Phase166 フュージョンワールド・パニック 〜Research No.11:“本気”と書いてマジと読むSHOWTIME〜
メディアステーション、ミッドチルダ、バサラワールドの全てを巻き込んだ、ブラジラの闇の天装術・ミキシングローバル。 その影響によって通信機器に異常が生じ、連合軍同士の連絡が取れなくなっていた。 しかし、通信異常の最大の原因が別のところにあった。 それは……。 「おいおい、マジかよ…。」 調査に乗り出していたノーヴェが思わず漏らした言葉。 そして、同行していた他のナンバーズ一同も呆然としていた。 それもそのはず。 彼女たちが訪れた通信施設には、いつのまにか樹木の蔓と棘の生えた蔦が絡み付いており、ちょっとしたジャングルと化していたのである。 しかもそのおかげで通信電波を発するアンテナまでもが蔓と蔦に覆われ、電波が妨害されてしまっていたのである。 「道理でステーション内の電波状況が悪すぎるわけだ…。」 ―――プシューッ ふと、後ろの自動ドアが開いた。 そこに現れたのは、マリオたち率いる遊撃担当・スマッシュブラザーズチームの面々だった。 「おいおい、なんだコレは!?」 「これは、想像以上に複雑なことになっているな…!」 スマッシュブラザーズチーム一行もこれには呆然とせざるを得なかった…。 「これは面白いことになってるね…。」 『!?』 続いて現れたのは、ディケイドチームの“泥棒”キャラ・海東大樹と、彼と行動を共にしていたゼスト、クイント、メガーヌ、名護、白峰といった面々。 海東が興味を示す一方で、それ以外の面々はその大型の植物を見て少し呆然としていた。 ―――チャキッ! 「動くな!」 『!?』 そこに現れたのは、大型の銃を構えた真面目気質の青年。 ―――カチャッ! 海東たちも武器を構えて臨戦態勢。 緊張感の増す雰囲気の中、海東は現れた青年の腰に独特のベルトが装備されているのに気付く。 「そのベルト……もしや、仮面ライダー?」 「…そうだ。…もっとも、試作品を実戦用に改造させた突貫作業丸出しの物だがな。」 人工的に作り上げたライダーシステムと言うことか…。 「珍しいものをつけているじゃない…。君の名前は…?」 「……後藤慎太郎。ミッドチルダ・鴻上ファウンデーション所属のエージェントだ。」 その名前を聞き、思い当たった節を思い出すものが。 「……ちょ、ちょっと待って!」 「「…!?」」 「後藤慎太郎さんって…、もしかして、あのアカレッドの知り合いの…!?」 ―――! ノーヴェのその一言に目を見開いたライダーたち。 そして、マリオたちも目を見合わせた。 あの男の知り合いとあらば、“あの写真”のことも知っているはずだと。 ――ドッカアアアァァァァン!!!! 『きゃああぁぁぁっ!!!!???』 『!!??』 その空気を破ったのは、いきなりの爆発音と同時に、聞こえてきた少女たちの悲鳴。 爆風と共に飛ばされてきたのは、足に変わった形状のユニットをつけた3人の少女と魔女風の格好をした2人の少女とメイド服の少女と、耳の長いほんわかした雰囲気の少女と言った面々だった。 それに加え、一般人が約4人ほど紛れているようだが…。 「うわわ、今度は何!!?」 いきなり被害者が現れて一同は困惑するが、さらに困惑したのは―――。 「ケケケ…、俺タチニ歯向カウナンザ、無謀ナコトヨ…!」 『!!!』 聞き覚えのある声に動揺したスマッシュブラザーズチームだった。 その聞こえた方向に視線を向けると、剣の形をしたホッピングに乗って移動する一人の怪人だった。 「Can't be…!Your……!!!(まさか…!お前は……!!!)」 聞き覚えのある声とその独特の姿、マリオにとっては忘れるはずのない相手の一人だった! そして、他の面々にとっても…! 「ケケケ、久シブリダナ、マリオ!そして、スマッシュブラザーズ!!」 「お前は、ケンゾール!!」 