Phase189 FWパニック・CONVERGE6th Connect〜シン王と百獣の雄叫び〜
連合軍と怪人、人間とロボットを含めてその参戦人数350人オーバーとなったこのヘンダー城エリア、今まで以上の超絶大乱闘と相成ったのは想像するに難くない。 「「当ったれえぇっ!!」」 ただそれゆえか、どことなく被っているところや強力な攻撃が展開されているところも少なからず。 例えば、バサラワールドから迷い込んだ“風の巫女”タリムと、GUNDAMを装備したキラが攻撃を繰り出すときに偶然セリフが重なったり…。 「ピンクストーム!!!」「「ツイストルネード!!!」」 ゴセイジャーとマジレンジャーの魔法と転送術が合わさって強力な攻撃になったり…。 『シンケン超忍法!戦国・恋姫・影の大乱舞!!!!』 シンケンジャー、ハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャー、バサラワールド連合、タートルズの超絶合体高速攻撃で何百体と召喚された戦闘兵たちが一気に一掃されたり…。 とにかく連合軍だけでも300人相当という大人数に発展した成果、その攻撃力は少なくとも敵軍の想像を遥かに超えていたのは言うまでもない。 「サーベルストレートォォッ!!!!」<ATTACK RIDE、“BLAST”!!> こちらはゴーオンレッド(ソラ)とディエンド(海東)を中心とした陣営。 ウィッチからはシャーリィとリーネと坂本美緒が、CVP連合からはインデックスと美琴の顔見知りであるステイルと神裂火織が、フロニャルド連合からもシンク、レベッカ、ナナミの勇者3人が、さらにディエンド(海東)も援護に加わる。 対戦相手は、行動隊長のジェネラルシャドウとアマダムに加え、三段腹イマジン、チラカシズキー、ライノダブラー、さらにはダークヘッダー怪人と言う布陣だ。 「対決前から何度も言ってるけど、お前たちいくらなんでも多すぎだろ!少しはバランスってもんを考えろよおい!」 ―――バコッ!!!「ぶごっ!?」 アマダムのいかにも逆ギレに似た叫びに対し、ナナミとシンクが得意の棒術の“唐竹割り”を炸裂させてツッコミを入れる。 「プラズマ界の世界バランスを崩しているお前たちの言うセリフじゃないだろ!!!」 「ご尤も。あんたたちのせいであたしたちは大迷惑よ!」 アマダムの頭に、二つのコブが出来ていた…。 「いててて…。やってくれるじゃねぇか。だったら、追加の援軍を送り込むまでよ!」 <KAIZIN RIDE、“KAIZAM-IMAGIN”、“MONKIKKEY-IMAGIN”> するとアマダムが懐からカイジンライドカードを取り出し、それまで見たことのない怪人たちを投入してきた。 どこかのロボットアニメに出てきそうな雰囲気の濃い青色のロボットと、チンパンジーを彷彿とする顔つきの軍服の怪人の二体だった。 「な、なにこれ?」 さすがに一同もこの怪人たちは予想外と言うか、全く知らない面子が揃ったことに戸惑いを隠せない。 「おぉ!思い出したゾ!」 『!?』 そこに割り込んだのは、ソラたちの戦いを見守っていたしんのすけだった。 「その青いロボットは『カンタムロボ』の兄の“カイザムロボ”で、もう片方の怪人は『アクション仮面』の“チンパン総督・モンキッキー”だゾ!」 「ピンポ〜ン、大当たり〜!……って!?おいガキ!何で知ってんだ!?」 一目見て思い出してそれを完璧に言い当てたしんのすけに一同が驚く一方、思わずノリツッコミをしてしまったアマダムも愕然。 その状況を見ていた海東、複雑そうな表情を浮かべて大方の事情を察した。 「確かそれ、“クラナガン”の子供たちに大人気のロボットアニメと特撮ドラマ…だったよね?」 海東の一言を聞き、全員が、「あぁ…、そういうことか。」と、納得した。 「貴様、さてはそいつらの顔見知りか!?」 「ならば生かしてはおけんな。これでも喰らうがいいわ!“チンパンオンパ”!!!」 ―――バンバンバンバン…!!!!! 