ユグドルシオン格納庫に、いくつもの船や不思議な物体が次々と着艦してきた。
それを率いていたのは、エリアルギルドの活動拠点・エリアルベースに搭載されていた、特殊輸送艦“ピースキャリー”と呼ばれるものと、ケロロ小隊所有の輸送ドックである。
アキッキーたちをメディアステーションに送る際、ジェントの提案で移動手段として使われたのだ。
ちなみに、アキッキー以外でメディアステーションに運ばれたのは、以下の面々。
○ネームレスハウンド
○春野タイヨウ(コスモス)
○バン・ヒロト(ギンガ)
○ケロロチーム
○森羅カンパニー&イストファンタジア一同
○ゴーバスターズ
○キョウリュウジャー
○ラッシュハンターズ
○ウィザード&ソルシエーヌ
○フォーゼ率いる“宇宙仮面ライダー部”
○タイガ・ノゾム(グリッドマン)
○スマイルプリキュア&ドキドキプリキュア
○一条寺 烈(ギャバン)
○姫子&千歌音以下GUNDAM陣営
○プルルートたち異次元からの謎の面々
…ただ、獣電竜に乗れるキョウリュウジャーや、専用ビークルに乗れるゴーバスターズやケロロチームにギャバン、空を飛ぶ力を有するウルトラマンやグリッドマン、ウィザード、フォーゼ、GUNDAMを除いても、全員を移動するには困難なほどの大所帯、しかもピースキャリーの本来の定員をオーバーしてしまっている状況でもあったので、さらなる移動手段を用意することにした。
『俺の内部に乗り込め。多少はオーバーしても大丈夫だろう。』
それは、“ゴルド・レジェンディオンズ”の一匹狼の海賊戦艦“キャプテンシャーク”だった。
万が一、亜空軍が新たな巨大戦力を出してきたときの保険としての提案だったのだ。
…さて、そんなメンバーたちを引き連れてユグドルシオンに到着したアキッキーたち。
この移動の間に、現在のメディアステーションの状況と仲間たちの戦況に関するデータを受けており、その一行の現在地の座標も受け取っている。
後は、その場所に一気に向かうだけだ。
各自が乗って来たビークルや獣電竜たちから次々に飛び降り、集まってくる一行たち。
「よし、全員いるね!?」
「あぁ!」
集まったメンバーたちを再度確認し、欠員がいないか確認する。
ざっと数えても100人相当の大所帯、確認するにもさらに数分を要する。
「それじゃ、みんなは武装と準備を整えながらしばらく待ってくれ!ボクが先に現場に行ってくる。その後は…、分かってるね!?」
「あぁ!」
「もちろんよ!」
実は、移動までの間に通信経由で一同の合流のプロセスを確認しあっていたのだ。
その切り札は、アキッキーが温存していた“CONNECTUNNEL”と、そのカードを託されているウィザード&ソルシエーヌのようだ。
「ちょっと待ちな!」
『!?』
そんな一行の思考回路をさえぎった一人の男の声。
振り向くとそこには―――。
「ハローォ、レッドヒーロー☆」
いつの間にかそこにDJサガラの姿があった。
「え、サガラさん!?」
「よぉ、アキッキー!しばらくだったな☆」
こちらはメディアステーション内部、各所の通路が破損し、エレベーターホールへの通路が瓦礫でふさがれ、てんやわんやの状態の中を進む、秋山刑事と“ブレイブポリス”一同。
『!?』
―――キキイイイィィィッ!!!!
ふと、ステーション内ドッキングベイに近づいた途端、彼女にとって顔なじみとも言うべき顔が視線に飛び込み、急ブレーキをかけた。
「うわわっ、なんやなんや!?」
フロントガラスの向こうには、突然の車の登場で戸惑う、あの男の姿があった。
――ガチャッ
「おぉ、レッド隊長か!久しぶりだな!」
「ふぇ!?あ、秋山刑事!!??」
顔見知りとの遭遇という思いもしなかった事態に本人たちもビックリである。
――ガキガキガキイィィンッ!!!
所変わってアドラメレク内部、こちらは監獄エリア付近で戦い続けるティラとビートルファンガイア。
剣戟を交わし続け、ティラに至っては新体操に似通った身体能力で攻撃をかわしつづけている。
「しぶといわね!さすがに“ダークシュバルツ”の面々に選ばれるだけのことはあるわ。」
「それに、伊達にファンガイアのナイトを名乗っていたわけではないぞ。まだまだ本番はこれからだ!!」
その緊迫しつつある戦いが、さらに激化する傾向になったのは、その直後からだった!!
――ドドドオォォンッ!!!
『!!??』
別方向から攻撃!?
視線を向くと、そこにはすでにイクサベルトを装備していた正夫の姿が!!
その手には、“かつて愛用していた”特殊拳銃が握られている。
「!?…貴様、ライジングイクサ!」
「ビートルファンガイアか…。」
意外すぎる乱入者に、ティラも目を見開く。
「あんた、どうやってこんなところまで来たのか知らないけれど、丁度いいわ…!裏切り者のこいつと一緒に切り刻んでくれるわ!!!」
“ビートルファンガイアが裏切り者!?”
