Phase178 フュージョンワールド・パニック 〜Research No.23:荒れるぜ!!超新星の乱闘!!〜
「あの人たち、すごい…!」 「うん、すごく強い…。」 レイセン・ウドンゲイン――。 宮河ひかげ――。 物陰から戦いを見守っているこの二人の少女は、魔弾戦士の適合者であるチルノとルーミアの顔見知りであり仲間。 彼女たちも、亜空軍のミキシングローバルの力によって巻き込まれてしまったらしいが、どこの世界の出身かについてはまだ触れられていない…。 ―――ビュワワアァンッ!!! 「「!?」」 ふと、背後で亜空間の扉が開いた。 『うわわあぁぁっ!!!』 ―――ズドドドッ、ゾロゾロゾロゾロ…! そこから10人ほどの人影が一気にゾロゾロと出てきたではないか。 「ふう、どうにか出てこれたようだが…。」 「ここは、一体…!?」 その姿を、二人は知っていた。 「あ、兄沢店長!?」 「紫(ゆかり)社長!?永淋(えいりん)!?みんなも一緒なの!?」 「…うぉ!?ひかげちゃんじゃないか!?」 「レイセン!?」 その声に反応した一同が、一斉に二人のもとへと合流していく。 「どうやら無事みたいだな。」 「それで、何が一体どうなっているの?」 「それが、その…。」 ―――ドッカアアアンッ!!! 「!?」 言葉を遮ったのはバトルフィールド内の爆発音。 一同が視線を向けると、異形の化け物達と、様々なバトルスーツを纏ったヒーローたちとヒロインたちが戦っているではないか! 「今、私たちは“シードピア”という世界に紛れ込んでいる。私たちの住んでいた世界も、この世界の一部として統合されたらしいよ。」 レイセンが現状を分かりやすく説明する。 当然ながら、たった今合流したばかりの一同はそのような状況を容易く信じられる状況ではない。 しかし、目の前で起きている戦いは確かに現実だ…。 「とおおおぉぉぉぉっ!!!」 「はああああぁぁぁぁっ!!!」 しかも、“見覚えのある”二人の魔弾戦士もすでに戦っているのが目に見えているとあれば…。 「!社長、あれはチルノとルーミアでは!?」 八意永琳(やごころ・えいりん)の言葉を受け、八雲紫(やくも・ゆかり)はその場所を見つめた。 「……!」 そこには、確かにリュウケンオーとリュウアンオーの姿となって戦うチルノとルーミアの姿があった。 (元ソルジャー・チルノ…、あなたはここでも正義の味方として戦うの…?) 「キョウリュウジャーたちが踊って変身するって言うなら、ボクもそれに便乗させてもらおう!」 絶賛戦闘中のアキッキーが取り出したのは、スーパー戦隊で唯一“踊る”と言うキーワードに特化しているとも言える戦士のカードだった。 「ソウル降臨!“バトルジャパン”!!」 <CHANGE!“BATTLE-JAPAN”!> “踊りのテクニック”を戦いに活かすという異色のスーパー戦隊、“バトルフィーバーJ”の戦士である。 「ボクのこの踊り、ついてこれるかな!?」 この姿での特有の能力であるダンステクニックを駆使した戦いで、戦闘員たちを翻弄していく。 「雷電砲・乱れ撃ち!!」 「パラサショット!!」 一方、キョウリュウジャーのブラックとゴールドが射撃武器で相手を百発百中で撃ちぬき――ー。 「ステゴシールド!」 ―――ガキイィンッ! ブルーが盾で相手の攻撃を防げば―――。 「「ガブルキャノン!」」 「斬撃無双剣!」 レッド、グリーン、ピンクが立て続けに追い討ちをかける。 「ジャンバルカン!」 「スピンドルキャノン!」 一方で、ジャンパーソンたちも、コンボイたちや静夏と共に後方と空中からの援護射撃を続ける。 「インパクトスタッブ!」 「はあぁぁっ!!」 ヴェロッサとシャッハもまた、いつの間にか受け取っていた仮面ライダーランス、仮面ライダー煌鬼の力で敵に立ち向かう。 「行きますよ〜っ、ゴォッ!!!」 ―――ズドオォンッ!!! そしてゴーバスターズのブルーバスターの怪力能力で地響きを起こすと共に―――。 「「「はぁっ!!!」」」 ―――シュバババババッ! 「「「ハッ!」」」 ―――ズキュウゥンッ!!! レッドバスター、ニンジャレッド、ニンジャホワイトの高速攻撃と、イエローバスター、ビートバスター、スタッグバスターの同時射撃攻撃が連続ヒットする。 ―――プリキュア・レインボーヒーリング!!! プリキュアたちも合体攻撃を使ってザケンナーやネガトーンを浄化。 「魔神、閃光波!!!」 「エクスマキナ、ブーメランスラッシュ!!!」 一方のガレット獅子団も自慢の攻撃力を活かした総攻撃を繰り出して、怪人たちを一気に追い詰める。 この息つく暇もない連続攻撃に、プレッシャー星人とテレビバエくんも、あっという間に後がなくなっていった…。 「ぐぬぬ、こうなったらこっちも奥の手を使わしてもらうで!」 するとプレッシャー星人、まさかの行動に打って出た。 ――“オカムレンジャー”、変身ッ!!!とぉっ!!! 耳を疑う発言をしたと同時に飛び上がったと思ったら、“タイムレンジャー”のクロノスーツばりの変身シークエンスで、さっきの大柄な体格から一転、スーパー戦隊に良く似た真っ赤なスーツを着た細身の戦士に変身した。 「ちょっと!?」 「うそぉ!!??」 この文字通りの“変身”にはさすがの連合軍一同も度肝を抜いた。 「そんな変身ありかよ!?」 「うるさい!細かいことは気にせんでええやろ!?」 いやいや、これはさすがに気にするでしょ? 「でも、こういう変身能力があるとはいえ、俺一人じゃ心細いところもある。そこで、こいつらや!」 そう言って取り出したのは、この手の展開ではすっかりお馴染みの“カイジンライド”カード。 「!?」 しかし、ここでアキッキーはいつもと異なる違和感に気付いた。 プレッシャー星人…もとい、オカムレンジャーが取り出した3枚のカードに描かれた怪人の姿。 それを見てみると―――。 『MANMOTH-SHINKA(マンモスシンカ)』 『KOUTETSU-KENRYUU(鋼鉄剣竜)』 『GOZNAGUMO(ゴズナグモ)』 「あ゛…!」 アキッキーの脳裏に嫌な予感が過ぎった。 「おい、その怪人たちを呼び出すのはまずいんじゃ…!」 「へっ、怖気づいたのか!?お前に止められるわけないんだよ!出てきやがれ怪人ども!!!」 <KAIZIN RIDE、“MANMOTH-SHINKA”、“KOUTETSU-KENRYUU”、“GOZUNAGUMO”> しかし、もちろんアカレッドの言葉を聞く耳など持つはずがなく、オカムレンジャーは三体を召喚した。 「あ〜、これはまずい…!」 本当に召喚したことに、アキッキーはさらに冷や汗をたらす。 「へっへっへっ…、一気に片付けてやるバエ!」 「よぉしお前ら、スーパー戦隊どもを攻撃―――。」 ―――バゴゴゴゴッ!!! 「「ぶぎゃああぁぁぁ!!!???」」 ―――ズドオオォォンッ!!!! 『…………え゛!?』 ……ど、ど、どういうこと!? スーパー戦隊の敵であるはずの怪人たちがオカムレンジャーとテレビバエくんを攻撃したぞ!? 「だからまずいって言ったのに……、思った通りになっちゃったよ!」 一同が呆然とする中、アキッキーが頭を抱えている。 キョウリュウレッドが尋ねる。 「アカレッド、これ、どうなってんだ?!」 それに対し、アキッキーは決して大きくない声で答えた。 「実は、あの三体、確かに攻撃力はあるんだけど、それ以前に―――。」 「“あまりにも凶暴すぎて味方でさえ手を焼いた”怪人なんだ…。」 『…………はい!!??』 “凶暴すぎて味方でさえ手を焼いた”。 つまり、“怪人の生みの親ですらどうしようもないほどの暴れっぷりを発揮する”と言うこと……!? 『…ってことは…!?』 ―――グワアオオオォォォォォ!!!! ―――ズドドドォォンッ!!! その言葉どおり、呼び出された怪人たち3体は、敵味方見境無しの大暴走を開始! 自分の周囲の怪人や仮面ライダーたちをお構い無しに攻撃しだした! 「これは、まずい!!」 「みみ、みんな、逃げろおおぉぉ!!!」 大杉先生の大慌ての言葉を合図に、仮面ライダー部一同はラピッドハッチへ避難。 