Phase165 フュージョンワールド・パニック 〜Research No.10:シャキーンッ!ヒーローたちのアンサンブルニャ!〜
―――ばっちり揃った! ―――21人の勇者! ――スーパーヒーロー・オンステージ!!!! 新たな戦隊が覚醒し、士気が大幅に上昇した連合軍一同。 怒涛の反撃の狼煙が、ここに上がった! 「小癪な!」 ヒーローたちの決めポーズの後、ガスドリンカーズ全員がそれぞれの武器で先制攻撃を仕掛けるが―――。 「はっ!」 ―――ガキイィィンッ!! いち早く動いたメレが、自身のサイ(武器)でその攻撃を受け止めた。 「なにっ!?」 すると、メレはそのサイを巧みに操り、受け止めた攻撃の中に自身の力を注ぎ込んだ。 「臨獣カメレオン拳・リンギ!」 ―――絡撃拳(らくげきけん)! ―――バシュッ! ―――ドカアアァァンッ!!! 「ぬおぉっ!!??」 そのカウンターアタックによって、怪人たちが怯んだ。 「参ります!イエローマスク、“影分身”!!!」 「サイブレード・捻捻弾(ねんねんだん)!」 「ドーザ・ウル・ザザード!」 「「バルカンシュート!!!」」 ―――シュバババババババッ! 続いてイクスヴェリアが分身の術を使って一気に突撃し、同時に角田がサイブレードから激気の弾丸を次々に発射し、ファビアが呪文を唱えて盾を使った魔導攻撃を連射、さらにバルシャーク、バルパンサーが共通武器を地面に突き立てて衝撃波を放ち、幹部怪人たちに追い討ちをかける。 「あまり時間はかけられん!一気に行くぞ!」 そう言ってザフィーラは、自身の腕に付けられた“ゴングチェンジャー”を構える。 「激獣ウルフ拳・ゲキワザ!」 ―――大剛剛撃(だいごうごうげき)!!! ―――カァンッ!!! ゴングチェンジャーが鳴り響き、大型のリングバトルフィールドが形成された。 「なにっ!!??」 「こ、これは!?」 「な、何かまずい予感…!」 ガスドリンカーズが怯む中、モエルンバが思わず漏らした“まずい予感”と言う言葉。 それは見事に的中する。 『はああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!』 ゲキバイオレットを先頭に、マスクマンのレッド、ブラック、ブルー、ピンク、ゲキレンジャーのレッド、イエロー、ブルー、そしてバルイーグル、リオ、クウガ、プリキュアが一斉に飛び掛る。 或る者は武器を手に、また或る者は己の拳で、敵に立ち向かっていった。 ガスドリンカーズのジーンと刃を交えるバルイーグル。 「スコーピオンビュート!!」 「おっと!」 彼女の鞭攻撃を掻い潜るも、その攻撃は隙が無く、なかなか攻撃に転じられない。 ならば、彼女の攻撃を正面から崩すしかない…! 「くたばりなさい!!!」 ジーンの鞭攻撃が、イーグル目掛けて飛んできた。 「そうはいくかよ!!!!」 ―――ズガッ!!! イーグルはバルカンスティックの刃を、スコーピオンビュートの先端に突き刺し、その鞭が真っ二つに裂かれた。 「なっ!!!??」 「今だ!!!!」 ―――バルカンスティック・飛羽返し!!!! ―――ズバッ、ズバッ!!!! 「きゃあああぁぁぁぁぁ!!!!」 ―――ズドオォンッ!!! 「ぬわっ!!??」 「「「きゃあぁっ!!!」」」 マスクマンのレッド、ブルー、ブラック、ピンクは、バズーカ砲“リザードバズーカ”を乱射するブランデルを相手に苦戦していた。 その連続攻撃に怯まされ続けているのだ。 「いつまでも避けてばかりはいられませんわ!」 「「これでどうだ!!!」」 「ハァァッ!!!」 負けじと、自分たちのオーラパワーをバズーカの砲口に集中させた。 ―――ガチッ! ―――ドカアアァァンッ!!?? 「うおっ!!!??」 