ティラの予想外の発言に一瞬、正夫は戸惑ったが、もう亜空軍に協力する義理はないということか…!?
すると、そのビートルファンガイアから…。
「ライジングイクサ、この先の牢獄に我らのクイーンが投獄されている。協力してくれ!!」
「!?」
ファンガイアのクイーンが投獄されている…!!
…ということは…!!
(…そうか…、真夜、すぐに助けるぞ!!)
決意を固めた正夫は、イクサナックルを構えた。
[Ready]
――イクサ、爆現ッッ!!!!!!
[Fist on, RISING]
すると、一気にライジングイクサに変身した。
「これはちょっと形勢不利ね…。」
2対1では分が悪い…。
ティラが自身のピンチを感じ取っていた…。
―――ピシュンッ、ジャキンッ!!!
「!?」
そんな状況下でどこかからいきなり飛び込んできた一枚の金色のカード。
そこには「Bilgoldy」の文字が刻まれている。
「ティラ、何をしているんだ。」
「!?」
その瞬間、ティラの背後から一人の男が現れた!
厳ついイメージを彷彿とするその存在は、なぜか棒つきキャンディーをなめている。
その背後には、部下と思しき謎の忍者の一団が控えている。
「帯刀龍三郎…!!」
どうやら亜空軍に加担する幹部のようだ。
只者ではない雰囲気が十分に伺えそうだ…!!
ふと、彼の視線が、ビートルファンガイアとライジングイクサを捉えた。
二人はすでに武器を構えて戦闘態勢だ…!
「…なるほど、そういうことか…。」
状況を察した帯刀は、先ほどまでなめていたキャンディを握りつぶし、自らの体を変身させた!
“意思を持った戦闘ロボット”、いや、“ロボットという名のサイボーグ”と表現すべき、金色の装甲を備えた赤いロボットだった。
「ビルゴルディ!For Evil!!」
ビルゴルディと名乗ったその存在、これまでにない強い威圧感を感じる…!!
――ビュワワァァンッ!!!
『!?』
ふと、背後から亜空間ゲートがいきなり出現し、内部から5人の戦士たちが現れた。
・“仮面ライダー”を彷彿とする黒いボディと真っ赤な目の戦士。
・黄色い血管が全身に浮き出ている水色のボディと黄色い目と赤い触角を持つ、怪人と見紛う存在。
・赤い甲冑を身に纏った、ザムシャーに酷似した謎の宇宙人。
・金の装甲と仮面を纏った黒いボディの宇宙人。
・銀色のアーマーを身に着け、鞘に納まった剣を携えた宇宙人。
その中のリーダー格の仮面ライダーを、ビルゴルディは知っていた…!!
「!…貴様…、ブラックRXか!?」
「ビルゴルディ…!!生きていたのか!?」
「フン、あいにく俺は悪運が強いものでな。それに、ジャンパーソンをこの手で倒すまでは死ねないんだよ!!」
その二人の会話を聞いたライジングイクサは、現れたRXたちに協力を要請する。
「君たち、力を貸してくれないかな?この扉の先に牢獄があるんだけど、その人たちを助け出したい!」
『!』牢獄に捕らえられた人たちがここにいる。
状況を理解した青い戦士がその話を快諾した。
「ヒーローは助け合い、ですね!協力させていただきます!」
そして宇宙人たちもそれぞれの武器を構えて臨戦態勢を整えていた。
「ティラ、俺が援護する。この状況を打開しろ。」
「…あぁ、言われるまでもないね!!!」
――ガキイィィンッ!!!
一方、別の場所で剣戟を繰り広げていたのは、復活を遂げた長政と、クラスターが変身したブラックブートレグであった。
その戦いは一進一退…いや、意外にも長政がわずかに力で圧していた。
「貴様、意外とやるな…!だが、一度はセルバンテスに惨殺されたはずなのに、なぜここまで力を出すことが出来る!?」
怪人として生きてきたクラスターにとって、彼の底力の源が何なのかが分からなかった。
「化け物である貴様には理解できまい!私には、命に代えてでも守りたい妻がいる!そのためなら、たとえ地獄の底からでも這い上がって戦い続けてみせる!!」
剣に光を纏わせ、再びクラスターに切りかかる長政。
対するクラスターも、レーザーブレードを発動させてその剣を受け止める。
「守りたいものか…。だが、貴様以外の連中はその守りたいやつらを人質に取られ、俺たち亜空軍に加担させられている!それでも尚、守りたいもののために戦うというのか!?それが貴様らの正義か!?」
「それは違う!!力で屈服させるのは、本当の正義ではない!!“大切な人を助けたい”と願う、私たち人間の意志だ!!」
剣戟を交わしながら戦い続ける二人の男。
その中で、一人の人間として戦い続ける長政は、クラスターにその思いの丈をぶつける。
「クラスターとやら!貴様には守りたいものはあるのか!?それがないというなら、断言する!!」
――守るべき存在なくして、武士は務まらぬ!!!!!
