Phase172 フュージョンワールド・パニック
〜Research No.17:無限の絆〜


「あれは……!」



「まさか……!」



「うそ、だろ…!?」












「「「「……ウルトラマンメビウス!!!!」」」」











「ウルトラマン!?」

その巨人の登場はおろか、その存在すら知るはずの無かったシードピアの住人たちやキレイズキーにとっても、これは予想の範疇を超えた事態だった。

メビウスは登場してしばらくした後、両手を腰に当て、威張るような姿で相手をにらむ。

「何者かは存じませんが、我らの邪魔をするのであれば排除するまで!!!」



―――ズドオォォンッ!!!

―――ドカアァァンッ!!




しかし、これで怯むものかと、バケツバズーカを使って先制攻撃。

メビウスはそれを避けることなく受け、爆発に包まれた。

「フッフッフッフッフッ……。」

手ごたえを感じ、薄ら笑いを浮かべるキレイズキー。

この攻撃なら一溜まりもないだろう、そう思っていた。







――煙の向こうから、微動だにもしない姿のメビウスが現れるまでは…!







「んなっ!?」




なんと、キレイズキー最強の武器であるバケツバズーカをもってしても、メビウスには全く効かなかったのだ。

その強靭な姿はまさに“ウルトラマン”と呼ぶに相応しかった。



「それで終わりか!?キレイズキー!!!」



「ぐぬっ…!」




これで逆に追い込まれたキレイズキー。

メビウスの威圧に押され、思わず後ずさり。



「おのれええぇぇ!!!」



やけになったキレイズキー、ハタキブレードを取り出して一直線に突っ込んできた。

これに対してメビウスは―――。









―――シャキイィンッ!!!

―――ズガッ!!!










左腕のブレスから伸びた光の刃で応戦、ハタキブレードを両断した。

「な……!!!!!!」

“驚愕”―――。

もはや彼の脳裏にはその言葉しか浮かばない。

得体の知れない存在によって、自分が倒されるというのだろうか…!?

「カナタ、“メテオール”を解禁する!“ブルーチェンバー”スタンバイ!」

「G.I.G.!!」


ふと、リュウとカナタが何やら話をし、手に持った武器の銃口を展開、ポンプを引いて準備をした。

「メビウス、とどめだ!」

リュウの叫びを聞いたメビウスは、一つ頷き、左手のメビウスブレスに右手を翳し、両腕を平行に伸ばす。

すると、その名前が象徴するかのような光のメビウスの輪が輝く。

そして、その両手を真上にゆっくりと持ってきた、次の瞬間―――!









―――シュアッ!!!









両手を目の前でクロスさせて光線を発射したではないか!

「なっ!!!???」


反応が一瞬遅れたキレイズキーは避けることすらできず―――。





―――ズガッ!

「ぬおおぉぉっ!!!!」






その光線を喰らってしまう。





「今だ!“キャプチャーキューブ”!!!」

―――バシュンッ!






その瞬間、リュウとカナタが携行武器を使って青いエネルギー弾を放ち、キレイズキーをそのエネルギーの中に閉じ込めた。

結果、メビウスの光線のエネルギーが内部で反射して連続ヒットし、決着がついた。





「む、無念であります…!
亜空軍の同志たちよ…骨は拾ってクリーナアアァァ…!!!」

―――ドカアアァァァンッ!!!






個性的な断末魔を最後に、キレイズキーは爆散した。







「「「「〜〜ッ、やったああぁぁっ!!!!」」」」



―――ウオオオォォォォォ!!!!!








プリキュアたちの歓喜の叫びと共に全員が一斉に勝どきを上げる。

そして、メビウスも、後ろにいたハッターたちと雷電たちに、サムズアップで合図する。

「GOOD JOB!!」

「お見事!」




















































……一方、こちらはなぜか夢の中の世界…。

そこは、不気味なほどに深く、白く濃い霧が立ち込めるミステリアスな空間…。

「ナイツ…なんだかちょっと怖いわ…。」

「なぁに、オレがついてるから大丈夫だって。」

その空間を飛び進めている一つの影。

スマッシュブラザーズのメンバー・ソニックの仲間に当たる、“オールスター”の一員・ナイツだ。

彼は今、夢の世界で知り合ったルーテシアとデュアライズ(融合)しており、この不思議な空間を進んでいる。

しばらくして、彼らは森の奥深くに佇む古びた洋館を見つけた。

「ここか…。」

ルーテシアもデュアライズを解除して、本来の姿でその洋館を見る…。

その首元には、夢の世界でしか現れることがない、人の心の結晶“イデア・クリスタル”が輝いている。









「……おやぁ?」



「「!」」










背後から老人の声!?

