Phase177 フュージョンワールド・パニック 〜Research No.22:でたあぁっ!!ニューヒーロー大集合!!〜
―――ズドドドドォォォッ!!! ―――ドカドカドカドカアァンッ!!! 『きゃああぁぁっ!!!』 『うわああぁぁっ!!!』 シードピアの月面、スマッシュブラザーズの神殿に現れたのは、異形の宇宙人“プレッシャー星人”と、“テレビバエくん”が率いる亜空軍の“神殿強襲部隊”の軍勢だった。 読者の諸君ならこの手の展開は察しが付くだろうが、その案の定、意外すぎるとも取れるその強力な攻撃に、スマッシュブラザーズたちや仮面ライダー部の一同は苦戦を強いられていた。 仮面ライダー部の隼、美羽、ジェイクの3人は、それぞれ色違いのパワーダイザーを使って、ナキワメーケ、ザケンナー、ネガトーンの巨大戦力に応戦するが、予想以上のパワーに押されてこちらも苦戦。 「インガ、大丈夫か!?」 「あぁ、だが、ブラックナイトが…。」 XVUと共に偶然このシードピアに迷い込んだ仮面ライダー部の仲間の少女――インガ・ブリングも、パートナーのブラックナイトと共に応戦するが、経験したことのない相手に悪戦苦闘。 ブラックナイトも大損傷してしまう。 『うわあぁぁぁっ!!』 さらに、スマッシュブラザーズの一同も、ゾディアーツとドーパントの一斉攻撃を受けて大ダメージ。 「どうするの!?」 「そうは言っても…。」 マスターハンドとクレイジーハンドも苦戦を強いられるほどに…。 「何だか、知らないうちに変なところに来ちゃったみたい…。」 「どどどど、どうしよう…。」 一方で、物陰に隠れている数人の少女たちの姿も。 どうやら彼女たちも亜空間からの迷い人のようだが、目の前でいきなり展開されている大掛かりな戦いに竦みあがるだけで、何も出来ないでいた…。 「ヒョウリュウ、場合によっちゃ、力を借りるね。」 『あぁ、俺たちで止めるぞ!』 「アンリュウ、タイミングを見て一緒に出るよ!」 『もちろんです。いつでもお傍におりますぞ。』 そんななかで、一部が何やらコソコソと話をしているようだが…、一体誰と? 「さて、充分甚振ってやったところで…。」 「そろそろとどめと行くバエ!」 亜空軍の攻勢もますます大きくなり、大ピンチに追い込まれた一同。 このままでは全滅……。 ――ちょおぉっと待ったあぁぁっ!!! 『!!??』 ――ズドドドドドッ!!!! ――ドカドカドカドカァンッ!!! 「のわわああぁぁっ!!??」 「バエエェェ!!??」 その空気を遮った声と、同時に放たれた一斉攻撃。 どう見ても別方向からだ。 一同がその方角を一斉に見ると、赤い大きな影が急速接近してくる。 それは………巨大なフォーミュラーカー!!!??? 『到着したぜ、アカレッド!!後は頼むぜ!!』 「おう!!!」 “二人分”の声が聴こえたと思ったら、到着と同時にフォーミュラーカーが光と共に姿を消し、一人の赤い戦士が飛び出してきた。 その姿は、全員が知っていた。 「ゲゲッ!!?」 「う、うそバエ!!??」 「あれはまさか…!!!」 ―――アカレッド!!!! 「たああぁぁぁぁっ!!!!」 叫び声と共にゴーカイサーベルを振り下ろし、周囲の戦闘員たちを一気に片付けながら着地。 ついにシードピア合流を果たした。 「あ、アキッキーさん!?」 「あなた、メディアステーションにいたはずでは…!?」 ただ、マスターハンドとクレイジーハンドにとっては予想外の展開だったために、少し混乱中。 「悪いけどその話は後だ!」 そしてそれに加えて―――。 