Phase202 FWパニック・CONCLUSION-Take2-
復活・戦乙女の再起動(リ・ターン) 〜Symmetric Generation〜
「なんで女の体に入っているんだあぁぁ!!!???」……と、大騒ぎしていたモモタロスたちだったが、蓋を開けて戦ってみれば…。
「お前たち、ボクに釣られてみる?」
『怪人は釣れない…。』
魔法と棒術の組み合わせて相手をけん制するタバサとウラタロス。
「俺らの強さは泣けるで!!」
『かかってきなさい!!!』
キンタロスの豪快な力で相手をたたき伏せるバルクホルン。
『フッ、このような大胆不敵な戦法も、悪くないな?』
「ま、答えは聞かないけどね☆」
銃撃を得意とするもの同士で、初めてとは思えないアクロバティックな空中銃撃戦を展開する、孫市とリュウタロス。
「堅苦しい戦法が目立つようだな。私がもっと優雅な戦いを見せてやろう。」
『戦いに優雅さなど必要ない!敵を倒すことに集中だ!』
性格が正反対ながらも、敵を次々と蹴散らすエクレールとジーク
「最初に言っておく。早くこの戦いを終わらせて、帰りたい!」
『それはこっちも同じ!一気に吹き飛ばすよ!!!』
デネブの愚痴を聞きながらも、敵に向かって突っ込んでいくディエチ。
「この体、意外と使いやすいな。」
『え?そうですか?私にはそうにも…。』
余裕が伺えるモモタロスの言葉に戸惑いつつも、剣をがむしゃらに振り続ける桃香。
この戦いで登場したイレギュラーな電王たちの活躍によって戦闘員と怪人たちが一気に一掃されつつあった。
「マナ〜ッ!!!」
『!!!!』
聞き覚えのある叫び声。
振り向けばそこには、金髪のロングヘアをなびかせた黒服の女の子と、その仲間たちが駆け寄ってきていた!
「レジーナ!みんな!」
ポワトリンの適格者として戦うレジーナ、実はマナたちと同じ時代からやってきた未来世界の住人だったのだ。
中でも友達以上にマナのことが大好きなレジーナ、やっと会えた喜びが大きく、はばからずにマナに抱きついた。
「無事でよかったぁ…!大丈夫だった!?」
「うん、レジーナも無事でよかった!」
そして、シャルルたちもマナたちのところに合流。
どうやらマナたちの仲間のようだ。
「ダビィたちも無事で良かったわ。」
「えぇ、かなり苦労があったけどね。」
さらにそこに―――。
「あぐりぃ。」
「ちょっと、危険だから待ちなさいよ!」
羽を生やした赤ん坊がやってきた。
それを追いかけるのは、765プロの水瀬伊織だ。
「アイちゃん!!」
「え?」
その姿を見て真っ先に反応したのはマナたちだ。
なんとアイちゃんもマナたちと同じ時代から迷い込んだ未来世界の赤ん坊だったのだ!
「アイちゃん、無事でよかったですわ!」
飛んできたアイちゃんを抱きしめる亜久里。
これでようやく全員集合となった。
「その赤ん坊、あんたたちのだったの?」
その光景を見た伊織が口を開いた。
「あなたがアイちゃんとレジーナたちをかくまって下さって、感謝いたします。」
亜久里のお礼の言葉に、伊織は思わず顔を真っ赤にしながらそっぽを向いた。
「べ、別にお礼を言われるほどじゃないわ。たまたまいただけなんだからね…!」
それにしてもこのやり取り…、“夢の競演”ととれそうでとれなさそうなのは、なぜだろうか…?
――ドカアァァンッ!!!!
『!!??』
…と、言っている場合ではなかった!
「ここは一旦下がりましょう!」
「異議なし!危険だもんね!」
目の前ではまだまだ激戦の最中だったのだ!
「ネプ子!とっとと変身してどうにかしなさいよ!」
戦線に加わっていたアイエフがネプテューヌたちに進言するが…。
「出来ないんだよぉ!あのチュウボウズとか言う怪人のせいで!」
「はぁ!?」
意外な言葉に間抜けな声を上げてしまった。
ノワールが攻略法を助言する。
「あいつのベルトのバックルを破壊して!そうすれば力を取り戻せるかもしれないわ!」
そう、つい先ほどシュリケンジャーから、攻略法のアドバイスをもらっていたのだ。
その言葉を聴いたディケイドとディエンド、サポートに打って出た。
「だったら俺たちが――!」
「道を切り開こう!」
<ATTACK RIDE、“ILLUSION”!!>
イリュージョンカードを使ってディケイドとディエンドが分身、一気に怪人たちをそれぞれの方向に引き寄せる!
