Phase158 フュージョンワールド・パニック
〜Research No.3:集結のR/園児と戦姫と2人のW〜


―――ドカアアァァァンッ!!!

『うあああぁぁぁぁっ!!!』

『きゃああぁぁぁっ!!!!』










巨大な風車の塔が聳える市街地エリアの一角にて、謎の怪人たちの猛攻撃を受けている美女たち。

カマキリ型の怪人が“ラブプリアの残党”と呼んでいる一同である。

その怪人たちの猛攻に加え、多数召喚されたビービたちに苦戦を強いられる美女たち。

「くそっ、こいつらいくら倒してもキリがない!」

ジリジリと追い詰められていき、もはや後がない…!

「鈴々(リンリン)はあきらめないのだ!」

そんな不利な状況の中、自分を“鈴々”と呼ぶ少女が、武器を構えなおす。



「愛紗(アイシャ)に会うまで泣かないって決めたのだ!愛紗に会うまで、絶対に死ねないのだ!!!」

―――うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!




鈴々は武器である矛の刃の先をビービたちに向けて、特攻を開始した。

「鈴々っ!無茶をするなぁ!!!」

仲間が止めようとするも、“猪突猛進”と言う言葉が似合いそうなこの少女には、言葉が届くはずがなく―――。

「バカなガキが!!」

一笑に付したカマキリの怪人が上空から鈴々目掛けて襲い掛かり―――。

「ッ!!!!」





[ATTACK RIDE、“BLAST”!!]

―――ズドドドドドドッ!!!!!

―――ドカドカドカァン!!!

「うがっ!!??」

「!?」






その攻撃が何者かによって阻まれた。

上空でまともにその攻撃を受けたカマキリ怪人はそのままバランスを崩して背中から地面に打った。

“流星のデレプタ”か。頭でっかちな奴が来たものだな。」

「!!?」

自分の名を知っており、尚且つ自分を見下すかのようなその台詞…!

思い当たるのは一人しかいなかった…!

「ディケイド…!貴様やはりこの世界に来ていたのか…!」

“世界を渡り歩く者”・ディケイドこと門矢 士だった。

そして士、ざっと見渡して怪人たちを確認する…。

“グレムリンのワライコ僧”“韋駄天のヒドウ”“シールドのザンKT”に、“オルトロウスヘッダーのナモノ・ガタリ”…。ゴセイジャーに負けた連中ばっかりか。」

―――カチンッ!

ルヴェラを蹂躙した怪人を一目見ただけで知っているだけあって、ディケイドもアキッキーと同様にスーパー戦隊についてはそれなりに知っているようだ。

しかし、ざっと見た直後のその一言にデレプタはカチンときた。

「…ぐ…確かにあの護星天使どもには苦戦を強いられた!だが、今やそいつらも伝説となった存在!今度こそ我らの天下となるのだ!ディケイド!貴様もその礎にしてやるぞ…!!!」

「フッ…、それはどうかな…?」

「……何!?」

自信に満ちたディケイドの雰囲気。

嫌な予感がしたデレプタは、後ろを振り向いた。





―――プァ〜ンッ!!!

「ぬおぉっ!!??」






すると電車の警笛音と共に、時のゲートからデンライナーが出現、デレプタの横スレスレを通過していった。

デンライナーはそのまま上昇していき、ビービを含めた怪人たちの周りを囲むかのように上を走り回る。







いや、待て………!









デンライナーから飛び降りてくる影があるぞ…!!??











「行くぜ!俺たちの必殺技ァ!!!!」





「マイティパンチ!!!」

「セイバースラッシュ!!!」

「ギルスヒールクロウ!!!」

「ドラグクローファイヤー!!!」

「グランインパクト!!!」

「ライトニングスラッシュ!!!」

「鬼棒術・烈火剣!!!」

「鬼闘術・閃風刃!!!」

「カブトクナイガン!!!」

「ガタックダブルカリバー!!!」

「バッシャーマグナム!!!」

「「メタルシャフト!!!」」

「メダジャリバー!!!」




――――ズドドドドドドドドドドッ!!!!!

―ドカドカドカドカアアァァァンッ!!!!

『ビビイイィィッ!!!!????』












まさに怪人たちの出鼻を大きく挫かせる、平成ライダーたちの出会い頭の大攻撃ラッシュ!

