Phase168 フュージョンワールド・パニック 〜Research No.13:スーパーポリス・ライブズヒーロー〜
「それじゃあ、メディアステーションの景色に紛れている建物は全てミッドチルダの物と?」 「えぇ。間違いないわ。」 さて、こちらはリンディと大神を中心に独自に行動をしていた一行だが、リンディが内部の状況を見るなり、すぐに異常を察した。 「こらまた随分とえらいことになってますなぁ。」 「でも、どうしてそのミッドチルダの建物が…?」 紅蘭とマリアはもちろん、同行していたティアナ、サリュ、新次郎、美由希も困惑していた。 「あれれ?道に迷っちゃったッス…。」 そこに合流してきたのは―――。 「あれ?“ナンバーズ”の…ウェンディ?」 「あ、皆さん!良かったッス〜、顔見知りにあえて。」 ウェンディ、リンディたちと合流できたおかげで表情に安心感が。 「あなた一体、どうしたの?」 「いや〜、トーレ姉たちと周辺の状況調査に出向いたんスけど、途中ではぐれてしまって…(苦笑)」 『……;;;』 ……この女、意外と方向音痴? 「…あぁ、そうだそうだ!この先に何か、奇妙な建物があったッスよ!」 「え?どんな?」 「え〜っと、てっぺんに“犬の顔”のような、オブジェみたいなのが付いている巨大なビルッス。」 「!」 その大雑把な話を聞き、リンディの表情が変わった。 「それってどこなの?案内して!」 「え?あ、はい、こっちッス。」 ウェンディの案内でたどり着いた場所。 そこには、敵の総攻撃によるものであろう半壊状態の大型のビルがあった。 その頂上には、確かに犬の顔を模ったオブジェのようなものがあった。 「間違いないわ・・・。」 「「“デカレンジャー”のデカベース!」」 「……え?」 言葉がハモったと思って視線を向けると、同じく合流していたアイシス、空課長、ゴルゴ、テンテラスの4人が。 「あら!リンディさんじゃない!」 「あなたたちもここに…?」 意外な合流者に目を丸くするリンディたち。 「アイシスさん!」 「お?」 更に、背後から一人の少女が合流してきた。 薄緑色の髪と、紫とエメラルドグリーンの瞳を持つ少女――。 「アインハルト!来てくれたの!?」 「はい、ジャンヌさんたちの指示を受けてこちらに。」 アイシスの知り合い…と言うことは。 「アイシスさん、その子はあなたたちの仲間ですか?」 「はい。あたしたち“レンジャーズストライク”のメンバーの一人―――。」 「アインハルト・ストラトスと申します。」 その腕には、戦士の証である“ブレスレット”。 しかもよく見ると―――。 「あれ?アインハルトちゃんのそのブレス、私のと同じ…!」 そう、よく見ると空課長が以前に継承したそれと瓜二つだったのだ。 それを見たアインハルト、“仲間”を見つけたことに笑みを浮かべていた。 「では、あなたも…。」 ―――ドカアアァァンッ!!! 「「うわああぁぁぁぁ!!!」」 『!!??』 そんなムードもさっきの爆発で文字通り“ぶち壊し”にされてしまった。 爆風と共に飛ばされてきたのは二人の男女。 しかも全身傷だらけだった。 「大丈夫ですか!?」 空とアインハルトが駆け寄って二人を抱き起こす。 「う…!」 「…く…っ…!」 傷が痛むのか、二人はすぐに目を覚ます。 「「……!!」」 しかし、その二人の顔を見た途端、目を見開いた。 「あ…、あんた、まさか…!?」 「“あのとき”の…!!」 空とアインハルトの脳裏に、“一度邂逅したときの記憶”が蘇る。 「ぁ…、君だったか…。」 「こうして再び会えるとは…。」 そう、それはかつて自分たちに大いなる力を託した“デカブレイク:テツ”と“デカブライト:リサ”だったのだ。 