そんなことなど露知らず、再びバズーカ砲を放とうとしたブランデルは、引き金を引いた途端の暴発によって吹き飛ばされた。 ―――ズドドドォォンッ!!! 一方、ウインスキーはどこからか呼び出した大型のタコ型戦闘機で応戦、機関銃を乱れ撃ちしてきた。 「こうなったら、本気を出させてもらうぞ…!!!」 ヴォルガーもこのまま負けてなるものかと、自身の姿を変貌させた。 得意武術“ジャークンドー”の能力を最大限まで発揮させる切り札・ヘルモードである。 ―――シュバッ!シュバッ!シュバッ! ―――ドゴッ、ドゴゴッ! 「きゃぁっ!」 「うあっ!!」 このモードの最大の特徴が、この超高速移動。 目にも留まらぬ速さで相手を翻弄する。 「ネガトオオォォンッ!!!」 ―――ドゴゴッ!!! 『きゃああぁぁぁっ!!!』 さらにそこにネガトーンの追い討ち攻撃。 これによって一瞬はピンチになるが―――。 「そこだ!!!」 ―――ドンッ!!! 「ぐおっ!!??」 クウガのライジングペガサスボウガンが炸裂し、ヴォルガーの動きが止まった。 「「「バルカンボール!!!」」」 ―――ドゴゴッ!!! 「ネガッ!!??」 さらにリング外からサンバルカンの援護攻撃で、ネガトーンの動きを止めた。 「「「「ゲキワザ!!!」」」」 「砲砲弾!」 「瞬瞬弾!」 「転転弾!」 「輪輪拳!」 「リンギ・剛勇吼波!」 ―――ズガッ、ズガッ、ベシッ、ドゴッ、バコッ! ゲキレンジャーとリオも得意のゲキワザとリンギを連続で放ち、ウインスキーの乗る戦闘機に連続ダメージ。 戦闘継続不能にまで追い込んだ。 「サイコリボン!」 続いてピンクマスクのリボンが怪人たちを拘束し―――。 「マスキークラッシュ!」 「電磁アッパー突き!」 「スーパースピントンファー!!」 レッドマスク、ブラックマスク、ブルーマスクの必殺技が3連続ヒット。 一気に吹き飛ばされた。 それと同時に、剛剛撃のリングフィールドも消滅した。 「ネガトーンは、私たちが抑えます!」 ここでプリキュアの出番がやってきた。 「おいで!シリー!」 ミューズがキュアモジューレにフェアリートーン・シリーをセット。 「シの音符のシャイニングメロディ!」 そのモジューレをオカリナのように吹き鳴らし、その周囲に無数の泡が出現した。 「ミラクルベルティエ!」 「ファンタスティックベルティエ!」 「ラブギターロッド!」 メロディ、リズム、ビートも、それぞれの固有アイテムを召喚して、それぞれフェアリートーンを装着。 「「「駆け巡れ!トーンのリング!」」」 「「プリキュア・ミュージックロンド!!」」 「プリキュア・ハートフルビート、ロックッ!!」 「プリキュア・スパークリングシャワー!!」 ―――ズドドドドッ、ズドォンッ!!! 4人の同時攻撃がネガトーンにヒット。 「「「「三拍子!1,2,3!」」」」 ―――フィナーレッ!!!! ―――ドッカアアァァン! その攻撃によってネガトーンは浄化され、光と共に消滅した。 これにより、一気に追い込まれた亜空軍。 「一気に行きましょう!みさおさん、“ジェットカノン”を呼んでください!」 「え?わ、わかった。“ジェットカノン”!」 イクスヴェリアに言われるがまま、みさおはブレスでジェットカノンなるものを呼び寄せる。 召喚されてきたのは、自分たちよりも一回り大きな戦闘機型のメカ。 それがみさおたちの真上に着くと、ゆっくりと降下していきながら、トリガーが形成され、戦闘機のフロントが銃口となり、キャノン形態に変形した。 そのジェットカノンを、みさお以外の4人で支える。 「みさおさん、精神を集中させて、照準を合わせてください。」 「お、オッケー!クロスターゲット、メディテーション!!」 