Phase187 FWパニック・CONVERGE4th Connect〜奇妙な妖精の遊園地だゾ〜
『ええええぇぇぇぇぇ!!!!????』 冒頭からいきなりコースケたちの仰天した声が響いた。 …というのも。 「アキッキーの義理の妹ですって!!??」 「ちょ、どういうことよアキエ?!説明しなさいよ。」 戦闘が終了し、行動隊長たちを撤退させた後に行なわれたお互いの情報交換中、マスクマンとして戦っていたイクスヴェリアがアキッキーの義妹にあたることが告白され、その事実を知らないシードピア連合軍は衝撃を受けていたのである。 「まぁ、出来るだけ分かりやすく説明するわ。」 アキッキーがレンジャーズストライクに加入してから間もない頃、ミッドチルダで“マリアージュ事件”って言う事件が起こっていたの。 イクスはその事件の中心として関わった重要人物として、レンジャーズストライクたちに保護されたわ。 そのときは、彼女自身の体も機能不全の箇所が結構多くて、ミッドの医療技術でも治療することが出来ないほどのダメージだったそうよ。 わたしはそのとき、自分の運命を覚悟してはいました。 このまま、いつ目覚めるかも分からない永遠の眠りについても構わない。 そう思っていました。 でも、兄上は、トーマさんたちは決してあきらめなかったんです。 『生きることをあきらめてはいけない。』 『自分の命を簡単に投げ出して、逃げ続けてもいけない。』 その言葉が、暗闇の中の私の心に、光を見出してくれたのです。 考えてみれば、アキッキーもかつて“絶命直前の瀬戸際にありつつも、生きる希望を捨てなかった”存在。 当事者であり、経験者でもあるアキッキーだからこそ説得力のある言葉である。 その会話の中に、事件の当事者の一人のアイシスが加わる。 「そこで、リリィの提案で、イクスにもアキッキーさんと同じ改造手術を施すことにしたんです。さすがにアキッキーさんの時以上に苦戦はしたらしいですけど。」 「…で、そのことを知らされたアタシたちは、イクスちゃんを義兄妹として引き取ることにしたってわけ。」 イクスがレンジャーズストライクに加わったのはそれからしばらくしてのこと、アキッキーがシードピアに向かうことが決まった直後のことである。 命を救ってもらった恩返しをしたいという意志を示し、イエローマスクの変身能力を授けてもらうと同時に、チームメンバーとして加入したのである。 「そんなことがあったんだ…。」 「全く、あいつったらそんな大事なことまで隠してたなんてね…。」 「へぇ、あんたたちの後輩なの?」 「はい。」 一方こちらはハルヒたち。 初めて目の当たりにする、メロディ率いる“スイートプリキュア♪”チームに関する話を聞いていた。 アキッキーが語ってくれた“ディメンショントレイン事件”に前後して生まれた新鋭のプリキュア――つまり、つぼみたち“ハートキャッチ”チームの後輩にあたるのだが、まだ生まれて間もない存在であるが故、プリキュアオールスターとして加入する前だったので、なかなか顔を出せなかったのだとか。 しかも、ビートとミューズにいたっては“スイート”チームとして正式に加わる前の話なのである。 「どおりでこの写真に載ってないわけだよなぁ。」 キョンが取り出したエクシアストリガーには、アキッキーから預かった“例の写真”が映る。 そこには確かに、メロディたちの姿は載っていない。 「で・も、オールスターとして今は認められているってことでしょ?だったらそれなりに、活躍は出来るってことよね?」 「確かに、先ほどの戦闘でのコンビネーションアタックは目を見張るものがありましたし。」 「戦力増強の意味では、心強い。」 古泉と長門も彼女たちの実力を認めている。 「あんたたち、当然、あたしたちと一緒に戦ってくれるわよね?」 その問いに対する答えは、一つしかなかった。 「もちろんです!」 響とハルヒは硬い握手を交わす。 「元“大ショッカー”の戦闘員?」 こちらは、ウーとユウスケの関係についての話。 「あぁ。俺とディケイドが、大ショッカーと戦っていたときに出会ったんだ。」 あらゆる次元世界を旅しているうちに訪れた、大ショッカーとの全面決戦。 ユウスケとウーが出会ったのはその最中、彼が大ショッカーに拉致されたときの出来事である。 