「…!!」
クラスターの心がわずかに揺らいだ。
人間というのは、心の強さ一つでここまでねばることが出来るのか…!?
守るべきもののために、ここまで命を張れるものなのか…!?
――♪〜、♪〜
『!?』
いきなりギターの音色!!??
…クラスターの背後からだ!
視線を向けるとそこには、赤いシャツに黒い革のベストと帽子、ズボンを履きなぜか肩に白いギターを背負ったどこかギザっぽい感じの壮年男性がいた。
「誰だ!?」
クラスターがその男に対して問いかけると、程なくしてそのギターが鳴り止んだ。
「…こんなキザ野郎でよかったら、相手してやるよ。」
帽子の下からのぞいたその目が、クラスターを挑発する。
「何…!?生意気なッッ!!!」
その喧嘩を買ったクラスターはその男に剣を振り下ろす。
しかし、現れた男はその剣を交わし、手に持っていたギターで逆に反撃する。
「?!」
男の意外な戦闘能力にクラスターもたじろぐ。
“こいつ、只者ではない”と…!!
「…やはり相当な手練れじゃないか…、クラスター・ジャドウ。」
「!?…俺を知っているだと…!?」
「あぁ、もちろんさ…。こう見えて俺は私立探偵なんでね。」
すると、その探偵の男はクラスターのことをこう評した。
「亜空軍の用心棒的存在、サルベンジェンスのクラスター・ジャドウ。知識や技術も群を抜いていると同時に剣術の達人でもある。…ただし、その剣術の腕前は、ルヴェラの中じゃ2番目だ。」
「…二番目…!?それじゃ聞くが、ルヴェラ一の剣術使いはどこのどいつだ!?」
その質問に対し、その男は帽子をかぶりなおしながら自分を指差した。
「貴様が一番だと…!?ふざけおって!!」
さすがに自分の剣術については自信があるのか、見下された感じのある彼の自信には、少しイラッときたようだ。
すると、おそらく武器庫からこっそり持ってきたであろう、剣を抜刀し、その切っ先をクラスターに向ける。
自分の腕をここで証明しようという魂胆が伺えるが…。
しかし、売られた喧嘩とあれば買うのが礼儀、そう言い聞かせたクラスターは再び剣を握りなおして探偵の男に切りかかってきた。
一方、敵から逃げ惑って艦内を走り続けるめだかたち。
「逃げる…とは言っても、これからどうするかだな…。」
「そうだな…俺たち、どうやってこの艦ン中んい来たのかが全然分かんないしな…。」
しかし、一行は“気がついたらこの中にいた”という迷子同然の状態で合流したために、当然のことながらこの艦の内部構造が全然把握しきれていなかったのだ。
…だが、立ち止まっているわけには行かない!
一行はそう言い聞かせて、その足をさらに先へと向けて走り続ける。
やがて一行は、広い場所に出た。
『!?』
「視界が広がった!?」
「ここは…!?」
どうやら何かの格納庫のようだが…!?
―――ドドドドォォンッ!!!
『!!??』
どこかから爆発音が!!??
視線を向くと、そこには―――。
『な、な、な、なんじゃありゃああぁぁぁ!!!???』
「ギャアオオオォォォォ!!!!!」
青いボディの鋼の大型生命体が雄たけびをあげていた。
「あ、あれ!?人間がいますよ!?」
「むっ!?」
ふと、その大型生物の背中から二つの影が姿を見せた。
それは、緑色の衣服を纏い、ボウガンと剣を携えたウサギ耳の少年と、どこかの固有部族を彷彿とする白い衣装を纏った青い竜の尻尾と耳を持った少女だった。
「君たち、大丈夫か!?」
「お怪我は無いですか!?」
二人はすぐにその場に飛び降り、めだかたちのところに駆け寄る。
すると、二人の姿を改めてみた途端、一行は目を疑った。
「ふぇ?!う、ウサギの耳!?」
「それにこっちは、竜の耳と尻尾!?」
「?…あぁ、これか?」
「あぁ、見慣れてないと確かに驚きますよね…。」
二人は改めて自己紹介する。
「僕は、リーフ・ラング・ド・シャー・ハルヴァーと言います。“バサラワールド”の西方・フロニャルド大陸からやってきました。」
「同じく、フロニャルドの“竜の森”の巫女・シャルだ。」
「フロニャルド…デアルカ?」
聞きなれない大陸の名に首をかしげる信奈。
「でも、バサラワールドってことは、俺たちの住む戦姫列島と同じ世界ってこと、だよな?」
しかし、良晴の言葉を聞いて信奈も納得し―――。
「あぁ、だったらあたしたち二人と同じね。私は織田信奈。東方の島国・戦姫列島の武将よ。こいつは側近の相良良晴よ。」
「よろしく!」
「あぁ。」
「はいっ!」
同じ世界の仲間に出会えて一安心といったところか。
一方で…。
「めだかちゃん、さっきフロニャルドって言ってたよね…、あの人たち。」
「うむ、どうやらこの騒ぎ、バサラワールドでも何かあったと見て間違いなさそうだ。」
自分たちの故郷だけの問題かと思っていた自分たちの考えが覆されたと知り、ますます首をかしげていた。
――ドドオオォォンッ!!!