ドキッとした二人は条件反射で後ろを振り向く。

そこにいたのは、蝋燭を手に持つねずみのおじいさんだった。

しかも、その表情はどこか怖い雰囲気を感じさせる。

「これは珍しいですな、このような場所にお客様など…。」

「よぉ、グレゴリーのじいさん。」

「おや、あなたはナイツ。お久しぶりですな。」

二人は挨拶を交わし、グレゴリーと呼ばれたねずみはゆっくりと二人の間を通過する。

そして、徐に振り向く。

「ここはあなたがたのように“希望に満ち溢れた”人たちが来るような場所ではありません。悪いことは言いません。お早くお帰りください。」

丁重に帰ることを薦めるグレゴリーだったが―――。

「グレゴリーじいさん、聞きたいことがある。亜空軍に捕らえられた“イービルライダーズ”の連中がここに来てはいないか?」

「……!?」

“亜空軍”と言うキーワードを聞き、耳をピクッと動かす。

「亜空軍…と言いますと、現実の世界で大きな騒ぎを起こしていると言う、あの連中ですな…?」

「そうだ。そいつらが異世界の奴らを洗脳して、自分たちの戦力にしているんだ。」

「その中に、“イービルライダーズ”って言うチームがいるの。もしかしたら、その人たちの意識がここに来ているかもって、ナイツが……。」

ナイツとルーテシアの話を聞き、大方の事情を理解したグレゴリーは、少しだけの沈黙の後…。

「……詳しいお話をお聞きしましょう。どうぞこちらへ…。」

二人を自分の館“グレゴリーハウス”へと通した……。



















































―――ビュワワアァンッ!!





こちらは亜空迷宮某所。

そこに現れたゲートから飛び出してきたのは、先ほどまで真っ暗な空間を移動していた大型車両3台である。

「あれ?抜けた?」

「いや、何かが違う…。」

しかし、外に出たとはいえ、何やら雰囲気が違う…。

よく見れば、青空の中に真っ黒な渦が巻いているようなところが幾つかある。

「どうやら、切り取られた世界の一部に来てしまったようですね…。」

「一旦、止まってみましょう。」

「よし。」

―――キキイィッ


一同は一旦マシンを停止させ、外へと出る。















「随分変わったところに来てしまったな…。」

「ここはどこなんでしょうか…?」

どこか西洋の世界を感じさせる不思議な景観。

右も左も分からない謎めいた世界ゆえ、これからの行動には慎重を要さねば…。

青服の少女と赤服の少女が先頭に立って周囲を調査する。

その傍には、赤と青と銀色の二足歩行型ロボットと、身長の低い黄色いウサギ型のロボットが続く。







―――コロコロコロ………ポヨン。

「?」








ふと、彼女たちと行動を共にしていた少年の足元に何かが転がってきた。

拾ってみると、それは犬をそのまま丸くしたかのような外見の不思議な生き物だった。

「キリエ!アミタ!」

「「?」」

名前を呼ばれた二人が振り返って少年の下に駆け寄る。

そして、少年の手元にある生き物を見て、驚くことになる。

「?!これって、確か…!?」

“けものだま”!?」

「け…“けものだま”?????」

聞きなれないキーワードに、少年―――北郷一刀は首を傾げる。

そんな彼に、アミタたちの仲間―――バディロイドたちが説明する。

「“バサラワールド”の“フロニャルド”って言う地方の住人たちが、大きなダメージを受けたときに変化する姿のことだ。」

「…となると…、ここはフロニャルドの一部って言うことになるね…。」

「でも、守護の“フロニャ力”が物凄く低いよ…。」

「それがなくなるのも、時間の問題、か…。」


確実にプラズマ界は崩壊の一途を辿っている。

早急に手を打たなければ…!







