Phase174 フュージョンワールド・パニック 〜Research No.19:赤・超・変・身-Crosswise Justice-〜
「宇宙、キタ―――――ッ!!!」 ―――仮面ライダーフォーゼ!! ―――仮面ライダーメテオ!! ―――仮面ライダーアクア!! 「「「助っ人させてもらうぜ!!!!」」」 ―――宇宙刑事、ギャバン!! ―――輝け!スマイルプリキュア!!!!!! 「「人に隠れて悪を斬る!!」」 ―――“カクレンジャー”見参!! 「特命戦隊!!」 ――――ゴーバスターズ!!!!! 「ゴーバスターズ・・・・・?」 「何だと!!??あんなスーパー戦隊、存在しなかったはず・・・・・・!!!」 それは、スーパー戦隊の存在を知るアキッキーとブラジラですら知る由も無かった事態だった。 特命戦隊ゴーバスターズと言う新チームの電撃参入によって、二人は困惑していたのである。 「アキッキーくん。」 一方で、宇宙刑事ギャバン=一条寺 烈はズタボロになっていたアカレッドに言葉を投げかける。 「ヒーローに憧れていたころの小さかった泣き虫少年が今、みんなを導く存在としてここに立っている!」 ―――“あばよ涙、よろしく勇気”だ!!! 「!!!!????」 その一言を聞いて、割れたメットのバイザーから見えていたアキッキーの目が見開く。 その瞬間、彼の脳裏に、ある記憶が蘇っていた……!!! 実は、以前ハルヒ達にレンジャーズラグナロクの記憶を見せた際、1つだけ意図的に見せずにいた記憶があったのだ…。 “レンジャーズラグナロク”終結から間もない頃、スーパー戦隊たちの捨て身の活躍で、ルヴェラは再び平和を取り戻した。 しかし、その傷跡は少なからずルヴェラの人々の心に傷を残していた。 そして、それは子供のころのアキッキーもまた同じだった…。 憧れの存在であり、自分を助けてくれたスーパー戦隊たちの消失、それはまだ幼かった彼の心にも大きな傷を残した…。 半壊状態の街中の片隅で、一人寂しく膝を抱えてすすりなくしか出来ないほどに、相応のショックを受けていたのだ…。 「どうしたんだい?」 そんな中、救助活動をしていたディスタンスフォース所属と思われる1人の男が歩み寄り、アキッキーに話しかけてきた。 「スーパー戦隊たちが…っ…消えちゃった…。ボクを、助けてくれた、人たちが…っ……。」 小さいながらに自身が遭遇した出来事に大きな不安を覚えたのか、はたまた目の前の男の優しさに安堵感を覚えたのか、アキッキーは見ず知らずであるはずの男に自身の不安を漏らす。 「もう、ルヴェラを守るヒーローは、いなくなっちゃった…っ……。だから、どうしたらいいのか、わからない…っ…!」 その不安をもらすたびに、アキッキーはますます泣きじゃくっていた。 「…確かにな。だが、だからと言って泣いているのはだめだ。」 「えっ……?」 すると、アキッキーの不安を取り除くように、泣きじゃくる彼の頭に手を乗せて―――。 ―――あばよ涙、よろしく勇気。 「あばよ涙…よろしく勇気…?」 その言葉は、気落ちするアキッキーの心に光を灯した。 「涙とはさよならして勇気を求めてみるんだ。きっと君のすべき道が見えてくるはずだ!」 挫けたときには、自分を守ってくれたヒーローたちのことを何度も思い出す。 彼らのようなヒーローになりたいと願えば、いつかは自分の勇気を見つけ出せる。 それが、人間の心の強さである。 男の言葉には、そんな意味が込められているのだ…。 「烈隊長!ここの救助活動はあらかた完了しました!!」 ふと、男の仲間である一人の一般隊員が状況報告にやってきた。 「よし、次の現場に向かうぞ!!」 「了解!」 それを聞いた烈と言う名の男は、部下を先に行かせる。 「じゃあな、少年。」 そして、最後に立ち去り際に振り向いて、アキッキーに笑顔を見せ、部下の後を追いかける形で去っていった…。 この出会いをきっかけに、アキッキーは“今度は自分がルヴェラを守る”と言う決意を固めることとなり、数年間の努力の末、ディスタンス・フォースの魔導師として入隊したのである…。 ヒーローたちの消失に涙を流していた自分の前に現れた1人の革ジャンの男。 『あばよ涙、よろしく勇気』の言葉を送り、アキッキーをディスタンスフォースへ導いた存在。 その姿が、目の前にいるギャバンの姿と重なった。 