Phase160 フュージョンワールド・パニック
〜Research No.5:掴み取れ!激戦のウイニングラン!!!〜


アクセル全開!“クルマパワー”の戦隊を継承したソラたち。

激戦開始のシグナルが点灯した。







ここから先は、恒例の“シャッフルユニット”決戦でお届けするとしよう!

















“クルマ戦隊のリーダー”繋がりである、ブレッド(レッドレーサー)、ソラ(ゴーオンレッド)、実乃梨(レッドターボ)の3人が相手をするのはもちろん、敵軍の行動隊長・キントレスキーである。

「“フェンダーソード”!」

「“ロードサーベル”!」

「“GTソード”!」


それぞれ固有の専用剣を構えて、準備完了!

「スーパー戦隊のリーダーども、この“ダークフォール”の幹部・キントレスキーの力を見るがいい!」

それに対するキントレスキーも自慢の怪力を活かした攻撃で応戦。

「確かにパワーは凄いけど…。」

「俺たちのスピードに―――。」

「ついてこれる?」

それに対し、自信満々の一言と共に3人はスピード戦法作戦に打って出た。

―――ギュウウゥゥンッ!

まるでレーシングカーが超高速で駆け抜けるかのような音を発しながら、キントレスキーにすれ違いざまの攻撃を何回も繰り返し、キントレスキーを翻弄する。

「むぐ、ちょこまかと動きおって…!!!!」

さすがに“キントレスキー”の名の通りと言うこともあってか、力はあってもスピードがダメ。

そのため、目で彼らを追いかけようとした結果、次第に自分の目を回すハメに…。

「○×△*#¥……。」





「スキあり!」



「「とどめだ!」」







―GTクラッシュ!!!

―ツインソードツインカムクラッシュ!!!

―サーベルストレート!!!


―ズバズバズバッ!!!!

「ぬおおぉぉぉぉ!!!!!」




















北村(ブラックターボ)と成美ゆい(ゴーオンブラック)は、プリキュアチームのメンバー“シャイニールミナス”と共に、トランプ公爵と対峙する。

「喰らうでオジャル!“トランプ手裏剣”!」

―――シュバババババッ!


先手を取ったトランプ公爵、トランプ手裏剣を使って攻撃。

「おっと!」

即座に3方向に分かれて回避、反撃に移る。

「よぉ〜し、“マンタンガン”

ベルトの右に取り付けられた“マンタンガン”を取り出し、ホルスターから黒いアイテムを取り出し、それを装填する。

「“ガンパードソウル”、セット!」

『狙い打つぜ!』


さらにベルトのバックルを押す。

「“ゴーオンギア”・“カウルレーザー”!」

その名前の通り“カウル”をモチーフとした黒い拳銃型装備を手に取り、二丁拳銃の状態にした。

そして、再び放たれたトランプ手裏剣をその拳銃で全て打ち落とす。

「ぬ、小癪な!」

トランプ公爵、埒が明かないと再びトランプを引っ張り出そうとするが―――。









「ルミナス・ハーティエル・アンクション!」

―――ビシッ!


「なっ!!??」










シャイニールミナスのサポート技によって動きを封じられてしまった。

「今だ!“Tハンマー”

そこに北村がハンマー型装備を取り出して一気に距離を詰めた。







「ハンマー唐竹割り!!!」

―――バゴオオオォォォッッ!

「うぎゃあああぁぁぁっ!!!!」








強烈な一撃でトランプ公爵はあっさりと吹き飛ばされてしまった。

















「♪〜♪〜♪〜〜〜」

「「「うあぁぁぁ…っ…!!!!」」」


“戦隊のキレイどころ”の3人、ミーア(ピンクレーサー)とアイリス(ゴーオンイエロー)と椎名(ピンクターボ)は、超音波型の歌声を得意とする女性型怪人・口紅歌姫の先制攻撃を喰らっていた。

「アイリス、あたまがこわれちゃうよぉぉ…!!!!」

「あぁぁっ、痛い…っ…!」

「このぉっ!!!」

やけくそになったミーアが自身の武器を取り出した。

「バンパーボウ!!!」

―――ドガアアァァン!