「すまぬ。亜空軍の侵攻を食い止められず、ミッドチルダ全てが崩壊してしまった…。」 「僕たちも彼らに対抗したのだけれど、見たこともないヤツラも現れて、このザマだ…。」 一同は再び視線を“デカベース”に向けた。 二人が爆風と共に吹き飛ばされたことを考えるに、生存者がまだいる可能性がある。 「頼む…!ボスたちを…、先輩たちを助けてくれ…!」 「この瞬間にも、彼らは苦戦しているはずだ…!」 その会話にリンディが加わって、二人に話を聞く。 「クルーガー署長はどこにいるの!?」 テツが震える指で、その先を指す。 「このデカベースの、奥です。」 “時間はかけられない。” 一同の気持ちは一緒だった。 空とアインハルトはそれぞれ二人の手を握った。 「後は任せて!」 「燃えるハートを胸に、私たちが戦います!」 決意を固めた一行は―――。 「行くぜ!“リモコンブラスト・10倍速(マックススピード)!!”」 ゴルゴの“UWFブラスター”を使って時間短縮を図り、一気に内部へと突入していった。 ―――ドカアアァァンッ!!! ズタボロの状態となっていたデカベース内部。 異次元世界にワープされたこともあってか、非常電源も含めてエネルギーが間もなく底を尽きようとしていた。 思いも寄らなかった事態に見舞われ、バンたちデカレンジャーチームも大苦戦を強いる羽目になった。 「フフフフ…、デカレンジャーも大したことないな。」 「コワイナアァ!」 その攻撃の行動隊長として指揮を執っていたのは、闇のアーカイブに属する仮面怪人・日輪仮面である。 彼の配下として共にしていた怪人たちと、肖像画が生きているかのようなモンスターも、自信に満ちた余裕の態度を見せる。 「まさか、このような奴らに遅れをとろうとは…!」 そして、なぜかそのエリアに偶然飛ばされてきた謎の戦国武将の一団も、異形の敵を相手に奮闘するも、傷だらけになっていたのだ。 「ちっ、野郎どもとはぐれるわ、全く知らない場所に飛ばされるわ、変な化け物にやられるわ、ついてねぇぜ!」 海賊と言う風貌が似合う銀髪の男が愚痴をこぼす。 「我らの弾も残り僅か…、このようなことは想定の範囲外だ…!」 「怯むな!この程度で弱音を吐いてはいられぬぞ!」 戦国武将の一団の中で一際熱血的な壮年の男が、気合の一言と共に立ち上がる。 「まだそのような余裕があるか。愚かな!」 怪人たちの更なる追撃―――。 ―――クロスファイア・シュウウゥゥトッ!!!! ―――ズドドドドド!!!! 「ぬおっ!!??」 …が、いきなりの奇襲攻撃で阻まれた。 『!?』 「…!!」 視線を向けると、先ほどのオレンジ色のビーム攻撃を放ったティアナを先頭に、シードピア連合軍が集合していた。 「…!リンディ・ハラオウンか!?」 「クルーガー署長!」 リンディが彼の元に寄って抱き起こす。 服も体もボロボロになっていることから、かなりの大ダメージを負っているようだ。 敵の増援が来たことを知り、日輪仮面も武器を構えなおす。 「ついに来たか、シードピア連合。お前たちもここに来るだろうことは分かっていた。一気に片付けてくれる!」 「お生憎様、それはあたしたちの台詞よ!」 そう言って空が前に出る。 アインハルト、ゴルゴ、テンテラス、アイシスもそれぞれ両隣に並び、ブレスを構える。 「「エマージェンシー・デカレンジャー!!」」 「「「ライブマン!!!」」」 それぞれブレスを起動させ、スーパー戦隊に変身する。 「面白い。お前たちが相手か。」 「行くわよ!“電撃拳・エレクトロフィスト”!!」 ―――バリバリバリ!!! 「ぬおっ!!??」 