Phase163 フュージョンワールド・パニック 〜Research No.8:世界を守るは天使の使命!〜
長門のマンションエリアや風車の塔が聳えた場所とはまた違うところの、メディアステーション市街地某所。 「これは一体…。」 「どういうことでしょうか…!?」 そこに一足先に到着していたのは、S.C.チームのエリカ・フォンティーヌと北大路花火だ。 しかし、いざ来てみればそこも亜空軍の影響のせいで大混乱必至の状況と化していた。 …と言うのも、その市街地エリアは、先刻の“ミッドチルダの近未来的な建物”や“戦国時代の日本”や“三国志の世界”、さらには“14世紀ごろの西洋の建造物”などが入り乱れた、混沌としたフィールドになっていたのだ。 「おいてめぇ!一体コイツはどういうことだ!!!」 「それはこちらの台詞です!」 「何だと、喧嘩売ってんのか!!??あ゛ぁ゛!!??」 しかもそれらの世界の住人であろう一部の一般人すらも紛れ込んでおり、最早、現在のシードピア連合では到底収拾できない事態になりつつあった…。 「エリカお姉ちゃん!」 「!」 背後から聞こえた幼げが残る女の子の声。 振り返ると、ステラ、スティング、アウル、そしてなのはを初めとしたマジレンジャーチーム、さらにはゴセイナイトの姿があった。 「皆さん!」 「これを見てください!」 全員が視線を向けると、最早時代設定すらも度外視したごちゃ混ぜの商店街となっていた市街地に、呆然としてしまった。 「これって…、どういうこと…!?」 「…ミッドチルダがメディアステーションと混ざった言うんは、さっきゴセイナイトから聞いとったけど…。」 「確実に、見慣れない建物もあるわね……。」 「きゃああぁぁぁっ!!!」 「うわあぁぁぁぁっ!!!」 『!?』 真上から悲鳴!? 思わず全員が見上げると、真上から人が落ちてくる! 「いかん!!」 ゴセイナイトは1枚のゴセイカードをセットする。 ―――2・0・2+ENTER 「“スプリングランド(SPRINGROUND=SPRING+GROUND)”カード・天装!」 [EXPROSION、KNIGHTICK POWER] ―――ボヨン、ボヨン! 一瞬だけ地面をスプリングのバネのように弾ませる“スプリングランド”の力で、落ちてきた人物たちは怪我をせずに済んだ。 「……!?」 しかし、よくよく見るとその落ちてきた人たち、これまた見慣れぬ人物だった。 ・銀色の甲冑に身を包み、自身の身長と同じくらいの大きな剣を持つ、金色の長髪の青年。 ・トンファーに似た武器を両手に持つ、エリカや花火と同じくらいの年齢の女の子。 ・全身が緑色の、亜空軍の怪人かと見紛うほどの姿のモンスター。 異色にもほどがあると思わんばかりの顔ぶれに、案の定、全員が首をかしげた…。 もちろん、落ちてきた3人も、自分たちが今置かれている状況が理解できないと言う理由で、困惑していた…。 「ウッキイィッ!!」 ―――バキッ! 「うわあぁぁぁぁっ!!!」 『!!??』 いきなり人の悲鳴が聞こえ、視線を向けると、炎と氷をそれぞれ模した服を着た2匹の猿と手裏剣に似た仮面をつけた怪人、そしてカマキリを模した女怪人が現れていた。 「ゲラッパゲラッパ♪マゲマゲ♪」 その後ろには、ラップを歌いながら後に続く戦闘兵と思しき大量の忍者たちが控えていた。 「だ、大丈夫ですか!?」 「あぁ、すまぬな…。」 「うん、ありがとう…。」 そして、彼らに追われる形で現れたのは恰幅のいい白衣の男性と、自分たちよりも幼い少年、そして二人の仲間と思しき、変わった形状のロボットだった。 (あれは…!まさか!?) その一行の姿を見て、我が目を疑ったのがゴセイナイト。 彼らもここにたどり着いてしまったと言う想定外の事実に、驚きを隠せなかったからだ。 「な、何だあの化け物は!?」 「に、に、に、逃げろおおぉぉぉ!!!!」 ―――うわああぁぁぁぁぁぁ!!!!! ―――きゃああぁぁぁっ!!!!! そして、この異形の存在を目の当たりにした一般人たちは、案の定、彼らに怖気づき、一目散に逃げ惑った。 「ユーノ君、みんな!」 「お前たちが先陣を切れ!」 「はい!」 なのはとシグナムに後押しされ、ユーノたち6人が前に出る。 『魔法変身!マージ・マジ・マジーロ!!』 6人はマージフォンを使い、マジレンジャーに変身した。 「スティング!アウル!」 「おう!」 「分かってるよ!」 ステラ、スティング、アウルも、彼らの隣に並び、ゼクターを召喚する。 「「「変身!!!」」」 ――Henshin!!! 変身後、即座にマスクドアーマーを脱着、ライダーフォームとなった。 「ぬ!?シードピア連合とやらは貴様らか!?」 ふと、忍者の怪人がユーノたちに気付いた。 「しかも、その中で真っ先に現れた“新世代のマジレンジャー”か。」 「こいつぁやり応えがありそうだな…!」 炎と氷の猿も、敵となるシードピア連合の姿を見据え、気合を入れる。 「ガガ、ゲゲルボザジラシザ!(さあ、ゲゲルの始まりだ!)」 カマキリ型の女性怪人も理解不能の言葉で相手を挑発する。 「「「マゲラッパ!やれ!!!」」」 「ゲラッパ!」 “マゲラッパ”と呼ばれた戦闘員たちが一斉に武器を構えて迫っていき―――。 「“マジ・マジュナ”!」 マジマザーのマジスティックが輝いた。 「ホワイトブリザード!!!」 いきなり猛吹雪が起こり、一気にマゲラッパたちが凍りついた。 「ジルマ・マジ・ジジル!!」 マジイエローは固有移動アイテム“スカイホーキー”を召喚してまたがり―――。 「ジー・マジカ!!」 マジグリーンはマジスティックで地面から蔓を召喚、それにつかまった。 「グリーングランド・トルネード!!!」 「ローリング・イエローサンダー!!!」 そして、大地の竜巻で氷を砕くと同時に、上空から黄色い稲妻弾丸が連続発射され、大ダメージを受けてしまった。 「ブルースプラッシュ!」 「ピンクストーム!」 続いてマジブルーとマジピンクの同時攻撃で怯ませ―――。 「「「クロックアップ!!!」」」 ―――CLOCK UP!!! 仮面ライダーたちの超高速移動で追撃。 「レッドファイヤーフェニックス!!!」 ―――ドガアアァァン!!! 仕上げにマジレッドの炎の不死鳥で大打撃を与え、あっという間にマゲラッパは全滅した……。 「げ……!」 「マジかよ……!」 猿型怪人の二人が呆然とする一方で、忍者怪人は冷静に今の様子を分析する。 「真っ先にスーパー戦隊として覚醒した故に、こやつらはその力を一番に使いこなしているようだな…。だが――――。」 そう区切って、忍者怪人はさらなる戦力を取り出す。 「これならどうだ!?」 [KAIZIN RIDE、“OMEN-NAKIWAMEEKE”] カイジンライドのカードを使って召喚したのは、狐の面を被り、風呂敷で体を包んだ大型の怪物だった。 「ナキワメーケェェ!!!」 「ななな、なんやねんそいつは!!」 しかもその怪物、明らかに自分たちよりも身長が10倍はあったために、こんなのは反則だと言わんばかりに、はやても突っ込みを入れざるを得なかった。 ―――バサッ! さらに驚くは、その怪物の風呂敷の下に大量のお面が貼り付けられていたのだ。 ふと、そのお面の目が輝いた瞬間――――。 ――――ドッカアアアァァァァン!!! 『うわあぁぁぁぁっ!!!!』 『きゃああぁぁぁっ!!!』 いきなり無数のビーム攻撃で一気に吹き飛ばされた。 「「宇宙忍法・氷炎爆裂弾!!!」」 ―――ズドドドォォォンッ!!! そこに二体の猿―――ヒザールとブリザールの忍法攻撃でマジレンジャーたちを追い討ち。 「邪忍法・影分身!!!」 一方ステラたちは、行動隊長・邪忍イーガの分身に翻弄され―――。 「ハアッ!!!!」 ――――ズドドドドッ!!!! 