Phase162 フュージョンワールド・パニック 〜Research No.7:激戦必至!先生戦士、大爆発です!!〜
小さな世界で困惑する大きな戦い―――。 各エリアでミッドチルダのプリキュアたちが見つかる中、全く見知らぬ乙女たちも発見されると言う予想し得なかった流れも現れ始めていた……。 ―――ゴオオオォォォォォォォ!!!! メディアステーションの通路内を疾走する七つの影。 “スライダーマシン”を操るハルヒたち“チームディプレッション”と、“タイムフライヤー”に乗り込んだコースケたちだ。 「ひゃっほう!気持ちいい!!!」 「これ凄いなぁ…!」 戦闘中とはいえ、久しぶりの爽快感を味わうハルヒと、“スーパー戦隊”のマシンの凄さに驚くコースケ。 ちなみに、タイムフライヤーの操縦桿は聖夜が握っており、コースケはその真後ろ、タイムフライヤーの尾翼部分につかまっている。 その“タイムフライヤー”には、新生タイムレンジャーたちに加えて、なぜか人影がもう一人…。 「みんな!もうすぐだよ!」 それはなんと765プロ所属のボーイッシュアイドル・菊地真(きくち・まこと)だった。 …というのも、アキッキーたちと別れてから間もなく、自分も手助けをしたいと申し出てきて、研究施設までの道案内を頼んだのだ。 ちなみに真は聖夜にしがみ付く形になっている。 「あれだ!ストオオォップ!」 ―――キキイイィィィッ!!!! 全機、真の叫び声に反応して急ブレーキ。 ―――ビュンッ!!!! 「「「「うわあぁぁぁぁっ!!!!」」」」 ―――ズドオォォォンッ!!! 「っ!!??」 「だあぁぁ!」 「うわっ!!?」 「きゃあぁっ!!???」 ―――ドンガラガッシャ〜ン!!! 「「え?」」 「「「あ…;」」」 しかし、その反動でタイムフライヤーの両端にいたレニ、織姫、翼、理来の4人が吹き飛ばされ、前を飛んでいたキョン、古泉、みくる、長門の4人に衝突する玉突き事故を起こしてしまった。 「やべぇ…、やっちゃった…。」 思わず聖夜が言葉を漏らす。 タイムフライヤーが着陸する前にコースケが飛び降り、キョンたちのところへと急ぐ。 「み、みんな、大丈夫…?」 「「「「「「なわけないでしょ(だろ)!!!!!!」」」」」」 「…だよね;」 戦闘開始前に余計なダメージを受けてしまった8人。 でも元はと言えば聖夜の急ブレーキに原因がある。 「みんな!」 「!?」 そこに合流してきたのは、ティアーズの移動アイテム“ホバーボード”に乗ってきたてれび戦士の杏奈とレイシー兄弟、それを貸してもらっていたS.O.S.フォースのひより、パティ、ノエル、ファリン、そしてラリーに跨ってきたS.C.のジェミニとさくらだ。 ちなみにひよりたち4人は、てれび戦士たちから事の次第を耳にし、自分たちも手助けをしたいと申し出てきたのだ。 「杏奈先生!みんな!どうしてここに!!??」 「メディアステーションの大異変をあたしたちも知ったばかりだったから、手伝えることがないかと思って駆けつけたの。」 歴史学者といえど、“虹の勇者”の末裔と言うこともあってか、行動力もあるようだ。 「それで、このメディアステーションの大騒ぎは一体…!?」 ドクターレイシーの言葉を、コースケとハルヒが簡単にまとめる。 「ただ一つ言えるのは、“亜空軍のせいでメディアステーションとミッドチルダがごちゃ混ぜになった”と言うことだ。」 「アキッキーが言うから、間違いはないわ。」 それを聞き、全員が目を見開く。 「俺たちはそれを受けて、各所の調査に乗り出したんだ。」 