Phase161 フュージョンワールド・パニック 〜Research No.6:七人侍六人忍(七人侍と六人忍)〜
さて、ここは長門のマンション周辺。 ここには、ひよりとフレイの2人が先に到着していた。 「この辺は被害は少ないみたいね…。」 どうやらここには謎の異変の影響はないが………。 「でもその代わり…。」 「ええ。」 そう、案の定ここにも亜空軍の軍勢と思しき、メカニカルな兵士たちがぞろぞろしていた。 「……突破するしかないわね。」 「うん。」 決意を固めた二人の手元に“ホッパーゼクター”と“ダークカブトゼクター”が飛来した。 「「変身!!」」 ―――Henshin!! 二人はそれぞれ“パンチホッパー”と“ダークカブト・ライダーフォーム”となった。 「行こう!」 「オッケー!」 「「クロックアップ!!!」」 ―――CLOCK UP!! 後は瞬間移動で目の前の兵士たちを次々に一掃していくだけ。 通常の時間の感覚で言えば、まさに光の速さでの出来事。 ―――CLOCK OVER!! ―――ズドドドォォォンッ!!! 僅か1秒足らずで兵士たちを一掃した。 「さて、問題は―――。」 「この先、だね。」 ―――ギュワアァンッ! 「ひゃぁっ!!?」 「「!?」」 次のポイントへ移動しようとした矢先、亜空間のゲートが開き、そこから一人の少女が出てきた。 真紅の装飾に身を包み、背中に刀を携えた、“くの一”とも取れそうな風貌。 …明らかにシードピアの人間ではない……。 「あ、あれ!?どうしてこんなところに…!?それに、ご主人様は……!?」 「「?????」」 いきなり出てきた彼女はもちろん、フレイたちも困惑。 ただ一つフレイたちに分かっているのは、“まさか…別世界の人間!!??”と言う推測しか出来ないと言うことである…。 ―――ドカアアァァンッ!!!!! ―――きゃああぁぁぁっ!!! ―――うわあぁぁぁ!!!!! 「「!?」」 爆発音と同時に聞こえた悲鳴。 「!!…この声は!」 すると先ほどの少女、聞き覚えのある悲鳴だったのか、即座にその方向へと走っていった。 フレイとひよりも頷きあい、その先に向かう。 そこには、様々な武器を持って怪人たちと戦う、いかにも自分たちよりスタイルの良さそうな少女たちと、つい先日屋台横丁で迷惑をかけた波田冗句だった。 「孫策さま!周瑜さま!ご無事で!」 「周泰、お前も無事で良かったわ。」 「でも、積もる話は後よ。敵は相当の手練れだわ…!」 彼女たちの視線の先には、兵士たちの指揮官と思しき葉っぱが擬人化したような怪人や、顔が水道のようになった配管工のような姿の怪人、頭が信号でネコの耳を生やしランタンを持った怪人、魔女のような格好をしたハロウィンのお化けカボチャのような怪人、そして左右非対称の派手な外観で手に槍を持った怪人が立ちはだかっていた。 しかも、彼らの前に並ぶのは、まだまだ有り余っていたであろう機械的な兵士たちがゾロゾロと…! 「…っ…、あの化け物、物凄く強いわ…!」 「これは結構シビアだねぇ…!」 しかし、多勢に無勢か、明らかに冗句たちの方が劣勢にたたされていた。 「やれ!」 ―――グワアァッ!!!! 指揮官の怪人が合図したと共に敵兵士の一部(ざっと数えて20人ほど)一斉に飛び掛ってきた。 「下がって!!!」 『!?』 ―――ガチャッ! [RIDER KICK!!] 「てやぁぁぁっ!!!!」 ―――ドゴゴゴゴッ!!!! そこに、フレイが割り込んで“ライダーキック”を発動、敵兵を十数人蹴散らした。 [Change、KICK HOPPER!!] さらに、“キックホッパー”にチェンジしたひよりが合流し―――。 [RIDER JUNP!!] ―――シュバッ!! ―――ガチャッ! [RIDER KICK!!] ―――ズガッ、ドゴッ、バコッ! ライダージャンプからのライダーキックで残りをすぐに排除した。 