「もしかしてあなたは・・・・・?」 アキッキーの言葉に対し、答えぬ代わりにただ頷くギャバン。 「アカレッド。」 そして、フォーゼが振り向いてアキッキーに声をかける。 お前が今まで人知れず物凄い闇と戦って、俺たちを守り抜いてきたことを、俺たちは知っている。 アカレッドは俺たちの希望の道しるべでもあった。 だが、今お前が途方もない大きなピンチに見舞われている。 そんなお前を、今度は俺たちが支えて導く番だと思うんだ。 「だから、俺たちにも頼らせてくれ!世界を守るダチとして!」 そう言って差し出された右手。 その仮面の奥には、決意と勇気の輝きを宿した瞳を持つ笑顔が伺えた。 「アカレッドさんの戦いはあたしたちの戦いでもあります!あたしたちも、アカレッドさんの仲間として、一緒に戦わせてください!」 キュアハッピーもフォーゼの言葉に便乗する形で、アカレッドの体を支える。 そしてメテオ、プリキュアたち、ゴーバスターズ、佐助と鶴姫も…。 さらに、変身はしていないものの戦う気満々の静夏や、パトロ、ピュラもアカレッドを見つめ、頷く。 そうだよな・・・・! これだけボクを強く信頼してくれる人達がいるなら・・・・・!! まだ立てる・・・、頑張れる・・・、戦える!!!! うおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!! ―――ズドオオオォォォォンッ!!!!!!! 「くっ!!??」 「ぬおっ!!!??」 全身傷だらけになりながらも立ち上がったアカレッドの背中から、魂の爆発にも似た赤いオーラが一気に放出され、ブラジラ達を吹き飛ばした。 「ば、バカな!?あれほど痛めつけても、まだ戦えるだと!?」 「なぜだ!?貴様はなぜ立ち上がれる!?その力の源は何なのだ!!??」 割れたバイザーの奥の瞳でブラジラ達をにらみつけるアカレッドは、ブラジラたちに啖呵を切った! 「命ある限り、みんなの笑顔と人々の願いを守るために戦い続ける・・・!!それがヒーローってもんだ!!!!!!」 そういってアカレッドは腰のカードケースから1枚のゴセイカードを取り出す。 「こっちもとっておきの秘策で勝負だ!“ディバイディプロディクション”カード、天装!!」 <FOCUS、GOSEI POWER> 以前ゴセイナイトが使った物と同じカードを使うアカレッド。 しかし、今回はそのエネルギーがアカレッド自らに降り注ぐ。 「ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜、ハァッ!!!!」 ―――シュバババッ!! その掛け声とともにアカレッドが9人へ分身した。 「さらに!!」 その掛け声とともに9人のアカレッドがそれぞれレンジャーカードを取り出し、装填。 『ソウル降臨!!』 <CHANGE、“TYRANNO-RANGER”、“GINGA-RED”、“ABA-RED”、“DEKA-RED”、“MAGI-RED”、“GEKI-RED”、“GO-ON-RED”、“SHINKEN-RED”、“GOSEI-RED”> 9人のアカレッドがそれぞれの変身ポーズを行い光に包まれる。 それぞれが異なる赤き勇者のスーツを纏った後、頭部が9人の赤き伝説の勇者の物へ変わる。 そして、光が消えるとそこに9人の赤き勇者が立っていた。 「正義の戦士!!ティラノレンジャー!!」 「炎の戦士、ギンガレッド!!」 「元気莫大!アバレッド!!」 「赤き刑事、デカレッド!!」 「燃える炎のエレメント、赤の魔法使いマジレッド!!」 「体に漲る無限の力!“アンブレイカブル・ボディ”、ゲキレッド!!」 「マッハ全開!ゴーオンレッド!!」 「シンケンレッド・・・参る!!」 「嵐のスカイックパワー、ゴセイレッド!!」 あらわれた9人の赤き戦士がそれぞれ名乗りを上げる。 「フン、9人に分身しようが我々の敵ではないわ!!」 ブラジラはこんな展開にも動じず、鼻であしらうが―――。 「それはどうかな?」 「何!?」 アキッキーはその余裕を否定する。 ボクはシードピアに来てからも密かにスーパー戦隊としての鍛錬は続けてきた・・・・・・。 そしてその鍛錬の中で、お前たちと対等に戦うためのとっておきの切り札を身につけたんだ!! ブラジラ、今こそ見せてやる!! 