Phase192 FWパニック・CONVERGE9th Connect〜襲来!!ウルトラモンスターズ!!〜
………訓練施設で新たな転移反応。 その報告を受け、エリアルベース内に残っていたアキッキーたち一行はすぐさまその現場へ急行した。 全員が現場に到着すると、そこには5人の少女の姿があった。いずれも気絶しているようだが…? 一行は首を傾げつつ、彼女たちを保護しようと動き出す―――。 ―――ドドドドドォォンッ!!!『!!??』 「待っていたぞ、新たな勇者ども!そして、赤き勇者アカレッド!」 その瞬間、聞こえた真横からの声。振り向き、目に飛び込んだのは…! 「何ッ!!??ファンガイア…!しかもこのオーラ…、まさかっ!!??」 「フン、どうやら少しは感づいたようだな。そうだ、かつてのファンガイアの“キング”、バットファンガイアだ!!」 このエリアの行動隊長として現れたのは、1000年前のシードピアで暗躍を続けていた闇の一族“ファンガイア”のキングだった怪人。 言わずもがな、屈指の実力者である。 その背後には、青白い炎を纏った銀髪の女性と、禍々しい雰囲気の紺色の怪人が控えていた。 「お前は、獰猛の戦騎・D!!!」「へっ、久しぶりだな、キョウリュウジャー!!!」 後者の怪人、キョウリュウジャーたちにとっては見覚えのある存在だった。 「…獣の耳…。ほう、フロニャルドとやらの獣人どももいるか。」「…!?」 一方、前者の女性はレオたちガレット陣営の姿を見て何かに思い当たったようだ。 「我が名はセルベリア・ブレス!バサラワールドのヴァルキュリアだ!」 「ゲッ!!??“ヴァルキュリア”だって!!??」「よりにもよってジョーカーを引き当てるとは…!!」 名乗りを上げたセルベリアの言葉を聴き、レオとガウルは最悪の敵にぶち当たったと感じざるを得なかった。 ―――ギュワワァァンッ!!! 「バットファンガイア、貴様の指示通り、あいつらを向こうに放っておいたぞ。」 そう言って現れたのは、特殊な赤い宇宙服を纏った謎の男。 その背後には、自身の配下と思しき銀色の戦闘兵が多数控えていた。 「うむ、ご苦労。」「!?…お前は…!」 それまで見たことのない“新参者”の姿にアカレッドも困惑した。 「シードピアに集まった戦士どもか。俺の名はキアイドー、亜空軍に雇われた賞金稼ぎだ。」 そういうと、自身の武器である細身のソードをアキッキーたちに向けた。 「貴様らに恨みはないが、タブーに雇われて依頼された身だ。この場で消えてもらう。せいぜい、俺を退屈させないようにな…!」 拒否権は一切なし…。そう言わんばかりの気迫。 それにこのキアイドーという男は“バトルマニア”と言う言葉では片付けられないほどの大きなオーラを纏っている。 ―――パチンッ獰猛の戦騎・Dは指を鳴らし、戦闘兵・ゾーリ魔を繰り出した。 「アキッキー!Dは俺たちキョウリュウジャーがやっておく!もう一度倒しておかなきゃな!」 「セルベリアはワシとガウルが相手になる!」 「一度、ヴァルキュリアがどんな強さか知りたかったしな!」 戦闘準備完了といわんばかりの気迫を見せるキョウリュウジャーたちとレオとガウル。 「キアイドーという奴は私が引き受けよう!君はリーダーのファンガイアを任せる!」 「言われるまでもないですよ!」 メンバーに同行していた烈も、覚悟を決めた眼差しを見せる。 「よぉし、変身だぁ!!!」『おうっ!!!!!』 <Meteor、Ready?> [シャバドゥビ・タッチ・ヘンシン♪シャバドゥビ・タッチ・ヘンシン♪] ――――Three、Two、One!『変身ッ!!!!』<OPEN UP> 「蒸着!!!!」「ソウル変身!“アカレッド”!!!」 <ガブリンチョ!ガブティィラ!!パラァサガン!! ステゴッチィ!!ザクトォル!! ドリケェラ!!プテラゴオォドン!!> ―――キョウリュウチェンジ、ファイヤー!!!!!! 眩い光に包まれたのを合図に、全員が突撃していった。 「キャアアァァァッ!!!!」 再びエリアルベースの医療室付近。そこで響いたのは静養していたマナたち5人の叫び声。 実はここにも亜空軍が侵攻していた!! 現れたのは、ウルトラマンたちの宿敵に当たる宇宙人たちばかり。 「グオオオォォォォッ!!!」「小娘ども、変な気を起こすなよ…!」 それぞれ、“デスローグ”、“グロッケン”と名乗ったその宇宙人たち、かつてW.M.G.たちが刃を交えた因縁の宇宙人に酷似していたという。 