「ああぁぁっ!!」


思わぬ反撃だったのか、油断した口紅歌姫はまともにその攻撃を受けてしまった。

「よくもやってくれたわね!」

「アイリス、もう怒った!」


地獄にも匹敵しかねない口紅歌姫の歌声から解放された二人は、当然ながら怒り心頭だった。

「Wステッキ・ブーメラン!」

「レーシングバレット、“バレットクラッシュ”!!!」

―――ドゴゴッ!!!

「ぎゃふっ!!!」


その連続攻撃は口紅歌姫の顔面にクリーンヒットした。

「むぐ……小娘ども、よくも私の顔に傷を…!!」

口紅歌姫、自分の剣を取り出して詰め寄ってきた。

「マンタンガン!“ベアールソウル”、セット!」

『アイリスちゃん、しっかり頼むで!』


新しい相棒“べアール”と共に、アイリスも応戦準備。

「Wステッキ、セット!」

一方、椎名は“ターボレーザー”に自身の固有武器をセット、攻撃力を上げる。

「シフトアップ!オートパニッシャーモード!」

ミーアもホルスターの拳銃をフルパワー状態でスタンバイ!









フラワーキャノンブラスト!!!!』

―――ドキュウウゥゥンッ!!!!

―――ドカアアァァンッ!!!!

「きゃああぁぁぁっ!!!!」












この攻撃で口紅歌姫は吹き飛ばされた。

















一方こちらは鍵道化師と刃を交えるリカリッタ(ブルーレーサー)とみなみ(ゴーオンゴールド)とゆたか(ゴーオンシルバー)。

「「シャイニングダガー!!!」」

「なんの!」

―――ガキイィィンッ!


ゆたかとみなみの攻撃を自慢の鍵剣で受け止め、剣戟を響かせる。

「オートブラスター!マフラーガン!」

「!?」


そこにリカリッタが固有武器と共通装備の二丁拳銃で応戦!

「ダブルショット!」

―――バシュバシュン!

「ぬおっ!?」


別方向から銃撃となっては避け切れなかったのか、鍵道化師はその攻撃を喰らってしまう。

その衝撃で距離をとることの出来たゆたかとみなみは、次なる反撃に移る。



[MISSION6、FULL POWER!!]



「「ジェットダガー!!!」」




ロケットダガーの柄から噴出したジェットバーナーの力で飛翔、鍵道化師の頭上まで飛んできた。









―――ダガーアクロバット!!!!

―――ズバズバッ!!!!

「ぬおおおぉぉぉぉぉ!!!???」
















「出たぞ出ました、ガマグチ法師!」

ゴーマ怪人の中で一際ハイテンションな性格のガマグチ法師。

その彼と戦うのは、オルガ(グリーンレーサー)、バーンズ勇気(ゴーオンブルー)、真竹(ブルーターボ)の3人。

「マンタンガン・ロッドモード!“バスオンソウル”セット!」

『よろしく頼むぜ、相棒!』


「バイブレード!」

「ターボレーザー・ソード!」


接近戦アイテムで応戦開始と行きたいところだったが―――。





「ガマグチ殺法・“ガマタンク”!!!」

―――ドドドドドド!!!!!






ガマグチ法師の頭部から大型の赤いメットが無数に吐き出されてきた。

「「ウゲッ!!??」」

「ちょ!?」


予想に反した乱れ撃ちに、3人はその武器で攻撃の相殺をせざるを得なくなった。

しかし、この赤いメット、弾数無限であるがゆえか、いくら斬りつけてもキリがなかった。



「だあぁぁ!鬱陶しい!!!」



「マンタンガン・バスオンバレット!」

「オートパニッシャー!」

「ターボレーザー!」




やけくそになった3人、共通武器の射撃モードで応戦!



―――バコッバコッバコッ!

「ぶごっ!!??」




すると、その銃撃が当たったメットが、ガマグチ法師に跳ね返され、3連続で腹部にヒットした。







「今だ!!!」



―――ガレージランチャー!!!

―――エンジンキャノン!!!

―――Jマシンガン!!!

―――ズドドドドドドッ!!!