―――ビュワワワワアァァンッ!!!!

『ぬおおあぁっ!!??』

『きゃああぁぁっ!?』

『!!!!!』








ふと、次元の穴が同時に3つも開き、そこから一気に何人もの人間が雪崩れ込んできた。

「え、え?!何ですか!!??」

彼らと行動を共にしていた吉田一美も困惑する。

それもそのはず。

現れたのは―――。







・学ランを来たヤンキーの少年

・白っぽい学生服を着た同年代の少年

・髪に青いメッシュの入った水色の服の青年

・カラフルで個性的な衣装を纏った6人の少女

・忍者を思わせる格好の赤い髪の男

・弓矢を携行した巫女服の少女








「おいおいおい、何だここは!!??」

「どうなってんだこりゃ!?」

「ええぇぇっ!?ここはどこなのぉ!?」


案の定、一同は周囲の状況に対して困惑し、取り乱しているようだ…。

「…どうやらあの闇の中を彷徨っているうちに、変なところにたどりついたようだな…。」

赤い髪の忍者も、見たことのない光景を何度も見渡す。

どうやら彼らはそれぞれ別々のところから来たと見ていいらしい…。







―――プルルルル、プルルルル。

『?!』








ふと、携帯電話の着信音が鳴り響いた。

「お?こいつか!」

学ランの少年が何かに思い当たり、携帯電話を取り出した。

それは上下が赤と青の二色に分かれた不思議なものだった。



―――ピッ



「もしもし、賢吾か!?」

『如月か!?良かった、通じたようだな。』

「あぁ、流星も無事だし、ミハルさんとも再会できた。」

彼の言葉を受けて、通信先の賢吾たちも安堵の声を漏らす。

「…と、喜びたいところだったが、こちらはそんな雰囲気じゃない。」

「真っ黒な空間を彷徨っているうちに、全く知らない世界に来てしまったんだ。」

しかし、流星とミハルの深刻な言葉を聴いて、一同が再び困惑する。

「今、俺たちの見ている光景をそっちに送る。見てくれ。」

如月は携帯電話のカメラモードを起動させ、自分たちの現在地を中継する。

『な、なんだこりゃ?まるで別の時代にタイムスリップしたような雰囲気だぞ…。』

『それに、何だかあたしたちの知っているシードピアとはとても違うみたいだし…。』


通信先の仲間たちも、口々に疑問を言葉にする。

「そりゃそうでしょうね。」

「ここはプラズマ界の“バサラワールド”・フロニャルド大陸の一部なのですから。」

『!?』

彼らの思考回路を遮断したのは、アミタとキリエの二人だった。

「お、お前ら、この世界を知っているのか!?」

「もちろんよ。」

「私たちもその“バサラワールド”の住人なんです。」

『ええ〜〜〜〜っ!!!???』










ここで解説しよう。

“フロニャルド大陸”とは、同じ“バサラワールド”に属するバサラークアイランドやラブプリア大陸からさらに西に進んだ場所に存在する大陸、リアルワールドで言うところの“ヨーロッパ大陸”に酷似したエリアの総称である。

このエリアの最大の特徴、それは住人たちのほぼ全てが獣の耳と尻尾を持った、いわゆる“亜人種”で構成されていると言うことである。

また、この大陸には“フロニャ力”と呼ばれる守護の力が溢れており、フロニャルドの住人たちは大ダメージを受けても死傷をすることはなく、“けものだま”と呼ばれる姿に変化する程度に止まる。