『!?』
背後のゲートから爆発音!!??
一同が振り向くと、そこから仮面の男と、その取り巻きと思しき怪人2人が現れた。
「こんなところにもいたか…。侵入者どもが…。」
「ひゅいっ!!?もしかして…亜空軍!!??」
『!!!』
いやな予感はしていたが、やっぱりか…!
「貴様たちがこの艦の中で何をしていたかは知らぬが、生きては返さぬ!」
――“仮面の人形遣い”レリウス=クローバー!
――ロンダーズファミリー“狂気の科学者”・ゲンブ!
――ザンギャック随一の大科学者・ザイエン!
「我らの力を、とくと味わわせてやろう!!」
名乗りを上げた3人はそれぞれ戦闘態勢に入り、襲いかかろうとしている。
「だからって立ち止まってられないぜ!」
しかし、そんな強敵を前にしてひるまない姿勢を見せた3人がいた。
「俺たちは元の世界に帰るまでは死ねないからな!」
「あぁ!ましてやこのような暗闇で命を落とすなど、願い下げだ!」
「俺だって、信奈をこの手で守り抜いてみせる!男として、絶対に死なせるもんか!!」
善吉、めだか、良晴の啖呵を切る気合の言葉。
「良晴…!」
信奈はそんな真剣な眼差しの良晴の姿に、どこか頼もしく見えた。
彼らの姿と覚悟を見届けたにとりは、ずっと大事に持っていたアイテムを取り出し、決意を固めた。
「善吉さん、めだかさん、良晴さん、コレを!!!」
『!?』
呼ばれた3人ににとりから投げ渡されたのは、赤、青、黒のカラーリングが施された、印籠にも似た長方形型のアイテムだった。
「その“インローダー”を使えば、戦うための力を装着できるよ!側面の金色のボタンを押して、展開された上部をもう一度上から押し込んで!!」
戦うための力―――。
彼らと相対することが出来るということか!?
光明が見えたことを感じたのか、3人は自信に満ちた笑みを浮かべた。
「……よぉし、善吉さん、めだかちゃん、行こうぜ!!」
「「おう!!」」
決意を固めた3人はインローダーを構え、ボタンを押し込む。
上部が展開され、円形のガラスの中にそれぞれのシンボルマークが浮かぶ――!!
「「「装着ッ!!!!!!」」」
――ガチャッ!!
その瞬間、3人の体が光に包まれ、各々のシンボルカラーで統一された和風の装備を纏った。
「何ッ!!??」
「これは…!!」
「ほほう…、そういうことか…。」
ザイエンとゲンブが驚く一方で、レリウスはその姿を見て合点がいったのか、納得した表情になっていた。
「ジャスティライザー・グレン、見参ッ!!!!」
炎を彷彿とする真紅の装甲と衣服を纏った良晴が、マントを翻して勇ましく名乗る。
「ジャスティライザー・カゲリ、参上!!!」
くの一モチーフの青い姿となっためだかが、“凛ッ!”とした口調で名乗りを上げる。
「ジャスティライザー・ガント、推参!!!」
そして、修験者のような風貌を黒い装甲と衣服を装着した善吉も、クールに名乗りを上げた。
“ジャスティライザー”と呼ばれる戦士となった3人、それまでとはまた違うさらなる印象を受けていた。
そんな彼らの姿を見たシャルも士気が上がったのか、彼らの隣に並び立つ。
「戦う者は一人でも多いほうがいい!私も力を貸すぞ!」
その右手には、恐竜の顔を模した青い拳銃が握られていた。
<ブレイブ・イン!!!>
そして左手にある電池型アイテムに、自分の力を注ぎこみ、それを拳銃に装填する。
<ギガガブリンチョ!トバスピイイィィノッ!!>
「キョウリュウチェンジ!!!」
その銃のシリンダーを回し、重厚なギターサウンドと共にステップを踏み、再びその銃口を正面に向けた。
「ファイヤーッ!!!!」
引き金が引かれ、トバスピノの頭部を模したオーラが放たれ、やがてそれがシャルの全身に噛み付き、彼女の体を紺色の恐竜戦士に変貌させた。
その姿は、まさにダイゴたちと同じキョウリュウジャーだった…!!
「大地の勇者・キョウリュウネイビー!!!!」
背後に控えたトバスピノの姿を演出に、シャルが勇ましく名乗りを上げた!
「伝説と謳われた“幻星の戦士”ジャスティライザーに、“あの海賊”どもが持っていた“五色の力”か…。面白い、その力、ぜひとも手にしてくれる!!」
研究という名の好奇心を掻き立てたのか、レリウスはますます異世界の力に興味を示したようだ。
ともあれ、レリウスのその言葉を合図に、格納庫内での激戦が始まった!