『とおぉぉっ!!!』 宇宙船“ドルギラン”から10人の影が飛び出し―――。 『プリキュアキィック!!!!!!』 ―――ズドドドドドッ!!! スマイルプリキュアが大型戦力にとび蹴りを食らわせて――。 <ROCKET ON> <OK、“MARS”!> 「「「ライダートリプルパアアァンチッ!!!」」」 ―――ドゴッ、バコッ、ズドンッ!!! さらにフォーゼ、メテオ、アクアの仮面ライダー3人の鉄拳が炸裂し―――。 「ギャバン・スカイダイナミック!!!」 ギャバンがレーザーブレードで追い討ちの一閃! 「パオオォォォンッ!!!」 続いて古代恐竜型の巨大列車が乱入し、その中から赤と白の影が飛び出してきた。 「猿手裏剣!!」 「鶴手裏剣!!」 カクレンジャーに変身していた佐助と鶴姫が、個性的な手裏剣を一気にばら撒いて牽制する。 その後を姫子と千歌音が続いて、アカレッドのところに合流する。 ―――キキィィッ!! そこに、3台の大型マシンと、2機の飛行物体が合流し――― ―――シュバッ! <It's Time for Buster!> <Boost Up for Buster!> 『COME ON!!』 既にゴーバスターズのスーツを着装していたキリエ、アミタ、一美、一刀、Jの5人が、コックピットから飛び出すと同時に射撃攻撃をお見舞いさせた。 ―――ドドドドォォンッ!!! 「のわああぁぁっ!!??」 「バエエエェェ!!??」 吹き飛ばされたプレッシャー星人とテレビバエくんは大ダメージを負った。 そして、攻撃を行なった一同が全員集合。 「アカレッド率いる“ヒーロー&ヒロイン連合軍”、ここに到着!」 「亜空軍撃退のため、助っ人させてもらうぜ!」 アキッキーと弦太郎が先頭に立ち、シンプルに名乗り口上を済ませる。 「如月!来てくれたか!」 「おう!賢吾、みんな、待たせたな!」 仮面ライダー部の一同も、待望の仲間が合流してくれたことに喜びをあらわにする。 一方で、物陰で見ていた一同も…。 「チルノ、あの人…、アカレッドって言ってたよね?」 「うん、言ってた。」 どうやら彼女たちもアカレッドの存在を知っている様子だが…? ―――魔神旋風斬!!! ―――海王水陣掌!!! ―――ズドドドオォォッ!!! 「「のぎゃああぁぁっ!!!??」」 …と思ったら、今度は水色のエネルギービームと大型のエネルギーの刃が同時に敵軍に炸裂した。 その出所は、アキッキーたちの右隣!? 視線を向いてみると―――。 「気高き雄叫びを世界に響かす――!!!」 「天下無双の海洋戦士!!!」 ―我ら、ガレット獅子団、ここにあり!!!! その背後に自分たちのエンブレムを出現させた、獣の耳と尾を持つ独特の集団が現れていた。 「ちょ、ナナミちゃん!!??レオ閣下も!!??」 「あれ!?アキッキーさん!?」 「おぉ、“赤き勇者”アカレッド!しばらくであったな。」 そして、“見覚えのある一同”の登場にアキッキーもビックリするしかなかった。 「彼女たちだけじゃないよ。」 「えっ!!??」 間髪居れず聞き覚えのある声が耳に入ったかと思ったら、そこに現れたのは―――。 「ヴェロッサさん!?騎士カリムにシスター・シャッハ?!オーリス副司令まで!?」 レンジャーズストライクのバックアップメンバーであるヴェロッサたちが合流した。 「だあぁぁ〜っ、次から次へと鬱陶しい!!!」 「お前ら一気に片付けてやるバエ!」 プレッシャー星人とテレビバエくんが怒りを爆発させてがむしゃらに攻撃しようとした、そのとき! 