その連続攻撃であっという間にビービ兵たちは全滅してしまった…。

「な……!!!!!」

意表をつかれた想定外の攻撃にデレプタたち唖然…。

「………!」

そして、苦戦していた鈴々たちもライダーたちの奇襲攻撃に驚きを隠せなかった。

「さて、残る怪人はお前たちだけ。さっさと消えてもらおうか?」

意外すぎたその奇襲が成功したことにより、一気に余裕が出てきたディケイド率いる仮面ライダー連合軍。

「……調子に乗りおってぇぇっ!!!!」

<KAIZIN RIDE、“IKATTER-EN”>

しかしデレプタもこれで引き下がるわけには行くまいと、カイジンライドのカードを使って巨大な炎の化け物を召喚した。

その体は簡単に言えば、触手の先端がカッターで出来たイカの形の化け物だった。

「チッ、巨大火炎魔人か。暑苦しいモンを出しやがって…。お前ら、行くぞ!」

『おう!』

ディケイドの合図で、彼以外のライダーたちが怪人たち目掛けて突撃を開始した。

「おい、後ろでボーっとしているラブプリア連合!」

『!?』

「力が有り余ってんなら手伝え!」

ディケイドの言葉でハッとした乙女たち。

そして彼女たちに声をかけたディケイドも、怪人たちが暴れる戦線に合流する。

「よし!あの仮面の戦士たちの援護に回る!露払い程度だろうが、私たちも活躍するぞ!」

「フ…、心得た!皆の者、行くぞ!!!」

『応ッ!!!!』

その後を追いかける形で、ラブプリアの精鋭たちも戦いに加わった…!















「ヒヒヒヒ!僕ちんのスピードについてこれるかな〜?」

―――ヒュンッ、シュバッ!

“幽魔獣”の一体・グレムリンのワライコ僧、自信たっぷりの台詞を口にした瞬間、脚力を生かした高速移動でディケイド(士)と響鬼(明日夢)を翻弄しだした。

「は、早い…!」

……と思った次の瞬間――!



―――ビヨオオォォォン!!!!

「「!!!!」」




まるでバネのように高くジャンプしたのだ。

「ちょ、えええぇぇ!!??」

「来るぞ!よけろ!」

「うわあぁっ!!!」

――ドカアァンッ!!

このワライコ僧と言う敵、“外見がノミに似ている”と言うこともあってか、脚力はかなりのもののようだ。

「ヒヒヒ!なかなかやるじゃん!もっと僕ちんを楽しませろよ!」

そしてその子供じみた性格が、相手の怒りをさらに引き上げる。

「調子に乗るなよ、ノミ野郎!」

[FINAL FORM RIDE、HI HI HI “HIBIKI”!!]

「明日夢、ちょっとくすぐったいぞ!」

「え?」

―――ドンッ!

「う!?」


ディケイドが“ファイナルフォームライド”を発動させ、響鬼をさらに変身させた。

音撃戦士の相棒・ディスクアニマルと瓜二つの姿を持った、“ヒビキアカネタカ”である。

「え゛!?な、なにこれ!?」

思いも寄らなかったのか、ワライコ僧は慌てふためく。

その隙を突いて、ヒビキアカネタカはワライコ僧に攻撃を仕掛けていく。

飛翔能力と素早さを生かした体当たり攻撃を何度も繰り返し、ワライコ僧の体力を削り取る。

「よし!」





[FINAL ATTACK RIDE、HI HI HI “HIBIKI”!!]





ディケイドの“ファイナルアタックライド”が発動、ヒビキアカネタカはその形を丸くさせ、太鼓の“鼓”のような形となった。

“ヒビキオンゲキコ”と呼ばれる姿である。

それはワライコ僧に覆いかぶさるように貼り付けられると、ワライコ僧は身動きが取れなくなった。

「お、お、重いよ…!」

そして、どこからか音撃棒・烈火を取り出したディケイドが一気に詰め寄り、到着と同時に――――。









「ディケイドウェイブ―――!」

『爆裂強打!!!』

―――ドドォォンッ!!!

「うぎゃああぁぁぁ!!!!」

―――ドカアアァァンッ!!!