「みんな気をつけて!」 「無理をしないで!」 マスターハンドとクレイジーハンドもこの事態には慌てざるを得ず、スマッシュブラザーズ一同に警告を投げかける。 「こ、こら!お前たち!お前たちの相手はヒーローたちだろ!?俺たちまで攻撃するなバエ!」 しかし、どうにかして暴走怪人たちをなだめようと、テレビバエくんは最後の最後まで怪人たちを説得しようとする。 「おいお前たち!あのバカヤローたちをどうにかしろ!」 オカムレンジャーも、配下のゾディアーツとドーパントに頼んで暴走怪人たちを止めようとするが―――。 「「「邪魔ダアアァァァァ!!!!」」」 ―――ドゴゴゴオォォッ!!!! 「「「「キャアアァァァァ!!!???」」」」 ―――ドカドカドカアアァァンッ!!! 所詮は梨の礫。 4人ではどうにかできるはずもなく、怪人たちは暴走怪人たちに吹き飛ばされてノックアウト。 「オ前モシツコインダヨォ!」 「消エロオォッ!!」 ―――ズドオオォォンッ!!!! 「バエエエェェェェェ!!!!」 ―――ドッカアアァァンッ!!! その巻き添えを食らったテレビバエくん、暴走怪人たちの攻撃を一気に受けて爆散した。 「て、テレビバエくん!!??うそやろ〜!!??」 亜空軍同士の相打ちで死亡と言う、敵方にとっては最悪の情けない結末。 その展開にオカムレンジャーも呆然。 ―――ズシンッ! 「!!!!」 その元へ鋼鉄剣竜が現れ、武器を振りかぶる。 「俺タチニ好キ勝手ニ命令スルナ!!」 ―――死ネェ!!! ―――ブゥンッ! ―――ガキイィンッ!!! 敵方とはいえ、哀れなオカムレンジャーの最期……。 それを遮ったのは―――。 「何ッ!?」 「……へ?!」 『アカレッド!!!!????』 ゴーカイサーベルで武器を受け止めたアカレッドだった。 「アカレッド、どういうつもりだ!?」 「そやつは亜空軍の怪人なのじゃぞ!?」 キョウリュウレッドとレオ閣下もこれには意外すぎて目を見開く。 しかし、それに対してアキッキーは啖呵を切る。 確かにこいつは亜空軍、ボクたちの倒すべき敵さ。 だけど、それ以前に敵に殺されそうになっている命を、目の前の消えそうな命を、そんなにあっさり放っておけるほど、ボクは冷たい男じゃない!!! こんな形で勝利を手に入れても、ヒーローらしくない!! 無差別に奪われそうな命があれば、一つでもその多くを助ける!! それが、ボクの目指すヒーローだ!!!!!! 「……!!!!」 ヒーローとしての心構えとその強さ。 “スーパー戦隊の赤き戦士の化身”たる彼の想いは、仲間たちの胸に響いた。 「噂に違わぬ戦隊魂だ!さすがはアカレッド!ブレイブな奴だ!」 指を鳴らしながらアカレッドに称賛の声を送るトリン。 「…アカレッド…お前……っ…!」 初めて誰かに助けられ、アカレッドの勇気ある言葉に、オカムレンジャーは心を打たれた。 ―――ピカアアァァッ! 「?!」 ふと、アカレッドのベルトのカードホルダーが光り、2枚のカードが飛び出してきた。 それをキャッチして見ると―――。 <TOKUMEI SENTAI GO-BUSTERS “RED-BUSTER”> <ZYUDEN SENTAI KYORYUGER “KYORYU-RED”> 「こ、これは…!!」 紛れもなく新戦隊の赤き戦士のカードだ。 「あら?あたし達の姿と同じじゃない。」 「面白そうじゃねぇか!一緒にやろうぜ!」 そのカードを見た当の本人たちも、俄然やる気だ。 「…よし!レッドバスター、まずは君の力だ!」 ―――ソウル降臨! <CHANGE、“RED-BUSTER”!> カードを装填し、キリエの姿と同じレッドバスターとなるアカレッド。 「いい?レッドバスターの力は“超高速能力”。体中にエネルギーを纏わせて、相手を翻弄するわよ。しっかり付いて来なさい!」 「あぁ!」 「行くわよ!」 キリエの合図で、超高速移動に入る二人のレッドバスター。 「!?」 「ドコニ行ッタ!?」 以下に怪人と言えど、所詮は人間と同等の視界。 超高速状態に入った二人を見つけることは至難の業である。 