そのとき、大ショッカーの見習い戦闘員であった彼は、その中でも落ちこぼれの分類にあたり、本来なら戦闘員の掛け声は“イーッ”のはずが、彼の場合“ウィーッ”になってしまう。 彼が“ウー”と呼ばれるようになったのは、その経験からである。 やがてユウスケと友情を育んだ彼は、ライオトルーパーとして覚醒、大ショッカーを脱走したのである。 「ボクはあの後、仮面ライダーの一人として色々な世界で修行をしてきたんだけど、大ショッカーが亜空軍の傘下に加わったって言う話を聞いて、何か手助けできないかと思って、昔の姿を借りて敵のアジトに入り込んだんだ。」 その会話に、援護に入ってくれたハーケンが加わる。 「そのライダーボーイと俺たちが会ったのはそのときだ。亜空軍って言う奴らの企みが俺たちの“エンドレス・フロンティア”を巻き込んでいることを知ったとき、俺たちの仲間のネージュが敵に拉致されたらしくってな。」 「はっきり言ってあいつらのやり方はド迷惑だって思いましたが、彼の存在がなかったら確実に命がなかったかもしれません。」 どうやら彼女も元々、亜空軍の計画に利用される形で拉致されたようだが、彼女に戦闘能力があったことは向こうにとっても予想外だったようだ。 「……それにしても。」 ふと、話を聞いていた黒子が口を開く。 その視線の先には――。 「あなたまでこんなところに来るなんて思いませんでしたわね。」 「はい。お久しぶりです。」 “ヴィーナスペース”と言う異次元世界からやってきたとされる少女・鳴護アリサの姿があった。 「ん?なんだ、お前ら知り合いか?」 「知り合いも何も、私もアリサと同じ世界の出身なんですから、当然ですわ。」 ―――な、なんと!!?? CVPと接したことのある一同はそろって仰天。 電次元世界・ヴィーナスペースは、シャナたちCVPの生まれ故郷に当たる次元世界の総称だったのだ。 しかし、亜空間爆弾の攻撃でその世界は実質上の崩壊状態となっており、彼女らの顔見知りも今頃どこで何をしているのか、全く分からない状況にあるのである。 「はぁ〜、やっと落ち着けたですぅ〜。」 「どうなるかと思ったです…。」 「それにしても、ここって、どこでしゅか…?」 ふと、フェアリーパークの入り口から3匹の生き物が浮遊しながら現れた。 どことなくうさぎにも似ている雰囲気の、白い体の妖精のようだが…? 「シフレッ!!!」「コフレ!!」「ポプリ!!!」「「「………ッ!!!???」」」 その姿に真っ先に反応を示したのは、つぼみたち3人。 名を呼ばれた妖精たちも、聞き覚えのある叫び声を耳にして、目を見開いてその方向を向く。 お互いの姿を確認した途端、彼女らは一斉に駆け寄った。 「つぼみ〜っ!!!」「えりかぁっ!!」「いちゅき〜!!!」 妖精たちはそれぞれの相棒の胸に飛び込んだ。 「無事でよかったです…!!」 「会いたかったですぅ、つぼみ…!!」 “ハートキャッチ”チームのパートナーの妖精たちが合流した。 シードピア連合がそれに気付くのに、そんなに時間はかからなかった。 ―――ドッカアアアアァァァンッ!!!!!『!!!!!!』 強烈な爆発音と共に、ステーション全体が揺れた。 それと同時にフェアリーパークの奥から黒煙が立ち上る。 ―――話は5分前にさかのぼる 「なるほど、この世界でのアキッキーさんの仲間なのですね?」 「そう。…と言っても、まさかあの人がスーパー戦隊だったなんて思わなかったけどね。」 こちらは、キュアブラックたちと合流を果たしたソラたち“クルマパワー戦隊”連合軍。 おさらいすると、顔ぶれは以下の通り。 ・シードピア連合軍ソラ、ミーア、ブレッド、リカリッタ、アイリス、リオ ・てれび戦士勇気 ・S.O.S.フォース忍、ゆい、みなみ、ゆたか ・クロスビーナスポリス実乃梨、北村、真竹、啓作、椎菜 ・プリキュアなぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞 ・バサラワールド“ラブプリア”諸葛亮、鳳統 ・ミュータント忍者“タートルズ”レオナルド、ラファエロ、ドナテロ、ミケランジェロ 予想外の増援も若干増えたものの、どうにか敵を退けた一行は、これまでの諸々の情報共有もかねて次のポイントへの移動を行なっていた。 「それにしても、ここってかわいい遊園地だね。」 アイリスが見渡す視線の先、そこはピンク色を基調とした可愛らしい外見のアトラクションが立ち並ぶ遊園地だった。 