「ぬぬっ!?シードピア連合の仮面ライダーか!?」 敵の行動隊長がすぐに彼女たちを察し、顔をしかめる。 「連合軍はこっちにもいるよ!!!」 「何っ!!??」 ―――ズドドドドドドッ!!!! ―――ドカアアァァンッ!!!! 『ぬおおぉぉぉぉっ!!??』 別方向からの叫び声と同時に放たれた奇襲攻撃で、メカニカルな戦闘兵達は一気に一掃された。 その攻撃の出所にいたのは、“ハヤテ丸・ガンモード”を構えた遼希、拓巳、梨生奈の3人と、ヴァーチェックランチャーを構えたこなた、その後ろにシンケンジャーの6人が控えていた。 「けっ、揃ったか、シードピア連合ども!」 「貴様がこのエリアの行動隊長か。」 「名を名乗れ!」 丈瑠と流之助に言われるがまま、行動隊長が名乗りを上げる。 「俺は“ダークフォール”の5大幹部が一人、カレハーン様だ!」 「え〜“カレーパン”?わたしチョココロネのほうがいいんだけど。」 「ちが〜う!!!カレハーンだ!!!!ここでも俺はこんな扱いなのか!?」 こなたの素でのボケに、思わず突っ込みを入れてしまったカレハーン。 かつてキュアブルームに同様のボケを何度もさせられたが故に、何とも言えない微妙な懐かしさを感じてしまったのは別の話。 「な、なにぃ〜っ!!!???」 『!?』 するとそこへ、偶然そこに巻き込まれてしまった顔が。 「えっ…!?」 「波田冗句が、もう一人…!!??」 そう、なぜかもう1人波田冗句が出現し、敵味方問わずメンバーたちは一時混乱状態になる。 「だあぁぁ!次から次へとめんどくさい!!!」 <KAIZIN RIDE、“BELL-OBJET-NAKIWAMEEKE”> イラついてきたカレハーン、カイジンライドカードを使って巨大なベル型の怪物を召喚した。 「ナキワメーケェ!!!!」 ―――ズドドドドドドッ!!! 怪物からベル型ミサイルが発射された。 「まずいっ!」 「みんな避けて!」 『うわっ!!??』 ――――ズドドドォォォンッ!!! 「ぬわっ!!??」 その攻撃を避け切れなかったのか、“後から来た”波田冗句が大ダメージを追ってしまう。 「もう一発撃て!」 「ナキワメーケェ!!!」 ――――ズドドドォォォンッ!!!! 今度は“後から来た”波田冗句だけに集中砲火。 「あ、危なぁい!」 「ちょっと待った〜っ!!!」 次の瞬間、周泰と呼ばれたくの一とこなたが彼を庇おうと即座に動き出し、咄嗟の判断で冗句を弾き飛ばす。 だが当然二人は回避に間に合わず、あわやミサイルに当たる寸前――――。 ――――ピカアァァァッ!!!! 『!!!???』 と、そのとき、こなたと周泰が光に包まれた。 この光景を、遼希たちは覚えていた。 「こ、これって、もしかして…!!??」 「え、ええぇぇぇっ!!??」 「あらら〜。」 一方、光の中に包まれた周泰とこなた。 その周囲は、紺色と臙脂色の光が輝いている……。 ―――キランッ 頭上から周泰の下へと降りてきた一枚のカード。 <DENKOUSEKKA GOURAIGER “KABUTO-RAIGER”> それは言わずもがな、アキッキーが持っているはずのレンジャーカードであった。 「これが来たってことは…!」 もはや“この手”の展開は即座に察しが付いたこなた。 そんな彼女の予想は、大当たりだった。 レンジャーカードは有無を言わせず周泰の左腕に宿り、カブトムシを模した変身アイテム“ゴウライチェンジャー”へと変わった。 「こ、これは…!?」 『お前たちの覚悟はしかと見た。』 「「!?」」 背後から聞こえた男の声。 振り向くと、臙脂色と紺色のジャケットを身に付けた二人の男が立っていた。 