空がブレスロットルの力を発動させて牽制を仕掛け、その隙を突いて他の面々が跳びかかってきた。 「覇王断空拳!!!」 「ドルフィンアロー!!」 「バイソンロッド!!」 「サイカッター!!」 必殺技と固有武器の攻撃で怪人たちを怯ませる。 「IS・エリアルレイヴ!!」 さらにウェンディも自身の固有能力を駆使した射撃攻撃で援護する。 「「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」」 また、大河新次郎と高町美由希も太刀と小太刀の二刀流を使って怪人たちに立ち向かう。 「コワイナアアァァァ!!!」 ―――シュババババババッ!!! 『うわああぁぁぁっ!!』 しかし、肖像画モンスターのエネルギービームの乱射で、一同は怯まされた。 「埒が明かない!どうすれば…!」 「皆さんどいてください!!」 『!?』 ティアナの声が聞こえたと思ったら、彼女は自身の装備・クロスミラージュを縦列連結させた。 その形は偶然にも、キラのGUNDAMの“ロングレンジライフルモード”に酷似していた。 「エネルギーチャージ!!!」 すると、クロスミラージュの銃口がさらに拡大され、そこにオレンジ色のエネルギーが収束されていった。 その間にターゲットサイトがオープンし、その照準を怪人たちに合わせる。 「クロスミラージュ・ファイナルブレイク!」 ―――ファントムブレイザアアァァッ!!!! ―――ドオオォォンッ!!!! 「「「「ぬおおおおぉぉぉぉぉ!!!???」」」」 予想もしなかったエネルギー砲撃で、怪人たちは吹き飛ばされた。 「…倒したか?」 「いえ、分かりません。一先ずここだと場所が狭かったので、戦いやすい場所に強制的に飛ばしただけです。」 二本の刀を腰に差す“ヤクザ”にも似た顔つきの武将の言葉をティアナが否定する。 「確かに。あの亜空軍のことだ。そう簡単には倒れるはずがない。」 サリュの言葉どおり、こうしている間にも、敵がまた立ち上がって攻め込んでくるかもしれないのだから。 「ならば、反撃の好機は今ぞ!」 「あぁ、行こうぜ!」 戦国武将たちは反撃のチャンスだと言わんばかりに全員が移動を開始した。 「私たちも行きましょう!」 「せやな!」 マリアと紅蘭の言葉を受け取り、場所を移動しようとする一同―――。 「それじゃあ、後は私たちに任せてください。私たちは行きます。」 「待て!」 『!?』 ドギーの声が聞こえた。 一同が振り向く。 ―――ヒュッ! ―――パシッ! 目の前に飛んできたものを反射的にキャッチする一同。 「え…!?」 その受け取った者を見た途端、全員が目を疑った。 ティアナ、マリア、紅蘭、サリュ、美由希が受け取ったのは、バンたち5人が普段使っている。“S.P.ライセンス”だったのだ。 さらに、大神が受け取ったのはクルーガーの“マスターライセンス”、かえでとリンディはティアナたちのそれと異なるカラーリングの“S.P.ライセンス”を受け取っていた。 「我々の予備のデカスーツをその中に収めている。お前たちに、我々の全てを託す。」 「し、しかし…。」 思わず、受け取るのを拒否しようとしたリンディだったが…。 「迷っている暇はない。こうしている間にも、敵が次々に押し寄せているのだ。」 そう、ためらっている間にも亜空軍の猛攻はさらに加速しているのだ。 「俺たちは今までも、ミッドチルダの犯罪者と戦ってきた。」 「その輝ける未来を、俺たちの手で守れるように。」 「でも、絶望と言う警告のサイレンが鳴り響いている今、戦えるのは君たちだけだ!」 「悪の欲望がこの世界に集まっている以上、立ち止まっているわけにはいかないわ!」 