かつて、マリオと相対した異次元空間の敵・カジオー軍団の行動隊長の一人である怪人・ケンゾール。 その敵がこうして再び現れたと言うことは…! 「月面でヘビーロブスターが現れたことから、よもやと思っていたが…、どうやら我々のかつての敵たちも亜空軍に加わったらしいな!!」 「ケケケ、ソノトオリサ、メタナイト。我ラノ主・カジオー様モ、貴様ラヲ叩キ潰スタメ俺様ヲ甦ラセテクレタノダ!」 どうやらカジオー軍団やカジオー自身も、亜空次元神タブーの力によって復活を遂げたらしい。 「そういうことならば、再びお前たちを倒すだけだ!」 メタナイトの一言で戦闘態勢をとる一同。 「ケケケ、ソレハコイツラヲ見テカラ言エ!“ビックパックン”!“樹木コワイナー”!!」 ―――ゴゴゴゴゴゴ……!!! すると突然、施設全体に生えていた2種の植物が動き出し、そこから巨大な口にも似た赤い花と不気味な仮面が現れる。 「ちょ、うそでしょぉ!!??」 「植物の化け物…!!」 そう、このエリア全体の植物の正体は、かつてオールスターが対峙したパックンフラワーが巨大化した“ビックパックン”と、プリキュア5が対峙した“樹木コワイナー”だったのだ!! 「ソシテ、コイツラモオマケダ!!ケケ〜〜!!」 <KAIZIN-RIDE、“NENTYAKU-GOKIBURI”、“COCKROACH-DOPANT”、“DARK-ROACH”> ケンゾールが発動させた3枚のカイジンライドから虫をモチーフにしたと思われる2体の怪人と複数の戦闘員が現れる。 『ウッ・・・・・・』 するとそれを見た途端、女性陣(クイント、メガーヌ以外)がしきりに嫌な顔をし出す。 それもそのはず。 現れた怪人は、バイラムのバイオ次元獣“粘着ゴキブリ”、コックローチの記憶を持つドーパントである“コックローチ・ドーパント”、そして戦闘兵の“ダークローチ”……。 ここまで言えばお分かりだろう。 そのすべてが、女性が嫌う虫ナンバー1である“ゴキブリ”をモチーフにした怪人たちだったのだ。 「ちょっと待って…。」 「「それは勘弁……!」」 さすがに戦闘慣れしているウィッチ達――ハンナ、ハイデマリー、ニパもゴキブリには弱いらしく弱腰になる。 「ケケケ、カカレ!!」 ―――グオォッ!!!! ケンゾールの命令で襲い掛かってくるゴキブリ軍団。 ―――ビュワワアアァン!!! 『!!!』 すると、そのゴキブリ軍団の前に次元の穴が開き―――。 『うわああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』 ―――ズドドドドドドッ!!!!!! ―――ドゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!! 何やらカラフルな軍団が一斉になだれ込んできた。 それは、ファンシーなフォルムのカブトムシ、クワガタムシ、カエル、ダンゴ虫、犬、亀、モグラ、鷹を模したロボットたちだった。 「いたたたた……ひどい目にあったカブ…。」 「みんな、大丈夫バウ?」 一気に転がり込んできたこともあってか、全員頭が混乱しているようだ。 「ゲゲッ!?なんじゃこりゃ!?」 そこに、“ジョーキゲンズ”と言うお店ごとメディアステーションに転移してきた、京介たち3人が合流してきた。 「ちょっと、しかもゴキブリ怪人が大量じゃないの!?」 「マジありえないから勘弁してよ!」 桐乃と黒猫、案の定ゴキブリたちに若干弱腰になる一方で―――。 「…!?おい桐乃!あそこにいるの、お前の同級生じゃないのか!!?」 「え!?…うそ!?あやせに加奈子!!??」 「沙織さんもいるじゃないの!!」 「おいおい、田村さんまで来ちまったのかよ…!」 戦いに巻き込まれた一般人が自分たちの顔見知りや同級生と言うことを知り、どこから突っ込めばいいかすら判らなくなっていた。 「こんなところにいたのか!」 さらに今度はバイクに乗ってメディアステーションに合流した二人組みまでもが現れてきた。 