先手を取ったモンキッキーは取り出したシンバルを叩きまくって超音波を発する。 「おおおあぁぁぁぁぁ!!!!!」 その音波をまともに喰らったしんのすけは頭痛を起こすほどの精神的ダメージを受けてしまう。 「その隙は逃さんぞ!“カイザムパアアァンチ”!!!」 ダメージを受けたしんのすけの隙を逃さなかったカイザムが両腕のロケットパンチでさらに追い討ち! 「あ!あぶない!!」 「お?」 高速で飛んでくるロケットパンチは既にしんのすけの眼前まで近づいていた――――。 ―――ズザザアアアァッ!!!!! …と思ったらしんのすけの前に複数の砂柱が! 「「何ッ!!??」」 しかもそれらの砂柱はしんのすけの存在を感知していたのか、それぞれが思い思いの姿へと変貌しだした…! 「アクション仮面、参上!!」「カンタムロボ、参上!!」 そのうちの2体は、しんのすけのお気に入りであるヒーローを模した姿に―――。 「真っ赤に熱く燃える、炎だゾ!」「涼しさと心地よさを与える、風だヒュー!」 「潤いと冷たさを司る、水だスイ!」「大地に根付く安らぎの象徴、緑だヨォ!」 「硬さと強さを兼ね備えた、鉄だゼ!」『我ら、SHIN-MEN!!!』 残りは意外にもしんのすけをそのまま模したかのような小さい姿のヒーローに変わった。 「どうやらあれはイマジンみたいだけど…、後者5人はちょっと予想外だな…。」 海東もこの意外な面子の登場は予想外だったようだ。 「おおぉぉ!なんだかわかんないけど凄くかっこいいぞ!」 一方のしんのすけ、思いも寄らなかったヒーローたちの登場に、目をキラキラと光らせていた。 「アクションビーム!!!」「カンタムパンチ!!!」 『ゴーゴーSHIN-MEN・ファイブコンビネーション!!!』 すると間髪いれず、現れたイマジン一同はアマダムたちに一斉攻撃を仕掛けた。 どうやら彼らはこちらの味方と受け止めて間違いなさそうだ。 …と思った瞬間、7体のイマジンたちはしんのすけに向き直る。 「しんのすけくん、君のイメージから生まれた我ら7人、君の亜空軍との戦いに力を貸してあげよう。」 「必要あらば、いつでも僕らの力を引き出して欲しい。」 「いっしょにがんばるぞ!」 すると7体のイマジンたちは、光の玉となってしんのすけの体の中に憑依、その力がしんのすけの“NEW-シンオウベルト”となって具現化された。 ぶりぶりざえもんの肌色ボタン、アクション仮面の青、カンタムロボの緑、そしてSHIN-MENたちの5色一体のボタン、合計4種類ボタンがベルトの両側に追加された。 「よぉし!アクション仮面に変身だぞ!」 しんのすけは迷わず青いボタンを押し込み、ライダーパスを構えた。 「変身!!!」―――ACTION-FORM すると、テレビで見ていたアクション仮面と同じようなオーラアーマーと仮面が装着され、しん王・アクションフォームが完成された。 「わっはっはっはっは!三段腹イマジン、このしん王が退治してくれるゾ!」「生意気なぁぁ!!!」 テレビで見たアクション仮面のモノマネのつもりだろうが、本人はかなり乗り気だ。 そして、その挑発に乗ってしまった三段腹イマジンも、どうかと思うが…。 「少佐、あんな子供も頑張って亜空軍と戦っているこの現状、どう思う…?」 そんなしんのすけより年上のお姉さんであるウィッチたち3人、自分より年下なのに迷いなく敵に立ち向かうあの度胸、少しばかり見習いたい気持ちだ。 「あの子、私たちよりも年下なのに…。」「確かにそうだ…。」 周りを見渡してみても、プリキュアやスーパー戦隊、仮面ライダーを始め、驚異的な力を手にして戦っている者の中には私たちより年下の少年や少女たちがいる。 同じ年代の者たちに助けられるならまだしも、彼のように年端の行かない奴が前線にたって戦いを任せるなど、私たちにとっては恥ずべきことだ! 彼らのような少年たちは、私たちが守るべき存在だ! 自分たちのような年上の者たちの使命は、しんのすけたちのような少年たちの未来を守ることだ! 