「うがあああぁぁぁぁぁ!!!!」














「それぇ!」

「「きゃあぁっ!」」

「うわっ!!??」


忍(イエローレーサー)とリオ(ゴーオングリーン)と啓作(イエローターボ)は、いきなり紐男爵の紐に捕まってしまった。



「喰らえ!“紐電撃”!!」

――――バリバリバリバリ!!!!

「「「あああぁぁぁぁっ!!!!」」」




高圧電流を紐から流され、3人は大ダメージ。

「くっ…!この…!」

しかし、元から機械いじりが得意だったのか、忍はその技術を応用し―――。

―――スルッ

拘束から抜け出した。

「むっ!!??」 「バイブレード!」

―――ズバズバッ!

「ぬおっ!!??」


その一瞬の油断を突いて、紐男爵の紐を切り裂いた。

「よくもやったわね!」

リオが怒りに燃えてそのままマンタンガンを取り出した。

「“バルカソウル”セット!」

『アミーゴ、よろしく頼ムーチョ!』

「シュート!」


―――バキュンッバキュンッ!

「くっ、小癪な!」


その連続射撃で怯んだ隙を突き―――。

「こちらも電撃のお返しよ!」

忍がどこからか取り出した固有装備“サイドナックル”で反撃!



―――ナックルボンバー!

―――ドゴッ!バリバリバリ!!!

「ぬごおおぉぉぉっ!!??」




一撃炸裂と同時に電気を流された紐男爵、窮地に追い込まれた。



「いくわよ!」



―――Bボーガン!

―――ブリッジアックス!

―――ナビックブラスター!


―――ドッカアアアァァァァン!!!!

「どひょおおおぉぉぉぉぉ!!!???」


















―――ガシャアアァァンッ!!!!





大型蒸気獣プレリュード―――。

ウサギの姿を模った大型機械獣であり、動力源は蒸気機関。

しかし、その武装は常識を遥かに越え、防御力も高い。



―――ガキン、ガキン、ガキン!

―――カンカンカン!


タートルズ一同が自慢の武器を使って攻撃しても傷一つ負わないのがその証拠である。

「意外と硬いじゃん!?」

プリキュアチームのブラック、ホワイト、ブルーム、イーグレットも、この強敵に苦戦することに…。

「どうすればいいの…!?」







―――キランッ!







プレリュードの目が怪しく光り、次の瞬間――――!





――――ビヨオオォォォンッ!!!!

「「「「うげっ!!??」」」」

「「と、跳んだ!!??」」

「うそでしょ!?」

「ありえな〜いっ!!!!!!」






さらにプレリュードは自身の耳パーツを巨大なハサミに変形させ、急降下と共にそれを突き立ててきたのだ。





「皆さん避けて!」

―――ハッ!






一瞬唖然としたものの、朱色の衣服の少女が全員に指示したおかげで攻撃は避けられた。

「敵は予想以上に強固だわ…。どうすれば……!?」

一方で彼女は考えを張り巡らせる。

何か弱点らしきところはないかと……。

「朱里ちゃん!」

「!?」

「あのからくりの足にあるバネ…、あれを壊して跳び上がる力を失くせば…!」

隣にいる蒼白色の衣服の少女のアドバイス。

それにピンときた彼女は―――。

「タートルズの皆さん、足の装置を集中攻撃してください!」

「「「「!?」」」」

その言葉を受け取り、タートルズは早速行動を開始した。

「よし!ドナテロとミケランジェロは左足をやってくれ。ラファエルは俺と一緒に右足だ。」

「オッケーだぜ、レオナルド!」

「行くぞ!」

「おう!」

その瞬間、4匹のカメの集中攻撃が炸裂し、プレリュードの足から火花が飛び散るほどの大ダメージを受けた。

さらにそれが他の機械系統にも異常をきたしたのか、プレリュードの動きがおかしくなっていった。

「お嬢さんたち!今だよ!」

「オッケー!!!!」





「「プリキュアマーブルスクリューマックスゥッ!!!!」」

「「プリキュアツインストリームスプラアァッシュッ!!!!」」



―――ドゴゴゴゴォッ!!!!!!