「「「うあああぁぁぁぁぁ!!!!!!」」」 ――――キュウゥゥンッ!!!!! カマキリ型女性怪人、メ・ガリマ・バの攻撃で一気に畳み掛けられたことによってダメージレベルの限界を超え、ライダースーツのシステムの維持が出来なくなってしまった。 たまらず、ザビー、ドレイク、サソードのゼクターたちが自発的に変身を解除して避難する。 「ぅ、ぅぅ、っ…!」 「ぃ、てぇ……!!」 「くそ…っ…!」 ダメージが予想以上に大きく、立ち上がることの出来ない3人に、ジリジリと近寄る怪人たち。 ―――バキュンバキュンバキュンッ! 「「!?」」 そこに突然レーザー光線が飛び込んできて、怪人たちを怯ませる。 ――――ヒュッ! さらに弓矢が飛んできたかと思いきや―――。 ―――ババババババババ!!!!! マシンガンの連射が間髪いれず入ってきた。 『!?』 ステラたちが後ろを振り向くと、レオンレイザーを構えたゴセイナイトと、マシンガンを構えたエリカ、さらには弓矢を構えた花火がいた。 「これ以上は好きにさせませんっ!」 エリカのその言葉と共に、3人はステラたちの前に並んだ。 「ビガラサ、バセサビガバサグビバ(貴様ら、我らに逆らう気か)?」 「フン、ゴセイナイトならばまだしも、貴様ら小娘どもは何の力も持っていないではないか。」 ―――シャキンッ! イーガが突然刀を取り出してエリカに斬りかかろうとしたが―――。 ―――ピタッ 「!?」 その刀がエリカの頭に当たる寸前でとまった…!? 「な、何だ…!?何か、見えない壁が……!!!」 いや、イーガの話を察する限り、“何かに阻まれている”…!? ―――カッ!!! ―――ドオォンッ!!?? 「「ヌオッ!!??」」 エリカの目が突然光ったかと思ったら、衝撃波が同時に起こり、二人はその攻撃をまともに受けて後ろに弾き飛ばされてしまった。 「な、何が起こった!?」 イーガもこればかりは予想外の事態で困惑せざるを得ない。 「!?」 その様子を遠くで見ていたなのはは、何かに気付いていた。 (あの輝き…、お兄ちゃんやお姉ちゃんと同じ力…!?) なのはには見えていた。 エリカと花火の体に輝く赤色と紫色のオーラのような輝きを……! それは紛れもなく、“霊力”だったのだ……! 「たとえ何も力がないとしても…!」 「私たちは決して後には引きません!」 その彼女らの勇気に心を打たれたステラたちも、力を振り絞って立ち上がる…! 「スティング…、アウル…!ステラたちも、負けられない…!!」 「あぁ、分かっているぜ…!」 「こんなところで、死ぬわけにはいかないからなぁ……!!!」 傷だらけの体を起こし、3人はエリカたちの傍に並ぶ。 「皆さん、私たちの諦めない心を見せてあげましょう!」 「はい!」「うん!」「「おう!」」 ―――ピカアァァァッ!!!!! 『!!!???』 そのとき、5人の頭上でこれまで以上の眩い光が発せられ、ゴセイナイトとエリカたちがその光に包まれた…。 『…!?』 光に包まれた一同は、まるで雲の上に立っているかのような幻想的な空間に立っていた。 そこに5つの羽がひらひらと舞い降りてきた。 エリカたち5人は徐に、その羽を手に取る。 すると、その羽は瞬時に―――。 <TENSOUSENTAI GOSEIGER “GOSEIRED”> <TENSOUSENTAI GOSEIGER “GOSEIPINK”> <TENSOUSENTAI GOSEIGER “GOSEIBLACK”> <TENSOUSENTAI GOSEIGER “GOSEIYELLOW”> <TENSOUSENTAI GOSEIGER “GOSEIBLUE”> 5枚のレンジャーカードとなった。 いや…レンジャーカードとは…少し違う!? 「これは…!“ゴセイカード”!!!???」 そう、それはゴセイナイトも普段使っている天装術の必須アイテム・ゴセイカードだったのだ。 