「…そうか、秋山さんも亜空軍の攻撃に巻き込まれたんですか…。」
秋山恵(あきやま・けい)――。
てれび戦士たちの故郷の世界であり、シードピアの前世にあたる次元世界・“テレヴィア”で特別警察の巡査部長を務めていた、通称“プロレス刑事”。
“魔王”との戦いにも発展したR.G.とU.W.F.の戦いにも何度も関わったことがある、彼らの理解者でもある。
そんな彼女、実は亜空軍のミキシングローバル影響に巻き込まれ、偶発的に過去のミッドチルダに到着、当てもなく彷徨っていたところをレンジャーズストライクに保護され、彼らの預かり兼サポート要員として密かに活動していたのだ。
「レッド隊長、てれび戦士たちもこの世界で戦い続けているというなら、私もあいつらの手助けをせねばなるまい!ここは任せてくれないか。」
「もちろん、秋山刑事が来てくれたからには手助けを頼もうと思ってます。だけど、今回は自分も同行させてください!」
「しかし、戦う装備もないレッド隊長が向こうに行っても…。」
その言葉をさえぎるように、レッドは今まで溜め込んでいた想いを吐き出した。
足手まといだというのはは俺自身が十分分かっています!!
しかし、ゴルゴだけでなく、俺たちよりも若いあいつらに頼りっぱなしというのも、歯がゆすぎて我慢が出来ないんです!!
今まで迷惑をかけてきた分、俺もあいつらの手助けをしてやりたい!!
俺のことを信頼してくれたように、俺もあいつらのことを信じてあげたい!
その想いを届けて、これからもあいつらを見守るためにも―――!!
―――一緒にみんなと戦いたいんや!!!!
「……レッド隊長…!」
彼の熱意ある言葉に胸を打たれた秋山刑事。
ゴルゴ伯爵と並ぶてれび戦士たちのリーダーとして、自分も彼らを助けたいということか…。
『お前の覚悟と決意、確かに見届けたぞ。』
『!!??』
そんな彼らの空間に響いた、壮年の男を彷彿とする謎の声。
すると、見たことのない魔法陣の中から1体の大きな獣が姿を見せた!!
「うわわぁ!ら、ライオンのお化けぇ!!??」
秋山刑事すらも竦んだその獣は、ライオンをメインボディに、右肩にオレンジの鷹と翼、左肩に青色のイルカとヒレ、腹部に赤い猛牛、背中と尻尾が緑色のカメレオンという構成の、まさに合成獣という言葉がぴったりの異形の獣だった。
『フフフ、驚いたか?我のような存在を見る機会など、人生で一度あるかないかくらいのものだからな。』
ライオンの顔がメインの人格なのか、獣はその顔と口を通じて話しかける。
「俺に話しかけてきたのは、お前か?」
『いかにも。我は“ビーストキマイラ”。“ファントム”と呼ばれる魔法生命体の1体だ。』
形からしてどうやら、仮面ライダーやスーパー戦隊などの敵対勢力である怪人と同類という雰囲気が伺える。
「俺のさっきの言葉を聞き届けたって言うてたけど、どういうことや?」
『…今のお前なら、我と共に戦う、魔法使いの仮面ライダーの資質がある。我はお前をそう見初めたのだ。』
キマイラのその言葉は、レッドの目を見開かせた!
仮面ライダーになれるというのか!?
「俺も、みんなのように戦えるのか!?」
その言葉に、キマイラはゆっくりと頷いた。
それを見届けたレッドは、新たな決意を胸に、キマイラに叫んだ!
俺にも、みんなを守れる力を受け取る資質がある言うなら、もう迷うことなんてあらへん!
ピンチはチャンス!
絶対に勝ってみせる!!
だから、キマイラ、俺に力を貸してくれ!!
闇を喰らい尽くす、獣の力を!!!!
迷いのない強い言葉を耳にしたキマイラは、その表情を笑みへと変えた。
『それでこそ我が見初めた男だ。受け取るが良い、古の力を!!!』
すると、キマイラは光に包まれ銀の扉のついたベルトバックルに変貌し、レッドの腰元へゆっくりと装着された。
そして、レッドの手元には、おそらく標準的なものであろう2つの指輪も出現していた。
『戦いのときが来たなら、その指輪を使え。さすれば“ビーストドライバー”の力が解き放たれ、お前に魔法の力を纏わせることだろう。』
脳裏に過ぎるキマイラの言葉に頷くレッド。
これからは、彼と一心同体だ。
その後、事情を理解した一行は、レッド隊長も現場に同行させることを決定、秋山刑事の赤い車に同乗し、すぐに移動を再開した。
その出来事からわずか5分後、そのドッキングベイエリアを通過した一つの影が―――。
「もうすぐ現場だ…!!待っててくれ、みんなっ!!」
DJサガラから託されたロックビークル・ダンテライナーで激走するアキッキーだった。
まもなく、反撃ののろしがあがる…!!!