「ちょっと待ったああぁぁっ!!!」 ―――ズバズバズバズバズバッ!!!! いきなり叫び声と共に背後の戦闘兵たちが一気に吹き飛ばされた。 『!?』 何事かと思って視線を向けると、大型の剣を掲げた青い髪の少女と、斧のような武器を手に持った金髪の少女が立っていた。 外見的にそんなに強くなさそうに見えるが、まさかこの二人、さっきの攻撃で戦闘員たちを吹っ飛ばしたのか!!?? 「ふふん☆正義の味方、参上ってね☆」 「アカレッド、手助けしてあげるわ。」 その外見に似合わぬ自信に満ち溢れた勇敢さから言って、真っ先にただの人間じゃないということに、全員が気付いた。 「おいクソガキ!何者や!?」 「名を名乗るバエ!」 怪人たちの怒りの声を受け取った二人は…。 「いいよ。リクエストにお答えして―――!」 快くその要望に応えた! 「行くよ!ヒョウリュウケン(氷龍剣)!」 「おうよ!」 「あたしたちも行くわよ、アンリュウジン(闇龍刃)!」 「承知しました、お嬢。」 ―――チャキッ! 手に取ったその武器を構えなおし、それぞれ懐からアイテムを取り出した。 「リュウケンキー!」 「リュウアンキー!」 その鍵の形、アキッキーには見覚えがあった。 (あれは…まさか“マダンキー”!!??) エクシードラグーンの持つ特有アイテム・マダンキーを、彼女たちが持っているということは…!? ―――発動!! ―――ガチャッ、カチャッ! <CHANGE、RYUKEN-OH> <CHANGE、RYUAN-OH> アキッキーの予想は当たっていた。 そのマダンキーを射し込んだ二人の少女は、その力を解放していたのだ。 「氷龍変身!!!」 「闇龍変身!!!」 その瞬間、冷気を纏った青い龍と黒いオーラを放つ紫色の龍がそれぞれの武器から放たれ、雄叫びと共に二人の少女たちに融合していった。 それと同時に、二人の体が文字通り、変身した。 “水色と白の外装が映える騎士のような戦士”と、“黒と黄色のスーツに、銀色の独特の装甲を持った闘士”に――。 ―熱き心を持つ氷の刃・魔弾剣士リュウケンオー! ―闇より生まれし黒き力・魔弾闘士リュウアンオー! 「「ライジン!!!」」 エクシードラグーンとは異なる力を持った、新たな魔弾戦士の到来である。 (魔弾戦士が他にも居たなんて…!) 彼ら以外の存在を知る由も無かったアキッキーにとって、この戦士の存在は驚き以外の何物でもなかった。 「う〜ん、決まったっ☆」 「おいチルノ、自画自賛はその辺にしときな。」 「別にいいでしょ、ヒョウリュウ!」 一方でリュウケンオーことチルノ、名乗り口上がかっこよく決まったと思っているのか、自分に酔いしれている様子。 そんな彼女を相棒の魔弾龍たしなめる。 「ルーミアお嬢、チルノはいささか調子に乗りすぎているようですが。」 「別にいいでしょ?彼女は元からこんな調子なんだから。」 長い付き合いなのか、リュウアンオーことルーミアはチルノを笑っている。 「次から次へと新しいヒーローどもが…!」 「一体この世界はどうなってんだよ!!??」 間髪入れぬ間に続々と“希望の種”が大集合してきているこのシードピア。 その常軌を逸している怒涛のヒーロー参戦はとどまるところを知らなかった。 ―――バキュバキュバキュウゥンッ!!!! 「「のわああぁぁっ!!!???」」 そして、またしても銃声が鳴り響いて亜空軍たちを牽制する者が。 ―――ギャオオオォォォッ!!! 『!!!???』 しかも大地を大きく揺るがせるかのような雄叫びが響いている。 ―――ズシンッ、ズシンッ、ズシンッ! …と思ったらその瞬間に地鳴りにも似た足音がこちらに近づいている。 全員が思わずその方角を振り向くと―――。 ―――グワオオオオォォォ!!!! 『どひゃあああぁぁぁぁっ!!!!???』 敵味方問わずビックリ仰天!!! そこに現れたのは―――。 「きょ、きょ、恐竜!!!???」 そう、ナナミの言うとおり、それはあまりにも個性的でカラフルなボディを持った大型の恐竜たちだったのだ。 「ハハッ!!大急ぎで合流してみれば、結構ブレイブな奴らが揃ってるじゃねぇか!!!」 赤いティラノサウルスの頭に乗っている赤いジャケットの青年が、目の前の状況を楽しそうに見つめる。 「亜空軍一同!貴様らの悪巧みもそこまででござる!」 金色のプテラノドンの背中に乗る侍風の男が亜空軍の怪人たちに武器を向けて言い放つ。 その他の恐竜たちに乗っている人間たちも、自信と勇気に満ちた目で亜空軍たちを見つめる。 「ムッ?!」 ふと、赤いジャケットの青年と共に居た蒼い鳥の顔を持つ謎の男が、何かに気付いた。 「お?どうした、トリン!?」 「あそこに“アカレッド”がいる!」 『!?』 その言葉に、恐竜の仲間たち一同が目を向けた。 確かに、そこにアカレッドの姿があった。 「オーマイ!こんなところで出会うとは。」 「異世界(いせかい)に渡って大正解(だいせいかい)ってやつ?」 「ノッさん、下手なダジャレはそのくらいにしよう。」 「さ、まずはアカレッドに挨拶よ!」 「よっと!」 一同は恐竜たちから飛び降りて、アカレッドたちの傍に降り立った。 「…???」 自分を見つけるなり意味深な会話を続けていることから、アキッキーは、彼ら6人と蒼い鳥の男には何かあると言う予感がしていた。 「初めましてだな、アカレッド。」 「!?」 しかも自分のことを知っている!!?? 「君たち…どうしてボクのことを…!?」 「簡単さ。俺たちは、“戦隊”だからな…!」 「戦隊って…!?」 その決定的なキーワードを耳にした途端、アキッキーの脳裏に、一つの可能性が…。 「ま、まさか、君たち……!?」 震えるようなアキッキーの一言に対して笑顔で答える6人。 そして彼らはアキッキーたちに背を向け、亜空軍の怪人たちに視線を向ける。 「ベスティアを守る“強き竜の者”たちよ!今こそキョウリュウチェンジだ!」 『おう!!!!!!』 蒼い鳥の男の一言を背に、6人はそれぞれ懐から電池のような小型アイテムを取り出し、それを目の前に構える。 『ブレイブ・イン(Brave IN)!!!!!!』 ――チャキッ、ガオオォォッ!!!!!! 三度、恐竜の雄叫びが轟いたかと思いきや、6人はそれぞれ、黄色い拳銃型の武器と、プテラノドンの顔を模した手甲型の武器に、先ほどの電池を装填した。 <ガブリンチョ!ガブティィラ!!> <ガブリンチョ!パラァサガン!!> <ガブリンチョ!ステゴッチィ!!> <ガブリンチョ!ザクトォル!!> <ガブリンチョ!ドリケェラ!!> <ガブリンチョ!プテラゴオォドン!!> 独特の叫び声が響き渡り、6人はそれぞれの武器を構えた。 「いざ、尋常に!!」 ―――キョウリュウチェンジ!!!!!! ―――ギュルルルッ!!! ―――ガシュンッ!!! 掛け声と共に、五人の若者が拳銃のシリンダーを回転させ、侍の青年の手甲から片翼が広がり、それらと同時にサンバのリズムとエレキギターと三味線の音色が渾然一体となって響き渡り、6人はそのリズムに合わせてステップを踏む。 『ファイヤー!!!!!!』 ―――バシュゥゥンッ!!!!!! 