「まさか…、お前たちが新たなゴセイジャーに!?」 「『その通りだ、ゴセイナイト。』」 『!!!』 そこに現れたのは先ほど追われていた男性と少年とロボット。 「!!あ、天知博士!望(ノゾム)!それにデータスも!!」 「はいです。ゴセイナイト、お久しぶりです。」 天知親子とデータス―――。 それは、かつて天装戦隊ゴセイジャーと苦楽を共にしてきた仲間。 天知親子は彼らの居候先である天文研究所に住む親子、そしてデータスはルヴェラの天上世界・護星界のサポートロボットなのである。 …と思いきや、天知博士は光に包まれその背後に顔面像のような姿の存在が現れた。 「“マスターヘッド”、ご無事でしたか。」 マスターヘッド――――。 ルヴェラの天上世界・護星界の長であり、ルヴェラの5人の神に並ぶ力を持つ偉大な存在。 そして、データスとゴセイナイトが仕えるべき、主でもある。 現在、そのルヴェラが亜空軍の攻撃に見舞われているため、危険を察知したマスターヘッドは、かつて自身の体と同化することを了承し、護星天使たちの戦いを陰で支えた天知博士の体の中に、その力を避難させているのだ。 「ゴセイナイト、そなたのいる世界…シードピアで次々と新たな後継者が現れている。そして、今このとき、新たな護星天使の後継者が見つかった。」 マスターヘッドの言葉と共に5つの光が現れ、それが5人の若者の姿となる。 「アラタ!エリ!アグリ!モネ!ハイド!」 望が喜びの声を上げる。 その若者たちは、かつてゴセイナイトと共に戦った護星天使たち―――先代のゴセイジャーだった。 名を呼ばれた5人は、まずは望の姿に視線を向け、赤いジャケットを着た青年――アラタが姿勢を低くする。 「望、元気にしてた?」 「うん!」 「少し、背が伸びたかな?」 「あぁ。あのときより凛々しく見える。」 エリとハイドも、懐かしい仲間の成長を喜んでいた。 「俺たちのいない間も、よく頑張ってたな!」 「うん!強くなったよ!」 アグリとモネも彼の今後の成長を期待しているようだった。 「データス、天知博士、久しぶりです。」 「うんうん、また会えて嬉しいですよ。」 「はいです。」 そんな束の間の再会を終え、改めてエリカたちに視線を向ける。 その視線は真剣だった。 「みんな、君たちの“諦めない”と言う強い意志、俺たちの心にも届いたよ。」 アラタの言葉を皮切りに、4人がその気持ちを言葉にする。 「命続く限り、希望を生きる。みんなのその心はあたしたちにも伝わったわ。」 「大地のように揺るがない決意、俺たちの力の源を、既に受け継いでいたんだな。」 「人間たちが夢見る平和、亜空軍なんかに絶対に邪魔させたりしないでよ!」 「お前たちが、俺たちの希望を未来へ繋ぐと信じたからな。」 世界を守った護星天使の伝説は、今ここに受け継がれる…。 「さあ、今こそ、俺たちの力を受け継ぐとき!」 ―――煌めくスカイックパワー!!! ―――猛るランディックパワー!!! ―――冴えるシーイックパワー!!! 五色の天使たちの力がエリカたちに宿り、その手には、人面型のアイテム・テンソウダーが握られた。 光が消え揃い立つ5人。 「…な、何が起こった!?」 「「「!?」」」 怪人が困惑する中、5人は叫ぶ!! 「「「「「テンソウダー!」」」」」 ―――ガチャッ! <ガッチャ!> 「「「「「“チェンジカード”!天装!!!!!」」」」」 ―――ガチャッ! <チェンジ!“ゴセイジャー”!> レンジャーカードが変化した“ゴセイカード”を“テンソウダー”へとセットした瞬間、5人の背中からまるで天使のような翼が現れ5人を赤、桃色、黒、黄色、青のスーツが纏われた。 さらにエリカと花火のスーツには天使の輪と羽根、スティングとステラのスーツには花、アウルのスーツには波を模したと思われるマークがスーツの胸に描かれ、最後に5人にそれぞれドラゴン、不死鳥、蛇、トラ、サメが横側にデザインされたメットが装備された。 