しかし、フロニャ力が急激に弱まったりすると、死に至る場合もあるのだ。

それも全て、プラズマ界のあらゆる世界に攻撃を仕掛けてきた亜空軍の仕業である。





ちなみに、アミタとキリエ――フローリアン姉妹も“バサラワールド”の出身であるが、二人の場合はこの世界で唯一の中立地帯である自然保護区域“エルトリア”の出身。

しかも、その世界に似つかわしくないほどのオーバーテクノロジーを持っているゆえか、バサラワールドのあらゆる場所を知り尽くしているほどの知識を有しているのである。









「…俺たちの世界にそんな場所があったなんて…。」

「それを聞くと、同じ世界の人間として、見過ごすことは出来ませんね。」

忍者と巫女はこの世界を救いたいと言う決意を固める。

「難しいことは分かんないが、要は“プラズマ界”の全てを救いたいってことだろ?」

NSマグフォンをミハルに預けた如月が、アミタたちのところに歩み寄る。

「それなら俺たちも一緒に戦わせてくれ。プラズマ界に生きるダチとしてな!」

仲間=ダチと表現する如月。

その瞳には、熱意や正義の炎が宿っていた。

「私たちにも手伝わせてください!」

そして、今までその様子を見ていた少女たちも手助けを志願。

「うちらの世界も亜空軍に襲われて、それを取り返したいって思ってたしな!」

「私たちだけではどうにもならないかも知れませんが、みんなが一緒になればきっと大丈夫です!」

「その代わり、私たちもみんながピンチのときは助けてあげる!」

「全ての人々の笑顔を守るために、共に戦いましょう。」

「平和を取り戻すと言う思いと共に!」

その言葉に、キリエは遠慮しようと言う気持ちがあったのだが…。

「ぜひともお願いします!」

それをアミタが遮った。

「ちょ、お姉ちゃん!」

「大丈夫ですって。この人たちはそんなに悪い人じゃないですし、戦力は少しでも多いほうがいいでしょ?」

「そりゃ、確かにそうだけど…。」

すると如月、アミタの前まで歩み寄り、自身の右手を差し出した。

握手をしたいのだろうと察したアミタは、躊躇いも無くその手を握り返した。





……と思ったら。





―――ガシッ

「!?」


いきなりその手を腕相撲のように握りなおし―――。



―――コツンッ

続けてその拳をぶつけ合い―――。



―――トンッ、トンッ

そしてその拳を上下から一回ずつ叩いた。



「……???」

この一連の動作をいきなりやらされたアミタ、理解が出来なかったが…。

「あのぉ、今のは…?」

その疑問に、流星が答える。

「如月の“友情のシルシ”ってやつだ。如月は、自分がダチと認めた相手には、今のような友情のシルシを交わすのがお約束になっている。」

どうやら、この如月という青年の友達の作り方は一風変わっているようだ。

「はぁ…。」

独特の挨拶の仕方に違和感を覚えたが、こういうのも悪くはなさそうだ。

「如月さん、私にもその友情のシルシって言うのを、やらせてください!」

すると、その独特の握手に興味を持ったのか、傍らにいた赤い髪の少女が、自らそのシルシを交わしたいと申し出てきた。

「おぉ!喜んで!」

その後、彼は周りにいる一同、一人一人に友情のシルシを交わしていった……。





































一方、同じ頃――――。









アキッキーはあずさと共に未だにこの見知らぬ世界を彷徨い続けていた…。

「アキッキーさん、ちょっと…休憩…。」

どれくらい歩き続けただろうか…。

あずさの足取りがおぼつかなくなり、フラついてきていた。





―――クラッ

―――トサッ






その倒れかけた彼女の体を受け止めた影。

「…?」

黄色味を帯びた髪の男女。

かたや少し内気で落ち着いた雰囲気の女性、かたや目つきが強く凛々しい印象を持つ男性だ。

共に真っ白な意匠の衣服を纏い、剣と盾を携えている。

「大丈夫?」

「あ、はい…。」

あずさを受け止めたのは、落ち着いた雰囲気の女性だった。

「すみません、少し疲れたもので…。」

彼女たちのところにアキッキーも合流する。

「あずさちゃん、大丈夫?」

「はい、何とか…。」

「すみません。」

「いえ、気にすることじゃないですよ。」







「お〜い、君たち!」

『!?』








そこに現れたのは、60代後半と思しき印象の壮年の男。

「君たちもこの空間に迷い込んできたのか?」

「あ、はい。」

「…ということは、あなたも?」

「うむ。」

同じ人間がこんなところにもいたなんて…。

「当ても無く彷徨うのも危険だろうと思って、この先でキャンプを張っているところなんだ。一緒に来ないか?」

「いいんですか?」

「もちろんだとも。」

「助かります!」

どうやら一息つけそうだ。

「パトロ、私たちも。」

「そうだね、姉さん。」

二人も彼らについていくことに…。



















































―――キラアァン…!