再びアドラメレク艦内、監獄エリア。
イクサたち仮面ライダーチームと、ビルゴルディ率いる亜空軍チームの戦いは5分経過した今も、お互いに一歩も譲らない戦いが続いていた。
かつてジャンパーソンと死闘を演じたビルゴルディの実力も然ることながら、それを取り巻く忍者たちも引けをとらない強さだったのだ。
特に、その忍者たちのリーダー格と思しき、仮面の忍者と老齢の忍者の戦闘能力と技術は、スーパー戦隊やギャバンたちと同等・或いはそれ以上のものという雰囲気が伺えるのだ。
―――バシッ、ガシッ!!!
ビルゴルディとRXの格闘戦、お互いに歴戦の勇士であるゆえか、力と力の激突は互角のようだ。
「さすがはRX、まだ力は衰えておらぬか!」
「貴様こそ、復活を遂げてさらにパワーアップしたのではないか!?」
「フン、褒め言葉として受け取っておくぞ!」
そして再び両陣営が、監獄エリアの扉を境目に再び両端に集まる。
「しかし、これ以上戦闘を長引かせるのもお互いにとってよくない…。」
「あぁ、そろそろ決着をつけようじゃないか!」
お互いに戦いのボルテージも最高潮に達し―――
――うわわわああぁぁっ!!!!
――ドンガラガッシャ〜ン!!!
『!?』
…そんなシリアスムードをぶち壊したのは…。
「な、なんじゃ、今の間抜けな声とひっくり返ったような物音は!?」
「なんか、監獄エリアの方から聞こえたような気が…。」
“…まさか!?”と思った瞬間、ティラはカードキーを取り出してロックを解除、ビルゴルディたちは監獄エリア内に突入した。
「もぉ!何やっているんだよ、のび太くん!」
「ご、ごめんドラえもん、足引っ掛けちゃって…。」
そこには、明らかに怪しい行動をしている、丸っこいボディと丸っこい頭の青いロボットと、小学生ほどの少年の姿があった。
しかも、通路の奥にある謎のピンク色のドアを使って今にも逃亡しようとしている気満々で、さらには少年の手元を見てみれば、人質として捕らえていたはずの璃々の姿も…!!
「……あんたたち、何やってんのかなぁ?(怒)」
「「ギクッ!!!」」
ティラの殺気に満ちた怒りの声が、謎の二人組みの心臓を飛び跳ねさせた。
二人が振り返った瞬間、そこには臨戦態勢のビルゴルディたちの姿があった。
“ものすごくヤバい”と二人が思った瞬間―――。
「「逃げろおおおぉぉぉ!!!!」」
『待てコラああぁぁぁっ!!!!!!(怒)』
怒りの形相と共に迫ってきた亜空軍を尻目に二人は全速力でドアの向こうに退避。
すると、ドアが一瞬で消滅、跡形も無く消え去ったのだ。
「何ッ!!??」
あまりにも突発過ぎて状況が飲み込めない一行だったが、それ以上に面倒な事態がすでに起こっていた。
「ちょ、ティラ、周りを見て…!」
「…!?」
仲間のくの一の震える声を聞いて周りを見るティラ。
すると、彼女もようやく事の次第に気がついた。
「はぁ!!!???どういうことよ、全部すっからかんじゃない!!!」
このエリアには今まで自分たちが捕らえていた人質やらが収監されたいたのだが、その人質が根こそぎ消え去っていたのだ!
「さては…あの坊主たちがどさくさに紛れて全員を助け出しおったな…。」
老齢の忍者の考えが正しいなら、少なくともわずか5分以内で全員を一気に助け出したということになる。
驚異的な速さだ…!!
「やれやれ…、一杯食わされたようだな。」
遅れて帯刀も合流してきた。
すでにビルゴルディのヘルメットを外している状態だ。
「俺たちがあのガキどもに気を取られているうちに、RXたちもいつの間にか姿を消していた。…どうやらグルだったらしい。」
「うそでしょ…!?」
まんまと術中にはまってしまったティラは、怒りを爆発させた。
「あ゛〜っ、もう!最悪!!アタシたちを出し抜くなんて…!!!」
しかし、数秒の間を置いて落ち着きを取り戻す。
「で・も、こんなところもあろうかと“あの人たち”をカゲロウたちに託して正解だったわ。せいぜい連合軍のみんなには、たっぷり苦しんでもらいましょ☆」
一方、真剣勝負を続けている探偵の男とクラスター。
自身をルヴェラ一の剣術使いと豪語するだけあって、ブートレグを装着したクラスターを相手にしても全く引けをとらず、それどころかクラスターを逆に押し返しているではないか!?
「チッ、認めたくないが、ホントに貴様の剣術は大したものだな!」
「お褒めに預かり、光栄だね。」
その戦いを見ていた浅井長政も、彼の剣戟と剣さばきに感心していた。
刃に宿る輝きは、まさしく正義の輝きだと…。
―――ピピピッ、ピピピッ!
