Phase176 フュージョンワールド・パニック
〜Research No.21:巫女と少女と隠された過去〜


魔天使ブラジラの策略によって、最大のピンチに見舞われたアカレッドこと、アキッキー。

その彼を救ったのは、未知のスーパー戦隊“特命戦隊ゴーバスターズ”と、幼き彼の背中を後押しした宇宙刑事ギャバンであった。

そして、偶然にも彼のもとに合流した仮面ライダーたちとプリキュアたち、さらにはパトロクロスとピュラの兄妹、若きウィッチ・服部静夏も参戦したことにより、形勢は大逆転。

ピンチを脱することに成功した。























敵が撤退しとりあえず一安心の一同は安堵しアカレッドも元に戻る。

「烈さん!」

“レンジャーズラグナロク”の際に、自分をディスタンスフォースへ導くきっかけを作ってくれた壮年の男・烈。

彼と再び出会うことが出来たアキッキーは、その喜びで胸が一杯だった。

「お久しぶりです!あのときはありがとうございました!」

「うむ。あのときの気弱だった少年が、ここまで立派に成長してくれて、俺も嬉しいぞ。」

烈もまた自身が助けた気弱だった少年の成長ぶりに喜びをあらわにする。

「アカレッド、これからは俺たちも一緒だ!よろしくな!」

「こちらこそ!」

“仮面ライダーフォーゼ”の如月弦太郎も、アカレッドと改めて挨拶を交わし、そして―――。





―――ギュッ、ガシッ、コンッ、トントンッ





友情のシルシを交わす。





「っ!?皆さん、あれを!!」

『!?』




何かに驚くれいかの声に促され、一同が視線を向けると、残されたゾディアーツとドーパント達が光を発し、中からガイアメモリとゾディアーツスイッチが出てきて怪人にされた人物が元に戻る。





ティーレックス・ドーパント=まるで原始人のような格好をした少女

ユニコーン・ゾディアーツ=赤毛のポニーテールで白い鎧をつけた少女

キグナス・ゾディアーツ=縦ロールの金髪が特徴的なお嬢様といった感じの少女

スイーツ・ドーパント=“キグナス”の変身者に似たまだ幼い少女

アームズ・ドーパント=緑がかった髪に黄色い鎧の少女

オリオン・ゾディアーツ=“アームズ”にされていた少女と同じ鎧を身に着けた黒いおかっぱの少女

ライアー・ドーパント=女性の士官服のような格好に身を包んだ少女

ココロオトメデス=ピンクのビキニパンツ一丁のマッチョなオカマ






「な、なんだこいつら!?」

オカマはともかく、他のメンバーが少女だったことに驚く一同だったが…。

「“兀突骨(ごつとつこつ)”、“白蓮(ぱいれん)”、“麗羽(れいは)”、“美羽(みう)”、“猪々子(いいしぇ)”、“斗詩(とし)”、“七乃(ななの)”、“貂蝉(ちょうぜん)”まで!?いったいどうして・・・!?」

『!?』

一刀の戸惑いの言葉が、さらに彼らを困惑させた。

「一刀、こいつらを知っているのか?!」

「あぁ。俺と同じ“ラブプリア”の仲間たちだ。でも、どうして彼女たちが…!?」









―――ワサワサワサワサ……。

「?」









すると、佐助の耳に何か無数の虫の足音が聞こえるかのような音がかすかに聞こえた。

徐に視線を逸らすと―――。

「!!!」

“その正体”が目に留まった。

「あ〜、お前たち…。」

「?」







「安心するのはまだ早そうだぜ!!!」

『!!??』








全員が佐助と同じ方向に視線を向けると、先ほど倒した偽物軍団の残照が数箇所に集まり、スーパー戦隊、仮面ライダー、プリキュアなど千差万別な種類の無数の戦闘兵へと変貌していったではないか!