「正義の熱い拳をその手に宿して、絶対に勝ってよ!」 「せめて、仲間たちの悲しみの時だけは、止めてあげて!」 「燃えるハートでクールに戦うあたしたちの心は、いつでも一緒よ!」 バンたち7人もティアナたちの背中を後押しする。 ここまで自分たちのことを信頼してくれている以上、その期待は裏切れない…。 「後は頼んだぞ…、新生デカレンジャー!!」 クルーガーの言葉を受け、ティアナたち10人は、ビシッと姿勢を正した。 『ロジャー(Roger)!!』 特有のポーズと気合の返事で答え、10人は怪人たちの後を追いかけていった。 「僕たちも行こう、全ての生きとし生ける命を守るために!」 「もちろんッス!」 「えぇ!」 「「おう!」」 新次郎たちもその後を追いかける。 『お前たちの心の強さと若い輝き、見させてもらったぞ!』 『お前たちなら、俺たちの光を託せる!』 その脳裏に、何かが聞こえたかは定かではない。 『その胸に宿った勇気を武器に、“生きている素晴らしさ”をみんなに伝えるのよ!』 『悲しみが溢れたときには、その勇気の鐘を鳴らすんだ!』 『涙のカケラを拭えば、希望に巡り合えるはずだからね!』 ただ一ついえるのは、彼ら5人の両腕に、五色の光が宿ったと言うことである。 一方、デカベースの外では、引き続き戦国武将たちが大奮戦していた。 「この小十郎の刃をしかと見よ!!!」 「疾きこと風の如く!!」 「どぉりゃっ!!!」 「ハァッ!!!」 特有の武器や銃を炸裂させ、怪人たちを一気に追い詰める。 「この連中がここまで出来るやつらだったとは…!」 日輪仮面もいよいよ焦りを覚え、追い詰められてきた。 密かに退散を試みようとして―――。 ―――バキュバキュバキュン!!! ―――ドンドンドン!!! 「うおっ!!??」 『!?』 何かに阻まれた。 視線を向くと、デカベースの入り口で横並びに整列していたティアナたちがいた。 「えぇい!またしても貴様らか!!!」 ティアナは、構えたクロスミラージュをホルスターにしまい、デカレンジャーたちから託されたものを構える。 「みんな、行くわよ!」 ―――チェンジ・スタンバイ!! ―――ロジャー!! 『エマージェンシー!デカレンジャー!!!!!!!!!!』 “S.P.ライセンス”と“ブレスロットル”のチェンジモードにアクセスすると、コールを受けたデカベースから“デカメタル”と言う形状記憶宇宙金属が微粒子状となって分解送信される。 そして、そのデカメタルがティアナたちの体に定着し、“デカスーツ”となるのだ。 『フェイス・オン!!!!!!!!!!』 最期に頭部に特有のヘルメットが装着され、変身完了となる。 『ライブマン!!!!!』 一方、新次郎たちも、“レンジャーソウル”たちから託された“ツインブレス”に内蔵された強化スーツを纏い、五色の命のヒーローとなった。 「レッドファルコン!!」 「イエローライオン!!」 「ブルードルフィン!!」 「ブラックバイソン!!」 「グリーンサイ!!」 ―――超獣戦隊! 『ライブマン!!!!!』 「1つ!非道な悪事を憎み!!」 「2つ!不思議な事件を追って!!」 「3つ!未来の科学で捜査!!」 「4つ!良からぬ宇宙の悪を!!」 「5つ!一気にスピード退治!!」 「6つ!無敵がなんかイイ!!」 ―――“S.P.D.”! 「デカレッド!」 「デカブルー!」 「デカグリーン!」 「デカイエロー!」 「デカピンク!」 「デカブレイク!」 「百鬼夜行をぶった切る!“地獄の番犬”・デカマスター!」 「“真白き癒しのエトワール”、デカスワン!」 「光の刑事・デカブライト!」 