その結果、チュウボウズへの一直線の通路が出来上がった!
チャンスは今しかない!
「たああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
全速力でチュウボウズに突進し、片手に装備したクローでまずは一撃!
そして最後に反対の手に持ったカタールでバックルに一突き!
――バキャァァンッ!!!
「ぬおっ!!!」
その攻撃でバックルを破壊されたチュウボウズが怯んだ。
「よしっ!」
ガッツポーズを決めるアイエフ。
これで力を封じられた面々の―――。
「……ヘッ、それでお札が壊れるとでも思ったか?」
「え!?」
「何っ!!??」
―バリバリバリバリィィィィッ!!!!!!
『きゃあああぁぁぁぁ!!!???』
これはどうしたことか!!??
お札とリンクしているはずのバックルを破壊したのに、再びネプテューヌたちの力が吸収されているではないか!!??
「ガ〜ッハハハハ!そう何度も同じ徹は踏まないんだよ!今回はこういうこともあろうかと、オレ以外の仲間が別方向からお札の力をコントロールしてもらっているのさ!」
なんとお札の力を操っているのはチュウボウズではなかったのだ!
「そ、そんな…!」
完全にこちらの考えを予測されたことに愕然とするアイエフ。
一方で、ディケイドとディエンドのイリュージョンの効力も途絶えた。
「油断してたね…、まさかバックルがフェイクだったとは…!」
「おいシュリケンジャー!事前情報と全く違うじゃねぇか!」
「Oh my…、こんなことになるなんて…!」
シュリケンジャーもこんな事態は全く予想しておらず、舌打ちするしかなかった。
「さて…、小娘よぉ…。」
――ビクッ!
ビビッたアイエフは思わず後ずさりするが…。
「今の一撃のお返しをさせてもらうぜ…、こいつらでなぁ!!!!」
<KAIZIN RIDE、“KAME-BAZOOKA”、“ZAN-KT2 the SHOOT”、“MIZARUSU”、“HAPPA-BANKI”、“OODUTSU-GUNSOU”>
重火器を携えた5体の砲撃怪人軍団が召喚された!
全員がまずいと思ったのも、既に遅かった!
「消し炭になりやがれええぇぇぇ!!!!!」
―ズドドドドオオオォォォッ!!!!!
―ドカドカドカドカドカアアァァァァンッ!!!!!
「――ッ!!!!アイちゃああああぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!!!!」
「……!?」
アイエフは違和感に気づいた。
あの至近距離からの一斉砲撃をまともに喰らえば、この体は消し飛んでいるはずなのに…。
自分はまだ生きていた。
しかも、目を開けてさらに仰天。
さっきまでメディアステーションにいたはずなのに、なぜか不思議な森の中…、傍には小さな滝もある…。
「ここは、ドコなの!?…わたし…死んだの…!?」
「うんにゃ、一時的に避難させただけ。」
「!?」
傍から聞こえた声に振り向くと、そこには一つ目の顔の白い幽霊が浮かんでいた。
「うわっ、お、お化け!?」
いきなり現れた幽霊の存在に驚きを隠せないアイエフ。
「そいつはユルセン。私の分身だ。」
「!!」
男の声?
振り向くと、そこには白髪の謎の老人の姿があった。
しかも滝の上にいる。
「あなたは…?」
「私は誰でもあって誰でもない存在。…まぁ、強いて言えば“仙人”というところか?」
“仙人”と名乗るその老人は、自身の力で浮遊してアイエフの元へと降り立つ。
「仙人…様…?」
なんとなくうさんくさい雰囲気を感じるのは自分だけか?