ふと、探偵の男が携帯していた通信機に連絡が入り、空間モニターが繋がった。
『失礼、お取り込み中かしら?』
「いや、構いませんよ、リング。」
通信の相手はリング・スノーストーム。
探偵の男に救援を要請した時空警察のメンバーだ。
『多少予定外だったけど、こちらの作戦は終了したわ。そっちも区切りをつけて、こちらに引き上げて頂戴。』
「了解。」
簡略的に通信を終え、即座にモニターと回線を遮断した。
「作戦だと…!?」
クラスターは今の二人の意味深なやり取りに、内心でいやな予感を感じ取っていた。
「まぁ、どんなものだったかは想像に任せるさ。」
探偵の男は剣を納め、それを通路に棄てた。
「俺は、私立探偵・早川健。また会おう、クラスター・ジャドウ。」
――ボワンッ!!!!
「!!!」
煙玉で視界をくらまされ、ひるんだクラスター。
すぐに視界が晴れたが、気がつけば早川の姿どころか浅井長政の姿もなかった。
「…あいつは逃げ足の速さもルヴェラ一か…っ…!!!!」
経験したことのないこの屈辱は、クラスターの怒りをあおるには充分だったようだ…。
「レイジング、フレイム!!!」
「ファントムクラッシュ!!」
「バーサスカノンッ!!!」
「トバスピノ・ブーメランスラッシュ!!」
こちらは格納庫内の戦闘、ジャスティライザーの力を受け取った良晴たちとキョウリュウネイビーとなったシャルが激戦中!
しかも、相手側はゲンブという名の科学者が生み出した、良晴たち自身のコピーをも生み出しての戦い。
初陣を飾る一行にとってはかなりきつい戦いだ。
「まるできりがない…!!」
「自分の鏡を相手にしている気分だ…!!」
その上レリウスたちは科学者とは言いがたい高い戦闘能力も兼ね備えているため、苦戦は必至だった。
笑みを浮かべる一行の視線が不気味さをさらにかもし出している。
戦いを見守る信奈たちも、その恐怖に慄いていた。
「さすがにこのままじゃまずいかも…!」
絶望的な雰囲気が漂ってきた…。
――ビュワワアアァァンッ!!!
――シュババババッ!!!
――ズドドドドドオオォォンッ!!!
亜空間のゲートから不意打ちの攻撃!?
しかもレリウスたちに向けて放たれた!!?
「…ぬ…!?」
レリウスの視線が、一隻の飛空挺の姿を捉えた。
その姿形を、彼は知っていた。
「飛空挺、紅魔艦!?…まさか…!?」
「そう、そのまさかよ。」
その瞬間、紅魔艦と呼ばれた船から二人の少女が現れた!
一方は、青みがかった銀髪のショートヘアで、ピンク色のナイトキャップと、同じ色のワンピースのような衣服、背中には蝙蝠の翼を生やしている。
もう一方は、前者よりも幼い、ギリギリ10代くらいの外見で、髪は黄色、衣服は半そでとミニスカート、背中には7色の結晶を宿した独特の翼を持っている。
「お前たちは…、紅魔艦を統べる吸血鬼姉妹の…!!」
「そのとおり。レミリア・スカーレットと――。」
「フランドール・スカーレットだよ。」
紅魔艦とは、ミッドチルダ・イストファンタジアのはるか上空に浮かぶ飛空挺。
その主こそ、この吸血鬼一族・スカーレット家の姉妹、レミリアとフランドールである。
「初めまして、レリウス・クローバーさん。」
「あんたのことはレイチェルお姉さまから聞いているわ。」
「ほぉ、私を知っているとは、話が早い。」
同じ吸血鬼一族ということか、あのレイチェルとも親交があるようだ。
「だが、アルカード家のお嬢の名前が出るということは…、もしや…。」
「察しがいいようね。そういうことよ。」
「私たちはレイチェルお姉さまと連絡を取り合って、同じ世界に生きる仲間たちと共に亜空軍に対抗する意志を表明することにしたの。さっきの攻撃は、その挨拶代わりよ。」
亜空軍に対する反逆として繰り出したということか。
「なるほど、そういうことか…。だが、そう簡単に我々の手から逃れられるとでも思っているのか?」
「生憎だけど、私たちもあなたたちに構っていられるほど、暇ではないのよ。」
「そ・れ・に、そっちの相手は他にもいると思うんだけど?」
「何だと?」
意味深な二人の言葉に、仮面の奥の瞳をしかめるレリウス。
――ゴゴゴゴゴ…!!!!
…あれ?
何かがこっちに向かって近づいてきているような…!?
しかもそれが徐々に大きくなってきているぞ!?
『あんたたち、どきなさああぁぁぁいっっ!!!!!』
“後ろ!?”…とレリウスたちが気がついたのも、数秒遅かった。
―――ドガアアァァァンッ!!!!!
ドアを突き破って出てきたのは、人間の数倍はあるであろう大型ロボット。
しかし、なぜか頭には中華なべを模したヘルメットが装備されており、その両手は…フライ返しとおたま!?