次の瞬間、それぞれの銃口から恐竜たちの首の幻影が現れ、それらが6人の背後に回り、彼らに“噛み付いた”。 すると、その噛み付かれた体が6色のバトルスーツに変貌した。 その上半身には、恐竜の横顔を模した独特のエンブレムが装甲のように刻まれている。 そして、その左胸の部分にはそれぞれのパートナーの恐竜の横顔が描かれていた。 「ゲゲゲッ!!!!」 「新しいスーパー戦隊だとぉぉ!!!???」 予想すら全く出来なかった新たな戦隊の登場にまたしてもビックリ仰天の怪人たち。 「おおぉぉ〜っ!あの人たちカッコイイ☆☆☆☆」 そしてチルノもその新しいヒーローのかっこよさに目を奪われているのか、瞳をキラキラと輝かせている。 「全員まとめて聞いて驚け!!!!」 赤い戦士に変身した青年の自信に満ち溢れた叫び声を合図に、6人の名乗り口上が始まった。 「牙の勇者、キョウリュウレッド!!」 「弾丸の勇者、キョウリュウブラック!!」 「鎧の勇者、キョウリュウブルー!!」 「斬撃の勇者、キョウリュウグリーン!!」 「角の勇者、キョウリュウピンク!!」 「雷鳴の勇者、キョウリュウゴールド!!」 『史上最強のブレイブ!』 「獣電戦隊!!」 ――キョウリュウジャー!!!!!! ジュウレンジャーやアバレンジャーみたく、恐竜をモチーフにしたポーズを使って名乗りを上げたその力強い姿に、亜空軍たちはたじろぐ。 「うそでしょ…!?こんなスーパー戦隊も居たなんて…!!!」 もちろん、アキッキーとてこの戦隊の存在など全く知るはずもなく呆然としてしまった。 「アカレッド。」 ふと、リーダーのキョウリュウレッドがアキッキーに声をかけた。 「お前たちも敵対してんのが亜空軍なら、俺たちと一緒ってことだよな?だったら、一緒に戦わせてくれ!」 「え?で、でも…。」 いきなり現れた見ず知らずの相手を簡単に信じてもいいものか…。 「心配には及ばぬ。我らもそなたと同じ戦隊の一人。共に戦う仲間でござる。」 しかし、キョウリュウゴールドその一言で、頑ななその心が少しほぐれた。 異世界の住人と言えど、戦隊の力を持つものは仲間。 ついさっき出会ったゴーバスターズたちやカクレンジャーたちにもそう言う気持ちで接してきたではないか。 「…わかった。キョウリュウジャー、よろしく頼むぞ!」 「おう!」 「心得た!」 共闘を決意したアカレッド、ゴーカイサーベルとゴーカイガンを手にとり、臨戦態勢をとった。 ―――ズドドドドッ!!! ―――ドカドカドカァァンッ!!! 『うぎゃああぁぁっ!!!!???』 またしても砲撃!!?? 今度は上空からだ! 視線を向けると―――。 真上からメカニカルなゴリラと真っ白なライオン、巨大なマンモス、骨が浮かび上がった赤いボディのティラノサウルスが現れた。 『“トリプル”コンボイ、変身ッ!!!』 「ダイノティラノ、プログレスチェンジ!!!」 ――と思ったら、彼らは掛け声と共に人型の姿に変形したではないか! ―――ズシイィィンッ!!! しかもその大きさが人間たちよりも大きい…! 「パワードコンボイ、ライオコンボイ、ビッグコンボイ、ダイノティラノ!君たちも来ていたのか!」 「トリン、久しぶりだな!」 「我々も手助けをさせてもらうぞ。」 どうやらトリンの知り合いのようだ。 そういうこともあってか、話はあっさりと纏まった。 ―――ゴオオォォォ!!! さらにアキッキーたちの隣に大型の戦闘機が降り立った。 その姿を、アキッキーは知っていた。 「!?…あれは、“グランジェイカー”!!??…ということは…!!」 