「その調査がてら、ミッドチルダの戦士たちを連合軍に加えようって魂胆だ。」 「なるほどね。」 ―――ドカアアァァンッ!!!! 『きゃああぁぁぁっ!!!!!』 『!!!???』 傍にあった研究施設エリアの扉の向こうから聞こえてきた爆発音と大きな悲鳴。 明らかに女の子の声だ! 「扉の奥に幹部怪人反応4体、それに戦闘員反応多数。」 ヒューマノイドという存在ゆえか、扉の奥の怪しい反応には敏感に察知した長門。 しかし、そのおかげで次にやるべきことがすぐに浮かんだ。 「突入を強行するぞ!」 『おう!』 アトミックパルスランチャーを構えたコースケの一言で全員が戦闘準備に乗り出した。 変身が解けて光のワンピース姿となっていたプリキュアの4人。 その前に立ちはだかるのは、大量の幼生ワーム軍団と、それを率いる3体の鬼の怪人、そして彼らを指揮するタコの姿の怪人。 「ヒヒヒヒ……、変身が解けたようだな。」 「プリキュアも所詮は人間と同じか…。」 「弱い、弱すぎるぜ!」 「お前ら、一気に終わりだ!」 復活を遂げたことによってその力は格段に上がっていた。 ダメージを受けてピンチを迎えたプリキュアたちのところへ、ジリジリと幼生ワームたちが迫りくる…! ―――ドカアアァァンッ!!!!! 『!?』 「何!?」 突然、通路への扉が破壊された……と思いきや―――。 ―――ブワッ! 『ヴァーチェックランチャー!!!!!!』 「「“タネガシマ”!!」」 「UWFブラスター!!!」 ―――ズドオォォォンッ!!!! 九つの影が現れて幼生ワームたちの大半が一気に蹴散らされた。 「皆さん、捕まってください!」 「「「「!!!」」」」 ―――パシッ さらに両サイドから合計4つの影が急速接近し、プリキュアたちの手を掴んで、その場から退散。 「「レインボーサーベル!!!」」 ―――ズバズバズバッ! 続いて二人の少年少女が幼生ワームの中に入り込み、虹色のレーザーサーベルを使って次々と切り裂く。 ―――ゴオオオォォォォッ!!!! そこに小型の白い戦闘機が介入し、急上昇したかと思ったら―――。 「行くぜ!“タイムフライヤー”!!」 「「オールキャノンブラスト!!!!」」 ―――ズドドドドドドッ!!!!! ―――ドカドカドカドカドカドカァン!!!!! 一気に急降下しながら全砲門を解放して一斉射撃し、残りの幼生ワームを排除した。 「何だと!!??」 「あのワームたちを、たった十数秒で!!??」 幹部怪人たちは、強襲を受けたとはいえ、これほどスピーディに戦闘員たちを排除させられたことに驚きを隠せなかった。 「よし!全員集合!」 そこに声をかけた一人の男。 先ほど扉を破壊したコースケだ。 彼の呼びかけで全員がそこへと集合する。 もちろん、助けられたプリキュアたちもそこに連れられた。 その一団の姿を見たタコ型の怪人、状況を察した。 「なるほど…、貴様らがシードピア連合か。」 「我ら亜空軍に楯突くとは、大した度胸だ。」 「だが、俺たちもここを邪魔されて黙っているわけには行かない!」 「全くだ。折角プリキュアを甚振れるチャンスだったのに。」 その言葉を聴き、コースケとハルヒは僅かに目を見開く。 「「!?…プリキュア…!?」」 思わず二人は振り向いて、光のワンピースを纏う4人の少女を見つめる。 そして、同時にそれぞれの共通デバイスで“例のデータ”を確認する。 「なるほどね。そういうこと。」 ――ポイッ ハルヒが納得した表情になり、いきなりエクシアストリガーを後ろに放り投げた。 それを、ピンク色の光のワンピースの少女が無意識にキャッチする。 