さらにみさおはイクスヴェリアの指示に従い、精神を統一させる。 「我らも後に続くぞ!」 「オッケー!」 「よぉし!行くぞ!」 「「「ゲキバズーカ!!!」」」 さらにゲキレンジャーの3人も、大型バズーカ砲を召喚、それを構えた。 「ターゲット……ロックオン!!!!」 「ゲキワザ・激激砲!!!」 「ジェットカノン!!!」 ―――発射ァァ!!!!!!!! ―――ズドォンッ!!! ―――ドッカアアアァァァァン 『ぎゃあああぁぁぁぁ!!!!!!』 この同時砲撃によって怪人軍団全滅。 モエルンバも文字通り、燃え尽きて消滅した。 「ここは…!!??」 さて、ここで場面は変わり異空間へと飛ばされたアキッキーへと視点は移る。 「まいったな…、亜空軍の奴ら、ボクが他のみんなをサポートできないように隔離したな・・・・。」 周囲を見渡しながら不満の声を漏らす。 しかし、このままジッとしていても始まらない。 仕方なく、アキッキーは先に進むことにした…。 「それにしても…、ここは一体…?」 進むに連れて、周囲の状況に関して何となく呑み込み始めたアキッキー。 どうやらどこかの街中のようだが、自分の知っているミッドチルダやシードピアとも違う、別世界の建物のような雰囲気が窺える…。 「バディ…、何だか嫌な予感がするぜ…。」 「そうだな、NEXT。一刻も早く脱出しなくちゃ…。」 相棒のフォンブレイバー・NEXTも、周囲の異様な空気に不安を覚えていた…。 「こいつは珍しいものだな。」 「使えますな。」 「?」 その時、奥の方で何やら話し声が聞こえた。 近くの壁に身を隠し様子を見るアキッキー。 するとそこには4体の怪人が何やら配下の戦闘兵たちに指示を出していた。 (ドーラモンスターのドーラタランチュラに、マシン獣のバラタランチュラ、天の策士サイマ獣スパイダラスに、インフェルシアの冥獣スパイダー……。また随分分かりやすい組み合わせが…。) 読者諸君も何となく気付いているだろう。 そう、この四体の怪人、何気に様々な悪の組織が好んで多用する蜘蛛モチーフの怪人たちである。 ちなみに、その彼らと行動を共にしているのは、犯罪組織クライムの戦闘兵で、クライマーと呼ばれる者たちである。 そんな怪人たちの後ろには何やらカプセル状のものが見え隠れする。 (なんだろうあれ・・・・?何かのカプセルみたいだけど……。) アキッキーが裏で様子を窺っているとも知らず、蜘蛛怪人たちのリーダー格・スパイダラスは指示を飛ばす。 「クライマーども、さっさと運べ!このカプセルはシードピアにあった物だ!何かの役に立つかもしれん!!」 その言葉を聴いたアキッキー、目を細めた。 (シードピアに残ってた物だって!?もしあれが亜空軍に渡ると、奴らに何か有益な事態を与えるかもしれない・・・・!) 危険を察知したアキッキーは即座に懐からレンジャーカードを取り出していた。 「これをタブーさまに献上すれば、我らのことも少しは評価してくれるだろう。それに、状況によっては、こいつを使って亜空軍を増強させれば…!」 「そうはいくか!!」 『!?』 <CHANGE、“AKARED”> ―――ドンドンドン!!!ドカドカドカァン!!! 突然、銃弾の雨が降り注ぎ亜空軍たちをひるませる。 銃撃があった方向を振り向くと手にゴーカイガンを持ったアカレッドが瓦礫の上に立っていた。 「貴様、アカレッド!?」 「何を運んでいるかは知らないけど亜空軍の戦力強化を防ぐためにもそれは運ばせないよ!!」 瓦礫から飛び降りたアカレッドは、ゴーカイガンを構えながら睨み付けた。 「クッ、予定が狂ったがやむ得ん!やれ、クライマー!!」 スパイダラスの命令の元、短剣やマシンガンを構え襲い掛かってくるクライマー。 