プリキュアの必殺攻撃で全身が大損傷し、もはやプレリュードは動くことすらままならなくなっていった。









『うわああぁぁぁぁぁぁ!!!!』









そこに、スーパー戦隊たちの攻撃を受けて追い込まれた怪人たちが飛ばされてきた。

そしてその目の前にソラたちが合流する。









「みんな!とどめだ!!」

『おう(はい)!!!』







ポールポジションスーパーハイウェイバスター!!!!!』




ソラたちは5人の固有武器を合体させた、“ETC料金所”を模したバズーカ砲をセットアップ。



「スピードルソウル、セット!!」

『ドルドル!』




そこに、ソラの相棒の炎神ソウルが装填された。









「ギガフォーミュラー、イグニッション!」

ブレッドたちも固有武器を合体させたバズーカ砲をスタンバイ、ブレッド以外の4人がバズーカを支える。









「Vターボバズーカ!!!」

そして実乃梨の掛け声で、剥き出しのエンジンが合体した大型バズーカ砲が出現、彼女以外の4人がそれを肩に担ぐ形で構える。

「「「「!!!!」」」」 「マークッ!!!!」



ターボレンジャーの掛け声でターゲットがロック!













「もらったぜ!最終コーナー!」

「「スーパー戦隊!フルスロットルノヴァ!!!!」」



『ファイヤー!!!!!』



――――ズドオオォンッ!!!!!

――――ドガアアアァァァン!!!!!

『グァァァァァァァ!!!!!』














この一斉射撃で怪人たちとプレリュードは大爆発、跡形もなく消え去った。













「「「スーパー戦隊―――!」」」

フラッグ!!!』














しかし、このとき彼らは知る由もなかった。

「…ヤツラ、中々やるな…。次に会うときが楽しみだ…!」

唯一キントレスキーのみが生き残り、亜空間に逃走していたことを……。



























戦闘が終わって一段落、やっと落ち着いて話せる時間が設けられたようだ。

「みんな、助けてくれてありがとう!」

「いえ、こちらこそ。むしろ、君たちに出会えてよかったほうだからね。」





―――プリキュアの皆さん。





『!!!!』

『!?』






ソラのこの一言に目を見開いた一同。

特にプリキュアたちは見ず知らずの存在に自分たちのことをズバッと言い当てたことに驚きを隠せなかった。

そして、その証拠と言わんばかりに、みなみとゆたかが“例の写真データ”を見せる。

「そ、その写真は、“ディメンショントレイン事件”の時の…!!!」

“ディメンショントレイン事件”―――。

そのキーワードを耳にしたブレッドたち一同は、彼女たちの正体を察した。

「改めて、僕の名前はソラ。“アカレッド”ことアキッキーの後輩だよ。よろしく☆」

そして、ソラの自己紹介の後、ミーアが簡単に説明する。

「私たちシードピア連合は、アキッキーさんの仲間なのです。」

その言葉を聴き、プリキュアたちは安堵の表情を浮かべた。

「ところで……、その亀たちは、どなた?」

バーンズ勇気が指差したのは先ほどの亀の忍者たち。

「おっと、自己紹介を忘れてた。」

簡潔に説明したのは、青ハチマキのカメ―――リーダーのレオナルドだ。

「俺たちは“タートルズ”。スーパー戦隊の力の眠る大地“ルヴェラ”の大都会・“ミュート・メガロポリス”に住んでいたんだ。」

「俺たちもあの亜空軍とか言う連中の攻撃に巻き込まれて、暗い中をうろちょろしていたら、偶然ここにたどり着いたってわけ。」

赤ハチマキのカメ―――ラファエロも会話に加わって状況の経緯を語った。

外見は多少不気味ではあるが、アキッキーと同じ“ルヴェラ”の出身であると言う情報と、亜空軍と対立していると言う利害の一致で、『どうやら悪い奴ではなさそうだ』と一同は納得した。









しかしその一方で―――。









「……朱里ちゃん…、この人たちの言葉、分かりにくい…。」

「…うん…、どうも、別の世界に来たって言うのは、間違いないみたい……。」

“朱里”こと諸葛亮と、“雛里”こと鳳統(ほうとう)