「嵐のスカイックパワー!ゴセイレッド!!」 ドラゴンの形状になったメットをかぶった赤い戦士となったエリカが勇ましく名乗る。 「息吹のスカイックパワー!ゴセイピンク!!」 側頭部が不死鳥を模したメットを着けたピンクの戦士となった花火が勇ましく名乗る。 「巌(いわお)のランディックパワー!ゴセイブラック!!」 側頭部が蛇を模したメッドをつけた黒い戦士となったスティングが力強く名乗る。 「芽萌(めぐみ)のランディックパワー!ゴセイイエロー!!」 側頭部が虎を模したメッドをつけた黄色い戦士となったステラが凛々しく名乗る。 「怒濤のシーイックパワー!ゴセイブルー!!」 側頭部がサメの形状になったメットを持つ戦士になったアウルが決める。 「星を清める宿命の騎士!ゴセイナイト!!」 最後に、隣に並んだゴセイナイトが凛々しく名乗りを挙げた。 「世界を護るは天使の使命!!」 「「「「「「天装戦隊――!!!!!!」」」」」」 ―――ゴセイジャー!!!!!! 新生ゴセイジャーの参戦により形勢は一転! シードピア連合軍の士気が上昇した。 「小癪なぁ!」 新たな戦隊の覚醒にも怯まず、亜空軍が突撃を開始した―――。 ―――ジー・マジカ!!! ―――ゴオオオォォォォッ!!!! ―――ドカドカドカドカドカドカァン!!! 『グオオォォッ!!!??』 そこに不意をつかれた魔法攻撃が。 放たれた方向を向くと、そこにいたのは――――。 「え!?小津家の皆さん!!!???」 何と、ユーノたちに自分たちの力を授けた小津一家が勢ぞろいしていたのだ。 この展開に全員がビックリ仰天。 しかし、よくよく考えてみれば、今回の一件でミッドチルダがメディアステーションと混合してしまったのだから、そこに住んでいる彼らがここに現れる可能性もなくはなかったのだ。 「みんな、大丈夫!?」 「はい!」 思わぬ最大級の援軍に、さらに連合軍の士気が上昇していった。 「なのはちゃん、忘れ物!」 ―――ヒュッ そこに、ヒカルからなのはに渡されたのは、彼が愛用していた魔法のランプだった。 「こ、これ…“マジランプ”!?」 「スモーキーの力をその中に集約させた、君専用のマジランプだ。」 「はい!ありがとうございます!」 強力アイテムを受け取ったなのはは、一先ずそれを真上に放り投げ―――。 「ゴール・ゴル・ゴルディーロ!!!」 マジシャインに変身し、再びマジランプをキャッチ。 「マジランプバスター!」 ―――キュッキュッキュッキュッ! ランプを拳銃形態に変形させ、ランプを4回こする。 そしてトリガーを引くと―――。 ―――バキュゥゥンッ!!! 金色のホーミングボールが無数に発射され、怪人たちにクリーンヒット。 「ぬごっ!!??」 その攻撃に怯んだスキに―――。 「「はああぁぁぁぁっ!!!」」 「グオオォォッ!!」 ―――ズガガガッ!!! 「「「「ぐああああっ!!!??」」」」 亜空間から迷い出た謎の3人が一気に詰め寄って追加ダメージを与える。 「“アイストップ”カード、天装!」 <スプラッシュ!シーイック・パワー!> ―――カチカチカチ…。 そこにアウルの天装術がかかり、怪人たちが氷付けにされた。 「「“コンプレッサンダー”カード!」」 「「“スパークェイク”カード!」」 「「「「天装!!!!」」」」 <スパーク!スカイック・ランディック・パワー!> ―――バリバリバリバリ!!!!! 残りの4人が雷撃攻撃で大ダメージを与える。 「ゴール・ゴル・ゴル・ゴルディーロ!!」 そしてウルザードファイヤーに変身したシグナムが、さらに追撃! 「マージ・ゴル・ジー・マジカ!!“ブレイジングストームスラッシュ”!!!」 ―――ズバッ!!!! 「「「「うがあああぁぁぁぁっ!!!!」」」」 一気に追い込まれる怪人たち。 [SUMMON BULCAN HEADDER] 「バルカンヘッダー、レオンセルラー、セット!」 ゴセイナイトが“ダイナミック・レオンレイザー”を構える。 『アセンブル!ゴセイバスター!』 そこにゴセイジャーたちも、各々の“ゴセイウェポン”を合体させた大型バズーカを構える。 「「煌めくスカイックパワー!!!」」 「「猛るランディックパワー!!!」」 「冴えるシーイックパワー!!!」 「断罪のナイティックパワー!」 エネルギーはチャージされた。 「パニッシュ(バニッシュ)!!」 <ゴセイダイナミック> <KNIGHT DYNAMIC> 『ぎゃあああぁぁぁぁ!!!!』 最後はゴセイジャーのゴセイダイナミックとゴセイナイトのナイトダイナミックが同時に炸裂した。 「む、無念…!!!」 イーガの一言を最後に、怪人たちは爆散した。 ――チェックメイト!!! 最後はマジレンジャーのお決まりの台詞で締めくくられた。 ―――シュバアアァァッ!!! ―――ドサドサドサッ!!!! メディアステーション・メインエンジンルーム付近、そこに突如として現れた一件の店。 その看板には、“ジョーキゲンズ”と言う文字が書かれていた。 そして、その店と共に転移してきた3人の少年少女たち。 「いたたた……。」 「もう!一体何なのよ!?」 「ぅ、っ……、桐乃、黒猫、大丈夫か!?」 「うん、京介!」 どうやら腰を強く打った程度で済んだようだ。 ――――ウイイィンッ!!! 「「「!!!」」」 そんな3人の背後から聞こえた機械的な声。 恐る恐る振り向くと―――、 大量のアーナロイドがいつの間にか迫ってきていた―――!!!!! 「うわああぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「「きゃああぁぁぁっ!!!!!」」 「3人とも、伏せて!!!!」 「「「!!??」」」 ピンチに立たされたと思いきや、背後から女性の声が聞こえ、思わず全員がその言葉に従い、その場に伏せた。 「くらえ、“ハイパービームキャノン”!!!!」 ――――ズドオオオォォォォンッ!!!! 『ウイイイィィィンッ!!!???』 ――ドガアアアアァァァァァン!!!! 次の瞬間、極太ビームが放たれ、京介たちの前に立っていた無数のアーナロイドがあっという間に一掃された…。 「……!!??」 攻撃が止んだことを感じた一同は視線を上げると、一気に敵が片付けられたことに驚愕した。 「3人とも、大丈夫!?」 「はい、ありがとうございま……っ!!!???」 お礼を言おうとして振り向いた瞬間、さらにビックリ。 後ろに立っていたのは、真っ白なロボットのコスプレをした女性の姿だったのだ。 「ちょ、しょこたん店長!!??」 「あら?黒猫ちゃん!?」 「「え?顔見知り!!??」」 ……こちらはこちらで色々なことが起こりすぎているようで……。 <“タイム”、プリーズ> そんな彼らとはまた違う別の場所で、聞きなれない音声が聞こえ、見慣れない魔法陣が展開された。 その中から現れたのは、赤いバイクに乗った一組の男女。 左手に指貫グローブをし、両手の中指に指輪をはめた青年と、彼の相棒と思しきピンク色のセミロングの髪の少女である。 「どうやらついたようね。」 「あぁ、間違いない。“融合状態のメディアステーション”だ。」 既に世界が融合を開始していることを知っているこの二人。 先ほどの魔法陣といい、明らかに普通の人間ではない。 「早いところ急ぎましょう!この瞬間にも、亜空軍が…!」 「分かってるって!飛ばすぞ!」 エンジンをふかせ、亜空軍のところへと急ぐ二人。 その正体を知るものは、誰も居るはずが無い……。 知らず知らずのうちに、この“フュージョンワールド・パニック(融合世界の混乱)”、次元時空の枠すらも超えた風雲急を告げていた……!!!
---to be continued---