「気持ち悪い敵ばっかりじゃないの!」 青年の相棒である少女、やはりゴキブリたちを目の当たりにして、これ以上は近づきたくない感じだ。 「ダァ〜ッ、次カラ次ヘト何ナンダオ前ラァッ!!!!」 『!?』 行動隊長のケンゾール、思っても見なかった面子の登場に半ば逆ギレ状態である。 「…結論から言えば、あの連中を片付けなければならないようケロね。」 「どうやらそのようだ。それに、ぼくらの国を襲ったヤツラと関係がありそうだしね。」 カエル型ロボットとカメ型ロボットが現状を理解。 「やいやいやいお前ら!よくも俺たちをこんなところまで飛ばしてくれたな!!!」 「拙者たちの国を甚振ってくれた礼はたっぷりさせてもらうでござる!!」 ダンゴ虫型ロボットと鷹型ロボットが気合充分で亜空軍をにらみつける。 「正義の味方の皆さん、ミーたちが手助けしてあげマースよ。」 「おいどんたちに任せるでごわす!」 モグラ型ロボットとクワガタ型ロボットも臨戦態勢だ。 「…頼んだわよ。」 「あぁ。」 また、バイクに乗ってきた青年も、指輪を右手に装着して―――。 <“ドライバー・オン”、プリーズ> その指輪で変身ベルトを実体化、準備を整えて戦線に合流する。 「僕たちも行こう。」 「無論だ!」 「ええ!」 「はい!」 海東の一言でゼストたちも動き出す。 「世界の秩序を乱す亜空軍!」 「その命、神に還しなさい!!」 レイキバットを手にした白峰と、ベルトを装着した名護もその後に続く。 「戸惑っている暇は無いか…!」 後藤も、腕時計の中に仕込んだメダルを取り出し、一同に続く。 「桐乃、黒猫、俺たちも行くぞ!こんなところで怖気づいていられない!」 「は、はい…頑張ります!」 「全く、こういうときに限ってかっこいいんだから…。」 京介たち3人も、これも試練だと言わんばかりに戦線に加わる。 (これを持っていって。みんななら、この“モエモエズキューン”の力を発揮できるはずよ!) その手には、数分前に“しょこたん店長”から託された、萌えアニメを髣髴とする謎のフィギュアが握られている。 「よぉしみんな、行くぞ!」 『オッケー!!!』 『スーパーチェ〜ンジ!!!』 カブトムシ、クワガタムシ、カエル、ダンゴムシの4体のロボットが、掛け声とともに3頭身だった体を変形させ、リアル頭身のかっこいい姿になる。 『ジ〜シャ〜ック!!』 もう一方の、犬、カメ、モグラ、鷹のロボットたちも、四肢とボディを分離させ、変形したボディに再度四肢が合体、先ほどまでの愛らしい姿からかっこいい姿へと変形する! 「「「重妄想!!!」」」 ―――カチッ! 『ズッキュ〜ン!!!』 京介、桐乃、黒猫の3人は、フィギュアを銃のように構えて、そこに隠されたトリガーを引く。 すると、フィギュアが拳銃の姿に変わり、京介たちも“スーパー戦隊”を髣髴とする3色の戦士に変貌した。 ―――ガシュン、ガチャッ! <KAMEN RIDE> [Ready] ――変身!!! <DIEND> [[[HENSHIN!!]]] [Fist ON!!] 『変身!!』 海東たちも変身アイテムを構えて、それらを同時に発動。 それぞれの個性が光るライダーたちに変身した。 最後に、青年は左手の中指に赤い宝石がついた指輪をはめ、ベルトのレバーを動かし掌状のマークを逆向きに変える。 ―――ガシュンッ [シャバドゥビ・タッチ・ヘンシン♪シャバドゥビ・タッチ・ヘンシン♪] 「変身!」 不思議な歌が流れだしたと思ったら、青年は左手の赤い指輪のバイザーを下ろし、ベルトにそれを当てる。 <フレイム・フリーズ> <ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!> その音声と共に左側から赤色の魔法陣が現れ、それが青年の体を通り抜けると、青年の姿が手に付けた赤い指輪の宝石に似たマスクをかぶり、まるで魔法使いが来ている黒いローブを思わせるコートの様な姿の戦士へと変身していた。 