「ここはフェアリーパーク。私たちプリキュアの妖精をモチーフに造り上げた遊園地ですわ。」 「元々、私たちの世界のミッドチルダにあったものなんだけどね。」 ひかりと咲もいきなりこの場所に現れた自分たちの遊園地に驚きを隠せないようだ。 「へぇ、ファンタジーな遊園地にピッタリじゃん、奇妙な形の城なんて。」 『……………え?お城!?』 “耳を疑った”といわんばかりのリアクションを取ったプリキュアたち5人。 一同が視線を向くと、そこには確かに奇妙で複雑な形の大きな城が聳えている。 「あんなのって…。」 「なかったですよね…?」 「ぶっちゃけ…!」 ――ありえなああぁぁぁぁい!!!!!! ほのかと舞の震える声と、なぎさの叫びからして、これはまさか…。 「おい、まさか…。」 「この遊園地も色んなものが混ざっちゃったってこと…?」 ブレッドと忍も、ますますややこしくなってきたと言わんばかりの複雑な言葉を口にする。 「どうやらにぎやかな連中が揃ったようだな。」 『!?』 青年の声が聞こえたと思いきや、銀色のオーロラが彼らの傍に出現し、士を先頭に以下の面々が現れた。 ・てれび戦士甜歌、愛実、卓也、望、竜一 ・シードピア連合天道、加賀美、渡 ・クロスビーナスポリスタクミ、明日夢 ・S.O.S.フォースアスカ、ナオキ、ダイドウ ・デンライナーポリス良太郎、モモタロス ・ミッドチルダ連合軍翔太郎、フィリップ、荘吉、照井、サイト、アンク、しんのすけ ・ラブプリア(蜀軍)張飛、趙雲、馬超、馬岱、厳顔、魏延 「あぁ…!鈴々ちゃん、星さん、翠さん!皆さんも!」 「お!朱里!雛里も一緒だぞ!」 「良かった、やっと合流できたか!」 顔見知りのラブプリア連合がようやくここで合流となり、一同も少し安堵する。 「甜歌、卓也!無事だったか!」 「バーンズ様☆」 てれび戦士もここで合流完了だ。 「…あれ…?このお城、どこかで見た気がするゾ…?」 なぜかしんのすけ、遊園地の奇妙な城に思い当たるところがあるようだが…。 「それに、遊園地の中にも、どこかで見たようなものがあったような…?」 数秒間、それに関することを考えているとき…。 「さて…、夏ミカン、海東、来てるんだろ?」 ふと、士がここで突発的な発言で仲間に声をかける。 すると、彼らの両端からそれぞれ銀色のオーロラが出現、その向こう側から以下の面々が一気に合流してきた。 ・シードピア連合ゼスト、クイント、メガーヌ、名護、白峰 ・ナンバーズトーレ、チンク、セイン、セッテ、オットー、ノーヴェ、ディエチ、ディード ・スマッシュブラザーズマリオ、ピーチ、ヨッシー、リンク、カービィ、メタナイト、ネス、C.ファルコン ・クロスビーナスポリスキノ、春香、インデックス、ようこ、大河、ドクロちゃん、伊里野、操緒、智春マージョリー・ドー&マルコシアス、ヴィルヘルミナ・カルメル&ティアマトー、神裂火織、ステイル=マグヌスサバトちゃん、嵩月奏、アニア・フォルチュナ・ソメシェル・ミク・クラウゼンブルヒ ・SMAPライダー隊マサヒロ、吾郎、チョナン、タクヤ、シンゴ ・レンジャーズストライクニンジャマン、シグナルマン、ガンマジン ・エクシードラグーン孝、麗、ベルーノ、ありす ・ミッドチルダ連合後藤 ・ハルケギニア王国タバサ、キュルケ、シエスタ、ティファニア ・ウィッチャーズ連邦ハンナ、ハイデマリー、ニパ ・ウルティメイトフォースゼロ永、グレンファイアー、ミラーナイト ・バサラークアイランド正宗、幸村、慶次、御剣、タキ ・ラブプリア関羽、曹操、孫権 ・ワンダーメタルランドカブタック、クワジーロ、ダンゴロン、ゲロタン、ロボタック、カメロック、モグラッキー、タッカード ・アキバレンジャー連合京介、桐乃、黒猫、槇島沙織、新垣あやせ、来栖加奈子、田村麻奈実 ・野原一家ひろし、みさえ、ひまわり 「士くん、海東さん、予想外の面々も拾ってきたみたいですね。」 「そういう君こそ。」 お互いに予想を上回る連合軍を見つけてきたこともあり、お互いに苦笑いを浮かべるしかない。 しかし、裏を返せば―――。 「愛紗(アイシャ)…!アイシャぁ!!会いたかったのだ〜っ!!!」 「無事でよかった、鈴々…!」 姉妹の契りを交わした者同士の再会や…。 「あ〜ん、ダーリン、無事だったのねぇ!」 「こ、こら!キュルケ、くっつかないでくれ!」 