「時を操る金色の刑事・デカゴールド!」 『特捜戦隊!』 ―――デカレンジャー!!!!!!!!!! 「生きとし生ける命を守るため―――!」 「想いを受け継いだ五色の勇者!」 ――我ら、スーパー戦隊!!!!!!!! 大爆発をバックに名乗り口上と決めポーズを取る一同。 「おいおいおい、ちょっと待て!?」 「…何だと…!!?」 「……!!」 異例の介入者の登場に呆然とする一方―――。 「フハハハ!色彩豊かな面白い連中ではないか!」 壮年の男は面白いものだと笑い声を上げていた。 そして名乗り口上から間髪居れず、デカレッドとなったティアナが一歩前に出て怪人たちに言い放つ。 「闇のアーカイブ怪人、“日輪仮面”、“オオニュウドウ”、“ハナビキニキビーナス”、“ミランダ”!!」 『!?』 「“プラズマ界における破壊活動”、“メディアステーション騒乱罪”、及び“宇宙警察官への暴行傷害”の罪で―――!!」 ――――ジャッジメント!!!! [Judgement Time] 次元犯罪者に対しては、次元空間の遥か彼方にある“S.P.D.最高裁判所”から、直接判決を犯罪者に下すことが可能なのだ。 彼らに下される判決はもちろん―――――。 ――――× 『デリート許可!!!!』 その言葉を受け、真っ先に動いたのはデカマスター、デカスワン、レッドファルコン、ブラックバイソンだった。 「スワンイリュージョン!!」 デカスワンの白い羽の幻影で敵全軍を翻弄させると―――。 「バイソンロッド!!」 ―――ガシッ! 「どりゃあああぁぁぁ!!!!」 ブラックバイソンのロッド攻撃で、肖像画モンスターを空中に投げる。 「ディーソードベガ・ベガスラッシュ!!!」 「ダブルファルコンブレイク!!!」 ―――シャキイィンッ、ズバズバッ!!! 剣戟を得意とする二人の鮮やかな攻撃は、肖像画モンスターを倒す。 「「必殺拳・ソニックハンマー!!」」 ―――ドゴゴゴッ!!! 続いてデカブレイクとデカブライトがブレスロットルのエネルギーを溜めて、ハナビキニキビーナスにキツイ一撃を喰らわせてデリート完了。 「ドルフィンアロー!!」 「サイカッター!!」 「ディースマッシャー!!」 ―――バキュバキュバキュン!!! 一方でブルードルフィン、グリーンサイ、デカゴールドがミランダを連続攻撃で怯ませる。 「ディースナイパー!!」 「ディーブラスター!!」 「「ディーショット!!」」 ―――バババババババ!!!! さらにデカブルー、デカグリーン、デカイエロー、デカピンクの一斉射撃でオオニュウドウに連続ダメージを与える。 「ハイブリットマグナム!!」 デカレッドは日輪仮面にハイブリットマグナムの銃口を向ける。 「シュートッ!!!」 エネルギーを充填させたエネルギー光弾を発射し、日輪仮面に命中させる。 吹き飛ばされた怪人たちは、一箇所に集められ、一気に追い詰めた。 「なめるんじゃないわよ!!」 しかし、ミランダが“シーアネモネ拳”のトリッキーな攻撃を繰り出し、味方を怯ませる。 「花弁ミサイル!!!」 さらにはミサイルを放って追い討ちをかけるが―――。 「凍瀧(いてだき)の如し、凝(こご)れ雷公!」 「啼け!誇り高きヤタガラスよ!」 小十郎と名乗った武将の鋭い刀と、武器をばら撒いた女性武将がミサイルを打ち落とす。 「何っ!?」 「テメェの攻撃はそこまでか?」 「この程度で我らを陥れようなど、片腹痛い!」 さらに間髪居れず―――。 「起きろ、脈打て、深海の疵(きず)!」 紫色の戦国武将の大型の錨を振り回した豪快な攻撃でミランダを破壊し―――。 「知り難きこと陰の如く!」 