「あらわれよ!ドラゴンアーマー!!」 ティラノレンジャーがドラゴンレンジャーの獣奏剣を吹くと、胸部に金色のアーマーが装備され、ベルトのダイノバックラーも金色に染まった。 「唸れ、ギンガの光!!」 星獣剣を抜刀したギンガレッドが、掛け声と共に金色の輝きに包まれる。 その瞬間、彼の左腕に爪状のパーツと腕輪がつき、ベルトのバックルと持っている星獣剣のつばが大型化する。 「マックスチェンジ!!」 アバレッドが恐竜の頭部を模した盾を構えると、掛け声とともにアバレッドのボディの白い模様が金色になりマスクは装飾が追加されたものに変化する。 「デカスーツ、リミッター解除!!」 S.P.ライセンスにコードを認証させると、デカレッドのデカスーツが1度微粒子状に戻り再構成され、より動きやすさに特化したと思われる形状に再構築、さらに腰のディーマグナムもやや大型化する。 「超魔法変身!マージ・マジ・マジ・マジーロ!!」 マジレッドがワンドモードのマージフォンに呪文を入力して天空に掲げると、その呪文の特有の魔法陣が現れ、それがマジレッドの体を通り抜ける。 すると、手袋とブーツが白くなり、胸に白い鎧がつき、マスク側面に鳥の羽を模したパーツがつき、手にダイヤル状のパーツがついた杖が握られる。 「スーパー・ビースト・オンッ!!」 それまでとは比べ物にならないオーラを纏ったゲキレッドが、掛け声と共に左手に持ったクローの爪を展開させる。 すると、それまで赤と黒の意匠だったボディスーツが、白を基調に赤いラインの入った物へ変化する。 「「“恐竜ディスク”、セット!!」」 ゴーオンレッドとシンケンレッドはロッドモードのマンタンガンとシンケンマルにそれぞれ恐竜ディスクをセットし、現れた赤い陣羽織を羽織る。 <サモン、“ミラクル・ゴセイパワー”!> ゴセイレッドは、手にしたゴセイカードをテンソウダーにセットし、変わった形状の剣と金色のゴセイヘッダーを手に取る。 そして、金色のゴセイヘッダーを剣の球体部に装填すると―――! 「超天装!!」 <スーパーチェンジ!> 胸部に竜の頭部を模したパーツの付いた、金色のアーマーを装備した。 「!!!???」 「ムッ!!??」 意表をつかれたのか、ブラジラとセルバンテスが一瞬たじろぐ。 「力を受け継ぎし正義の戦士!!アームドティラノレンジャー!!」 「銀河を燃やす炎の戦士、獣装光ギンガレッド!!」 「闘気爆裂!!アバレマックス!!」 「チェンジ完了!デカレッド・ブラストモード!!」 「燃える炎のエレメント、赤き原初の魔法使い、レジェンドマジレッド!!」 「過激気にアンブレイカブル・ボディ、スーパーゲキレッド!!」 「ハイパーゴーオンレッド、チューンアップ!GO-ON!!」 「ハイパーシンケンレッド・・・参る!!」 「奇跡の嵐、スーパーゴセイレッド!!」 『我ら、伝説の赤き勇者!!』 アキッキーが新たに身に着けた切り札。 それは強化形態へと変身する能力だった! 「うおおおぉぉぉ!!!伝説の強化レッド、 キタ―――――――――――ッ!!!!!!」 「うわぁ〜〜〜〜〜すごいです!!!」 伝説の戦士の集結に興奮するフォーゼとキュアピース。 「どうやら相応の鍛錬を積んだらしいな。だが、いかに強化フォームを出そうと関係ない!貴様らまとめて叩き潰してくれる!!!」 ブラジラのその掛け声に、先ほどアカレッドに倒されたのと同じ戦闘員たちが再び投入される。 「ものども、かかれ!!!」 ブラジラ達の指示を受け偽者軍団とゾディアーツ&ドーパント軍団が襲い掛かってきた。 「みんな・・・・行くよ!!!」 『おう(はい)!!』 怪人たちに果敢に立ち向かっていく勇者たちの激戦が始まった…!!! 「…なるほど、そういうことだったか…。」 一方、こちらはシードピアの“スマッシュブラザーズの神殿”。 ……の付近に転移してきた“月面基地・ラピッドハッチ”。 ミッドチルダからそこにワープしてきた、歌星賢吾たち“宇宙仮面ライダー部”の一同は、そこで出くわしたスマッシュブラザーズの一行から詳しい話を聞いた。 そのお蔭で、自分たちがミッドチルダではない異世界に飛ばされてきたことを知ったのだ。 「道理で見慣れない光景なわけだよなぁ…。」 顧問教師である大杉が、納得した表情で周囲を眺める。 