住み慣れた世界から離れてしまったと言うこともあってか、やや置いてけぼりな状況になっていた……。





―――トントン。

「?」






肩を叩かれて振り向くと、そこにはCVPの実乃梨と北村の姿があった。

「ねぇねぇ、君たちのその姿に似たような格好の人たち、見たことがあるんだけど…。」

「「!」」

驚いた二人。

「そ、それってどんな人ですか?」

「えっと、確か…。」







二つ結い(ツインテール)の金髪で少し気の強そうな少女。

・桃色の髪と少し色黒な肌が特徴的な少女。

・黒い総髪(ポニーテール/サイドテールの意)の女性で、緑を基調とした服を着て、龍の装飾がついた武器を持っている。







「……で、良かったかな?」

「うん、そんな感じ。」

北村と実乃梨の会話を聞き、表情が明るくなった二人。

希望の光が見えてきたと言うような雰囲気だった。



























































一方、シードピア・メディアステーション軌道から数十km離れた場所で、ワープアウトした巨大な影が……。

「“フェニックスネスト”、ワープアウト完了!」

「第45管理外世界・シードピアまで間もなくです。」

「うむ。」

自分たちを“W.M.G.”と呼ぶ謎の組織がシードピアの捕捉圏内に近づいていたのだ。

「捕捉領域に入り次第、第2戦闘配備を発令する。メンバー全員、気を抜くな。」

『G.I.G.』









―――ビュワワアアァン!

『!?』










すると、彼らのすぐ傍でワープアウト反応が確認され、そこから謎の影が現れた。

「Yes!!ワープ完了だぜ!」

「タングラムからの情報では、この辺りのはずだが…。」

それは、6機の謎のロボット。

1体はテンガロンハットをかぶった筋肉質の男といったたとえが合う青いロボット。

1体はゴスロリという言葉が似合うピンクの外見のロボット。

1体は全身真っ白の騎士といったたとえが似合うロボット。

残りの3体は同じ機種を改修したと思われる赤基調のロボットだった。

ちなみに、共通していることを言えば、クライド・ハラオウンが搭乗する大型戦機・バーチャロイドに酷似しているのである。

「あら?お姉さま、あれを…。」

「…ん?何だ、ありゃ?」

「……見慣れない戦艦ね…。」

ふと、赤色のロボット3機が、フェニックスネストの存在に気付いた。

その中の一機が、フェニックスネストに向けて通信を繋げる。

「ちょっと失礼。あなたたち、“メディアステーション”って言う人工衛星がどこにあるか知っているかしら?」

すると、その面々にとって意外な反応が返ってきた。

『奇遇だな。我々も実はそこに向かっているところなのだ。』

「え…マジかよ!?」

「あら…、何と言う偶然……。」

そのやり取りを聞いていた、“真っ白な機体”のパイロットが、通信に介入する。

「君たちは何者かな?我々に詳しい話を―――。」







―――ヴィーッ、ヴィーッ、ヴィーッ!

『!!??』








ふとフェニックスネストに警報が鳴り響いた。

『どうした!?』

『フェニックスネスト周辺に敵性反応感知!ワープアウト、来ます!』

その報告と共に全員が周囲に目を光らせる。

すると、周囲に次々と亜空間のゲートが開き、そこから漆黒のバーチャロイド数機と、巨大な口を持った怪物が数匹、さらには金色の竜といった外見の巨大生物も同時に転移してくる。

「Shit!!シャドウバーチャロイドだ!」

「も〜!心の準備が出来てなぁい!!!」

『レジストコード“レッサーボガール”及び“ナース”、黒いロボット軍団と共に多数出現!』

『まさか…亜空軍に感づかれたか!!??』

―――亜空軍!?

通信の中で聞こえた“亜空軍”と言うキーワードを、バーチャロイドたちは聞き逃さなかった。

しかもその言葉に敵愾心を抱いていると言うことは……!

「君らは亜空軍を討たんとする者たちだったのか?」

「何だ、結局俺たちと同じってことじゃねぇか!」

『!!??』

利害が一致―――。

つまりそれは、お互いが連合軍の同志であると言う証拠。

「あたしたちも手伝ってあげるから―――!」

「周りの敵を掃討しましょう!」

……迷っている暇はなさそうだ!