見たこともない存在を目の当たりにして、マナたち5人は竦みあがって体を震わせていた。 「待ちなさいっ!!!!!」「そこまでだ!!」「!?」 そこに待ったをかけたのは、ウィザードの相棒のラミィと、未来の仮面ライダーの適合者・ミハル。 さらにスマイルプリキュアの6人と、ラッシュハンターズ、さらにキョウリュウジャーの後発メンバー4人も合流してきた。 「むっ、貴様たちは…!」「脱獄ハンターズか!?」「てめぇら、いつのまに!?」 敵の宇宙人たちの中で見覚えのある顔ぶれを見つけたマグナたち。 ベスティアのプラズマ怪獣ハンティングにおいて、ブラックリスト入りとなっていた違法ハンターたちである。 「よぉ、ラッシュハンターズ。しばらくだったなぁ。」 「亜空軍がベスティアに襲撃したどさくさに紛れて、またまた脱走させてもらったぜ☆」 「それに、我々も今や亜空軍の戦闘部隊の一員。気兼ねなく、やらせてもらうぞ!」 一番厄介なやつらが亜空軍の一員として参戦するとは…! 「最早、遠慮はいらないみたいですね…。引導を渡してやりなさい、ラッシュハンターズ!」 「もちろんだ、ジェント!!」 ジェントの指示を受け取った3人は、脱獄ハンターたち3人にそれぞれ飛び掛り、その場から離れさせる。 「みゆき、あんたたちはあの人たちの安全確保を任せるわ!」 「オッケー!ウルトラハッピーを守るために頑張るよ!」『オッケー!!』 変身の指輪を装備するラミィの言葉を受け取ったみゆきたちは、変身アイテムのコンパクトを構える。 「俺たちも行くぞ!あのエイリアンを叩き潰すぞ!」『はいっ!!!』 ダンテツの後に続き、福井優子、津古内真也、弥生・ウルシェードも、それぞれ持っていた獣電池とガブリボルバーを構える。 <Shabadobi Touch Henshin〜♪> 「「変身!」」<“Change”、Now> <ガブリンチョ!アァァンキドン!!ブンパッキィ!! プレェェズオン!!ブラァァギガス!!> ―――キョウリュウチェンジ、ファイヤー!!!!!! 『プリキュア、スマイルチャージ!』 光に包まれ、色彩豊かなヒーローとヒロインになる一同。 その中の“輝ける6人の乙女の姿”を見て、マナたちは目を疑った。 「えっ!!??プリキュア!!!???」「まさか、あの子達が…!!!」 “噂や伝説”でしか聞いたことのなかった“自分たちの先輩”。 それを自身の目で見ることになるとは…! 「みんな、大丈夫!?」 「あんまり、そうとは言えないかも…。」 こちらはエリアルベースからさらに離れた場所の宙域。 シャドウバーチャロイドに囲まれた謎のロボット群のパイロットたちの通信である。 ちなみに、重傷を負って動くことすらままならない状況のロボットたちのパイロットは、全員女の子である。 「このみ、救難信号は!?」「送り続けているんですが、全然応答がないでありますぅ!」 「状況は全然良くないわね…。」 このままじゃここで死んでしまう可能性が高い…。打開策を考えたいところだ…! 「「ヘラクレス・クライシス!!!!」」 ―――ズドドドドドドッ!!!―――ドゴゴゴゴオオォォォッ!!! そこに別方向からの一斉射撃が放たれ、周囲のシャドウバーチャロイドが一掃された。『!!??』 現れたのは、エリアルベースから救援に向かっていたゴーバスターズたちと、味方のバーチャロイドたち、勇者特急隊、さらにケロロ小隊の大型ロボットであった。 「皆さん、大丈夫ですか!?」「俺たちはお前たちの味方だ。」 「君たちの救難信号を受信して、こっちにやってきた。安心してくれ。」 救難信号は届いていた。一同は安堵して胸をなでおろす。 「環ちゃん、どうやら一安心みたいね。」「た、助かった〜…。」 「そこまでだ!」『!!??』 通信に割り込んできた謎の声!? すると、亜空間のゲートが開放され、巨大ロボットの一団が現れた! 「折角なんだけど、このまま逃がすわけにはいかない!」 その中のリーダー機と思しき機体から聞こえた声、舞人は聞き覚えがあった。 「アトラスMK-2…!それにこの声……パープルか!!??」「久しぶりだな、旋風寺舞人。」 かつて勇者特急隊と何度も激戦を交えた存在、パープル。 因縁深い存在がこんなところに現れるとは…!! 「“どうしてここにいるのか”って言う顔だね?簡単なことさ。俺もまた、亜空軍の闇の力で復活を遂げたのさ。」 「…くっ…!!」 