「一気に決める!ソウル降臨!ハリケンレッド!!」 ―――CHANGE、HURRICAN-RED!! それに対し、アカレッドは特有のポーズと共に舞いだした風を受け、忍者の姿の赤き戦士に変身した。 「風が鳴き、空が怒る!空忍・ハリケンレッド、あっ参〜上〜!!」 名乗りを決めハヤテ丸を抜刀しクライマーに迫るアキッキー。 「超忍法・影の舞!!」 互いの距離が10メートルを切ったところで、ハリケンジャーの得意忍法である影の舞を発動、その素早さを駆使しクライマーたちを連続して斬りつけていく。 「ニンジャミセン・レッドソニック!!」 さらに追い打ちとばかりに、どこからか取り出したニンジャミセンを使って音波攻撃。 クライマーたちは一掃された。 「な!?」 「クライマーたちがあっさりと…!!」 蜘蛛怪人軍団、全員呆然…。 「ジャイロ手裏剣!!」 その油断を見逃さなかったアキッキーは、左手の“ハリケンジャイロ”で手裏剣を乱射。 攻撃を受けた怪人たちは、反射的にカプセルから離れる。 「ドライガン!!」 更に専用装備のドライガンを取り出し、追い討ち。 蜘蛛怪人軍団を追い詰めていく。 「この・・、調子に乗るな!」 しかし、怪人たちも負けじと一斉に糸を吐き出し、それぞれがアキッキーを拘束する。 ―――ビシッ!! 「グアッ!?」 アキッキーは糸攻撃に巻き込まれ、身動きを封じられた。 勝利を確信した怪人たちはアキッキーにに近づいて―――。 「な、何っ!?」 スパイダラスは驚愕した。 拘束されたのはアキッキーではなく、彼に似せられた藁人形だったのだ。 「これはまさか…!」 「その通り!超忍法、変わり身の術だ!!」 ―――シュバッ!!!! 『何っ!!??』 ―――ビシッ!!! 現れた本物のアキッキーが、周囲の糸を逆に利用し、蜘蛛怪人たちの動きを止めた。 「し、しまった…!動けない…!」 「とどめだ!!」 ――ソウル降臨!ボウケンレッド」 ―――CHANGE、BOUKEN-RED!! 「“熱き冒険者”(パチン!)、ボウケンレッド!」 カードセットと同時に現れたアクセルラーを使いボウケンレッドに変身するアキッキー。 「アクセルテクター!!」 さらにアクセルテクターを装着、その右手にデュアルクラッシャーを召喚した。 「デュアルクラッシャー、ミキサーヘッド、GO!!」 ボウケンレッドが放った特殊コンクリートにより動きを封じられる蜘蛛怪人たち。 「ウゲゲッ!?」 「ま、まずい!?」 そして、即座に武器の砲身を180度回転させ、ドリルを突き出した。 「ドリルヘッド!」 ――“コンビネーションクラッシュ”!!GO!!! ―――ズドオオオォォォォンッ!!!! 『ぐ、グァ〜〜〜〜〜!!!!!?!?!』 この攻撃によって、蜘蛛怪人たちはあっという間に一掃された。 怪人一掃後、変身を解いたアキッキーは亜空軍が運ぼうとしていたカプセルに近づく。 「…!?な、なんだこりゃ!!??」 中をのぞいたアキッキーはびっくりする。 そこにいたのは冷凍睡眠(コールドスリープ)状態と思われる少女だったからだ。 「これは一体・・・・!?」 ふと、アキッキーの脳裏にある事柄が過ぎった。 それは、キラたちがGUNDAMを手にしたときのことだった。 『“遺跡の島・クリスティア島”内部のR.G.B.跡地で、セトナ・ウィンタースと言う女の子が1000年の間、冷凍睡眠していた。』 もしも彼女もそれと同じ状況だとすれば…! 「もしかして、セトナちゃんみたいにGUNDAMに何か所縁のある子かもしれない!!」 そう思ったアキッキーはカプセルを開けてみようといろいろと調べ出す。 NEXTもアクティブモードにさせて色々と調べさせる。 …………しかし、基本的にこういう事に慣れていないアキッキー、わずか数分で手詰まりになる。 