「こっちよ、おバカさん!」 「喰らえっ!」 ――ズガガガガガッ! 『ウギャッ!?』 あとはその速さを活かした連続攻撃で、お茶の子さいさいだ。 「よし!次は君だ!キョウリュウレッド!」 ――ソウル降臨! <CHANGE、“KYORYU-RED”!> カードの力を解放した途端、赤い恐竜の顔が背後に現れ、アカレッドの体に噛み付く。 すると、二人目のキョウリュウレッドがそこに現れた。 「よし、アカレッド、俺の真似をしてみろ!」 すると、キョウリュウレッドは変身にも使った黄色い拳銃を取り出し、その口を開く。 続いて、ベルトのバックルを90度回転させてカバーを開く。 その中には、変身に使ったものと全く同じカラーリングの電池が3本入っていた。 ―――ガゴンッ、ガチャッ! <ガブリンチョ!ガブティィラ!!ガブティィラ!!> その内の一本を取り出して、黄色い拳銃“ガブリボルバー”に、獣電池を装填してそれを噛み付かせる。 そして、再度噛み付かせる。 ―――ガチャッ! <メッチャムーチョ!!> アカレッドもその後に続いて、彼のまねをする。 「いくぜ!アームド・オン!!!」 ガブリボルバーを左手に持ち替えて、右腕でガブリボルバーを滑らせる――というより、右腕全体を使ってガブリボルバーのシリンダーを回転させた。 すると、右腕にティラノサウルスの顔面を模した大型の手甲が現れた。 「うおっ!?」 「へへっ、これがキョウリュウレッドの力・その名も“ガブティラファング”!使ってみろ!」 「これは面白い!早速!!」 アカレッドも見よう見まねでガブリボルバーを持ち替えて―――。 「アームド・オン!!」 ガブティラファングを装備する。 「よし、行くぜ!」 「あぁ!」 ―――ガブル(ダブル)岩烈パンチ!!! ―――ドゴゴッ!!! 二人のキョウリュウレッドの強烈な鉄拳で怪人たちを吹き飛ばす。 「よぉし!一気に止め、行くよ〜っ!」 「まずは私たちから!!」 ――“ファイナルキー”、発動!! ――FINAL CRUSH!! その間に割って入ったリュウケンオーとリュウアンオーが、それぞれのファイナルキーの力を解き放つ。 ――ヒョウリュウケン奥義・魔弾斬り!!! ――アンリュウジン・乱撃!! 二人の魔弾龍の刃が怪人たちを一気に切り裂く。 「獣電池、3本装填!!」 ――ガブリンチョ!!! 続いて、キョウリュウゴールドが愛用の大型剣に獣電池を一気に三本差込み、その力を解き放つ。 ―――雷電斬光!!! ―――ザンダアアアァァァ、サンダーッ!!!! 稲光と共に、“ZANDAR THUNDER”の文字が怪人たちに追加ダメージを加える。 「ブレイブ・イン!!」 ―――チャキッ!グオオォォッ!! キョウリュウレッドが新たな水色の獣電池を取り出し、その中にブレイブを込める。 「みんなの武器を一つに!!!」 『おうっ!!!!』 ――ガチャッ!! ――ケントロスパイカァァ!!! すると、レッド、ブラック、ブルー、グリーン、ピンクの固有武器が、獣電池を核にした一つの武器に合体した。 それをレッドが受け取り、助走を付けて飛び上がる。 「「「「ケントロスパイカー!!!!」」」」 ―獣電ブレイブフィニィィィッシュ!!!! ―――スパパァァン!!! 4人の組んだ腕をジャンプ台にし、大きく飛び上がって、ケントロスパイカーを勢いよく投げつける!! ―――ズドドオオォォォンッ!!! ―――ぬごおおぉぉぉっ!!!??? ―ドッカアアアァァァンッ!!!! その結果、怪人たちはなす術なく爆散した。 「ブレイブだぜぇっ!!!!」 一方、少し離れたところからその様子を見ている二つの影がいた。 「トレビア〜ン。さすがは希望の種たちといったところでしょうか?」 「意外な戦隊が出てきてちょっと驚いたけどねぇ。」 それは、亜空軍の傘下に入ったばかりの謎の組織“サルベンジェンス”に属する幹部・エンターと、宇宙海賊バスコ・ダ・ジョロキアだった。 「エンター、この戦いお前はどう見る?」 「まあ今の状況なら、十中八九、こちらの負けは確定的でしょう。」 