『GUYS(ガイズ)、サリーゴーッ!!!!』

『G.I.G.!!!』












総監の合図で全軍出撃となった。

「HEY!俺達も続くぜ!!」

「OK!異世界でのファーストミッション、行っくよ〜!」

「サイブラリオンの象徴・バーチャロイドの力、とくと見よ!!!」

「デボラ、ジェニファー!私たちも行くよ!!」

「「了解!!」」


その後に続く形で、6体のロボットたちも向かっていった。



























































所変わって、こちら亜空間某所では、宛てもなく走る3台の大型車両の姿があった。

1台目は先端にネコ科を思わせる頭部がついた赤いスポーツカー。

2台目は上部に黄色いヘリコプターを乗せた青い大型トラック。

3代目は上部に銀色のジェット機を乗せた金色のクレーン車だった。

そして、赤いスポーツカーの運転席に座っていたのは1人の少女だった。

「お姉ちゃん、私たちいつになったらこの空間を出れるのかしら?」

『わからない。でも、いつかは出れるよ、きっと。ニック、次はどう行けばいいと思う?』

通信先のパイロットが、スポーツカーのコックピットの“ニック”と言う名の存在に声をかける。

「俺のカンが正しけりゃ・・・・左だな!!」

その言葉を聴き―――。





「「うん、じゃあ右ね!!」」

「おい!結局反対かよ!!!」






あっさりとその意見を却下した。

「仕方ないよ。ニックの方向音痴は筋金入りだからね。」

「そうラビよ。」


彼の性格を知っている仲間たちが次々に突っ込む。

「お前たち、その辺にしておけ。俺達は故郷を取り戻すと言う使命を背負っていることを忘れるな。」

クレーン車を操るパイロットがみんなに釘を刺す。

「ええ。それに研究所から持ち出せたこれらを使いこなせる人に見つかれば・・・・・。」

そういった少女の目に映ったのは“2つのアタッシュケース”“ミラーライダーの14個のデッキ”、そして“ミラーライダーの物とは異なる2つの白いデッキケース”だった。



























































一方、メディアステーション内部某所―――。













“忍術学園”と書かれた建物にたどり着いた家康たちは、先ほど正門付近で出会った、善法寺伊作と名乗った青年の案内で中に通されていた。

ちなみに、忠勝は人間以上に巨体ゆえに応急処置後、入り口に待機となっている。

そこで彼らはこの建物の責任者と思われる老齢の人物と、黒い忍び装束に身を包んだ2人の男性に出会う。

「伊作くん、ご苦労であった。引き続き負傷者の治療を頼む。」

老齢の男は伊作にそう声をかけて下がらせる。

通された二人はその場で正座し、三成は刀を傍らに置く。

「見ず知らずの者たちに治療をしてもらい、かたじけない。」

「まずは礼を言わせてもらう。」

「いやいや、そんなに大したことではありませぬぞ。」

老齢の男はそう言い、一旦区切りをつけて二人に問いかけた。

「さて、お尋ねするが、そなたらは、“三河”の大名・徳川家康殿と、“大坂城”の主・石田三成殿とお見受けしたが、いかに?」

「「…!」」

自分たちのことを見抜いた老齢の男に、少なからず驚きを見せた二人。

「…いかにも。」

「左様にございます。」

まずはその質疑に対して肯定を示す。

「改めて、挨拶をさせてください。わしはこの忍術学園の学園長、大川平次渦正(おおかわ・へいじ・うずまさ)と申す。」

その自己紹介の言葉に、聞きなれた単語があったことに、三成は僅かに眉を動かす。

「!?……忍術学園…!そうか、この建物が…!」

「…!?…三成、知っているのか?」

石田三成は、自身の知っていることを語った。









かつて秀吉様から聞いたことがある。

私たちの住むバサラークアイランド本島から離れた南の海に、シノビ島と言う離島がある。

そこに拠点を構える“忍術学園”は、齢7つの頃から忍としての力を鍛錬し、その技術を指導する場所であり、最終的に一流の忍に育て上げるための養成機関であるとか…。

そのシノビ島は、島全体が忍術学園の修練場とまで言われているそうだ。










「…それが、この場所と言うことか…。」

人里離れた忍の修練場。

それが実在していたとは…。

―――シュタッ

ふと、学園長たちの背後に一人の忍の影が。