「それはそうと、友を守りたいと思うお前さんの覚悟、なかなかに見応えがあったぞ。」
「ま、さっきの攻撃はかなりヤバかったけどな。」
「!!!」
ユルセンの言葉を聴いてアイエフはすぐさまハッとした。
「仙人様!あたしの仲間と友達は!?」
その言葉を待っていたのか、仙人は空間上にモニターを出す。
『よくも…よくもアイちゃんを…!!!許さない!!!!!』
『この代償は高くつくわよ!!!!!』
友を討たれた悲しみで怒りを爆発させたネプテューヌたちが一斉に切りかかっている。
「ネプ子!みんな!!」
悲痛な叫び声を上げるアイエフ。
「仙人様、すぐにあたしを向こうに行かせて!ネプ子たちを助けなきゃ!!」
あせる彼女をユルセンがとがめる。
「やめとけって。今向こうに行っても死にに行くようなもんじゃん。」
「黙ってよ!あたしはあいつを助けてやんなきゃいけないのよ!!!」
アイエフはその言葉を皮切りに思いの丈をぶつけた。
ずっと今まで一緒に旅して、戦って、笑いあって暮らしてきたゲイムダストリーの仲間たち。
あの子達を助けようとしている異世界の仲間たち。
そんな人たちが黙ってやられて死んでいくのを見ているなんて、あたしにはとても出来ない!
あたし一人の力じゃ無力なのは最初から分かってる。
でも、それでもあたしはみんなを助けたい!
――たとえ、あたしの命が燃え尽きようとしてもッッ!!!!!!
―――ピカアアァァァッ!!!!
その瞬間、アイエフの右手の中で何かが光った。
「「!!」」
「!?」
その手を開くと、機械的な装飾が施された謎の目玉がいつの間にか出現していた。
ソレを見た仙人が、先ほどよりもかなり重厚感あふれる口調で彼女に語りかける。
「アイエフ、どうやらお前さんも、“仮面ライダー”として戦う資質と宿命を持ち合わせていたようだな。」
「…あたしが…仮面ライダーに…!?」
やがて仙人は、手元に不思議なバックルを出現させると、彼女の手元に現れた目玉について語り始めた。
それは“ゴーストアイコン”。
あらゆる次元世界に散らばる英雄や偉人たちの魂が納められたものだ。
中には例外として、強い覚悟と決意を固めることによって自発的に生み出されるアイコンも存在する。
お前が手にした、“スペクターアイコン”もそのうちの一つだ。
そのアイコンを、この“ゴーストドライバー”に装填させれば、仮面ライダーの力を手にすることが出来る。
「少なくとも、あの怪人たちを打ち負かすくらいの力は備わるはずだ。」
「ホントに!?」
一筋の光明が見えた。
ネプテューヌたちを守ることが出来るなら、その力で戦いたい…!
アイエフは、やがて一つの決断を下す……!!!!
「きゃああぁぁぁぁ!!!」
再び現実世界。
アイエフをやられてしまったネプテューヌたちの怒りは大きく、ディケイドたちの制止を振り切ってチュウボウズに向かっていくものの、今の力では相手側にとっては烏合の衆も同然。
あっという間に返り討ちでダメージを増大させていた。
「へっ、そんなに慌てなくても…、そのうち貴様らもあいつのところに送ってやるよ…、地獄へなぁ!」
「うぅ…!」
もはや立ち上がる気力すらも尽きようとしていた。
「冥土の土産に教えてやる…。」
――“ゲイムダストリー”はもうプラズマ界にはない!!!
『!!!!!!』
その一言がネプテューヌたちを恐怖のどん底に叩き落した。
自分たちの守護世界も亜空軍にやられたと言うのか!!??
「ブラジラの闇の天装術・ミキシングローバルの力で、向こうの世界もこのシードピアに融合させたのさ。世界がごちゃ混ぜになっている今、元の世界における“信奉エネルギー”とやらも無力同然。たとえお札の効力を断ち切ったとしても、お前らに成す術なんてないんだよぉ!!!」
―――ギャ〜ッハッハッハッハッハ!!!!!!
まさかここまで対策が張り巡らされていたとは…!
チュウボウズの言うとおり、このままやられてしまうのを待つしかないと言うのか…!?
「バカ言ってんじゃないわよ…!!!」
『!!!???』
……アイエフの声!?
全員がそう思った瞬間、先ほどの砲撃の着弾地点に広がっていた炎が集束し始めた!?
するとその中心には、一人の少女の姿が…!?