「全く想像してなかったよな、俺たちの知らない別の世界が存在するってのが。」 「“別次元”ってことでしょ?空想かと思ってたもの…。」 「でも、弦太郎さんの見ていた光景からしても、現実としか言えないわ。」 「信じるしかないよね…。」 大文字、美羽、野座間、ジェイクの4人も半信半疑と言った様子だ。 そして、その傍らにいる二人の後輩も、戸惑いを隠せない状況だった。 「でも私たちも今の状況がまだまだ分かっていないからね。」 「私たちも手伝えることがあったら協力するわ。」 クレイジーハンドとマスターハンドも、異次元からの人間に戸惑いを隠せないが、敵でないことを察知し、サポートを約束する。 そして、ドンキーコング、ディディーコング、フォックス、ウルフ、サトシ率いるポケモンチーム、リュカを始めとするスマッシュブラザーズたちも、協力を約束する。 ―――ドカアァァンッ!!! 『うわああぁぁぁっ!!???』 そんな雰囲気を一気にぶち破ったのは別方向からの謎の衝撃音。 「な、何だ!!??」 一同が視線を向くと、銀色の大型人工衛星が神殿の付近に落下しているのが目に飛び込んできた。 その人工衛星の姿を、賢吾たちは知っていた。 「あ、あれは…!!!」 『XVU(エックス・ブイ・ツー)!!!!』 ミッドチルダでの一件以来、宇宙の彼方に消えたはずの人工衛星が、なぜこんなところに…!? ―――ズドドドドドォン!!! 『どわああぁぁっ!!??』 さらに別方向から攻撃!!? 「こ、今度は何だ!!??」 そこに現れたのは、真っ赤なボディの異形の怪獣と、テレビモニターの目を持つハエの姿を象った怪人だった。 それに率いられる形でフードに身を包んだ謎の4人も現れてきた。 さらにその背後には―――。 「ネガトオォォンッ!!!」 「ナキワメーケェェ!!」 「ザケンナアァァ!!!」 レコード盤に手足の生えた化け物、浮き輪のボディを持つ化け物、さらには恐竜の姿の化け物が現れていた。 「どえええぇぇ!!??ななな、何なんだよあの化け物たちは!!??」 大杉先生、一気に敵が大量に現れたことに動揺してしまっている…。 しかし、マスターハンドと賢吾はこの手の展開を察知していた。 「状況を考える限り、結論は一つしかないわ!」 「お前たち、亜空軍だな!!??」 その問いに、2体のモンスターは即座に肯定した。 「ヘッ、その通りや!俺は行動隊長の“プレッシャー星人”や!」 「そして俺はその相棒、“テレビバエくん”だ!」 「お前らに恨みは無いけどな、タブーさまからの命令や!ここで一気に片付けさせてもらうで!」 プレッシャー星人と名乗った真っ赤な体の宇宙人、相応の実力者なのか、かなりの自信が伺える。 「そうはさせないわ!」 「僕たちが相手だ!!!」 スマッシュブラザーズたちが臨戦態勢を整える。 「ヒヒヒ…、お前たち、やれ!」 テレビバエくんと言う怪人の合図で、フードを被った4人組が前に出る。 その手にはそれぞれ、真っ黒な小型スイッチと、USBメモリ型のアイテムが握られていた。 「ぞ、ゾディアーツスイッチと…!?」 「ガイアメモリ!!??」 「まさか…!!」 「うそでしょ!?」 そのいやな予感は正しかった。 <MONEY> <EGG、CHICKEN> <PUPPETEER> ―――カチッ! ―――ビキュウゥゥンッ!! <OYAKO-DON> 祭壇座の力を持った星座の怪人・アルターゾディアーツ。 お金の記憶を宿した金色の怪人・マネードーパント。 卵+鶏の二つの記憶を合体させた異例の怪人・親子丼ドーパント。 人形遣いの力を持った怪人・パペティアードーパント。 あまりにも個性的過ぎる顔ぶれが揃ってしまった。 ―――ビュワワアァァンッ!!! 『どけえええぇぇぇぇっ!!!!』 ―――ズドドドドドォォンッ!!! 一方、その神殿の現場からそんなに遠くは離れていない月面の某所。 そこにまたしても異次元からの来訪者たちが迷い込んできた。 しかもゼクトプリムたちを大量に吹き飛ばす形で…。 「はぁ、やっと出られた。」 そこに現れたのは、以下の面々。 ・白いスーツを着こなす緑色のロングヘアの青年 ・騎士をイメージする衣服を纏った金髪の女性 ・修道服を着たシスター ・ディスタンスフォースの制服を着ている、メガネをかけた生真面目な女性 ・エメラルドグリーンを基調としたクールな服を纏ったボーイッシュな女の子 ・青を基調とした衣服を身に着け、マントを靡かせる、銀髪のロングヘアの女性 ・同じく、青い衣服とマントを纏った銀髪の少年 ・黒い騎士服を身に着けた、落ち着いた雰囲気の少女 ・黄色い騎士服の活発なイメージの少女 ・緑色を基調とした衣服の天然な印象の女の子 ・黒い騎士服を纏った真面目な雰囲気の男性 ・ラフな感じの服装の、紫色の髪の女性 …尤も、後者7人はそれぞれ獣の耳と尻尾を持っているという変わった面々ではあるが。 「…!?」 「…ん?」 ふと、ここでお互いの存在に気付いた。 「ガレット獅子団の皆さん!」 「シャッハ・ヌエラか!?」 「お久しぶりです!」 ふと、それぞれで顔見知りであろう3人がお互いを認識し、再会の握手を交わす。 「レオ様、ナナミさん、ご無事で何よりです。」 「おぬしもな。」 「またお会いできて嬉しいです!」 シャッハ・ヌエラ―――。 ミッドチルダ聖王教会の専属シスターにして、アキッキーたちレンジャーズストライクのサポートメンバーであり、彼のライバルでもある武術指南役。 本人曰く“非才の身”と謙遜しているが、実際の戦闘技術はディスタンスフォースの一線級の魔導師に匹敵する。 そして―――。 レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワ―――。 高槻七海(たかつき・ななみ)―――。 いずれも、バサラワールド西方の地・フロニャルド大陸の南方に位置する“戦無双の海洋国家”、“ガレット獅子団領国”の主とその勇者。 レンジャーズストライクとは何度も“戦興行”で剣を交えた修行仲間でありライバルでもある、指折りの実力者である。 その傍らで、状況が理解できていない面々も2〜3名ほどいるのも事実…。 ひとまず、場所の移動がてら、大方の話をまとめることに…。 ―――ビュワワワァァァンッ! 一方、また違う場所で、今まで以上に大きな亜空間のゲートが開き、その中からモビルスーツほどの大きさに該当するであろう巨大な機械獣たちの群れが現れた。 「…っと、ようやく抜けたか?」 「そのようだな。」 その中心である真っ赤な恐竜型メカに乗る、赤いジャケットを羽織った青年と、蒼い鳥の姿の謎の男が、周囲を見渡す。 彼らの周囲には、それぞれ独特の恐竜型メカに乗った5人の若者の姿もある。 「やれやれ、いきなり見たことない敵に襲われたと思ったら…。」 「いきなり知らない場所についちゃったな…。」 「ここは一体、どこでござるか…?」 「“ベスティア”でないことだけは確かだな…。」 「それに、結構殺風景な場所ね…。」 案の定他の一同も見慣れない景色に戸惑うばかりだった…。 「?…なんだあれは…。」 ふと、赤ジャケットの青年の視線に何かが映った。 それは、神殿の傍らにある赤い大きな物体だった。 「赤い船…でござるか…?」 「しかも、帆船っぽいな…。」 「!?…あれはまさか…!」 その姿を見た蒼い鳥、見覚えのある素振りを見せる。 「トリン、知っているのか!?」 「あぁ。間違いない。」 ―――あれは、ゴーカイガレオンだ! 『!!!???』 トリンと呼ばれた鳥型の人間が口にしたそのキーワードに、仲間たち6人が目を見開いた。 「おい、ゴーカイガレオンって、まさか…!」 「僕たちの星に“五色の力”を残したって言う…!」 「“海賊戦隊ゴーカイジャー”の大型宇宙船…!」 “自分たちの世界”において伝説として語り継がれている、六色の宇宙海賊・ゴーカイジャーの存在。 それが実在していたとは…! ―――ドドオオォォッ! 『!?』 ふと聞こえた爆発音。 それは、ゴーカイガレオンの付近の建物からだ。 黒い恐竜型メカに乗った青年が望遠鏡を使ってその様子を見る。 「化け物たちがいるな。多分、噂の亜空軍って奴らだ。」 その視線に映ったのは、モンスターたちに襲われている人間たちの姿。 激戦の様子だった。 「トリン、どうする?」 「うむ…、ガレオンの安全を確保せねばな。」 ――キョウリュウジャーの諸君、亜空軍を殲滅するぞ!! 『おう!!!!!!』 ―――グアオオオオォォォォ!!!! そのとき、シードピアの月面に、恐竜の雄叫びが響いたかどうかは、定かではない。 彼らがそこに到着するまでは…。
---to be continued---