彼らの正体を逸早く知ったのは、言わずもがな、目をキラキラと輝かせたこなただった。 「おぉ!先代のゴウライジャーじゃないですか!」 「ご、ごうらいじゃあ?」 異次元世界の人間である周泰、別世界の言葉は分かりにくいことは言うまでもない。 ……と言うより、色々なことが起こりすぎて状況そのものがつかめていないと言う事実もあるが……。 『泉こなた。お前がクワガライジャーの力を受け継いでからそんなに日は経っていないが、ここまでの僅かな期間でその力を大いに発揮してくれている。お前を選んだアカレッドの目は、狂いがなかったようだな。』 「それじゃあ…!」 『あぁ。これからも俺の力を存分に使って欲しい。この霞一鍬(かすみ・いっしゅう)の後継者・二代目のクワガライジャーとして!』 この言葉を以って、こなたは正式にクワガライジャーとして認められた。 『異世界から迷いし者。』 「え?……それって、私のこと?」 その戸惑いの言葉に対して肯定を示した臙脂色のジャケットの男。 『名前は何と言う?』 「え?あの…、“周泰”、と申します…。」 『周泰、主だけでなく、戦いに巻き込まれた人たちをも助けたいと願うお前の心に感心した。その腕に付けられた腕輪がその証だ。』 「…どういうことですか…!?」 理解に苦しんだ周泰、ますます戸惑いを隠せない表情に。 お前たちの住む世界は、亜空軍と言う闇の力で崩壊寸前まで追い込まれている。 このままでは、世界全てが滅びてしまうだろう。 だが、それを防ぐための僅かな希望として、ルヴェラと言う名の別世界の力がここに集まりつつある。 お前の腕に宿った腕輪――“ゴウライチェンジャー”もその力の一つだ。 それを一つに集めれば、強大な闇の力にも太刀打ちできる大いなる力となる。 今こそお前は、その力を受け継ぐ戦士の一人となるのだ。 “世界の崩壊”――――。 話があまりにも大きすぎるせいか、はたまた話が難しすぎるせいか、周泰はクラクラしそうになったが……。 「何だかよくわかりませんが……世界を救わなければならないと言うことだけは、分かった気がします。」 その言葉を受け止めた青年――霞一甲(かすみ・いっこう)は微笑んだ。 『それでいい。今は理解せずとも、戦い続けていればその意味を熟知するだろう。』 ――今こそ戦場へと発ち、新たな友と絆を結び合え! ――後は頼んだぞ、新たな雷の戦士よ! その言葉を最後に、二人は光と共に消え去った……。 ―――ハッ! ……気が付くと、元の戦場。 「…今のって…夢?」 「夢じゃないよ。」 周泰の言葉をこなたが否定する。 「夢だったら、その腕に何もついてないじゃない。」 「!!!」 まさかと思った周泰は咄嗟に自身の左腕を見る。 すると、そこにはあの時と同じ“ゴウライチェンジャー”がいつの間にか付けられていたのだ。 「…私…、本当に、力を手に入れたの…!!??」 ますます信じられないと言う表情の周泰。 そして、一方でカレハーンたちもあせり始めた…! 「またしても新たな覚醒者か…!えぇい!ナキワメーケ!!!」 「ナキワメーケェ!!!!」 ―――ズドドドドドドッ!!!! 再びベルミサイルが二人目掛けて発射された―――。 ――――ズバアアァァァッ!!!!!! 『!!???』 ……と思った矢先に現れた一つの影。 携えている二本の刀のうちの一本を使って放ったすれ違いざまの一閃。 ―――ズズズズッ! 次の瞬間ミサイルが真っ二つに割れ―――。 ―――スウウゥゥッ、カチンッ! ―――ドカアアァァンッ!!!! 刀を鞘に収めた瞬間大爆発した。 「な、な、何だとぉぉぉっ!!!??」 本日二度目の想定外の展開にカレハーンは叫ばずにはいられなかった。 さて、新たにここに現れたのは、こなたと同年代と思われる少女だった。 少女はシンケンジャーの姿を確認すると、彼らのもとへと歩み寄る…。 