しかも、その数は戦闘員1種につき、先ほどアキッキーが一人で倒したゾロー達の10倍近い数だった。

「うそぉぉ!!??」

「ちょっと、あれ見て!!」

さらにその残照の一部が大ナナシ、巨大ジャリュウ兵、キングクネクネ、巨大親衛隊インプス、巨大オルゲットといった巨大戦闘兵に変貌。

「こんなの聞いてないぞ!」

「どうすれば…!!??」







―――キランッ!







すると、遥か上空で二つの光が煌いた。





―――ゴオオオォォォォッ!!!





轟音と共に急降下してくるそれは、メカニカルな一角獣とグリフォン。

リーゼ姉妹たちをメディアステーションまで送り届けたあのメカビーストたちである。

「なっ、何だあれは!!??」

全員が困惑する中、真っ先に声をあげたのは―――。





「“シャドーグリフォン”!!“セイントユニコーン”!!」

『!?』






意外にもあずさだった。

しかもあの2体のメカビーストの名前を知っていた!!??

「あずさちゃん、あれを知っているの!?」

「え…!!??」

…って、当の本人も知らず知らずに口にしたんですか!?

『おや?あそこにいるの…、あずさちゃんじゃないのか!?』

『ホントだ!道理で“あの場所”にいないと思ったら…。』

『早く助けなくちゃ!』

『うん!行こう!』


すると、現れた2体のメカビーストたちは、闇の欠片によって生まれた戦闘員たちを次々に撃破。

アキッキーたちの避難の活路を開いた。

『みんな、今のうちに脱出だ!』

セイントユニコーンから聴こえた声でハッとした一同。

「よし!みんな、今のうちに!」

アキッキーの合図で全員が動き出す。

キリエのCB-01(スポーツカー)には、アキッキー、あずさ、弦太郎、烈、流星、ミハルが。

アミタのGT-02(トレーラー)には、一美、プリキュアチーム、そして怪人にされてしまったラブプリアの一行(ただし、後者は気絶したまま)。

そして、BC-04(クレーン車)には操縦担当の一刀に加え、J、佐助、鶴姫、パトロ、ピュラ、静夏が乗り込んだ。

「一刀、ドライブレードをハンドルモードに切り替えろ。それでこのビークルを操縦できる。」

「え?これ、ハンドルになるの!?」

そのBC-04のコックピットで、Jからビークルの操縦方法を教わる一刀。

言われるがままに、ドライブレードをハンドルの形に組み替えて、それを操縦桿の部分に刺し込んだ。

―――ガシャッ!

<Let's、Driving!>


ドライブレードの装着が認識され、これでコントロールが可能になった。

「よし、“BC-04・ビートル”、発進!」

―――カチャッ!

<Roger、BC-04・“BEETLE”、Shift up!!>


ドライブレードのカブトムシのマーク側にあるボタンを押すことで、エンジン音がかかった。

『キリエ、行きましょう!』

『ええ!あの機械獣たちに続くわよ!』

<Let's Driving!>


アミタとキリエのビークルもエンジン音がかかり、亜空間脱出のために走り出した。



















































プラズマ界の歪んだ場所に存在する、“記憶の本棚”

そこでは、いつものようにチェスをたしなむ、ハーマン・スミスとクン・ランの姿がある。

そして、そこにはいつの間にか新たな客人が増えている。

スーツを着こなす壮年の男と、サングラスをかけた老人を中心とした4人の親子である。

ここも少し賑やかになってきたようだ。

「来人(らいと)、頑張っているようね。」

「あぁ。我が家族の最後の生き残りとして、悔いのない戦いを残して欲しいものだ。」

その親子たちが、仮面ライダーWの戦いを見守っている。

どうやら知り合いのようだが…。

「今回は私が取らせてもらうよ。」

さて、ハーマンとクンのチェスは、今回はクンに軍配が上がったようだ。

「ふむ…、手詰まり、のようだね…。」

笑みを浮かべるハーマン。

その目に悔しさなど、微塵もなかった。

「二人とも、少しいいかな?」

「我望くん、何かな?」

我望と呼ばれた壮年の男は、チェスを楽しむ二人に質問を投げかけた。

「私の生徒たちがシードピアに合流したようだ。そのときに、1000年前のあの世界の戦いに参戦したと言う二人の巫女に遭遇したらしい。…彼女たちは何者かね?」

「「…?」」

二人が視線を向けると、アキッキーたちが二人の巫女たちによって助けられている場面が、空間モニター上に映し出されていた。

「“陽の巫女”と“月の巫女”…。」

「なるほど、彼女らも目覚めたと言うことか…。」

意図を察した二人は、思い当たる節を思い出す。

「いい機会だ。聞かせてあげようではないか、スミスくん。」

「いいだろう。」



















































―――ビュワワワアァンッ!!!