そのとき、エクシアストリガーの画面に映っていたのは―――。 「えっ!!??これって……!!!」 思わず他の3人もその画面を見つめる。 そして、同じように驚いた。 「ちょっと、この写真って…!」 「“ディメンショントレイン事件”の後の集合写真…!!」 紫色の光のワンピースの女性が、その驚きの目をハルヒたちに向ける。 「なぜあなたたちがこの写真を…!」 その答えはキョン、織姫、レニの言葉を聴けば、至ってシンプル。 「そりゃ当然だろ?」 「あたしたちはアカレッドの戦友デース!」 「ボクたちは、彼から譲り受けた五色の力の伝承者なんだから!」 「「「「!!!!」」」」 そして、3体の鬼の怪人たちも、その言葉を聴いて大方を察した。 「なるほど、“スーパー戦隊”がこの世界に集まってきているのは本当だったのか…!」 「そうと分かれば生かしておけぬ!」 「この宇宙ステーションごと貴様たちを葬り去ってくれる!」 「そうはさせないわ!」 『!?』 杏奈が鬼たちの言葉を切り捨てる。 「確かにこの世界に大きな力が集まっていることはあたしにだって分かるし、憧れることもある。だけど、あたしたちは決してそれに頼りすぎたりはしないわ!」 その言葉にジェミニとさくらが続く。 「ボクたちの住む世界は、ボクたちの手で守る!それがボクたちの誇りだ!」 「あなたたちみたいに、自分たち以外の存在を見下したり、侮辱したりする行為は、断じて許しません!」 「へっ、ほざいてろ!人間は群れなきゃ戦えないくせに!」 タコの姿の怪人の口から発せられた、相手を見下す言葉。 「言ってくれますねぇ…。そう言うあなたたちも、戦闘員たちと群れて戦っていたではないですか!」 「それを別物だとは言わせませんよ。」 ドクターレイシーとファリンが彼に反論すれば―――。 「もしそれを捨て駒と言うなら、それは君たちが自分の力を過信しているからだ!」 真もそれに続く。 そして、ジェミニと杏奈の言葉に続き、10人が啖呵を切る…! 「そんな自己中心的な奴は、絶対に許さない!」 「あんたたちのような奴は、あたしたちが―――!!!」 『全力で打ち倒す!!!!!!』 ―――ピカアァァァッ!!! 『!!!』 「うおっ!!??」 すると、その覚悟と決意に呼応したのか、10枚のレンジャーカードが一斉に飛来し、それらが彼らの体に宿った。 「正義の嵐を呼んだ勇者たち!」 「お前たちの怒りの爆発は確かに見届けた!」 「その胸に滾った勇気を、明日の希望へつなげてくれ!」 「未来の子供たちに、その思いを伝えるために!」 「私たちの大いなる力を、あなたたちに託すわ…!」 守護霊の如く現れた5人の影。 その存在の正体はもはや、言うまでもない。 「お前たちこそ、俺たちの思いと力を受け継ぐ、新たな“兄妹”だ!」 「君たちの心に輝く虹の架け橋こそ、愛と勇気の証だ!」 「その“愛”と“勇気”こそ、俺たち一人一人が心に持っているナイフなんだ!」 「それがあるからこそ、私たちは戦士として戦い続けることが出来る!それが、生きている証なのよ!」 「その心で必ず守り抜くのよ。あなたたちの大切な人の未来を……!」 ルヴェラを守ったレンジャーズソウル―――。 その五色の輝きは、彼らに受け継がれた。 その証として、ジェミニ、真、ひより、パティ、さくらの手に変わった形状のブレスレットが装備され、 レイシー兄弟にはブレス、杏奈とエーアリヒカイト姉妹には変わった形状のペンダントが装備された。 「こっ、ここに来てスーパー戦隊が覚醒しただと!!??」 「ま、まずい!」 <KAIZIN RIDE、“SUIDOU-UZAINAR”> 状況の悪化を見込んだタコ型の怪人は、カイジンライドカードを使って、水道をモチーフとした大型怪人を召喚した。 激戦の準備が整ったようだ。 ふと、ハルヒとキョン、コースケと聖夜が、プリキュアの4人に目を向けた。 「あんたたち、まだ戦えるわよね?」 そう言って差し出された手。 “一緒に戦おう”とも取れるその言葉と行為、彼女たちの答えは決まっていた。 「…もちろんです!!」 ピンク色のワンピースの少女――花咲つぼみが、ハルヒの手を握り返して立ち上がる。 「そうこなくっちゃ!」 「私たちだって、諦めていないんだから!」 「そうね、頑張りましょう!」 来海えりか、明堂院いつき、月影ゆりも、シードピアの戦士たちに背中を押され、コースケ、聖夜、キョンの手をとって再び立ち上がる。 4人のプリキュアを先頭に、両サイドにジェミニたちと杏奈たち、その背後にはハルヒたちとコースケたちが並んだ。 「よぉしみんな……、変身だぁっ!!!!!!」 『おぉっ!!!!!!』『オッケー!!!』『はい!!!』 『ダイナマンッ!!!!!』 『ファイブマン!!!!!』 『インストール!!メガレンジャー!!!!!!』 「「「「「クロノチェンジャー!!!!!」」」」」 「タイムファイヤー!!!」 「「プリキュア・オープンマイハート!!!!」」 26人が光に包まれ、その姿は雄雄しき戦士と優雅な美少女戦士にそれぞれ変わっていた! 「タイムレッド!」 「ピンク!」 「ブルー!」 「イエロー!」 「グリーン!」 「ファイヤー!」 『タイムレンジャー!!!』 コースケと共にエンブレムを掲げて名乗り口上を決めるタイムレンジャー。 「メガレッド!!」 「メガブラック!!」 「メガブルー!!」 「メガイエロー!!」 「メガピンク!!」 「メガシルバー!!!」 「電磁戦隊!!」 『メガレンジャー!!!!!!!!』 彼らに負けじと、すっかり板についた名乗り口上でかっこよくポーズをとる、ハルヒたちメガレンジャー。 「ファイブレッド!」 赤いスーツの戦士になった杏奈が凛々しく名乗る。 「ファイブブルー!」 飛び込む人をデフォルメしたマークを持つ青いスーツを纏ったチアキが名乗りを上げる。 「ファイブブラック!」 語というマークを頭につけた黒いスーツを纏ったレイシーがビシッと決める。 「ファイブピンク!」 +、−、×、÷の4つを重ねたようなマークを持つピンクの戦士となったファリンが名乗る。 「ファイブイエロー!」 音符のマークを持つ黄色い戦士となったノエルが凛々しく最後に名乗る。 「地球戦隊!」 ―――ファイブマン!!!!! 「ダイナレッド!」 赤い爆風と共に赤い戦士となったジェミニが名乗りを上げる。 「ダイナブラック!」 真が変身した黒い戦士が紫の爆風と共に名乗りを上げる。 「ダイナブルー!」 ひよりが変身した青い戦士が青い爆風と共に名乗りを上げる。 「ダイナイエロー!」 パティが変身した黄色い戦士が黄色い爆風と共に名乗りを上げた。 「ダイナピンク!」 トリを飾るはピンクの爆風と共に名乗りを上げたさくらだ。 「爆発!!科学戦隊―――!」 ―――ダイナマン!!!!! 決めポーズと共に5人の後ろで再び大爆発が起こった。 「大地に咲く一輪の花!キュアブロッサム!!」 「海風に揺れる一輪の花!キュアマリン!!」 「陽の光浴びる一輪の花、キュアサンシャイン!」 「月光に冴える一輪の花、キュアムーンライト!」 『ハートキャッチ・プリキュア!!!』 そして名乗りの最後を飾ったプリキュアチームも、ビシッとポーズを決める。 「正義の怒りが――!」 