「シードピア連合のシンケンジャーとお見受けしたが…?」 「?……いかにも。」 すると少女はシンケンジャーたちの前で跪いた。 「私、ディスタンスフォース特殊部隊・レンジャーズストライク所属の隊員、ミカヤ・シェベルと申します。此度の戦いに際し、皆さんの同志として共に戦わせていただきたいのです。」 『!?』 いきなり現れるなり、自分も助太刀すると申し出た少女の言葉に驚く一同。 「確かに今の力は凄い物だって分かったけど、あなたが戦って大丈夫なの?」 「ご心配なく。私も“あなたがたと同じ力を持つ者”ゆえに…。」 彼女が懐から取り出したもの。 それは―――。 『!!!』 「しょ、ショドウフォンだと!!??」 そう、自分たちの持つのと全く同じ“ショドウフォン”だったのだ。 「…!」 しかし、丈瑠は以前アキッキーが口にした言葉を思い出した。 ―――“ボクの知っているシンケンジャーとは全然違うんだ。” 「まさか…、アキッキーが知るシンケンジャーと言うのは…!」 その推測に、肯定の意を示すミカヤの姿を見て、彼らは事の真意に気づいた。 それを受け止めた丈瑠は、決心した。 「…いいだろう。ミカヤ・シェベル、お前を7人目のシンケンジャーとして迎え入れる!一緒に戦おう!」 「心得た!」 新生シンケンジャーの誕生の瞬間である。 ふと、ミカヤは“最初にいたほうの波田”に視線を向けると――――。 「そなた、本人に出会ってしまったことだし、そろそろ正体を明かした方がいいのでは?」 「!」 その言葉をかけられた“最初にいたほうの波田”は……。 「フッフッフッ……、気付かれていたとなっては、どうやらミーの変装もフィニッシュのようだね。」 『!!??』 その声を徐々に変化させ、“本来の声”で話し始めたのだ。 ここで、全員が一つの結論にたどり着いた! 「お前、まさか“R.S.”のメンバーだったのか!!!」 「ザッツライト!」 その言葉と共に、胸元のペンダント――に似せた緑色のボール型の固有アイテムを、手のひらサイズの大きさに変化させた。 「OK!反撃開始と行こうじゃないか!」 波田に変装した男、本来のキレになったのか、生き生きとしていた。 「周泰ちゃん、準備はいい?」 こなたも、“自分のパートナー”となった周泰に声をかける。 「君の名前は?」 「あたし?泉こなた。」 名を尋ねられた後、周泰から帰ってきたのは意外な言葉だった。 「こなた。私のことは“明命(ミンメイ)”と呼んでくれ!」 「え…?」 「私たちの国“ラブプリア”の一部の者たちは、“真名(まな)”と言う“もう一つの名前”がある。心を許した存在にはその名を明かし、それを預けあうことがあるのだ。私の真名を、君との絆の証として、お前に預ける。」 その眼差しは真剣そのもの。 こなたの胸のうちで、何かが熱くたぎってくるのを感じた。 「分かった!よろしく、明命ちゃん!」 「こちらこそ!」 握手しあった二人、ここに新たな絆が結ばれた。 そして、決意を固めたこなたがみんなに合図する。 「よぉしみんな!変身だよ!」 『おう!』 「天空!」 「「迅雷!!」」 「「「忍風!!!」」」 『シノビチェンジ!!!!!!』 「「「「「一筆奏上!!!!!!」」」」」 「一貫献上!」 光に包まれた13人は戦士へと覚醒する!! 「風が鳴き、空が怒る!空忍・ハリケンレッド!!」 「水が舞い、波が踊る!水忍・ハリケンブルー!!」 「大地が震え、花が歌う!陸忍・ハリケンイエロー!!」 今回は傘ではなく布を使い、決めポーズをとる3人。 ―――人も知らず、世も知らず、影となりて悪を討つ! 「忍風戦隊!」 『ハリケンジャー!!!あ、参〜上〜!!!』 「深紅の稲妻!角忍・カブトライジャー!!」 「蒼天の霹靂!牙忍・クワガライジャー!!」 