その予想通り、降り立ったのは―――。 「ジャンパーソン!!!」 「!アカレッドか!?」 かつてアルビオン王国での事件で共闘した繋がりを持つ、地上本部のワンマンアーミーである特捜ロボ・ジャンパーソン。 その隣には、相棒であるガンギブソンもついてきている。 「アルビオンの一件以来か。久しぶりだったな。」 「あぁ。…でも今は…。」 「分かってるぜ、ベイビー。俺たちも亜空軍の片付けを手伝ってやるぜ。」 既に愛用の拳銃を構えて、いつでも来いと言う体制だ。 こうして、大乱闘の準備が整った。 「こうなったら一気に片付けてやる!」 「突撃バエ!」 「グオオォォォ!!!!」 ――ドドドドド!!!! ここまでくるとやけくそも同然のプレッシャー星人とテレビバエくん。 怪人たちに総攻撃を命じ、突撃を開始した。 「ボクたちも行こう!」 「天怒りて悪を斬る!」 「荒・れ・る・ぜ〜っ、全員まとめて止めてみなっ!!!!」 アキッキーたちもキョウリュウジャーの合図と同時に攻撃を開始、激戦が始まった。 一方、その激戦地から程近いゴーカイガレオンのメインデッキに人影が…。 ゴーカイジャーの存在を知る数少ない証人、カレン・フッケバインだ。 彼女は目の前で繰り広げられているアキッキーたちの戦いを見守っているのである。 「史上最強のブレイブ・キョウリュウジャー、鋼の相棒を持つ特命戦士・ゴーバスターズ…。あの人たちがゴーカイジャーの遺産を受け継いだ新世代のスーパー戦隊…。」 双眼鏡でスーパー戦隊たちの存在を確認したカレンのその瞳は、どこか感慨深い雰囲気をかもし出していた…。 マーベラス、見える…? あんたの手に入れたルヴェラの力の欠片は、確かに受け継がれているわ。 アカレッドのやつはかなり戸惑っているみたいだけど、すぐに打ち解けられるわ。 だって、あいつはスーパー戦隊の希望の象徴ですもの。 それに、時が経てばあいつも目覚めるはずだわ。 “マーベラスの正式な後継者”として…! そのころ、こちらはメディアステーション。 各所で戦いが繰り広げられているとは思えないほど静かな、とある通路。 そこを、一人の男が静かにゆっくりと歩いていた。 左の腰に刀を携え、白と黒のコントラストと所々に見える金色のアクセントが映える独特の衣服を身に纏い、右手には愛用しているであろう一本の刀。 そして、その瞳の奥に底知れぬ大きな欲望を抱えているであろう畏怖の笑み。 年齢は外見から察するに30代ほどと言ったところだろうか…。 希望の大地・“シードピア”―――。 その名が示すとおり、数多の世界の希望と言う種が集まり、一つの大きな花束を作らんとしている偉業の世界……。 絶望の象徴・“亜空軍”―――。 英雄たちに倒された闇の魂たちの無念の思いが集まりし、暗黒の軍勢…か…。 ……フフフフフフ…。 興味深い……実に興味深いものだ…。 亜空軍の輩には礼を言っておかねばな…。 同じ世界の大地を流離うことに飽いてきた私を、未知なる世界へ導いてくれたのだからな…。 卿らの闇の力が戦乱を呼び、異なる世界を一つの道へと繋いでくれたことには感謝しよう。 …だが、亜空軍よ…、私は卿らの企みに興味はない。 もちろん、この世界がどう転ぼうが、時間が破壊されようが、私の知るところではない…。 私の望みはただ一つ…。 私の心を満たしてくれる宝を手に入れること…それだけだ。 せいぜい、卿らに期待するとしよう…。 この、松永弾正久秀を満足させるに事足りる宝を、差し出してくれることを、な…。
---to be continued---