さて、再び月面エリア某所。

しかも、スマッシュブラザーズの神殿から離れた場所に位置する謎の社である。

セイントユニコーンとシャドーグリフォンに導かれ、その場所にたどり着いたアキッキーたち一行。

ようやく安全な場所に合流できて、一安心である。

「ここは…、シードピアの月面!?」

外に出た直後の開口一番のアキッキーの一言。

当然のことだが、彼は勿論、一行もこの場所を知らない…。

ふと、彼らの傍に、先ほどのユニコーンとグリフォンが降り立ち、内部から二人の少女が現れる。

いずれも巫女装束を纏っているようだが…。

「皆さん、大丈夫ですか?」

「怪我はない?」

「大丈夫だ。君たちが来てくれたおかげで助かった。」

メンバーたちを代表して烈がお礼の一言を述べる。

「ところで、あなたたちは一体…。」

ふと、アキッキーが少女たちに問いかけたとき―――。





『ストップ。』

「?!」





少女たちの背後からその言葉を制止する声が。

そこに居たのは―――。

『その前に、一つ片付けておきたいんだが、いいか?』

真っ白な衣服に身を包み、まるで霊体のように浮かんでいる“ツンツン頭”の少年だった。

「…!?」

その姿を見たあずさ、脳裏に奇妙な感覚を覚えていた…。

「どうして…?あたし…、あなたたちを知っている…?」

彼女のその一言で、アキッキーたちは目を見開く。

『そりゃそうさ。1000年前の“シードピアクライシス”の終結後、俺たちと一緒にこの“種百合の社(たねゆりのやしろ)”でずっと眠ってたんだからな。』







――1000年前から眠ってた!!??








直後にさらりと口にした少年のその発言に、全員がさらに仰天した。

しかし、“数年間シードピアに暮らしていた”アキッキーには思い当たる節があった。

それは、1000年前にシードピアに封印されていた“GUNDAM”の力と、その中に封印された“ブレイカービースト”たちの存在、そしてそれらが深く関わった伝説の勇者たちの戦いだった。

「それじゃあ、あずさちゃんの正体は…!?」

そして、それと同時にあずさの脳裏にも―――。









『あずさ!鷲悟兄!あのバカ巫女二人を頼んだぞ!!』

『ジュンイチお兄ちゃん!』










1000年前の記憶が蘇った…!









『姫子…、本当にこれでいいの…?』

『私は、千歌音ちゃんと一緒がいい。千歌音ちゃんのことを、誰よりも愛しているから…、ずっと一緒に居たいの…。』





『姫子お姉ちゃん、千歌音お姉ちゃん…。』

『ありがとう、あずさちゃん。心配かけてごめんね。』

『でも、もう大丈夫。私たちは、ずっと一緒にいられるから…。』





『あずさ、お前まで俺たちと一緒にいることもないんじゃないのか?』

『…多分なんだけど、お兄ちゃんたちはもう帰ってこない…。それに、お兄ちゃんは二人のことを頼むって言ってた…。だから私は、ここで眠り続けて、未来の人たちにこの出来事を伝えていく使命がある。そんな気がするの……。』