再び現実世界のトーヤたち。

突然介入したウルトラマンメビウスの活躍でこの局面を乗り切ることが出来た。

これで一同はようやく話し合う時間を設けることが出来た。

「皆さん、大丈夫ですか。」

「はい、ありがとうございます!」

メビウスに変身したミライと名乗る青年が変身を解除すると、一同が一斉に彼のもとへと駆け寄る。

しかし、その中には彼らの存在を知らない者もいたりする。

「おいおいおい、ちょっと待ってくれよ。」

それは、ロベリア、シャナ、つかさ、ダンチョ団長など、“ミッドチルダ圏外”に住む者たちだった。

「さっきお前ら、“ウルトラマン”って言ってたよな?一体、何者なんだ?」

「それに、お前らは何者なんだ?」

ロベリアとダンチョ団長が詰め寄って質問をする。

「まぁまぁ落ち着け。」

そこにJが仲介する。

そして彼はミライたちに視線を向けて言い放った。

「お前たちもしや……“ワールド・モンスター・ガード”じゃないか!?」

『……え?』

連合軍一同が間抜けな声を上げて呆然とするなか、問われた3人は一度アイコンタクトを交わし―――。

「見顕し、お見事です。」

その推測を認めた。











“ウルトラマン”――――。

それは、数十年前にミッドチルダに突如として現れ、世界にはびこる怪獣やその世界を狙う異形の侵略者を相手に戦ったと言われる、赤と銀の体を持つ巨人たちの総称。

しかし、あるときを境に彼らはミッドチルダに姿を見せることはなくなり、その存在は伝説として語られるのみとなっていた……。



そんな彼らの存在を唯一認め、コンタクトを取ることの出来るスペシャルチームが存在する。



“ワールド・モンスター・ガード”、通称“W.M.G.”―――。

次元時空管理組織ディスタンス・フォースの第40独立機動群に属する防衛組織の総称。

しかし、実際は正規のD.F.の権限に縛られない私設組織に数えられる特殊部隊であるため、その機密レベルはレンジャーズストライクと同等或いはそれ以上とも言われている…。

プラズマ界に存在するあらゆる次元世界を、怪獣や侵略者の襲撃から守るために結成したとされており、“ディフューズプラネット”を守護する巨人・ウルトラマンや、彼らと戦った怪獣に関しても博識な一面を持っていることから、“ウルトラヒーロー”の仲介役的存在とも呼ばれている…。











「なるほどな…、なかなか面白いじゃねぇか。」

大筋を理解し、興味をわかせたロベリア。

他の面々も内容を理解し、納得した表情を見せる。

「…と言うことは、あなたたちはそのW.M.G.に所属する特殊部隊のメンバー?」

「はい。改めまして、自己紹介させていただきます。」

そして、そのW.M.G.に属する3人はそれぞれ、こう名乗った。

「W.M.G.直属部隊“BURN-UP-GUYS(バーン・アップ・ガイズ)”遊撃チーム・“ファイヤーウイングス”と申します。」

―――僕はそのメンバーの一人、ヒビノ・ミライです。

―――同じく、チームメンバーのハルザキ・カナタです。

―――そして、“ファイヤーウイングス”リーダー、アイハラ・リュウだ。


「よろしく。」

改めて強力な仲間が加わったことを実感する一同であった。





―――ゴトゴト、ゴトゴト。

『?』






ふと、何やら物音が…。







「あれ!?あのゴミ箱が勝手に動いてる!!!」

『!!』




七世が指さした先には、亜空軍の行動隊長のキレイズキーの遺した“ムゲンゴミバコ”が残っていた。

しかも大きくガタガタと音を立てている。

全員が一斉に武器を構える。

もしも亜空軍だったら一気呵成で勝負をかける。

全員の考えは一致していた。







―――ゴゴゴゴゴゴ…。







そしてムゲンゴミバコが大きく膨らみきった、次の瞬間―――。







―――ズドオォォンッ!!