「ゲッ!そ、そんなバカな!!??」
「アイちゃん!!!!!!」
そう、髪は金髪、衣服も炎を思わせる赤い意匠に変わっているが、間違いなくアイエフだった!
チュウボウズ…、あたしたちの故郷の世界を潰したからといって、あたしは絶対にあきらめないわよ…!!
このシードピアにはね、あたしたちと同じ境遇で世界をめちゃくちゃにされた連中もいるのよ…!!
そんな人たちの心を踏みにじって笑うなんて…絶対に許さない…!
「でもね…それより何より…!!!!!!」
一区切り置いて、目を“くわっ”と見開いたアイエフは、人間とは思えないスピードでチュウボウズに近づき――!
「あたしの信奉する“女神”たちの!!!!」
――ズバッ!!!
「ぐおっ!!!」
「プライドと威厳を踏み躙ったことが!!!!!」
――ドゴッ!!!
「ムグっ!!??」
「一番ムカつくのよおぉぉっ!!!!!!!!」
―バキャアアァァッ!!!!
「ぬがああぁぁぁっ!!!!」
カタールとクローの同時切りからの中段蹴り+武器を投げ捨ててのアッパーカットと言う、怒りの3連続攻撃でチュウボウズを一気に吹き飛ばした。
彼女の姿――“爆炎覚醒”――の想像以上の力に全員も呆然…。
――ウイイィィンッ!
「!?」
ふと、アイエフの懐から何かが飛び出してきた。
それは一台のケータイ電話……と思ったら瞬時にコブラの姿に切り替わった。
「あんなケータイ、いつの間に…!?」
“コブラケータイ”と呼ぶべきかもしれないそのガジェットは、周囲をキョロキョロと数秒間見渡すと、何かに反応したのか、空中をいきなり噛み付く。
すると、その噛み付いた箇所の空間がゆがみ、ヒビが入った。
「あの向こうに何かあるの!?」
それを聞いたジークが前に出る。
「露払いを引き受けよう!エクレールとやら、そなたの技を借りるぞ。」
『気が進まんが…、了解した!動きを合わせるぞ!』
<Full Charge>
ベルトにライダーパスをかざしてフリーエネルギーをチャージ。
宿主のそれと同じ技の構えを取った…!!!
「烈空!」
『光牙!!』
『十文字ィ!!!!』
――ズドオォォンッ!!!!
輝力とフリーエネルギーを合わせた攻撃で空間のひび割れに一撃を浴びせる。
その結果―――。
――ガシャアアァァァァンッ!!!!
窓ガラスが割れるかのような音が響くと同時に、異世界への裂け目が現れた!
「あ、あれは…!!」
そこにたまたまアキッキーが合流し、開かれた異次元の向こうに一体の怪人がいることを確認した。
オランウータンに酷似した顔つきと、まるで祈祷師を思わせる怪しげな風貌の特殊な怪人だった。
「あいつは、ボーゾックの祈祷師“AAアバンバ”!!」
「い、いかん…!見つかってしまったバンバ!」
しかもこの怪人が身に着けた首飾りを良く見ると、チュウボウズが装備していたバックルのそれと全く同じ形状だったのだ!
「I see!!あいつがこのお札の力を操っていた張本人か!!」
ジャカンジャ以外の祈祷師の力を借りていたということは、シュリケンジャーも全く考えていなかったらしい。
しかし、張本人が見つかったとなれば、後はやるべきことはただ一つだ!
「孫市お姉ちゃん、ボクたちであいつをやっつけるよ!」
『言われるまでも無い!』
<Full Charge>
リュウタロスが前に出てフリーエネルギーをチャージ。
すると周囲の空間上に無数の射撃武器の幻影が現れた!
「なぬぅぅっ!!!!????」
AAアバンバがヤバイと気がつくのも、もう遅かった。
『啼け!誇り高きヤタガラスよ!!!』
「ブラスティング・ワイルドストーム!!!!」
―――ドドドドドオオオォォォォ!!!!!
“ボイスターズシャウト”も真っ青な驚天動地の一斉射撃が、AAアバンバ目掛けて集中砲火された!!
「のぎゃああぁぁぁ!!!!!」
――ドドドガアアァァァンッ!!!!
その攻撃にもちろん耐えられるはずが無く、AAアバンバは異空間と共に爆発して消滅した。
――ピカアァァッ、シュバッ!