「そうだ…!私は、“柾木あずさ”…!1000年前の“シードピアクライシス”の経験者…!!!」

























ここからは、クン・ラン、あずさ、ハーマンの順番で歴史を語っていくとしよう…。

























シードピア暦1943年、まだその世界に“コーディネイター”と言う人類が誕生していなかった頃の話だ。

その世界に住んでいた二人の高校生――来栖川姫子(くるすかわ・ひめこ)と姫宮千歌音(ひめみや・ちかね)が、物語の主人公だ…。

彼女たち二人はシードピアの“ニュートラルヴィア”と言う島に住む、極普通の高校生に過ぎず、二人は中の良い親友でもあった。

時としてその絆は、親友以上の間柄とも取れる大きなものに発展しかける傾向も少なくなかったのだが、その真意に気付くことも無く、彼女たちは静かに平穏に暮らしていた。

しかしながらその幸せは長くは続かなかった。

シードピアの全てを我が物にせんと目論む、“パトリック・ハミルトン”と名乗る闇の魔人が現れ、彼に仕える魔導騎士たちと、その同志である“オロチ軍”を引き連れ、侵略を開始したのだ。

その闇の力は驚異的とも言え、人類はなす術もないまま追い詰められていった…。

そんな中、姫子と千歌音は“転生前の記憶”を取り戻し、“陽の巫女”、“月の巫女”として覚醒し、二人の戦いを支えた伝説の守護神“ムラクモ”と共に、パトリックたちに対する人類の希望として立ち向かっていった。

一方で、わずかな希望の光である“シードクリスタル”を発見した人類も、その力をコントロールできる勇気ある少年たちを集め、大いなる勇者の鎧・“GUNDAM”システムを造り上げ、魔導騎士たちとオロチに真っ向から立ち向かっていった…。

























だけど、その戦いの最中で、思いもしなかった事態が起こってしまったんです。

“人類の希望”と謳われていた“月の巫女”…千歌音お姉ちゃんが、パトリックたちの軍勢に寝返って、攻撃してきたのです。

何の相談もなしにいきなり私たちを裏切った千歌音お姉ちゃんが、私たちには信じられなかったのです。

それが“過去の自分の罪の償い”と明かされたのは、最後の決戦が終わってからのこと…。

そのことすら気付くことも出来ず、私たちは敵対を続けたまま、ついに最後の戦いを迎えてしまったのです。

もちろん、姫子お姉ちゃんは親友が敵として立ちはだかったことに戸惑って、戦うことすら出来なくなっていたのですが、私のお兄ちゃん……柾木ジュンイチと柾木鷲悟が、仲間たちが、そんな姫子お姉ちゃんの背中を押してくれたのです。

“友達と戦うことは辛いけれど、何もしないまま殺されて最期を迎えるのは、もっと辛い”。

“本当の友達なら、本音でぶつかり合って、本気で殴り合って、たとえ限界を超えても、納得するまで何度も立ち上がって、戦っていくしかない”。

“彼女のことを本当に好きなら、その想いと力の両方を、ありのままの自分で勝負してみる”。

……それが、姫子お姉ちゃんに最後の勇気をくれたのです。

























そして最終決戦の日、パトリックたちとGUNDAMの勇者たちは、お互いに史上最大の総力戦で臨んだ。

一方で、相対することになった二人の巫女も、戦いの場を地上から月面へと移し、二人だけの戦いとなった。

一時は優勢を保っていたパトリックたちだったが、オロチに組していた青年の一人がGUNDAMの味方として寝返ったことによって形勢は逆転した。

その混乱に乗じ、GUNDAMの仲間たちは二人の巫女の後を追いかけ、シードピアの月面にひっそりと建てられた“種百合の社”にたどり着いた。

その二人の戦いは、悲しく、儚く、切ない想いが交錯し、幾度もすれ違ったものの、二人はお互いに愛していると告白したことにより、戦いは終局を迎え、同時に、シードピアクライシスも終焉を迎えた。

この直後、地上に残ったGUNDAMたちは、未来でパトリックが復活するやも知れぬ可能性に対処すべく、自分たちの力と命の全てを“ガンダムギア”に封印し、社の一同もそれに同調するかのように、いつ目覚めるとも分からぬ眠りに付いたのだ。


