壮年の男が炎を纏った突進攻撃を仕掛け、オオニュウドウを吹き飛ばす。 「こ、これはまずい…!」 ―――バウバウ!バウバウ! 日輪仮面も後がなくなってきたそのとき、1体の犬型ロボットがデカベースより現れる。 デカレンジャーをサポートする犬型ロボット“マーフィーK9”だ。 「いいタイミングよマーフィー!“キーボーン”よ!」 デカレッドが投げた骨型アイテム“キーボーン”を加えたマーフィーはその姿をバズーカ形態“ディーバズーカ”へと変形させる。 「よし!“バイモーションバスター”だ!!」 さらにライブマン5人のメットの動物の瞳が光を放つ。 その輝きが1つに重なり巨大なバズーカ砲が転送される。 「ディーバズーカ!!!!!!」 「バイモーションバスター!!!!!」 『ストラックアウト!!!』 ―――ズドオオォォンッ!!! 「だあああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 その一斉攻撃をまともに受けた日輪仮面は、大ダメージを受けて吹き飛ばされた。 「ぐ……おのれええぇぇ、覚えていろ!!!!」 しかし、辛うじて生き延び、そのまま亜空間に逃亡してしまった。 「あ……、畜生、逃がしちまったか…。」 後味の悪い勝利、とも言うべき雰囲気かもしれない……。 一方、メディアステーション某所―――。 居住区内に佇む一人の青年。 大凡、高校3年生くらいと思われる。 その右手には、黄色いレンズが印象的な銀色のグラスを持っていた。 『……思い出したんだな?』 意識の中から語りかける声に、静かに頷く。 …お前が俺を助けてくれたんだな? 『あぁ、お前の命は今、俺と一心同体になっている。』 だけど、どうして俺を…? 『文字通り、命を賭して愛する誰かを守りたいと願うお前に、感動したからさ。』 こんな俺でも、まだ彼女を守れるんだな? 『その手にある“ウルトラゼロアイ”が、お前に力をくれる。そして、それがプラズマ界の平和を、お前の大切な人を守るための力となる。』 徐に、右手のアイテムに目を向ける。 これを使えば、もう一度あの子を守れる。 そして、あの子を託したあいつにも、もう一度会える…! 住む世界が異なってしまったと言えど、彼女を守れるなら、相手が神でも悪魔でも構わない…! 「もう一度、あいつの…、麗の笑顔を守るために、力を貸してくれ!!!」 ―――ウルトラマンゼロ!!!! 「デュアッ!!!!!」 掛け声と共に“ウルトラゼロアイ”を目に翳した瞬間、青年―――井豪永(いごう・ひさし)の体が光に包まれ、その場から消えた…。 その様子を影で静かに見守っていた一人の青年。 “ネクサス”の力を持つピュシスだ。 「“勇気”を司る光の勇者が、ついに動き出したか…。」 その背後から、青空を髣髴とする水色の髪の女性が現れた。 同姓からすれば羨むほどのプロポーションも持っている。 「ピュシス、彼らは大丈夫でしょうか……?」 「大丈夫だよ、ツバメ姉さん。彼らを信じよう……。」 「「!?」」 同じ頃、W.M.G.たちの後押しを受けてメディアステーションに急行中のミライたち。 しかし、グレンファイヤーとミラーナイトの二人が、何かに気付いたようだ。 「グレンファイヤー、今の気配は!」 「あぁ、間違いねぇぜ!」 その辺りに関しては、“同類”であるがゆえか、ミライとリュウも違和感に気付いていた。 「リュウさん!」 「気付いていたか…。どうやら、あいつが一足先に来ていたらしいな。」 「「『……?』」」 一方で、バーチャロイドのハッターとフェイ、そして“純粋な人間”であるカナタは、首を傾げるだけだった。 