「嵐を呼んで――!」 「堪忍袋の緒が大爆発!!!!」 『我ら、無敵の26人!!!!!!』 最後は全員で決めポーズ、その後ろではお約束の大爆発が起こった。 「やかましいぃぃっ!!!!お前ら、やれぇっ!!!!」 タコ型の怪人・ネバタコスの怒りの声と共に、鬼怪人とウザイナーが一斉に動き出した。 「出鼻を挫かせてもらうよ!“DVバルカン”!!!」 ―――ズドドドドドドッ!!!! 『うおっ!!??』 しかし、そうはさせんと言わんばかりのタイムファイヤーのDVディフェンダーのバルカン攻撃を皮切りに、戦士たちがそれぞれ別方向へと散り、怒涛の攻撃が始まった。 「「「「プリキュア、大爆発!!!!」」」」 ―――ズドオオォンッ!!!! 『どわああぁぁぁ!!!???』 プリキュアたち4人が手を繋いで自身のエネルギーを大放出させて衝撃波として攻撃し、相手を怯ませる。 「ブラック・分身の術!!!」 「カッターディスク!!!」 「スリングスナイパー!!」 「ボルバルカン!!!」 「ボルランチャー!!!」 ―――シュバババババババ!!! ―――ズドドドドドドッ!!! 続いてダイナブラックの分身攻撃とファイブブラックの手裏剣攻撃、メガイエローのスナイパー攻撃に加え、“ボルユニット”を手に取ったタイムブルーとタイムイエローの連続射撃で連続ダメージ。 「「「ベクターエンド!!!」」」 「ビート3!」 「ビート6!」 「ビート9!」 ―――ズバズバズバッ!!!! 「「「ぬおっ!!??」」」 さらにタイムレンジャーのレッド、ピンク、グリーンが跳び上がってダブルベクターで奇襲攻撃。 3体の鬼怪人たちを怯ませる。 「メガキャプチャー!!」 「ダイナ剣・クロススパーク!!」 ―――ババババババ!!! ―――ピカアァァァッ!!! 「ぐっ!!??」 それと同時に、敵のリーダーのネバタコスに向かい合ったメガピンクが超音波で彼のペースを乱すと共に、飛び掛ったダイナレッドが武器で目くらましをし―――。 「ピンク・ハートブレイクショット!!」 ―――ズキュンッ!! 「ぬおっ!!??」 ダイナピンクが跳び上がって、固有武器のサーベルを使ってネバタコスの胸を一突きし、神経を麻痺させた。 「スクリュードリルセイバー!!」 「サークルフィニッシュ!!」 「Vソードアタック!!」 「ブレイザーインパクト!!!」 ―――ズドッ!ズバズバッ! 「ぐはっ!!!」 その隙を突いたファイブレッド、ファイブピンク、メガレッドが固有武器の剣技で一気に大ダメージを与え、追い討ちをかけたメガシルバーが、スライダーマシンに乗りながらすれ違いざまの一閃。 「メロディタクトリボン!!」 「チェーンクラッシャー!!」 ―――ビシッ、ジャラッ!! 一方、水道ウザイナーも、ファイブイエローとダイナイエローの武器で動きを封じられていた。 「トマホークバースト!!」 ―――バキュゥゥンッ!!! ―――カチコチカチコチ…。 至近距離まで跳びかかってきたメガブルーが、至近距離でトマホークスナイパーを発射。 “水道”モチーフだけあってか、ウザイナーは冷凍弾によってあっさりと氷の塊に閉じ込められてしまった。 「ロッドスナイパー!!」 「ツインフリスビー!!」 「スパークディスク!!」 ―――バキャアァァンッ!!! そこに、ダイナブルーとファイブブルーのディスク攻撃と、メガブラックのロッドスナイパーの射撃で追い討ち。 一気に氷が砕かれたと同時に、爆発による追加ダメージを受けた。 怒りを爆発させた怒涛の総攻撃に、敵怪人たちは体力も気力も限界まで追い詰められていた。 