「……そんなことがあったなんて…!」

数年間シードピアに滞在していたアキッキーでさえ、この歴史の裏側とも言うべきストーリーには言葉を失っていた。

「俺もその話は断片的には聞いたことはあった。だが、女の子同士の恋などありえないことだって思っていたが、今の話を聞くとそれすらも出来ないな…。」

「同じ女の子としても、確かに信じられない話ではありますが…、とても胸が苦しいお話ですね…。」

烈とれいかも、思いもかけない歴史に複雑な心境を抱くしかなかった。

「………。」

一方で静夏も、言葉に出来ない、何かを胸の奥に感じていた。

“大切な人を目の前で失ってしまう悲しみ”。

“愛する誰かが目の前で消えてしまうかもしれない苦しみ”。

状況と住む世界は違えど、彼女もかつては“似通った”経験の持ち主。

“共感”出来るといった感じだったのかも知れない…。







「あ゛〜、もう!堅っ苦しい話は無しだ!」







…ふと、そんな少し重苦しい空気を弦太郎の大声が取り払った。

「要はアレだ。“自分の大好きなダチを泣かせるヤツを倒したい”ってことだろ?」

「…??」

何とも大雑把で適当な弦太郎の解釈。

…と思ったが…。





俺はこのシードピアって世界が実在したって言うことを全く知らないし、この世界のこともお前たちの事情も全く知らない。

まぁ、正直に言えば、お前たちの話を聞いても理解できないところや納得できないところもある。

だが、これだけは言える。

“亜空軍の奴らが俺のダチを泣かせている”ってな!

だったら俺たちのやるべきことは一つ!





「世界中のダチを泣かせている亜空軍の奴らを、片っ端からブッ潰すだけだ!!!!」


“仮面ライダー”として今までダチのピンチをあらゆる意味で救ってきた経験からか、彼の言葉には少なからず気が利いて説得力があった。

「フッ…、お前らしいな、如月。……だが、そうだよな。俺たちは“ゾディアーツ”との戦いの時だって、その思いを胸に頑張ってきたんだからな。」

共に戦ったダチである流星は、呆れつつも彼の言葉に共感する。

「なぁ、姫子と千歌音、だったな?お前らも、俺のダチにならねぇか?一緒に戦う仲間として!」

「……!」

その言葉と共に差し伸べられた手。

戸惑いつつも、姫子がその手を握り返す。

―――ギュッ、ガシッ、コツンッ、トントンッ

…と思ったら、強制的に友情のシルシの流れになってしまった。

弦太郎が手を差し伸べたら、大抵こういう流れになってしまうらしい。

もちろんこの後、同様に千歌音やあずさに対しても、その友情のシルシを交わしたのは、言うまでもない。







―――ピピピッ、ピピピッ!







ふと、弦太郎のNSマグフォンに通信が入った。

賢吾たちか?

―――ピッ

「賢吾か?さっき亜空間から脱出した。」

『ホントか!?どこにいるか分かるか!?』 「シードピアって世界の月面の上だ。」

『だったら丁度いい!こっちに来てくれ!今、こっちは亜空軍の襲撃を受けているところなんだ!!!』





―――!!!!????






こっちでもたついている間に亜空軍が!?

『今こっちでどうにか応戦しているんだが、いつまでもつか分からない!とにかくこっちに来てくれ!!!』

「…って言うか、お前らどこにいるんだ!?」

『シードピアの月面だ!詳しい場所は…、ッ!!??うわああぁぁっ!!!』

―――ドガンッ、ブツッ!


―――プーッ、プーッ、プーッ


「おい賢吾、どうした賢吾!!??」

……通信が途切れたようだ。

様子からして、弦太郎の仲間たちもシードピアに紛れ込んでしまっているようだ。

彼らも同じ月面に居るとすれば、早急に探す必要がありそうだ…!

『どうやら、急ぎのようだな。アキッキー、姫子と千歌音も一緒に連れて行け。役に立つはずだ。』

「あぁ、分かった!」

鷲悟の頼みをアキッキーが承諾し、二人が仲間に加わった。

そして、携帯していた“炎神アタッシュ”から、マッハルコンのキャストとソウルを取り出す。

「いけるか、マッハルコン!?」

「あぁ!じっくりと休んだからな、エネルギーは満タンだぜ!」

「よぉし!」





―――マッハルコンソウル、セット!!!