「シャーリィ、リーネ、彼らのような少年たちと少女たちの輝ける命、決して亜空軍に奪わせるな!!!」 「おう!」「了解!!!」 ―――ビュワワアァァンッ!!!!―――シュバッ!!!『!!!???』 すると、その決意に呼応するかのように、どこからともなくザビーゼクター、ドレイクゼクター、サソードゼクターが登場。 「うん!?」「これって…!?」「……!!」あっという間に3人の手中に納まった。 「スティング!アウル!」「「!!」」 この展開に、“前の持ち主”のステラ、スティング、アウルの3人が感づき、敵を振り払って3人に近づく。 彼らの手に納まったゼクターたち。その心に秘めた真意を、3人は察していた。 「これって…。」「あぁ、そのようだな。」「へっ…☆」 “新たな主”を見つけたことを理解し、3人は今まで大切に保管していたアイテムを差し出す。 「これ、君にあげる。」「えっ…!?」 突発的なことが起こった後にいきなりのアイテムの譲渡に困惑したが…。 「お前らのところに来たゼクターたちは、お前たちと一緒に戦いたいって言っているんだ。」 「守りたいという願いと、戦いたいという意志。その二つの思いの強さを、こいつらは感じ取ったんだ。」 「だから、みんなも、この子達と一緒に、戦って。」 ゼクターが自分たちを戦士と認めた。この力を使ってもいいというなら…! 「坂本少佐、遠慮なく使わせてもらおうぜ!」「プラズマ界を救うための力を…!」 シャーリィとリーネの言葉に後押しされた美緒は、決意した。 「ゼクターよ、私の心の強さを認めたというなら、力を貸してくれ!」 3人は、ステラたちからアイテムを受け取り、シャーリーはブレスを左腕に装着する。 「ストライクウィッチーズと言ったな?」 そこに、カブトこと天道が会話に加わる。 お前たちは、てれび戦士たちやしんのすけたちのような少年たちの未来を守るために、その輝ける命を守りたいと願った。 だからこそ、ゼクターたちが呼応して、ライダーに変身する資格を手にした。 おばあちゃんが言っていた…、“子供は宝物……この世でもっとも罪深いのは、その宝物を傷つける者だ。”…ってな。 「その罪を犯す亜空軍の奴らを、必ず倒せ!!!」 力強い語録を受け取った3人は頷き、ゼクターを構えた! 「「「変身ッ!!!」」」―――HENSHIN!!! 3人がゼクターをアイテムに装填し、ヒヒイロカネで出来たマスクドアーマーを装着する。さらに―――。 「「「キャストオフ!!!」」」―――CAST OFF!!! そのままアーマーを脱着、動きやすさを重視したライダーフォームとなった。 「行くぞ!!!」「「了解!!!」」新たな力を手にし、士気を上げた3人が怪人たちに向かっていった。 「ここか!?」「うわ、凄いことに…!」ふと、ここに新たな面々が到着した。 「ん!?フワニータとベルナデッドか!?」「アルフ!?」「え!?リーゼアリアさん!?」「のぞみちゃん!」 仲間たちの合流と、意外なメンバーがここに現れたことに驚けば―――。 「あ、あれ!?お姫様まで!?」「おジャ魔女のみんなも!?」 その場にいないはずの顔ぶれまで、その面子の合流は絶妙のタイミングだった。 ・シードピア連合:フワニータ、ベルナデッド、セイ、トーカ、クック、昴、エドワード、アマノッチ ・ディスタンスフォース:アルフ、リーゼアリア・ハルケギニア王国:アンリエッタ姫 ・プリキュア:のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、くるみ(ミルク) ・おジャ魔女:どれみ、はづき、あいこ、おんぷ、ももこ 「ななな、なんだ!?」「邪魔するなぁ!!!」 怪人たちの攻撃が合流した一同に向かっていったが、その攻撃はアルフとリーゼアリアのラウンドシールドであっさりと防がれた。 「おジャ魔女たちのほうはとりあえず、あたしたちが安全圏まで誘導しておくわ。」「後はよろしく!」 アルフとリーゼアリアがシールドを展開しつつ、おジャ魔女たちを戦闘圏外に導く。