『!!??』 『!!!!』 この予想外の戦士たちの登場に、敵味方を問わず全員が目を見開いた。 「ビーロボの一番星!カブタック!!」 「ビーロボ一の力持ち!クワジーロ!」 「あなたの影に。ダンゴロン。」 「結論から言えば、知的な戦士とはこの私。その名はゲロタン!」 コミカルな姿からかっこいい姿に変身したロボットたちが―――。 「勇気凛々!腕はビンビン!笛の音色はワンダフル!ロボタック・アズナンバー1!!」 「硬い甲羅は何の為、愛する者を護る為。気高き闘士・カメロック!」 「円らな瞳でボンジュール。ワンダーロボ一の名刑事・モグラッキー!」 「熱血根性!明日へ向けて羽ばたく戦士!燃える教育ロボ・タッカード!」 それぞれ考えたであろう名乗り口上を上げてポーズを取る。 「黄金の闘士・仮面ライダーコーカサス!」 「白銀の勇姿・仮面ライダーへラクス!」 「銅の策士・仮面ライダーケタロス!」 「太陽を背に戦う聖職者・仮面ライダーイクサ!!」 「吹雪を纏う氷の戦士・仮面ライダーレイ!!」 「運命の終焉を司る者・仮面ライダーディエンド!!」 「欲望より誕生せし戦士・仮面ライダーバース!!」 歴戦の勇者である仮面ライダーたちも勇ましく名乗る。 「希望を与える指輪の魔法使い、仮面ライダーウィザード!」 変身に使った指輪を見せながら優雅に名乗りを上げる、ウィザードと言う名の戦士。 それは、ディエンドはもちろん、ディケイドこと門矢 士でも全く知る由もなかった未知の仮面ライダーだった。 「アキバレッド!」 「アキバ、ブルー!」 「アキバイエロー!」 ―――痛さはぁ、強さ!!! 「非公認戦隊―――!」 ―――アキバレンジャー!!! そして、アカレッドことアキッキーですらも知るはずのない、自らをアキバレンジャーと名乗った3色の戦士たち。 この思っても居なかった援軍には、ケンゾールも呆然とするしかなかった。 「コンナ連中ガ居ルナンテ…、聞イテイナイゾ!!」 「あたしたちだって聞いてないよ!!!」 当然、ナンバーズたちとてこれには予想外だと言わんばかりに突っ込みを入れる。 「さあ、ショータイムだ!!」 そんな突っ込みもお構い無しに、ウィザードが狼煙代わりの決め台詞を述べた。 一方、W.M.G.は―――。 「ウイングレット・ブラスター!!!」 「バリアブル・パルサー!!!」 「ガトリングデトネイター!!!」 「ワイバーンミサイル!撃ぇっ!!!」 黒いロボット軍団やナースたちを相手に奮戦していた。 「Rolling Start♪」 「ビビットハート!飛んでけぇ!」 その傍ではバーチャロイドたちが援護に回り、次々に敵を撃墜する。 『おい総監さんよ!いくら倒してもキリがないぜ!』 『亜空間から次々と黒いロボットたちが現れています!』 しかし、“フェニックスネスト”のブリッジの慌しさから分かるように、息つく暇も無い状況だった。 「何とかメディアステーションに合流しないと…!」 「でも、どうやって!?」 メンバーたちも次第に焦りを見せ始めた。 「ミラーナイフ!!!」 「グレンファイヤーキイイィィックッッ!!!」 「「ダブルジャンナックル!!!!」」 ―――ズドドドドドドッ!!! ―――ドカドカドカァン!!! 『!!??』 別方向から亜空軍への攻撃!? 全員が、攻撃が飛んできた方向に視線を向けると―――。 「おいおいおい、なんじゃこりゃ!?」 「ゼロの気配を追ってここまで来てみれば…!」 「既にここまで亜空軍の軍勢が…!」 「こんなところで遭遇するとは…!」 炎のようなエフェクトの頭部の赤い戦士と、黄色い十字の目を持つ銀色の戦士。 そして、赤と白のコントラストが映える、似通った雰囲気を持つ2体のロボット。 その姿と名を覚えているものがいた。 「お前たちは―――!」 「“ウルティメイトフォースゼロ”!!」 “オプティクスドラゴン”のレイとヒュウガだ。 