しかし、そんなことはお構い無しに、ミライは二人に言った。 「グレンファイヤーさん、ミラーナイトさん、ウルトラマンゼロを頼みます!」 「おう!そうこなくちゃな!!!」 「了解しました。」 ミライの言葉を承諾し、二人はグループから離れ、異次元空間に飛び込んでいった。 「ねぇねぇ、一体何がどうしたの?」 「俺たちにもわかるように説明してくれ!」 「それに、ウルトラマンゼロって…?」 困惑する3人の疑問に、ミライとリュウが答えた。 ―――ウルトラマンゼロは、僕らの後輩に当たるウルトラ戦士です! ―――二人はそいつを助けるために、時間の狭間に飛んだのさ。
---to be continued---
ここはシードピアクライシス撮影スタジオの1つ、 現在進行中の『フュージョンワールドパニック編』におけるアキッキーメインのパートの楽屋。 基本的にここで正式登場するメンバー達は台本を読んだりお茶しながら撮影開始を今か今かと待っていた。 しかし、撮影をするにしても肝心の監督であるアキッキーは現在不在だった。 弦太郎「しかし、アキッキー遅えな。」 流星「仕方ないさ、本人としても急に番外編の撮影が入ってしまったから そっちの方にも関わらなきゃいけないんだしな。」 みゆき「う〜ん、早く撮影したいよ〜〜。」 れいか「みゆきさん、焦っていてもはじまりませんわ。」 しばらくそんな雑談を続けていると……。 ――ガチャ アキッキー「ごめん、ごめん!何とか隙見てきた!!」 慌てた様子でアキッキーが入ってきた。 あかね「よっしゃ!ほな撮影開始やな!!」 アキッキー「うん、そうなんだけど……。」 何か歯切れの悪い態度をとるアキッキー。 ミライ「どうしたんですか?」 アキッキー「実は‥‥ちょっとタツノさんからのネタ提供を考慮して‥‥、誠に急なんだけど… このパートに新しい面々が参戦することになりました!!」 ――ええ〜〜〜〜〜っ!!!!???? この大所帯の中にさらに新規参戦メンバー!!?? 予想外の変更に戸惑いを隠せない一同。 タイガ「ちょい、ちょい!!いったい何がどうなってるわけ!?」 アキッキー「いや、今後の展開を考慮すると出さざるを得ないって結果になって‥‥。」 クリアリア「それでいったいどんなメンバーが参加するのだ?」 アキッキー「うん‥‥、実はもう来ているんだ。みんな入ってきて!!」 アキッキーに呼ばれて入ってきたのは、以下の面々。 >“右足にド派手な形状のリボルバー銃を身に着けた5人組” >“オレンジを基調としたメカニカルなゴリラ” >“白いライオン” >“マンモス”、 >“赤い鉱石状のパーツがついたティラノザウルスの骨” 姫子「ど、動物、ですか?」 ニック「おいおい、いつからこの作品は動物番組的な作風になったんだ!? (しかし・・・・なぜかあのゴリラ、妙に気になるぜ…)」 ゴリサキ「そうだよ、動物が亜空軍と戦ったって負けるだけだよ (なんだろあのゴリラとライオンとマンモス‥・・。 同じにおいを感じるんだよな‥‥)。」 アキッキー「ふぅ‥‥仕方ないな‥‥みんな!変身しちゃって!」 新参者一同『了解!!!!!』 その言葉を受け取った一同は、思いも寄らなかった行動に出た。 5人組「キョウリュウチェンジ!!」 ゴリラ、ライオン、マンモス「変身!!」 ティラノザウルス「プログレスチェンジ!!」 するとゴリラとライオンとマンモスはその形状を変形させていき似た形状の頭部を持つロボットへと変形! ティラノザウルスも人型へと変形! さらに5人組はサンバ調の音楽と共に恐竜を模したスーツを身にまとった戦士へと変身していた。 一同『え‥‥え〜〜〜〜〜〜〜!!?!?!?』