『うわああぁぁぁっ!!!』

『きゃああぁぁぁっ!!!!』

『!!!???』








ムゲンゴミバコから数人の人間たちが一斉に飛び出してきた。







・赤い衣服と白いマントを纏った金髪の青年

・ピンク色の髪のお姫様

・一番幼い外見のオレンジ色の髪の少女

・ボーイッシュな外見の緑色の髪の少女騎士

・茶色い髪の男性の騎士

・和風の衣服を身に着けたスタイル抜群の金髪の女性

・剣豪と言う言葉が似合いそうな落ち着いた雰囲気の女性








しかも、前者一人を除いて全員が獣の耳と尻尾を持っているという変わった顔ぶれだった。

「いたたた…、姫様、みんな、大丈夫!?」

「はい、何とか…。」

「…であります…。」

どうやらケガはなさそうだが…。

「兄上、お怪我は!?」

「大丈夫だ。」

「いやはや、かなり手こずったでござる。」

「皆、無事で何よりでござるな。」

その一同を見て―――。







「シンク!?」

「ミルヒ姫!!??」

『!?』








トーマとJが驚きの声を上げた。









「トーマ!!??」

「Jさん!?」










自分たちの名を呼ばれた当人たちも、予想外の顔に出会えたことにビックリするだけだった。



















































場面は変わって再び夢の中の世界。

グレゴリーハウスへと招かれたナイツとルーテシアは……。









「…なるほど、大方の事情は分かりました。」

館の主・グレゴリーに、現実の世界で起こっている出来事を説明していた。







…確かにこのグレゴリーハウスは、現実に疲れた人々が彷徨い訪れる闇のホテル。

亜空軍によって意識を奪われた者たちも、仲間たちと同士討ちすると言う心労を祟らせて、ここにやってくる可能性もなきにあらずでしょう…。







現実に疲れ、心に安らぎを求めるものたちのみが、宿泊を許可されるホテル、それがこのグレゴリーハウスなのだが…。

「しかし、残念ですが、そのような方たちが来た記録はありません。」

「……そうか…。」

「…来ていないんだ…。」

肩を落とす二人。

まぁ、元々低い可能性の話であったことだし、大体予想は出来ていた話ではあったが…。

「ただ、もしそのような方々が、本当にこの夢の世界にいるとすれば…。」

「「え?」」















―――おそらく、“魔空監獄”…。















“魔空監獄”―――。

亜空間と夢世界の狭間に存在すると言われるアンバランスゾーンであり、犯罪者・善人を問わず、夢世界と亜空間に彷徨い出たあらゆる人間たちの意識を閉じ込める、“魂の留置所”。

一度入れば出ることは不可能とまで言われる、難攻不落の迷宮地獄である。









「イービルライダーズの方々を始め、洗脳された方々の意識がこの世界に来ているとすれば、そこに捕らわれている可能性がありますな…。」

グレゴリーの衝撃的な一言を聞き、ナイツとルーテシアは目を見合わせた。

さらに、グレゴリーは一言こう付け加えた。







もしもそこに行かれるのであれば、必要以上のアイテムと武器を準備したほうがよろしいかと…。

一度でもそこの看守や警備員たちに捕まれば、永久に脱出することは叶いませんのでね…。

ヒッヒッヒッヒッヒッヒッ…………。



















































“アドラメレク”中枢部にある、“亜空次元神タブー”への謁見の間。

そこから今までの“第2次メディアステーション襲撃戦”の様子を見守っていたタブーだったが…。

「グヌヌヌヌヌヌ……」

一度は亜空軍の優勢に傾いていたはずの戦況が、新たなスーパー戦隊の覚醒が続々と発生すると言う事態に、彼も苛立ちを隠せない。

「行動隊長トモアロウ者ドモガ立テ続ケニ攻撃ニ失敗スルトハ不甲斐ナイ!!!」

これ以上連合軍たちを走らせるわけには行かない!

何か新しい策を考えねば……!!!!







「あ〜あ、亜空間の神様ともあろうアンタが、取り乱しすぎでしょ。」



「!!!???」







こんなところに珍客!?

しかも自分に対してかなり軽い口調ではないか!?





「何者ダ!?」







―――ビュワワアァンッ!!!