「!?その声は、レイさんとヒュウガさんか!?」 「お!久しぶりじゃねぇか!」 「しかし、再会を喜ぶのは後回しだ!」 「その通りだ。それに―――。」 ふと、銀色の戦士が別方向に視線を向けた。 「敵も簡単に通してはくれないようだ!」 その言葉どおり―――。 ―――ビュワワアアァン! 亜空間の扉が開き、そこから十数機のシャドウバーチャロイドと、部隊長機であろうほとんど同じ形状だが、右腕が同じ巨大なハサミなのに対し片方は左腕が小型のハサミ、もう片方は左腕が大型の銃器になった青いロボット、そして指揮官機と思われる忍者に似た黒いロボットが一斉に出現した。 『敵ロボット軍団、さらなる増援を確認!』 『冗談じゃねぇぞ!』 亜空軍もそれだけ必死と言うことか…! 『総監、このままじゃ埒が明かない!』 『ミライくんたちだけでも、先に行かせましょう!』 「!!」 その通信を聞いていたミライは―――。 「危険です!戦力が分断されたら、皆さんも―――。」 一瞬、慌てた口調になるも―――。 『心配するなって!』 “オールドルーキー”のメンバーがその言葉を遮る。 『分断されるのは少しだけ。今の俺たちなら、あいつらを相手するのに心配はいらねぇよ!』 彼の言葉に、真紅のバーチャロイドたちも賛同する。 『そうよ。ここは私たちに任せなさい。』 『あんたたちの仲間の安全は保障するよ!』 『このような場所で墜とされるほど、私たちは柔ではありませんわ。』 彼女たちの自信に満ちた言葉が、仲間たちの士気を上昇させる。 『ミライ!リュウ!カナタ!先にメディアステーションに行け!後ほど合流する!』 総監の言葉に後押しされた3人、気を引き締めなおして返事を送った。 「「「G.I.G.!!!」」」 そして、白いバーチャロイドのパイロットも―――。 「ハッター、フェイ!君らも彼らに続いてくれ!クライドの下へ急ぐんだ!」 「わ、分かったわ!」 「すまねぇ!後は頼むぜ、戦友!!」 2体の仲間を先行させる。 「ミラーナイト、グレンファイヤー!君たちも先に行ってくれ!」 「僕たちがここを守る!」 「あぁ、そうさせてもらうぜ!」 「無事を祈る!!」 そして、それぞれの名で呼ばれた銀と炎の戦士も、ロボットたちの言葉に乗り、ミライたちの後に続いた。 その彼らの後を追おうとした黒いロボットたちだったが―――。 ―――シュバアアァァッ!!! ……怪鳥という言葉が似合う怪獣を引き連れたレイがそこに立ちはだかる。 彼は、固有装備の“バトルナイザー”を構えてはっきりと言った。 「お前らの相手は……俺たちだ!!!!」 場面は変わって、メディアステーション内に忽然と現れた“忍術学園”に移る。 「それにしても、一体どうなっているんだろう…?」 「いきなり周りがグニャグニャ〜ってなったと思ったら…。」 「大きな衝撃がドドォンって来て、気が付いたらこんな感じに…。」 その庭には青色の忍者服を着ている3人の少年忍者たちがいた。 一人は丸メガネをかけた利口なイメージの少年、一人はちょんまげを結った狡賢そうな少年、そしてもう一人はいかにも“メタボリック”と言う言葉が似合うほどに太った少年。 彼らはこの忍術学園内で“忍者の卵”=“忍たま”と呼ばれる子供たちである。 ちなみに、彼ら以外にも“忍たま”は何十人も存在し―――。 「しんべエしゃま〜!」 「あ、おシゲちゃん!」 そう、今現れたピンク色の忍者服の彼女たちも“忍たま”として数えられる存在。 「くの一教室のユキとトモミ!」 「無事だったか!」 「あんたたちもね。」 「全く、悪運の強さだけは恐れ入るわね。」 オレンジ色の髪の少女・ユキ、青髪の丸い瞳の少女・トモミ、そしてぽっちゃりした体系のシゲ。 “くの一教室”と言う、いわゆる“女の忍たま”たちの中心的存在である。 「はい、しんべエしゃま。」 「(チ〜ン!)」 このしんべエと言うぽっちゃりした少年と、シゲは教室の間柄を越えた大の仲良し。 