―――カシュウゥンッ!!

「バリバリィ!!!」






マッハルコンのソウルがキャストに装填されたことにより、彼は元の大きさに戻った。

「よし、アカレッド、俺に乗り込め!」

「おう!」

アカレッドがマッハルコンの操縦席に乗り込む。

「それから…、古代炎神、力を貸してくれ!!」



―――カシュウゥンッ!!!

「パオォ〜ン!」

「ガオォォッ!」

「グオォォンッ!」




エネルギーがいつの間にか溜まったらしく、古代炎神――キシャモス、ティライン、ケラインもやる気満々である。

その中に、パトロ、ピュラ、姫子、千歌音、佐助、鶴姫が乗り込み、静夏が操縦席に乗り込む。

「よろしくお願いします!」

静夏が炎神たちに挨拶をする。







「ドルギラン!」

ギャバンは、自身の所有する大型宇宙戦“ドルギラン”を呼び寄せた。

「仮面ライダーとプリキュアの諸君、これに乗りたまえ。」

「お、助かるぜ!」

「ありがとうございます!」

“偶然ビークルを忘れた”ライダーたち3人と、もともとそれを持っていないプリキュアたちを、自分たちの船に招き入れるフォローも忘れない。







<Let's Driving!>

キリエ、アミタ、一美、一刀、Jの5人は、それぞれのビークルに乗り込み、出撃体制を整える。

「みんな、行くわよ!」

…でも、確か車両にはまだ“ラブプリア”の仲間たちが気絶したまま乗っているはず…。

大丈夫か!?



















































―――ビュワワアァァンッ!



シードピアの軌道上の某所で再び開いた亜空間の扉。

そこから飛び出してきたのは、漆黒のボディを持つ戦闘機だった。

一般的な車より二回り(ふたまわり)ほど大きなその機体には、変わった面々が乗っていた。

「どうにか脱出できたな。」

「ふぅ、危なかったぜ…。」


「すまないな、あんたに助けてもらって。」

「助力に感謝するぞ。」

操縦桿を握る、ゴーグルを装備した紫色のロボット。

その仲間を思しき、銀色のキザなロボット。

さらに、猫の耳と尻尾を持つピンク色の髪の亜人。

彼らよりも一回り大きな屈強の体を持つ男。

「…ところで、ここは一体どこなんだ?」

「座標位置からして…、“シードピア”のようだ。」

紫のロボットの発言を聞き、一同が耳を疑う。

「シードピアって、確か今物凄い大混乱が起こってるって言う…!」

「まさか…、亜空間を彷徨っているうちに流れ着いたと言うことか…!?」

「おそらく…。」


いつの間にか彷徨い出た大激戦の中心地。

行く宛てもそんなにないと思えたが…。

「!?…おい、あれを見ろ!」

『!?』

猫耳の女性が指さした先。

そこはシードピアの月面だった。

「あれって確か…、随分前に話題になった人工衛星・XVUじゃないのか!?」

その言葉を受け、モニターを拡大し、コンピュータのライブラリを照合すると…。

「確かに、XVUだ!」

「ム!?しかもその傍に居るのは…、亜空軍たちか!?」

その言葉どおり、XVUの傍には亜空軍たちの姿がある。

しかも、どうやらこの世界に迷い込んでしまったであろう人間たちも襲撃を受けている。

「どうする?ジャンパーソン。」

「……よし!彼らを援護するぞ!」

意を決したジャンパーソンは、グランジェイカーのエンジンを吹かし、現場へと急行していった。



---to be continued---


☆あとがき
アキッキーチーム月面エリア再合流のエピソードと相成りました第176話!
一方で新たに判明したシードピアクライシスの裏の歴史。
大突貫作業且つ急ごしらえ感が半端ないほどのスカスカ設定ではありますが…。OTL

さて、次回は神殿パート編!
大ピンチの仮面ライダー部のもとに、アキッキーたちはもちろん、多数の援軍が大合流いたします!



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