「影に向かいて影を斬り―――!」 「光に向かいて光を斬る!」 「「電光石火、ゴウライジャー!見参!!」」 「緑の光弾!天空忍者シュリケンジャー、参上!!」 「シンケンレッド、志葉丈瑠。」 「同じく、ブルー!池波流ノ介!」 「同じくピンク、白石茉子!」 「同じくグリーン!谷 千明!」 「同じくイエロー、花織ことは!」 「同じくゴールド、梅盛源太!」 「同じく、女レッド、ミカヤ・シェベル!」 「天下御免の侍戦隊――――。」 『シンケンジャー、参る!!!!!!! 』 13人のスーパー戦隊が勢ぞろいした。 「皆の者、拙者も助太刀するぞ!」 後から現れた本物の波田も、左腕の“変身鬼弦”を轟かせる。 「変身ッ!」 そして、腕を突き上げた瞬間、雷撃が冗句の体を包み、音撃戦士の一人・仮面ライダー斬鬼へと変わった。 「ひより、わたしたちも行くわよ!」 「うん!」 ひよりとフレイも気を引き締めなおし、戦線に加わる。 「こうなればまとめて叩き潰すのみ!!」 「ヤッチマエ!!」 怪人たちは武器を構え総攻撃を仕掛けてきた。 「そうはさせないわ!」 ―――シュバッ! そこにラブプリアの一団が一斉に飛び掛って反撃! ―――ズドドドドッ! 「うがっ!!??」 そして、ここから“敵の反撃は断じて許すまじ”と言わんばかりの、怒涛の総攻撃が始まった。 「でやああぁぁぁっ!!!!」 ―――グサッ! 真っ先に飛び掛ってきた斬鬼が、自身の武器の“音撃真弦”をベルオブジェナキワメーケに突き刺す。 「行くぞ!“音撃斬・雷電斬震”!!!」 ―――ギュワアァァンッ!!!! 斬鬼が“音撃真弦”をギターの如くかき鳴らし、清めの音をベルオブジェナキワメーケに流し込む。 「ミーも援護するよ!“シュリケンソニック”!!!」 そこに、“ニンジャミセン”を取り出したシュリケンジャーが強烈な音波をかき鳴らしてさらなるダメージ。 「ライダーキック!!!」 ―――ガチャッ! [RIDER KICK!!!] さらにはキックホッパーも空中からライダーキック連続蹴りでダメ押しをかける。 「超忍法・水流波!!!」 ―――バシャァッ! その間にハリケンブルーの水流攻撃がカレハーンたち牽制し―――。 「超忍法・地雷撃!!!」 ―――ババババババ、ズドォンッ!!! 『ぬおおおぉぉぉぉぉ!!!??』 続いてハリケンイエローがハヤテ丸を突き立てて衝撃波を放つ。 その衝撃で全員が宙を舞ったところに――――。 「超忍法・空駆け!!!」 「アバランチスラッシュ!」 ―――[CLOCK UP!!!] ―――ズババババババッ!!!! 『うわああぁぁぁぁぁぁ!!!』 ハリケンレッドとダークカブトが空中を駆けて敵怪人たちに一斉に斬りかかる! ―――ドサドサドサッ! 「いてててて……。」 ―――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!! 『!?』 背後に背筋の凍る気配を察知した敵軍一同。 振り返ると――――。 「超忍法・幻カブト!!!!」 『ゲゲゲッ!!!』 超巨大化したカブトライジャーの姿が…! 「えいっ!」 ―――ズドォンッ!!!! 『ぎゃああぁぁぁっ!!!!』 あっという間につぶされた。 ―――フッ …と思ったら。 「ア、アレ!!??」 「き、消えた!!??」 “幻カブト”は、その名前の通りカブトライジャーの幻を見せる術。 肉体的ダメージよりも精神的ダメージの方が大きい。 「隙あり!」 『!!!!!』 その一瞬の油断がクワガライジャーの追撃を許した。 「“イカヅチブレイカー”・“雷牙一撃”!!!!」 ―――ズガッ!!!! 『のわああぁぁぁっ!!!!???』 再び吹き飛ばされた怪人たち。 その場所には、シンケンマルとサカナマルをそれぞれ構えたシンケンジャーたちが。 