しんべエはいつもこうやってシゲに鼻をかんでもらうことが多い。 「ありがと。ところで、学園の様子はどうだった?」 「それが、どこもかしこも大騒ぎで、先生たちもあっちへ行ったりこっちへ行ったりと大忙しで…。」 シゲの言葉をユキたちが引き継ぐ。 「山本先生も、“こんなことは今まで一度も無かった”って、戸惑っていたわ。」 「今、学園中の先生たちと緊急会合を開いて話し合っているところよ。」 未曾有の事態にはさすがの忍術学園もかなり混乱しているようだ。 「…でも、どうしてこんなことに?」 「それが分かったら苦労はしないわ。」 一同、首を傾げる……。 そんな様子を、小鳥或いは梟にも似た姿の不思議な生き物木の上からジッと見ている…。 「あれ?あんな小鳥、いたっけ?」 「さあ?」 見たことのない小鳥だったのか、かなりの違和感を感じる…。 「お?お前ら、お揃いだな。」 「!」 「利吉さん!」 そこに現れたのは、少年たちの顔見知りの山田利吉。 その背後には、“フロニャルド”なる国からやってきた獣の耳を持つ二人と、中世的な顔つきの侍が…。 「あの…その後ろの人たちは?」 「ふむ、ついさっき学園長と話していた客人だ。」 通された3人がそれぞれ自己紹介する。 「俺はイスカ・マキシマ。フロニャルドを流離う、流れ者の風来坊だ。」 「我が名はゴドウィン・ドリュール。ガレット騎士団の将軍だ。」 「私は吹雪丸。今は亡き春日家の末裔にして嫡男である。」 かなり個性的な3人が一度に現れて、一同はポカーンとするしかなかった…。 見た感じは3人は繋がりがなさそうな感じがするが…。 「あの…、3人はどう言った関係―――。」 「待て、乱太郎!!!」 ―――!? ふと、利吉が乱太郎の言葉を制止した。 「どうしたんスか?利吉さん。」 きり丸が利吉の急な言葉に戸惑う。 「…見られている…、誰かに……。」 「…!!??」 こんな場所に僕たち以外の誰かが居る!!?? 一気に緊張感が高まる一同は、全員で周囲を警戒する。 ………………………………………… ―――――そこだっ!!!!!! ―――――シュビッ!!!! 気配の出所を察した利吉が十字手裏剣を先ほどの木に投げつける。 ―――ガキガキガキィンッ!!! 『!!!』 「「「おぉ!!!!」」」 すると、その木の幹に化けていた青装束のくの一が、手に持っていた大型の飛苦無(とびくない)でそれを弾く。 乱太郎たちも相手の意外なテクニックに感心する。 「やるわね、気配を完全に消したつもりだったんだけどね…。」 「貴様、ただのくの一じゃなさそうだな。」 「当然でしょ?…って言うか、私はあんたたちの敵じゃないもの。」 青いくの一のその言葉に疑いの目を向ける一同…。 「まぁ、信じられぬのは無理も無かろうな。」 「!」 老齢の男の声と共に現れたのは、梟の姿に似た青い大きな鳥。 その鳥は、青いくの一の肩に乗る。 「ゲッコウさま、お疲れ様です。」 「うむ。それにしても、ミッドチルダ以外の物も紛れているとは、ややこしいことだ…。」 「「「「…………え!?」」」」 「「「……ふぇ?」」」 「「「……!!!」」」 乱太郎たちは気付いた。 彼らにとって“一番ありえない”状況に……。 「“ダークシャドウ”か…、お前たちもここに来ていたとはな。」 「「「……!!!!????」」」 すると今度は、先ほどからずっと乱太郎たちの様子を見ていた小鳥が口を開いた。 「…!あんたは…!!」 「ノイズか…。プリキュアに浄化されたと聞いていたが、まだ生きていたのか?」 「今までずっと奴らと一緒に暮らしていたが、どうもそういう事態ではなくなったようでな…。」 ……これには一同も言葉を失った。 なぜ目の前でこんなやり取りが行われているのかが理解できなかったからだ。 「「「鳥がしゃべった!!!???」」」 『どうして!!!???』 ………彼らの言葉が、その象徴である……。
---to be continued---