その後にアマノッチも続き、そこには“戦闘要員”が残った。 「ひ、姫様!そこにいては危険です!退避してください!」 思わず、シエスタがアンリエッタの身を気遣うが―――。 「ご心配なく。私も、異次元世界の力を授かりましたから。」 そう言って彼女が取り出したバックル型アイテム。その形を、トーマと番場は気付いていた。 「えっ!!??あれって、もしかして…!!!」「そうか…、彼らが新世代の恐竜戦士か…。」 その推測に答えるかのように、バックルを構えた6人はアンリエッタの合図と共に戦闘体制を整えた! 「皆さん、参りましょう!」「「おう!」」「「「オッケー!」」」 『ダイノ、バックラーッ!!!!!!』 バックルを展開させ、ガイアトロンの力を解き放った6人は6色の恐竜戦士へと変身した。 「「恐竜戦隊!」」 『ジュウレンジャー!!』 「「ええええぇぇぇぇ!!!??」」「うそでしょ…!?」「…!!!」 自分たちの国のお姫様がスーパー戦隊となったことに驚きを隠せないハルケギニアの一行。 「私たちもいくよ!」『オッケー!!』 『プリキュア・メタモルフォーゼ!!』 「スカイローズ・トランスレート!」 プリキュア5とくるみも変身して臨戦態勢を整えた。 「希望の力と未来の光 華麗に羽ばたく5つの心」 ―――――Yes! プリキュア5(ファイブ)! 「青い薔薇は秘密のしるし!ミルキィローズ!」 6色のバラの花吹雪を煌かせ、決めポーズをとる6人。 「「ビースト・オン!!」」 一方、自分たちを忘れるなと言わんばかりの昴とエドも、ゲキチェンジャーを発動させてバトルスーツを纏う。 ―――時を越えて受け継がれる獣の魂!「「我ら、スピリットレンジャー!!」」 名乗り口上とポーズを決め、戦線に参入し、次々と召喚される戦闘員たちを蹴散らす一同。 ―――ズサアァァッ!!!こちらはダークヘッダーの相手をする火織とステイル。 かつては魔天使のブラジラに仕え、ゴセイジャーたちを大苦戦させた相応の実力者。 「再生怪人といえど、さすがに強いわね…。」 「こちらの超能力でも対処できないなんてね…。」 異世界には自分たちの知らないところが多々あるとは聞いていたが、それを亜空軍との戦闘という形で体験することになろうとは思わなかった。 「欲張りだけどさ、俺たちもあんなヒーローの力が欲しいって、思わない?」 「…今回に至っては同じ考えね。ここまで大きく苦戦するってなると、この生身の状態と普段の能力だけじゃ、追いつかないのも事実よね…。」 このピンチをチャンスに変えることが出来れば…!!!―――バキュバキュバキュンッ!!! そこにディエンドが加わり、二人の横に並び立つ。「だったら提案があるよ。」 すると彼は戦闘中のシャナ(ギンガレッド)に声をかけた。 「シャナ!君の持っているグレイブの力を神烈火織に譲ってあげたまえ!いつまでも持っていても仕方がないだろう?」 「!!……確かに、“宝の持ち腐れ”ってやつね。分かったわ!」 その声を聞いたシャナ、ずっと持ち続けていたグレイブのバックルとカードを取り出した。 「火織、下手な使い方をするんじゃないわよ!!!」―――シュッ!!! シャナから投げ渡されたバックルとカードを、火織が受け取る。 「ステイル=マグヌス。君にはこれをあげよう。“仮面ライダーギャレン”のバックルとカードだ。」 一方、海東は今までずっと持ち主のいなかったギャレンのカードとバックルをステイルに渡す。 その装備を受け取った二人の表情は笑みに変わり、二人は早速カードをバックルに装填して、それを装着した。 「「変身ッ!!!」」<Turn UP><OPEN UP> バックルにダイヤのマークとAのマークが現れ、カード上のエネルギーカーテンが二人の体を通り抜け、ギャレンとグレイブに変身した。 「行くぜ…!」「反撃開始よ…!!」二人は武器を抜き、怪人たちに攻撃を開始した。 「さて、こちらも兵隊さんを………!?」 