「ウザイナーは、私たちが倒します!」 名乗り出たプリキュアたちが固有武器を構えて、最後の仕上げに乗り出した。 ―――集まれ!花の力よ!! 『プリキュア・フローラルパワー・フォルティッシモォッ!!!!』 ブロッサムとマリン、サンシャインとムーンライトが、それぞれ音楽記号の“フォルティッシモ”を模り、ウザイナー目掛けて突進、同時にクリーンヒットした。 ―――ズドオオォンッ!!! ―――キュランッ! 「「「「ハートキャッチ!!!!」」」」 ―――ドオオォォン!!! その浄化の力によってウザイナーは消滅した。 ―――ビルドアップ!!! 「「「「「ボルテックバズーカ!!!!!」」」」」 「DVディフェンダー・ファイナルモード!!!」 そこにタイムレンジャーたちが圧縮冷凍の準備を固めて、武器を構えた。 ターゲットは、鬼の怪人3体だ。 「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」 まずはタイムファイヤーが一気に敵の傍まで突っ込んでいく。 「「「おのれえぇぇ!!!」」」 負けじと鬼たちも自身の武器のエネルギー攻撃や雷撃で応戦。 「そうはさせないっさ!」 しかし、いつの間にかファイヤーの背後にいたメガシルバーが、シルバーブレイザーの連続射撃で応戦し、敵の武器を打ち壊す。 そのおかげででタイムファイヤーのダメージ最小限に留められた。 そして、そのまま彼は鬼たちにすれ違いざまの一閃を炸裂させた。 ―――ズバッ!!! 「「「ぐおっ!!??」」」 そして次の瞬間――――! 「プレスリフレイザー!!!」 ――――ズドオオォンッ!!! 「DVリフレイザー!!!」 ――――ズバッ、ズバッ、ズバッ!!! 「「「ぐああぁぁぁぁぁっ!!!!」」」 タイムレンジャーたちの圧縮攻撃が決まり、3体の鬼怪人たちは縮小された。 「ま、ま、まずい!!!!」 ネバタコス、いよいよ慌てふためき始めた。 その前に、メガレンジャー、ファイブマン、ダイナマンが並ぶ。 「ねぇ、折角だし、一緒に決めちゃう?」 「「!?」」 メガレッドの言葉を聴き、脳裏に一つの技が浮かんだ。 「…面白そうね。」 「オッケー!」 二人のレッドもそれを承諾。 「それじゃ、ぶっつけ本番、行くわよ!」 『おう!』 ―スーパー・コンビネーション・ダイナマイト!!! その瞬間、全員が同時に跳び上がって、“色ごとに”3人ずつ集まり、腕を組んだ。 しかも、それぞれ“メガレンジャー、ダイナマン、ファイブマン”の順で並んだ状態で…。 「「「レッド!!!」」」 「「「ブラック!!!」」」 「「「ブルー!!!」」」 「「「イエロー!!!」」」 「「「ピンク!!!」」」 『アタアアァァック!!!!!』 そしてその掛け声の瞬間、ファイブブラック、ファイブピンクがメガレッドの右腕を、メガブルー、メガイエローがファイブレッドの左腕を掴み―――。 『大、爆発ッ!!!!!』 その直後、3人のレッドを中心に大回転し、巨大な炎の玉となった。 「う、う、うそだろおおぉぉぉぉ!!!??」 ――ドガアアアアァァァァァン!!!!! 「うぎゃあああぁぁぁっ!!!!!」 その予想を裏切った合体攻撃になす術もなく、ネバタコスは一気に吹き飛ばされ、姿を消した。 「いえ〜い、決まった!!!!」 ハルヒのアイディアによって、見事な作戦勝ちだ。 同じ頃、前回の戦いの舞台となった“長門宅エリア”。 戦いの後、いつの間にか“姫シンケンレッド”こと志葉薫が合流していたと言う事実に、一同は驚愕していた。 その影にいたのは、ディケイドの旅の仲間・キバーラの存在だった。 