に仕上げることが出来ました、シードピア第205話。
ニンニンジャーとゴッドイーターちゃんの参戦や、A.A.A.リネージュとテレヴィアの繋がりの判明など、大幅な急展開を要しています。

さて、TOPページでもお伝えしていますが、こちらのリアルワールドでのプライベートの諸事情により、しばらくの間お休みを頂きたいと思います。
休み明けは、いよいよフュージョンワールドパニックの最大のメインイベントである、アキッキー大苦戦編に突入していく手はずになる予定です。


それでは、しばらくの間、お休みなさいませ……。








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