すると、そのコクピット内部から3つの影が飛び出した。
外見がギリギリ10代ほどの金髪の少女、そして見た目が少しイケメンに見える青年と、大柄で屈強なイメージの男の3人組だ。
「ん?何だお前たちは?」
もちろん、ザイエンたちとて彼女たちの姿を見るのは初めてだった。
「名乗るほどのモンじゃないけど、必要だったら聞かせてあげるわ!…とその前に。」
3人組のリーダー格なのか、金髪の少女が自信と威厳に満ちた口調で、さらにロボットの上から見下すような感じでレリウスたちに言葉を向ける。
そして、その視線を後ろの下に向けると…。
―――ヒョコッ
3人の足元から非常に小さいSDキャラサイズの3人の少女が現れた!?
いずれも“リアルワールドのゲーム機器”を彷彿とする衣服とアクセサリーを纏った特徴的なものだった。
「あれ!?そいつら、俺たちが研究材料にしていた3人組じゃねぇか!!!」
「き、貴様らいつの間に!!??」
艦内のとある研究室で実験道具にされていた3人を偶然見つけて保護したというのか!?
「いや〜、ものすごく警備が緩かったですよ。」
「戦闘員だけに見張りを任せるのは間違いでまんねん☆」
どうやらあっさりと敵を蹴散らして彼女たち3人を助け出したらしい。
「…完全に馬鹿にされたものだな…。貴様ら、何者だ!!??」
怒りも混じっているであろうレリウスの言葉に、笑みを浮かべた3人は、普段着を脱ぎ捨てて早着替え!!
金髪の少女は黒いレオタードに黒マント、そして黒い手袋とハイヒール、さらにはDのマークをあしらった仮面をつけた、見た目的にも刺激的な格好に。
側近の二人も、緑と紫を基調としたスーツと仮面を身につけた格好へと変貌した。
共通するところは、全員が胸元に赤いどくろマークをつけているということ。
「強欲な女ボス・“ドロンジョ”!!!」
「頭脳冴えるメカニック・“ボヤッキー”!!!」
「力自慢の戦士・“トンズラー”!!!」
「世界を乱す奴らにおしおきを!!」
―――我ら、“ドロンボー”!!!!
“どうやってそんな姿に着替えた!?”というツッコミを入れてしまいそうな変貌振りに全員も唖然。
「ドロンボーだと…!?聞きなれない名だが、その者たちを逃がす上、我らに仇をなすと分かれば、生かしては返さぬぞ!!」
「それはどうかしら?」
―――パチンッ!!
ドロンジョが指を鳴らした、次の瞬間―――!
――ドゴゴゴオオォォンッ!!!!
天井からプロペラのついた巨大な筒状の物体が現れた!?
その側面には、ドクロマークが刻まれている。
「…っ、これはまずい!お前たち、何とかしろ!!」
いやな予感を感じたゲンブは、コピー戦士たちに命令を下してその兵器を何とかしようとするが――。
「邪魔はさせないぞ!!」
――ドゴゴゴッ!!!
トンズラーがロボットから飛び降りて、コピー戦士たちを次々と投げ飛ばしていった!!
投げ飛ばされた戦士たちは兵器の側面にめり込んで動けない状態に。
「トンズラー、よくやったわ!!」
あっという間に蹴散らされた状況にゲンブも呆然。
「さて、あなたたち、そろそろ引き上げ時だからこっちに来なさい。」
レミリアは状況の終了を見たのか、信奈たちを自分たちの船に招き入れる。
トンズラーもそそくさと自分たちのロボットのコックピットに戻る。
そしていつの間にかドロンジョたちもコックピットに戻っている。
「さぁ、引き上げるわよ、やっておしまいっ!!!!」
「ポチッとな☆」
ボヤッキーがいつの間にか用意していたドクロリモコンスイッチを押すと、兵器から光が漏れ始めた。
「…仕方ない、引くぞ!」
レリウスは危険を察知し、仲間と共に撤退した。
―――ドッカアアアァァァンッ!!!
アドラメレクの格納庫が爆発したその瞬間、外部で待機していたディーゼル列車と紅魔艦は、退却してきた仲間たちを収容し、撤退を開始した。
尚、今回の一件で内外を問わず大きな損傷を被った亜空軍は、撤退を始めた一同を追いかけるほどの余裕をなくしていたため、見逃さざるを得なかった…。
---to be continued---
☆あとがき
前回の1.5倍のボリュームとなった今回の中篇、ソラさんやアキッキーさんに各種相談・アイディアを出し合ってもらい、色々とやりたいことを次々とつぎ込んでいった結果、かなり膨大になってしまいました(苦笑)
そして今回の新規参戦組、敵味方を問わずかなりドカンと増えてしまいました…。
出来る限りでのキャラクター設定も更新しておきましたので、併せて確認してください。
さて、次回は200話後編!一気にメディアステーションの戦いを終結まで持っていきたいと思います!!!