「う〜ん、キラ君がいてくれたらな〜…。」 ―――ヒュ〜〜〜…… 「「……ん?」」 何かが上から落ちてくる音がする。 思わず上を見るアキッキーの目に飛び込んだのは、先端が鳥の頭部を模したフォーミュラーカーと臙脂色と白と水色の列車がこちらに向かって落ちてくる様子だった! 「ちょっ、ええっ!!!???」 「なな、なんだよありゃ!!??」 慌てるアキッキーとNEXTはその場から離れる。 ―――シュウウゥゥンッ ―――キュラン しかし、その列車とフォーミュラーカーは徐々に小さくなっていき、最後には手に持てる程度のサイズにまで縮みカプセルのスイッチの上へと落ちた。 「な、なんなんだ・・・?」 思ってもいなかった展開に呆然となるアキッキー。 すると、NEXTが予想外の言葉を口にした。 「バディ、こいつら炎神だぜ!!」 「えっ!?」 耳を疑ったアキッキーはすぐにカプセルの傍まで寄り、落ちてきた彼らを手に取る。 アキッキーはスーパー戦隊になるための訓練内の座学で、乗り物型の機械生命体である“炎神”に関して勉強していたこともあり、すぐに彼らが炎神であることを理解する。 「・・・・ホントだ。こっちの列車型の炎神は・・・・・古代炎神…!でも・・・こっちの車型の炎神は・・・?」 「う・・・う・・・。」 「!?」 何か聞こえた、うめき声? 視線を移すと、炎神キャストと分離した13と書かれた赤い炎神ソウルが転がっている。 どうやら意識を取り戻したようだ。 アキッキーはそれを手にとり、懐から取り出した“ゴーフォン”に装填する。 光の立体映像と共に現れたのは、先ほどのフォーミュラーカーをSD化させたような可愛らしい姿だ。 「君、大丈夫?」 声をかけられたフォーミュラーカー型の炎神、アキッキーの姿を見ての第一声で―――。 「あ…あんたはまさか…、アカレッド!!」 いきなりアキッキーの正体を言い当てた。 「え!?な、何でボクの事を・・・・君は一体!?」 「オレは“マッハルコン”。スピードルとベアールVの息子だ!」 「え゛、息子!!??あの2体、結婚してたの!!??」 意外な事実究明に驚くアキッキーだったが、マッハルコンと名乗った炎神のさらなる情報にまたビックリすることに。 「それよりもアカレッド、亜空軍の奴らかなりマズイことをしてやがるぜ!ルヴェラやミッドチルダ、それにオレ達が知らない様々な世界をあいつらは1つに纏めてるみたいなんだ!!」 「何だって!?ミッドチルダ以外も融合の対象になっているとなると・・・・早く戻らないと!!」 事態は既に一刻を要するトラブルへと発展していたことに、焦り始めたアキッキー。 ―――ガコンッ! 「!?」 物音に気付いたNEXTが振り返ると、先ほどのカプセルの電源がまだ生きていたようだ。 「!…おい、バディ、あのカプセルが開くみたいだぜ!!」 「えっ?」 その言葉通り、アキッキーが振り返った先には、なぜか起動しカバーが開いたカプセルがあった。 「……!」 「う…ううん。」 少しして中に入っていた少女が目を開け、ゆっくりと体を起こす。 「ここは・・・・?」 少女はアキッキーと視線が会い、彼に尋ねる。 「とりあえず君が寝ていた場所じゃないと思うよ。それより君の名前は・・・?」 そして今度はアキッキーが少女に尋ねる。 「あたし…?あたしは、あずさ・・・・。」 ―――ズキッ! 「アアッ!!??」 名前を呟くも、その次の瞬間あずさと名乗った少女は頭痛を訴える。 「ちょ、どうしたの!?」 「頭が、痛い…っ…!それに…、どうしてあたし、この中で眠ってたの…!?分からない…!何も思い出せない…!!!」 「バディ、これは一体?」 この状況を見たアキッキーは、一つの仮説を立てる。 