『!!!』
その直後、シャルルたちとネプテューヌたちに貼り付けられていたお札が消滅した。
「やった〜っ!!やっとお札がはがれた!!」
「でも、これからどうするの?」
「世界が無くなって、信奉の力がないと、変身もできない。」
そう、ネプテューヌたちの当面の問題はそれだった。
力の源がなければお札の呪いをはがしても意味が無い…。
「あ、そうだった…。」
「せめて、“シェアクリスタル”があればいいんだけど…。」
その言葉を聴いたディエンド、一瞬だけ考えた後、カードホルダー内から一枚のカードを取り出し、それを装填した。
<UNISON DRIVE、“SHARE CRYSTAL”>
「女神の諸君、受け取りたまえ。」
『え?』
――ビキュウゥンッ!!!
するとディエンドライバーから一つの光が放たれ、それが大きな結晶体となった。
その大きな結晶、女神たちには見覚えがあった。
「わ〜い!シェアクリスタルだぁ〜!」
「まちがいない…、ほんもの…!」
行動を共にしていたピーシェとプルルートも、ゲイムダストリーの力のかけらが残されていたことに、喜びと驚きを隠せなかった。
「都合がいいな、海東。どうしてこれを!?」
「ゲイムダストリーのとある遺跡の奥深くで見つけてきたものだ。まさかこれが役立つことになるとは思わなかったけどね。」
“シェアクリスタル”は、二つのゲイムダストリーにそれぞれ存在する4つの国・“プラネテューヌ”、“ラステイション”、“ルウィー”、“リーンボックス”の国民の、“女神に対する信奉エネルギー”を収集するためのエネルギー源であり、その輝きが失われると、女神としての本来の力を発揮することが出来なくなるのだ。
しかし、そのシェアクリスタルが他にも存在していたとは…。
「でも、これで私たちは本来の力を引き出せるわ。」
「ディエンドさん、ありがたく使わせてもらいますわ。」
αの女神と妹たち、そしてβの女神たち、合計13人の女神たちは、一斉にシェアクリスタルの周りを囲み、手をクリスタルの前にかざす。
すると、クリスタルの輝きが13人に力となって注がれ、やがてクリスタルは粒子となって彼女たちにそれぞれ吸収される形で消滅した。
「ちからが…!」
「もどってきた…!!」
「これでやっと変身できる!」
女神の力が復活を果たす―――!
全員がアイコンタクトで肯きあい、一斉に並び立つ。
「それじゃあ、みんな…!」
「変身だよっ!!!」
『OK!!!!』
「「チェンジ・フルドライブ!!!」」
『女神転身(ハード・アクセス)!!!』
その瞬間、ネプテューヌたちは文字通りその外見を大幅に“変身”させた!
その大半が、幼い姿から一気に大人へと変わり、その衣装も近未来を彷彿とするイメージとセクシーさを併せ持った眼を奪われるものになる。
他のものも外見や体の大きさこそ変わらないものの、衣服を変えるだけでその印象を大幅に変化させた。
「プラネテューヌαの守護女神・“パープルハート”!!」
「紫の力を受け継ぐ勇者・“パープルシスター”!!」
「プラネテューヌβを守護する者・“アイリスハート”!!」
「「ラステイションの象徴たる者・“ブラックハート”!!」」
「漆黒の遊撃手・“ブラックシスター”!!」
「「ルウィーを導く白き象徴・“ホワイトハート”!!」」
「「お姉ちゃんを守る双子戦士・“ホワイトシスター”!!」」
「「リーンボックスを治める女神・“グリーンハート”!!」」
「ドカンと突っ込む戦いの女神・“イエローハート”!!」
「全女神(オールハード)、変身完了!!!!!!」
先ほどの幼い外見から一気に切り替わった彼女たちの姿に、全員驚かざるを得なかった。
「あの子達すごいね、色々と…。」
「しかし、私たちも負けていられませんわ。」
「そうね、やっとダビィたちの力が戻ったもの!」
「アイちゃんもこちらに戻ったことですしね!」
「オッケー!みんな行くよ!」
ここでマナたちも戦う決意を固めると、シャルルたちにアイコンタクトを送る。
その視線を受け取ったシャルルたち4人は―――。
――ポワンッ!!!!