「サカナマル・千枚下ろし!!!!」 まずはゴールドが先陣を切って飛び掛り、怪人たちを次々に切り刻む。 「「「「「「「シンケンマル・螺旋の太刀!!!!!!!」」」」」」」 そこに3人のレッドを含めた全員が後に続き、怪人たちに連続攻撃を加える。 ―――ドサドサドサドサッ!!!! さて、ここまで怒涛の攻撃を続けていれば怪人たちもひとたまりがない。 ―――ドカアアァァンッ!!!! 「!!??」 ベルオブジェナキワメーケも、斬鬼たちによって爆散され、全員が揃った。 「みんな、一気にとどめだ!」 ―――おう! 「まずはミーたちからだ!」 ―――超忍法!ヒーロー&ヒロイン・影の舞! シュリケンジャーの合図で“武器の準備をする面々”以外の全員が散り、別方向から攻撃を仕掛けていった。 まずはシュリケンジャーとラブプリア連合が地上からすれ違いざまの一閃。 続いて斬鬼、ダークカブト、キックホッパー、二人の女シンケンレッドたちが斜め上から奇襲。 そして最後には全員で怪人たちに次々ととび蹴りを炸裂させた。 「五重連!“ビクトリーガジェット”!!!」 「烈火大斬刀・大筒モード!!!」 『ゲゲッ!!!??』 そこに準備を整えた一同が最後の仕上げ! 「虎・六輪弾!!!!!」 『ビクトリィィッ!!!!!』 ――ズドオォォォンッ!!!! 『ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』 止めの一撃が決まった。 「セイ!」 『バイバイ!!!!』 ――ドガアアアアァァァァァン!!!!!! 怪人軍団は爆発して消えた。 「ぐぐぐぐ……ちくしょう!」 唯一生き残ったカレハーンを除けば……。 その直後――――。 「ふぅ…。どうなることかと思ったけど、みんな大丈夫?」 「何とか…。」 メンバー全員が集まり、今回の戦いを労う。 「ミカヤ。お前の太刀筋はなかなかのものだった。さすがにシンケンジャーに選ばれただけのことはあるな。」 丈瑠が今回のミカヤの戦いを賞賛する。 「新たなシンケンジャーがいたと言う事実には驚いたが、まさかここまでに腕前とはな。」 「確かに、殿に引けをとらないほどの剣術。見事であった。」 姫の賞賛の言葉に流之助も便乗するほど、彼女の活躍は目覚しかった。 「これだけの戦闘技術に火のモジカラの継承者、是非とも私の養子に迎え入れたいものだな。」 「いくらなんでもそれは無理な話………。!!!???」 『え!!!!!!!』 ………ここに来てようやくシンケンジャーたちは気付いた。 “この場にいるはずのない”存在が、既に傍にいたと言うことを……。 「……?」 異変に気付いたほかの面々も、シンケンジャーたちに視線を向ける。 すると、ここで全員も初めて気付いた。 「え……、あのシンケンレッドは…誰…!!??」 ……そう、シンケンレッドは二人のはずなのに、ここにもう一人シンケンレッドがいたのだ。 しかも、女シンケンレッドが……。 その傍らには、従者と思しき男が控えている…。 ―――キュウゥンッ するとその女シンケンレッドが変身を解き、本来の姿を見せた。 外見は10代後半ほどで、男勝りの凛々しい顔を持つ少女。 「丈瑠、侍たち。…すまぬな、勝手に来てしまった。」 「は…、母上!!??」 「「「「「お姫様!!!!????」」」」」 ――え゛!!!???母上!!!!!!????? シンケンジャーたちの、特に丈瑠の言葉には全員が耳を疑った。 ミカヤでさえも言葉を失った。 しかし、シンケンジャーたちにとって見間違えるはずがなかった。 志葉家18代目当主・志葉薫(しば・かおる)。 丈瑠の養母にして、オリジナルの女シンケンレッド、まさかのお出ましだった。
---to be continued---