「おそらくだけど、冷凍睡眠中に亜空間へ飛ばされた影響かなんかで、マユちゃんの時みたいな一時的な記憶喪失に陥っているんだと思う。」 シンの妹、マユ・アスカも、プレシア・テスタロッサの魔力によって蘇生を遂げたものの、その副作用か何かで記憶を失っていたのだ。 きっとそのうち、何かのショックで記憶を取り戻すかもしれない。 とりあえずここに1人でいては危険だと判断したアキッキーは、マジレッドの力である錬金術を使い、近くのガラクタからを使って炎神アタッシュを作成し、その中にマッハルコンと古代炎神を収納した。 準備を整えたアキッキーは、あずさと共に出口を探しに再び歩き出した。 先の見えない、亜空間の迷宮へと……。 再びメディカルエリア付近―――。 戦闘後、改めてプリキュア一同も、連合軍の仲間として加わることが決まり、戦力増強に繋がった。 「…ところでさ……。」 ふと、ここでみさおが手を挙げた。 「君たち一体…、誰!?」 彼女が指差したのは、それぞれイエローマスク、ピンクマスク、ウルザードとして戦闘に介入したイクスヴェリア、エルス、ファビアの3人。 その言葉に、三人は目を見合わせ、まだ名乗っていないことに気が付いた。 「すみません。改めて自己紹介します。私はエルス・タスミン。チームレンジャーズストライクのメンバーです。」 「チームレンジャーズストライク、ファビア・クロゼルク。」 「同じく、チームレンジャーズストライクのメンバー、イクスヴェリア・エンリュウインと申します。」 その名乗りを受け、カンナ、角田、ちひろ、みさお、あやの、ザフィーラ、リーゼロッテは、アキッキーの関係者であると言うことを理解した。 「……………………ん!!!???」 ……と、ここでちひろが何かに気付いた。 「ちょっと待て!」 『!!??』 思わず大声でストップをかけるほど、ちひろは取り乱していた。 「お前…、“イクスヴェリア・エンリュウイン”と名乗ったか!!??」 「はい、確かに。」 それにカンナが首を傾げる。 「…?それがどうかしたのか?」 「お前のファミリーネーム…、アキッキーさんと同じではないか!!!」 『!!!!!!!!!』 その言葉でシードピア連合一同はようやく気が付いた。 アキッキーの本名は“アキヨシ・エンリュウイン”。 その彼と同じファミリーネームと言うことは……! 「はい。私は“アカレッド”ことアキヨシ・エンリュウインの義理の妹なのです。」 『ええええええぇぇぇぇぇぇっ!!!!!?????』 この言葉にはプリキュアを含めたシードピア連合一同が驚愕してしまった……。 「シードピアの皆さん、我が兄上がお世話になっております☆」
---to be continued---
(久々の登場を終え楽屋に戻ったアキッキー。) アキッキー「ふぃ〜、さて、次の出番まで時間があるから台本の確認、確認ッと。」 ―――ドタドタドタドタドタドタドタ……!!!! ―――バンッ!!!!!! (突然扉が開きトーマとアイシスが飛び込んでくる。その後ろにコースケも…。) アキッキー「!?…トーマ!?アイシス!?それに、チーフも!?」 トーマ「アキッキーさん、出番ですよ!!」 アキッキー「えっ?ボクの出番って、もう少し先じゃあ・・・・・?」 トーマ「違いますよ!!」 アイシス「私たちや才人さん達が登場する“番外編”の収録です!!」 アキッキー「!!!!!??????」 コースケ「既にゲスト出演者も集合済み。後はアキッキーがくればすぐに出来るよ!」 (笑みを浮かべるコースケの手元には、“特別短編”の文字が入った台本が…。) アキッキー「・・・・・・・・、マジ?」 トーマ「はい!!」 アイシス「もちろん!!」 コースケ「マジで。」