そう言って、ディエンドはカードホルダーからいつものライオトルーパーのカードを取り出したが、そのホルダーに言い知れぬ違和感を感じ、それを探ると、いつの間にか新しいカードが増えていた…!! [KAMEN RIDER MAGE]そこには、オレンジと青と緑の、六角形の宝石を模ったような仮面の魔法使いが3人描かれていた。 「これは…、まさか…?」 “魔法使い”ということで思い出したのは、通信施設の戦いで参戦した魔法使いライダー・ウィザードの存在だった。 彼の存在がこの新たなカードの覚醒を促したということか…!「ふっ、僕の新しい兵隊か。」 新たな力を手にしたディエンドは、いつものライオトルーパーに加えて、この魔法使いライダーのカードも装填した。 <KAMEN RIDE, “RIOTROOPER”、“MAGE”> 引き金を引いて六つのライダーの影を召喚、それらは色身を帯びて本来の姿となる。 「さあ、終わりのときよ…!」召喚した仮面ライダーメイジのオレンジタイプの一言を合図に、戦闘兵ライダーたちは怪人たちに立ち向かっていった。 「烈空一文字ィ!!!」「ブーメランスラッシュ!!」「バレットカード!!」 一方、こちらはフロニャルドの勇者3人。さらにその背後から、アルフとリーゼアリア、そしてなぜかヴァーチェックランチャーを携帯してきたアマノッチも戦線に加わっていた。 「お前たちと言う奴らは、ホントに諦めるって事を知らないらしいな。」 「これだけ痛めつけても、あれだけメディアステーションを襲撃し続けても、まだまだ俺たちに歯向かうってのか!?」 アマダムとジェネラルシャドウ、シードピア連合とミッドチルダの人間たちの執念深さに苛立ちを覚えていた。 “とっとと自分たちの力に屈すればいいものを…!” おそらく、亜空軍の行動隊長や幹部たち、延いてはタブーすらも考えていることなのかもしれないが…。 「あいにく、ワシらはそんなに諦めがよくないのでな!」 「もし諦めることがあるとしたら、それは死んだ瞬間かもしれないわね。」 「この命がある限り、アタシらは何度だって噛み付いてやるんだから!」 「あたしたちの大好きな国を救って、あたしたちの大好きな領主様を守り抜く!」 「そのためなら、いつでもこの力、振るってあげるんだから!!!」 「僕たちのこの心に、諦めない想いと守りたいという願いがある限り…、決して止まる事はないんだ!」 『やる気満々だぜええぇぇっ!!!!!!』―――ピカアァァァッ!!!!! 気合を入れて叫んだ魂の声、それに呼応したのか、どこからか宝珠が現れ輝き、一同が光に包まれた。 「ななっ、なんだと?!」「これは一体…!?」 予測し得なかった事態に、その場にいた一同は困惑した。ただ一人、“似通った経験をした”ソラを除けば…。 「そうか…、あの人たちが“光のアーカイブ”に認められたんだ…!!」 現実世界から隔離され、時の止まった空間。そこに移されたシンクたち6人は、その周囲を見渡し、困惑していた。 また、いつの間にかこの空間にいたヴィヴィオたち3人も、突然起こった出来事に戸惑っていた。 「こ、ここは一体…!?」 視線を泳がすと、ヴィヴィオたち3人の持っていた宝石――“ガオの宝珠”が宙に浮かび、その内部から漆黒のボディを持つ5体の獣たちが現れ、それらは一つの巨人の姿へと合体した。 「あ、あれは確か……“ガオゴッド”!!!!」 いち早くガオレンジャーとしての力を手にしていたアルフ、その神の存在をすぐに察した。 「その通りだ。」 すると、そこに銀色のジャケットを着こなす一人の青年の姿が。「あんた、月麿…だっけ?」 その姿も覚えがあった。自分にガオシルバーの力を託した、大神月麿だ。 「アルフ、獣たちの魂を宿したお前の仲間が、ついに集まったぞ。」 そう言って指さした先。 アルフが振り向き、シンクたちもその方向を向くと、そこには黒を基調としたジャケットを身に着けた5人の男女の姿があった。 「…っ!!先代のガオレンジャー!!」『!?』 シンクたちがその言葉を聞き驚く一方で、その存在を認め頷いた5人――獅子 走、鷲尾 岳、鮫津 海、牛込草太郎、大河 冴―――。 