『別次元の世界で新たなるシンケンジャーが現れるので、スーパー戦隊の先輩としてその人物を導いて欲しい。』 その言葉を受け、彼女は側近の丹波と共に次元の壁を越えてシードピアに合流したのだ。 「それにしても、まさか母親もシンケンレッドだったなんてね…。」 オリジナルの女シンケンレッドの存在を初めて知った一同、大方の話を聞いて納得する一方で驚きも隠せなかった。 歴代のスーパー戦隊のレッドは、その全てが男性だったのだから…。 「さて、本題に移ろう。ミカヤ・シェベル、ここへ。」 「…?……はい。」 名を呼ばれたミカヤは、薫のところへと歩み寄る。 今回の戦いでそなたの武士としての力は申し分ないと見た。 ただ、私も丈瑠たちと同じ世界の出身ゆえに、異なる世界の事情はそれほど分かってはいない。 ……しかしながら、迷うほどの猶予は残されていないことを、今の戦いで悟った。 私もこの世界を守る戦士の同志として、そなたたちの戦いを支えていこうと思う。 ただし、これだけは約束して欲しい。 “侍とは、一度誓った仲間を裏切らない”。 その志が今までのシンケンジャーを作っている。 そなたは誓えるか? 丈瑠たちを、シンケンジャーを裏切らないと言うことを。 真剣な眼差しで問われた薫の言葉に、ミカヤは迷いなく答えた。 「無論です。第7のシンケンジャーとして、決して彼らを裏切らないことを誓います。この、曇りの無き刀の輝きがその証です…!」 そう言って、自身の愛用の刀を見せる。 キラリと輝くその刃、もしもその中に陰りがあれば、邪な想いが宿っている証拠ともいえる。 しかし、彼女のその刀にはその想いは微塵も宿っていない。 正真正銘の武士である証だ。 その輝きを見届けた薫は、口を開いた。 「ならば、そなたの今後の活躍を見守らせてもらう。これからも頼むぞ。」 「御意!!!」 こうして、ミカヤは正式に二代目の女シンケンレッドとして認められた。 「あ。」 『?』 ふと、源太が何かを思い出した。 「そういや、シュリケンジャー。お前、確か波田冗句に変装してたんだよな?」 「?…Yes。そうだけど?」 「お前、この間、その姿で俺の屋台に来て寿司を食ってなかったっけか?」 「ドキッ!!!」 『はぁ!?』 その言葉を聴いた一同が耳を疑った。 特に、波田冗句に関しては……。 「フ〜ッ、フ〜ッ、フ〜ッ………!」 息を荒くしながらシュリケンジャーを見つめており、今にもブチ切れしそうな空気だ…。 「拙者の姿に化けるだけならいざ知らず、その姿で寿司を食べていただと…!?」 彼の手元にあるギター・モーリス丸も怪しい光を放っており、明らかに危険だ…!! しかし、一同がそう感じたのも、時既に遅し。 「シュリケンジャー、覚悟ぉ!!!!」 モーリス丸の音色がかき鳴らされた。 『ミーは天空忍者シュリケンジャー。Ninja of the Ninja。 千の顔を持つ男。あらゆる人に変幻自在。 自慢の必殺忍法で、敵を場外退場してやるぜ!』……って、言うじゃな〜い?♪ でもあんたのは超忍法と言うより、 往年の野球漫画ですから〜!!! 残念〜!!!!! “スポコンコミック・野球忍者の星”、斬り〜っ!!!!! ――――ズバッ!!!! 「ジーザス…!!!」 ―――ドサッ 『………!!!!!』 怖いもの無しのツッコミギター侍・波田ブラック冗句。 久しぶりにその力が発揮された。 「あ〜あ。でも、まぁ自業自得だな。」 以前にその力の被害者となった源太、同情しつつも、こればかりは仕方がないと言わざるを得なかった。
---to be continued---