なんと、小型のモバイル端末に変身してマナたち4人の手元に収まった!!??
「なっ!?…なんだと!?」
ディケイドたちもこの展開は予期しておらず、驚きの声をあげる。
「ちょっと待った!まさか、君たちは…!?」
海東も彼女たちの行動には驚かされた。
「きゅぴらっぱーっ!!!」
さらにアイちゃんという赤ん坊のハートマークから大型のメイクパレットが出現。
それが亜久里の手元に収まる。
そして、次の瞬間!!!
『プリキュア・ラブリンク!!!!』
『L・O・V・E』
「プリキュア・ドレスアァップッ!!!」
“ラブリーコミューン”と“ラブアイズパレット”――。
彼女たちの変身アイテムの力で、マナたちの体が光に包まれ、可愛らしいコスチュームをまとう。
亜久里に至っては炎に包まれると同時にその体を大人の姿に急成長させる、文字通りの変身をも見せていたのだ。
そのシンボルマークは、ハートの鏃があしらわれた弓矢。
その名も―――。
「みなぎる愛!キュアハート!」
「英知の光!キュアダイヤモンド!」
「ひだまりポカポカ!キュアロゼッタ!」
「勇気の刃!キュアソード!」
「愛の切り札!キュアエース!」
『響け! 愛の鼓動!! “ドキドキ!プリキュア”!!!!!』
未来のプリキュアオールスターズの中心を担う5人のヒロインが、ここに完全復活を果たした―――!!!!
「さてと…。」
…おっと?
その場にアイエフも並び立ったぞ!?
――ピィャォオオォンッ!
…と思ったら幽霊のような奇妙な音と共に不気味なベルトが出現したではないか!!??
その形、まるでモンスターの目を彷彿とするようだ。
そして彼女の手には、“先ほど”手に入れたアイコンが握られている。
―――ビュワワァァァンッ!!!!
さらに、彼女の背後から得体の知れないパーカーの幽霊が二体出現。
アイエフの周りを飛び回る。
気づかぬうちに爆炎の力を鎮めていたアイエフ、新たな戦いの決意を秘めた眼差しで敵を見つめる。
あたし一人の力なんて、たかが知れている…。
一人だけじゃ出来ないことくらいだって、分かってる…!
でも、あたしはいつだって一人じゃない!
いつも笑って、傍にいてくれる友達や仲間がいる…!!
あたしだって、ネプ子やコンパたちを救って見せる…!!
「だから、力を貸して、英雄たち!!」
その決意を聞き届けた二体のパーカーの幽霊は、アイエフの装備するベルト――ゴーストドライバーに宿った。
そして、ゴーストドライバーのカバーを展開したアイエフは、手に持ったアイコンのスイッチを押す。
その目玉には、“0”と“S”が混ざったようなマークが写る。
それをゴーストドライバーに装填し、カバーを閉じる。
すると、ドライバーから、青いコントラストの黒いパーカーゴーストが出現した!
<アーイ!バッチリミロー!…バッチリミロー!…>
サスペンスドラマのようなBGMが響き、アイエフは独自のポーズをとる。
「………変身ッ!!!!」
――ガシャンッ!!!!
<カイガン!“スペクター”!!>
その瞬間、アイエフの体がのっぺらぼうのような姿に変貌し、その上からパーカーゴーストが覆いかぶさる。
<レディゴー・覚悟・ドキドキ・ゴースト!>
すると、その顔面に角を二本生やした鬼のような青い仮面が装備され、変身が完了した。
その姿はまさに、“パーカーを纏った幽霊の仮面ライダー”だった。
「さあ、“仮面ライダースペクター”のデビュー戦よ!!!!」
---to be continued---
☆あとがき
シードピア新年1発目は、ドキプリとネプテューヌの完全復活&仮面ライダースペクター参上の展開となりました!
前者のドキプリに関しては、去年の段階から案は出ていたのですが、なかなかそのタイミングをつかむことが出来ず、ここまで引きずることとなってしまいました…。
一方で、スペクターとして覚醒を果たしたアイエフ、思いの丈とその怒りを存分に爆発してもらいました☆
対して、とんでも憑依から大暴れしてもらったモモタロスたち、今後もド派手に暴れてもらう予定です。
それでは、今年もシードピアクライシスをよろしくお願いします!!!