こんなところにまで亜空軍の力が働いているのかと思うと、歯がゆさを覚えるほどのうっとうしさを感じざるを得ない。 「ほう。パープル、あなたの因縁の男がいたのですか。」 「あぁ、エージェントX。あの勇者特急隊は俺が始末する。手を出すなよ。」 「いいでしょう。ならば私はスーパー戦隊のロボットをやりましょう。」 パープルの機体・アトラスの隣にいる機体のコックピットから入った通信。 その機体にいるエージェントXなる謎の怪人も、臨戦態勢だ。 「ゴーバスターズ、マイトガイン、ケロロたち。あいつらの相手は任せるわ。」 「負傷したロボットの保護は任せたまえ。」 激戦になることを想定したシルビーたちとクリアリアは、負傷したロボットたちをこの宙域から避難させ、一先ず大列車フォートレスに向かった。 「カスタムギア!レギオノイド!一気に片付けろ!」 その瞬間、パープルの命令により、量産型ロボット軍団が一斉に連合軍目掛けて突進を開始! ―――ズドドドドッ!!!!『!?』 …と思ったらまたまた出鼻を挫く攻撃が連合軍たちの背後から放たれた。 「あら〜?もしかして?」キリエは何かを察知して背後を振り向く。 そこには、彼女の予想通り、ガイア、アグル、マックスのウルトラ戦士たち、GUNDAMの適合者たち、そしてコンボイたちとダイノティラノとグリッドマン連合軍。 いつの間にか一行の背後から加勢に向かっていた一行だった。 「ジェントさんの要請で、皆さんの援護をすることにしました!」 「俺たちも協力させてもらうぜ!」 連合軍の予想外の援軍が到着したことにより、パープルも苛立ちを募らせる。 『パープル、どうやら援軍が必要らしいな。』 「!?…ベリアルか…!」彼の脳裏に響いた謎の悪魔の声。 『俺の力でしもべにした連中をそっちに送るぞ!』 <ダークライブ!!“ギラルス”!“バモラ”!“パギラ”!“シノビラー”!“ガンQ”!“キングパンドン”!“メカゴモラ”!> 謎の声が聞こえたと思いきや、7つの亜空間ゲートから7体の怪獣が出現した! 『何ッ!?新たな援軍だと!!??』「怪獣だとかふざけてんじゃねぇの!?」 「仕方があるまい。どんな敵でも、現れたら戦うだけだ!」 覚悟を決めるしかなさそうだ…!!!! ……メディアステーション某所。そこに佇む影が一つ。 それは、先ほどまでクイーンブリッツライナーでノゾミの看病をしていたはずの春野タイヨウだった。 その手には、彼以外全く見たことのない不思議なスティック。 中には宝石が入っているのか、光に反射して先端が煌いている…。 『……タイヨウ…。』「…コスモス…。」 脳裏に、“自身との一体化を果たした戦士”の声が響く。 「僕は、大切な人を守れるかい…?」 『案ずることはない。君はその願いを望んだからこそ、その支えとして私は君と一つになったのだから…。』 彼の不安を、コスモスが払拭する。“決して一人ではない。”そうささやくように…。 『君に授けた“コスモプラック”…。その輝きが私の心を呼び覚ましてくれる。後は、君次第だ。』 タイヨウは受け取ったスティック――コスモプラックを見つめ、そして思った…。 愛する妻、戦い続ける弟、そして、今までのシードピアの生活の中で知り合った仲間たちの姿…。 辛い道を選んで、自分が傷つきながらも戦い続ける彼ら…。 「…みんなは自分の中の勇気を振り絞って、戦いに飛び込んだ…。みんなも、大切な存在を守るために戦っている…。僕も、ノゾミを、弟を、“家族”を守りたい!そのための力を、僕も持っているなら……!!」 ―――力を貸してくれッ!!!! その言葉に、コスモスは頷いて答えた。 『その優しさを、私が力に換えよう。さあ、今こそ私の光を解放してくれ…!』 タイヨウは、コスモプラックを構え、それを天に翳した! ―――コスモォォス!!!!! 青い光の花の蕾が開き、タイヨウは光に包まれて宇宙(そら)に飛び立った…。 そんなタイヨウの場所とは全く異なる場所。 バン・ヒロトと名乗る、ヒビノ・ミライに瓜二つの青年の場所である。 彼の肩には、なぜか小さな人形の姿となっているウルトラマンタロウが乗っている。 さて、当の本人だが、メディアステーションの窓から外を見ている。 「……ヒロト、何か見えるのか?」 「…うん。向こうの宙域で亜空軍の怪獣とロボット軍が現れている。」 「!?」この位置から遠くの戦いが見えるというのか!? 『こちらからも確認できた。しかもこの気配…、“ダークライブ”された怪獣たちだ…!』 ヒロトの意識から語りかける“ウルトラマン”も、その気配に同意する。 