「・・・・利吉か?」

そう呼ばれた青年の忍者は、3人に報告する。

「父上、調べてみましたが、どうやらいま我々がいるのはバサラークアイランドではないみたいです。」

「むぅ…やはりか…。」

その言葉を聴き、家康たちも顔をしかめる。

周囲の寒々とした空気と鋼鉄だらけの空間、嫌な予感はしていたが……。











「……取り込み中、失礼する。」

『?』











新たな声。

入ってきたのは年のころなら十代後半と思われる中世的な外見の人物と、着流し姿の男性、無精ひげを生やした西洋の甲冑姿の巨漢の男だった。

「「……!!??」」

しかし、後者に違和感を覚える家康と三成は、彼らの体をくまなく見てみる。

そして二人は気づく、彼らの頭部から動物の耳が生えていると言うことに。

「後ろの二人!何者だ!!!」

一瞬で剣幕な表情に変わった三成が、咄嗟に剣を抜こうと構え―――。

「待て!三成!!」

家康が瞬時に彼の行為を制する。

「止めるな家康!人間のクセに動物の耳だと!?私たちをバカにしているのか!!??」

「落ち着け!だからと言っていきなり刃を向けても何も始まらんではないか。」

そう言って家康は、彼らの下へと少しだけ歩み寄る。

二人の前に立っていた侍は、気まずいと察し、その場から離れる…。

「もしやとは思うが、お前たちは―――。」











――――“フロニャルド”の者ではないか?

「「…!!!」」












全く知らない人物に出身地を言い当てられたことに、二人の男は目を見開いた。

「何!?…家康、なぜヤツラのことを…!?」

「かつて“独眼竜”から聞いたことがあったんだ。バサラークアイランドから遥か西の彼方に、“獣の耳と尾を持つ人間たちの住む国”があると言う逸話を…。」















その真相を知るのは、読者である我々にとってはまだ先の話……。



























































一方、メディアステーション市街地内部某所で、銀色のオーロラが出現。

その内部から現れた、着物を纏った一組の男女が、キバーラに連れられて合流してきた。

「さぁ、着いたわよ。」

キバーラに言われて周囲を見渡す二人。

「ここが、“シードピア”の“めでぃあすてーしょん”…とやらか?」

「ここに侍たちがいるのだな?」

勿論、二人は異世界への旅は初めてで、特に付き人であろう男のほうはかなり戸惑っている様子…。

「それにしても、意外だったわね。あんたが“あのリーダー”の家族だったなんてねぇ。」

「こら!姫様を“あんた”呼ばわりとは、無礼だぞ!」

「気にするな丹波。」

キバーラの砕けた話し方に釘をさす、“丹波”と言う名の男だが、“姫”と呼ばれた若き女性はそれを咎める。









―――ドカアアァァンッ!!!!

「「「!!??」」」










ふと、ここで大きな音が響き、周囲が揺れる…!

「あちらのほうから、何やら爆発音が…!」

「どうやら亜空軍が暴れ始めたようね。」

「侍たちが向かっているかもしれない。キバーラ、先導してくれ!」

「任せて!こっちよ!」

キバーラに導かれ、二人は現場に急行した…!



---to be continued---


☆あとがき
新参者フラグ立ちまくりいいぃぃぃっ!!!???

…はい、またしてもとんでもないのが登場しまくりました、第160話。
しかも、管理人である自分にとっての未知の領域にまで足を伸ばしてしまいました。(苦笑)
ただ、実はこの“フュージョンワールドパニック”編、ぶっちゃけ、全体の3分の1くらいしか片付いていなかったりしています。(うおぉい!!!!)
こんな調子じゃ、到底終わりませんよね………、ペースアップを心がけなきゃ!!!

…さて、今回の更新を持って2012年度内の更新は全て終了となります。
来年度も予測不可能の展開が多数待ち受けているかと思いますが、皆さんにお楽しみいただけるようにこちらも頑張りますので、差し支えなければ来年もよろしくお願いします!

それでは、良いお年を!!!!!!





































































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