かつてパワーアニマルたちに認められガオレンジャーとなり、鬼の一族・オルグと戦った獣の勇者たちである。 「ついに見つけたんだね、新たな獣の戦士たちが。」 ふと、ガオゴッドの内部から少年の声が聞こえた。…と思ったらそこに帽子を被った少年が現れた。 すると、ヴィヴィオは記憶の中で何かを思い出した。 「君って、確かわたしに語りかけてきた…!」 「そうだよ。僕は風太郎。ルヴェラの守護神の一人・ガオゴッドとして、ガオレンジャーと一緒に戦ったんだ。」 ルヴェラの神がまさか既に自分の下へ来ていたとは思わなかった。 「聖王さま。」ふと、自分をそう呼ぶ新たな女性の声が。 現れたのは、真っ白な衣装に身を包んだ若い女性。清楚な雰囲気をかもし出す存在だった。 「私はテトム。ガオレンジャーの戦いを支えたガオの巫女。新たなガオの戦士の目覚めを見届けるために、あなたたちにも来て頂いたのです。」 すると、そのガオの巫女の言葉を合図に、一同はそれぞれの言葉を紡いだ。 みんなをここに呼んだ理由、それは、俺たちの魂と想いを受け継がせるためだ。 恐怖を知り、それでもなお敵に立ち向かっていくお前たちの勇気。 鍛え上げてきた技を磨き、自分を信じて突き進む想い。 そして、仲間を、生きとし生ける者を守りたいという意志が、自分たちの魂を響き合わせたんだ! 大きな壁に立ち向かうあなたたちの魂の叫びが、眠れる力を呼び覚ましたのよ。 今のお前たちなら、俺たちの力を受け継いでくれるだろう。 ガオレンジャーたちの言葉を理解した一同は、お互いに目を合わせた。 「それに、パワーアニマルたちも君たちを認めてくれているよ。」 彼らの見上げた視線の先。シンクたちが思わず振り返ると、そこにはカラフルな宝珠に封印されたパワーアニマルたちの姿があった。 「さあ、新たな百獣戦士たちに、力を与えてくれ!」 すると、パワーアニマルたちは光の粒子となって、シンクたちに降り注いだ。 それにより、シンク、レベッカ、ナナミ、アマノッチの手にはそれぞれ金色の携帯電話――Gフォンが、加えて4人とリーゼアリアに2〜3個の宝珠が与えられた。 「よぉし!これでガオレンジャーも全員集合だな!!!」 指の骨を鳴らしながら、自分と同じ力の戦士たちが揃ったことに喜ぶアルフ。 聖王ヴィヴィオ、君に託したその5つの宝珠は、僕の心を呼び覚まし、ガオゴッドの力を操ることの出来る“ゴッドパワーアニマルの宝珠”。 君たちがもし、僕の力を必要としたときには、その宝珠の力を解き放って欲しい。 もちろん、ガオレンジャーだけでなく、この世界に集まってきているスーパー戦隊の戦いのサポートにも役立ててくれれば、僕も嬉しいよ。 自分たちまでもがルヴェラの大いなる力を継承することになるなんて予想し得なかった。 思わず3人は戸惑ったが、そんな彼らをテトムが励ます。 「大丈夫です。荒神さまは、きっとあなたたちの力となってくれることでしょう。」 優しいその笑顔、まるで母親のような温かみを感じたヴィヴィオは、思わず笑みをこぼす。 力を受け取ったヴィヴィオたちは、“これからよろしく”と言う強い思いを込めて、大きく頷き、風太郎もそれに返す。 新生ガオレンジャー、そして聖王ヴィヴィオ、このプラズマ界を頼んだよ…!!! その言葉を最後に再び光に包まれ、一行は元の場所に戻った。 シンクたち5人の手には、“彼ら”から受け取った力の象徴がある。体の震えが止まらない感じだった。 ふと、アルフがGブレスフォンを取り外しながら「さてと…」と漏らしつつシンクたちの前に出る。 「みんな、今のが夢じゃないって察しているなら、次にやることは決まってるんじゃないの?」 目の前には、突然の状況でまだ困惑している怪人たちがいる。 「先輩戦士とパワーアニマルたちが認めてくれているなら、力を発揮できるはずだよ。」 彼女の言葉を受け、一同は気を引き締める。「………あぁ。みんな、行こう!」 託された想いと力を決して、無駄にはしない!「それじゃ、変身だよ!アタシの後に続いて!」 