仲間でありながら複雑な再会を果たしたものなど、様々な事情があれど、合流できたメンバーが大勢できたということになる。 「しんのすけ!無事だったか!」 「おぉ!父ちゃん、母ちゃん、ひまわりも!」 「無事でよかったわ。」 「あいあい。」 そんな中、こちらもようやく再会を果たした野原一家。 「ところでさ、あのお城、どっかで見たことない?」 「「え?」」 しんのすけが指さした先。 それは、フェアリーパークに似つかわしくない奇妙なお城。 その姿を見た途端、野原家は遠い記憶の脳裏に一つの可能性を見出した。 「オラの見間違いじゃないなら…。」 「いや、俺も思い出したぞ…。」 「間違いないわよ。あのお城は……!!!」 『“ヘンダーランド”のヘンダー城!!!!!』 『え!?』 意外な言葉が出てきたことで一行は視線を野原家に向ける。 思わず、良太郎が近寄って質問をする。 「ちょっと待って。しんちゃん、あのお城、知ってるの?」 「オラたちの世界を征服しようと企んだオカマ魔女のアジトだゾ!」 「あんとき俺たちも敵幹部の服や下着にされてしまったからなぁ…。」 「今思い出してもゾッとするわ…!」 ヘンダー城―――。 表向きは、超大型遊園地・ヘンダーランドのシンボルだが、その実は、異次元世界の征服を目論む違法魔導師・オカマ魔女のマカオとジョマの拠点として使われたものである。 しかし、その野望も野原一家の大健闘によって阻止され、二人もディスタンスフォースに拘束されたはずだったのだが…。 「ちょっと待て!」 ここで待ったをかけたのは、ウインディヒルズの刑事・照井だ。 「オカマ魔女で思い出したんだが…。確かそいつら、亜空軍のミッドチルダ総攻撃の際に、クラナガン刑務所から脱獄したって話が…。」 『え゛!!???』 捕まったはずのオカマ魔女が逃げ出した。 思ってもいなかった最悪の事態に、野原一家は文字通り凍りついた。 またあいつらとやりあうのかと思うと、さすがに拒否反応を起こしてしまうからだ…。 「な〜のだ、な〜のだ、な〜のな〜のだ〜♪」『!?』 そんな雰囲気をぶち壊したのは、気の抜けそうな少女の声だった。 一方、こちらは現在メディアステーションに向けて航行中の空中要塞“エリアルベース”。 しかし、空母と言う設計思想があるゆえか、他の船と比べると移動速度が遅いのが難点である。 “一刻も早く合流したい”。 そんなあせる気持ちが募る中―――。 『勇者ナナミ、聞こえますか?』 『!?』 どこからか聞こえる女性の声。 「うお!?この声は、まさか…!」 「ナナミ!」 「はい!“ブレイブコネクト”・オン!!!」 思い当たる節を感じ取ったのは、ナナミたちガレットチーム。 ナナミがすぐさま通信回線を開く。 空間モニターが出現し、そこに見知った顔ぶれが現れた。 「アデルさま!シンク!ベッキー!」 「ミルヒ!」 「クーベルも無事だったか!」 『あぁ、良かったです。ガレットの皆さんも無事でしたか。』 いきなり空間上の特殊モニターと会話している様子を見て、周りの大半の一同は困惑。 そんな中、アキッキーがその会話の中に入る。 「アデルさま!みんな!ごぶさた!」 『あれ!?もしかして…!』 『アキッキーさん!?』 『まぁ、アカレッド!』 『おぉ、久しぶりじゃのぉ!』 思いがけない再会に胸を躍らせる一行。 「ブレイブコネクトが繋がったって言うことは、そっちも?」 『うん。どうやら私たちも、シードピアと言う異次元世界に迷い込んでしまったようなの。』 『僕たちはどうにか合流することが出来たんだけど、こっちはまだまだ敵がたくさんいてかなり苦戦しそうなんだ。』 『連戦で輝力も満足に充填できていませんが、コネクトが通じたので、辛うじて一人ならこちらに先行で合流させることが出来るかもしれません。勇者ナナミ、こちらに先に合流していただけますか?』 その提案を聞き、一瞬戸惑ったナナミだったが…。 「ナナミ、ワシらのことは案ずるな。」 「俺たちが簡単にやられる連中じゃないって、知ってるだろ?」 そしてアキッキーも。 「ナナミちゃん、僕らも必ず向こうで合流する。それまで、頼んだよ。」 背中を押した一同の言葉を受け取り、ナナミは決意した。 「…アデルさま、お願いします!」 『了解なのです!!ブレイブコネクト、リンク!!!』
---to be continued---