「やっぱりそうなるか…、どうする?」 偵察のみと言うことで、様子を見に来ていた二人だったが、亜空軍の同志としてこれは見過ごせない。 少しでも何か成果を残したいところだ。 「だったら、潰してやればいいだけです。これを使ってね・・・・」 エンターがそう言って取り出した5枚のカード。 そこには、彼がかつて属していたデジタルアーミー“ヴァグラス”のエンブレムと、真っ黒に染まったハートのマークがあしらわれている。 「なんだ、そいつは?」 「亜空軍に入る前に手に入れた物ですよ。このカードには“ある光の力”が宿っています。それをぶつけてやれば・・・・」 「ほぉ、なるほどなぁ、そいつは面白そうだ。だったら俺も、こいつを使わせてもらうとしますか!」 そういってバスコも3枚のカイジンライドカードを取り出す。 「メガゾード、インストール!!」 「いらっしゃいませ〜!!!」 <ハー・ト・ゾー・ド> <ダ・イ・ヤ・ゾー・ド> <ク・ロー・バー・ゾー・ド> <ス・ペー・ド・ゾー・ド> <エー・ス・ゾー・ド> <KAIZIN-RIDE、“LIQUIDROID”、“MOONROID”、“FIREROID”> シードピア衛星軌道上、そこに巨大な鳥型の要塞が現れた。 W.M.G.の活動拠点・フェニックスネストだ。 その傍らには、共に闘うバーチャロイドの一行と、ジャンボット、ジャンナインの姿もある。 そして、各戦闘機に乗っているGUYSのクルーたちも、第2戦闘配備としてそのまま飛び続けている。 「ようやくたどり着いたか。」 『ここがシードピアね。』 先ほどの怪獣たちとシャドウバーチャロイドに少々てこずってしまったこともあって、予定よりも大幅に合流が遅れてしまった。 先にメディアステーションに行かせたミライたちは大丈夫だろうか…!? ―――ビュワワアァァンッ!!! ふと、フェニックスネストの背後に巨大な亜空間ゲートが開いた。 「総監!5時の方角で亜空間ゲートのワープアウト反応を感知しました!」 「巨大な影が出てきます!この反応は…!」 ――“大列車フォートレス”です!!! その報告に一同が耳を疑った。 かつて、ミッドチルダ・クラナガンにおいて様々な大事件の解決に貢献したと言う、伝説の“勇者特急隊”。 その彼らが現れたのだ。 ふと、そのフェニックスネストに通信回線が開かれた。 その主は、勇者特急隊を率いるリーダーだった。 『ディスタンスフォース、サコミズ・シンゴ准将とお見受けします。』 「そう言う君は…、旋風寺財閥の舞人くんか。無事で何よりだ。」 『はい。我々の仲間たちも無事です。』 同じミッドチルダの同志として、お互いの無事に安堵する。 ―――ヴィーッ!ヴィーッ!ヴィーッ! 『!?』 「シードピアの月面付近に、レジストコード“リフレクト星人”の転移反応を確認!」 「さらにそれ以外にも、多数の大型戦力の転移反応を確認!亜空軍と思われます!」 フェニックスネストのブリッジのオペレーターのテッペイとコノミが大慌てでリポートする。 ―――ブゥン! ふと、ブリッジのモニターに一人の戦士の姿が映った。 「グリッドマン!?」 『総監!私も一緒に戦わせてくれ。僅かな時間ではあるが、外の世界でも私は戦える。』 彼の言葉に、サコミズは一瞬言葉に詰まるも、悩んでいる時間はないと判断した。 「…よし。タイガ、グリッドマンと出動だ!」 『OK!待ってたぜ、総監!』 その指示を待っていたタイガは、自身の左腕にブレスレットを出現させた。 「行くぜ、グリッドマン!」 『ああ!』 ―アクセエェェス、フラアアァァッシュ!!! その瞬間、戦闘機のコックピットに乗っていたタイガが、光と共に消えた。 同時にフェニックスネストから一つの光が現れ、それが実体化された。 ウルトラマンに並ぶ光の巨人・グリッドマンの登場である。 「舞人くん、聞いての通りだ。…協力してくれるかい?」 通信回線をつなぎ続けていたサコミズの問いに、舞人は迷いなく答えた。 『もちろんです!!!!』
---to be continued---