すると、その声に呼応して亜空間のゲートが出現し、三つの影が現れた。





・骸骨に似た顔を持つ幽霊のような風貌の怪人

・赤を基調とした海賊風の衣服をまとう青年

・額にゴーグルを備え、傍らにノートパソコンを持つ知的な若者






「……!?」

どうやら様子からして、連合軍の仲間ではなさそうだ。

それどころか、自分たちと同じ闇の力を存分に感じさせる雰囲気だ。

「ボンジュール、我がマジェスティ(主)、タブー。」

知的な若者が、3人を代表して先に挨拶を述べる。

「お初にお目にかかる。」

そして、幽霊のような風貌の怪人も、タブーに跪いて挨拶を交わす。

「…貴様ラ、何者!?」

その質問に対し、こう答えた…。







「我ら、亜空軍の同志となるべく馳せ参じ者、
“狂気の報復者・サルベンジェンス”!」








―――我は、その頭領・“幽霊船長ロスダーク”!

―――メタウィルスを駆使するデジタル参謀・“エンター”。

―――そして、一匹狼の宇宙海賊“バスコ・ダ・ジョロキア”!








「以後、お見知りおきを。」











---to be continued---


☆あとがき
“無限の絆”は、光もあれば闇もある。
今回のエピソードはそれを形作る展開が生まれることと相成りました!
注目は、今回のエピソードの終盤で登場した“サルベンジェンス”なる新たな闇の同志!
“スーパー戦隊関連の悪の同盟組織を作りたい”と言うアキッキーさんの要望の元、その組織の名前のアイディアを僕のほうで考えさせていただきました!
それに先んじて先行登場と相成った3人、その顔ぶれから見ても、大きな嵐を引き起こしてくれること、請け合いです!

さて、次回はついにアキッキーがメインとなる戦いが始まります!
ブラジラとセルバンテスの先制攻撃によって、その幕が切って落とされます!!!





















………………………………

















………………………















………………













………















…ちょっと待て、このパターンは………!?











……またこれ!!!!???

↓ ↓ ↓ ↓ ↓









<『SEEDPIA CRISIS撮影現場 舞台裏』>

(今後の構成を考え中のコースケ)
コースケ:「えっと、これがこうなって…、あ、でもこれは削っておこうかな…。
      さすがにここまで続くとなるとネタが欲しくてどうしようもないなぁ…。」

―――コンコンコン。
(ドアのノックの音)

コースケ:「はい?」

―――ガチャ
(入ってきたのは、背中に氷のような羽を持つ青い服の少女と、ウサギの耳を持つ少女。)

コースケ:「……?」
  ???1:「すみません。」
  ???2:「アキッキーさんとソラさんはいらっしゃいますか?」
コースケ:「え?二人だったら、もうすぐ帰ってくると思うけど―――。」

―――ガチャ
(丁度いいタイミングで二人が登場)

アキッキー:「チーフ、ただい、ま…、!?」
   ソラ:「戻りました……、!!」
 コースケ:「あ、二人とも。お客様―――。」
アキッキー:「チルノちゃん、レイセンちゃん!」
   ソラ:「待ってたよ、二人とも!」
 コースケ:「え?」

(名を呼ばれた二人が笑みを浮かべる)

  チルノ:「アキッキーさん、ソラさん、こんにちは!」
 レイセン:「お招きありがとう!」
アキッキー:「いやぁ、来てくれて嬉しいよ!」
   ソラ:「これからよろしくね☆」

(コースケ、状況が全くつかめていなくて混乱中…。)

 コースケ:「ちょちょちょ、ちょっと待ってちょっと待って!
       二人とも、この子達は一体…!?」
アキッキー:「あ、言ってませんでしたっけ?実はこの子達、
       今度のシードピアに緊急参戦してもらうことにしたんですよ。」(実話)
   ソラ:「ボクとアキッキーさんでアイディアの調整はまとめてありますので―――。」(実話)
    4人:「よろしくおねがいしま〜す☆」
 コースケ:「ちょ、ちょ、ちょっ――――、
       聞いてないよ〜っ!!!!!!







WARNING!!!WARNING!!!WARNING!!!
WARNING!!!WARNING!!!WARNING!!!
WARNING!!!WARNING!!!WARNING!!!
WARNING!!!WARNING!!!WARNING!!!
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WARNING!!!WARNING!!!WARNING!!!
WARNING!!!WARNING!!!WARNING!!!
WARNING!!!WARNING!!!WARNING!!!

まさかの新参者緊急介入!!!???








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