アルフが右手にとったGブレスフォンを開くと同時に、シンクたち5人もそれに倣ってGフォンを開く。 そして、アルフはそれを顔の左に構え、左手でテンキーを覆うような形をとりながらポーズをとる。 「ガオアクセス!!」 その後に続いて、シンクたちもポーズを取って変身コードを叫ぶ。 「ガオアクセス!!!!!」 変身ボタンを押し込み、力が宿ると、アルフがGブレスフォンを右耳に宛てながら「ハァッ!」と気合の一言と共に左手で獣の爪を表現するかのようなポーズを取る。 もちろんシンクたちもそれに続いた。『ハァッ!!!!!』 次元の壁を超え、大空と大地の叫びが響き、自然の力とプラズマ界を守りたいという人々の願いが1つとなった時、プラズマ界を守る6人の勇者が今、蘇ります!! 『サモン!スピリット・オブ・ジ・アース!!!!!!』 すると、GフォンとGブレスフォンは折り畳まれると同時にそれぞれのシンボルのパワーアニマルの魂が宿る。 やがてそれらは適合者とシンクロし、ガオレンジャーのスーツを形成し、6色の百獣戦士たちが現れた。 「ゲゲッ!!??なんだとおぉぉ!!??」「このタイミングで新しいスーパー戦隊だと!!??」 アマダムたちもこの展開は全く予想しておらず―――。 「シンク!?ナナミさん!?」「れ、レベッカ!?」「うそ…、アルフ!!??」「アリア!!??」 もちろん、ミルヒとクーベルも自分の勇者の突然の変身に驚けば、フェイトも自分の使い魔が戦隊になっていたことを知る由もなく、クライドもリーゼアリアが戦隊に覚醒した事態に驚きの眼差しを向けざるを得なかった。 「うそ!?アマノッチさんも!?」「ええっ!?」S.O.S.フォースも同じこと。 いきなりアマノッチが戦線に加わったことも然ることながら、いきなり戦隊として覚醒を遂げた事態は全く予想していなかったのだから…。 そんな一同を尻目に、シンクたちの名乗り口上が始まった。 「ガオライオンに選ばれし戦士!灼熱の獅子・ガオレッド!!」 先陣を切り、ライオンを彷彿とする決めポーズをとるシンク。 思えば“炎+獅子”=ビスコッティの炎とガレットの獅子。両国の架け橋となったシンクがこの戦士となるのは、何かの運命だったのかもしれない。 「ガオイーグルに選ばれし戦士!孤高の荒鷲・ガオイエロー!!」 大空の空中戦を得意とするレベッカ、鳥の爪を彷彿とする手の形を取って名乗り口上を上げる。 「ガオシャークに選ばれし戦士!怒涛の鮫・ガオブルー!!」 海と川に恵まれたガレットの波乗り勇者・ナナミも、鮫の牙を彷彿とするポーズで名乗りを決める。 「ガオバイソンに選ばれし戦士!鋼の猛牛・ガオブラック!!」 力持ちのパワーファイターを彷彿とするポーズで、アマノッチも力強い口上をとる。 「ガオタイガーに選ばれし戦士!麗しの白虎・ガオホワイト!!」 素体がネコゆえか、同じネコ科に当たる虎の戦士となったリーゼアリア。 顔の両側に爪を構えてポーズととりながらクールに名乗る。 「ガオウルフに選ばれし戦士!閃烈の銀狼・ガオシルバー!!」 そして、一足先にガオレンジャーとして覚醒し、戦いに挑んでいたアルフも、板に付いた名乗り口上でビシッと決める。 「命あるところ、正義の雄叫びあり!」―――百獣戦隊!! 『ガオレンジャー!!!!!!』 “牙吠(ガオ)”と言うエフェクトがどこからか出てきそうな雰囲気の獣のポーズで名乗りを決めた一同は、戦線に加わっていった。 一方、風太郎とテトムに力を託されたヴィヴィオたちは再び元の展望室へと戻ってきた。 思わず、ピュシスとツバメはキョロキョロと辺りを見渡すが、どこにも変わっている所はない。 いや、一つだけ変わっていることがある。 それは、ヴィヴィオの両手に納まっている、“ゴッドパワーアニマルの宝珠”だ。 これからは彼らの力を借りることが出来る。 無力だと嘆いていた自分にとって、これほど心強い者はない。 この力を間違った方向には使わせない。ヴィヴィオはそう誓った…。
---to be continued---