「ギンガ、“ダークライブ”というのは何なのだ?」 『“ダークスパーク”と呼ばれるアイテムを使って、人形型のエネルギー体“スパークドール”を読み込むことだ。』 異次元の世界で、ウルトラ戦士やウルトラ怪獣を模して作られた人形型のエネルギー体“スパークドール”。 “ダークスパーク”で力を解き放たれると、その意志は邪悪な力で支配されるという。 『おそらく、“ルギエル”の力の断片が亜空軍の手に渡っているのだろう。一刻も早く何とかしなければ…。』 「そのために、君たちがいるということか。」「うん!」 タロウの言葉に答えると、ヒロトは手に持っている銀色の短剣型アイテムを構える。 刃の両端のブレードが展開すると同時に、それまで見たことのない赤と銀と青のウルトラ戦士の人形が現れた。 ヒロトはそれを手にすると、短剣型アイテム―――“ギンガスパーク”の先端に押し当てた! <ウルトライブ!!ウルトラマンギンガ!!> すると、ヒロトの体が光の粒子に包まれ、その体が“ウルトラマンギンガ”と呼ばれる戦士と一体化し、彼も宇宙へと飛び立った…!! 「見つかってないの!?」「こっちもッス!」「どうなっているの…!?」 所変わって、こちらは“876プロ”と呼ばれる芸能事務所。 765プロとは交流も深い姉妹プロダクションとして、これまで何度も慰安ライブを行なってきた場所である。 ここも案の定、亜空軍の襲撃を受けて大ダメージを受けていた。 しかも、そのときのドサクサに紛れてか、その事務所に所属しているアイドルメンバーたちが行方不明になってしまっていたのだ。 「どういうこと!?メディアステーション中を探してもいないなんて…。」 事務所の社長も、“あの3人”の行方がつかめないことに不安と苛立ちを隠せない…。 「どう考えてもおかしいねぇ…。」「心配です…。」 仲間たちも、“彼女たち”の行方が気がかりで仕方がない…。 ―――ザッ……。 「……!?」ふと、そんな一同の背後になにやら足音が聞こえ、徐に振り向く。 すると、そこには自分たちの探していた“彼女たち”が佇んでいた。 「愛ちゃん!」「絵理!」「涼!」 全員が3人の下へと駆け寄る。「もう!舞、どこに行ってたのよ!」 「先輩、心配したんスよ!」「涼くん、無事でよかった。」 一同はようやく戻ってきた仲間に安堵の表情を浮かべる。 「「「………。」」」しかし、当の本人たちは無言のままだ…。 しかも、どういうわけか現れた瞬間から顔も見せずに俯いたままだ…。 「ちょっと、涼!なんとか言いなさいよ!」 ライバル関係にある桜井夢子が涼の肩を掴み、体を揺らすが―――。 ―――バシッ!!!『!?』 いきなりその手が払われた。「…り…、涼…!?」 ここに来て一同は、ようやくただならぬ悪寒を感じ、少しずつ下がる…。 俯いた顔を上げた3人の瞳には、光が宿っていないといわんばかりの真っ暗な雰囲気。 その左腕には、何かウイルスでも注入されたかのような紫色の痣が膨れ上がっていた…! “まるで何かの操り人形”…。 その場にいた一同がそう感じた瞬間、3人は機会昆虫型のアイテムを取り出し、それに謎の黒いICカードを装填する。 ―――ガチャッ、ピピピッ! カードが認証され、3人はそのアイテムを眼前に構える―――!!!! ―――甲虫鎧装!!!!!! その言葉が認証されると、アイテムの中に圧縮封印されていたであろう3色のレアメタルアーマーが解放された。 そして、日高愛はテントウムシを思わせる赤いアーマーを、水沢絵理はカブトムシをイメージした青色の鎧を、そして秋月涼は緑色のクワガタ戦士の装備を装着した! その瞬間、3人の背後からゼクトプリムが多数出現。一同はこの光景が信じられなかった。 「あんたたち…、何の冗談なの!!??」 社長の言葉にも耳を傾けることはなく、3人はゼクトプリムたちとともに射撃武器を構える。 「うそでしょ…!!??」「先輩!何とか言ってくださいよ〜!!」 「こんなことが…!!!」「やめて!どうしてこんなことするの!?答えてよ!!」 一同は3人に言葉を叫ぶが、いずれも今の彼女たちには届いていなかった。 「どうしてなの…!?ねぇ、涼、あんたに何があったのよ…!?」 夢子の瞳から涙が溢れた瞬間―――。 「答えなさいよ、涼〜〜ッ!!!!!!!!!」 ―――ドッカアアァァァァンッ!!!!!! 876プロは大爆発によって壊滅した……。
---to be continued---