ヒビキオンゲキコから放たれた清めの音の力で、ワライコ僧は爆散した。















「フフフ、我ら二つのヘッダーに―――。」

「お前たちが勝てるかな!?」

オルトロスとミノタウロス―――。

リアルワールドの神話に登場する幻獣をモチーフに、二つの力を合体させた“ダークゴセイヘッダー”

それがこの“ナモノ・ガタリ”である。

見た目からすれば“双頭の牛”と表現するべき姿である。

「勝てるかどうか、やってみなきゃわかんないだろ!」

「行くぜ!“ギルスクロー”!」

「“鬼爪”!」

「“ドラグセイバー”!」


3人の連続攻撃でナモノ・ガタリにダメージを与えるが……。



―――シュウウウウゥゥゥゥゥ……。



「何ッ!?」



「「!!!」」




3人の連続攻撃で確かに傷をつけたはずが、その傷がみるみる回復していくではないか!

「チィッ、自己修復能力か…!」

「その通り。我らの体は特殊な力によって瞬時に回復することが出来るのだ!」

「じゃあ、今度はこちらから行くぞ!」







「「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」」

――――ドドドドドドドドドド!!!!!!








ナモノ・ガタリによる、猛牛さながらの大突進攻撃で――――。







――――ドカァン、ドカァン、ドカァン!!!

「「「うわあぁっ!!!」」」








龍騎たちは弾き飛ばされた。

「フフフ……!」

「ハハハハ…!」

ダークヘッダーの中でも指折りの強さを誇るのがこの怪物。

苦戦は免れそうにない。

「だったら、これだ!」

[SURVIVE]

起死回生を狙って、龍騎(アスカ)は“烈火のサバイブ”で龍騎サバイブに変身。

[[[STRANGE VENT]]]

ランダムで変化する特殊カード・ストレンジベントを発動させ、逆転の切り札にかける。

手に入れたのは―――。







[[[FREEZE VENT]]]







敵を凍らせる効果を持つフリーズベント。



―――バキバキバキバキッ!

「「な、何ッ!!??」」








そのカードの効果が発動された瞬間、ナモノ・ガタリの体が一気に凍りついた。

「さっきはよくもやってくれたな!“ギルススティンガー”!!!」

―――バキッッ!!!!

「「ぐおおぉっ!!??」」


エクシードギルス(ダイドウ)の背中から伸びた触手が、ナモノ・ガタリの二本の角を捕らえ、それをへし折った。

「し、しまった…!」

「つ、角をやられるとは……!!!」

「あ、あれ?もしかして、あそこが弱点だった!?」

このときエクシードギルスは何も考えずに攻撃したが故に、“二本の角を同時にへし折った”のは単なる偶然だったが、実はこれこそナモノ・ガタリ唯一の攻略法だったのだ。

「何だか分からないけど、今がチャンスだ!!!」

威吹鬼は音撃管・烈風を使って鬼石をナモノ・ガタリに打ち込み、反撃を開始した。

「音撃射・疾風一閃!!」

トランペットの音色が響き、ナモノ・ガタリに打ち込まれた鬼石が共鳴する。

「「うあああぁぁぁぁぁ!!!!」」

感じたことのない痛みに悶えるナモノ・ガタリ。

そこに―――。



「ギルスヒールクロウ!!!」

「ドラゴンファイヤーストーム!!!」


エクシードギルスと龍騎サバイブの必殺技が連続で叩き込まれ、ナモノ・ガタリは爆散した。



















―――ドガアアアアァァァァァン!!!!!

『うわああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

『きゃああぁぁぁぁっ!!!!』






一方、それに対してこちらは防戦一方。

韋駄天のヒドウ、シールドのザンKTに加え、行動隊長である流星のデレプタと大型戦力の火炎魔人・イカッターエン。

残りのメンバーたちがその相手に負われていたのだが、如何せんそのイカッターエンの存在感の大きさに押されているのか、ここは全員苦戦を強いられるハメに…。

――――ブロロロロロロロ……!!!

ふと、イカッターエンの背後からバイクのエンジン音が聞こえてきた。

しかも急速にその音は高くなっている…!

「え?」

「何か、来る!!??」

「避けろ!!!」



カブト(天道)の咄嗟の一言で全員が左右に避ける。



「どけええぇぇぇぇっ!!!!」

『!?』

――――ドカドカドカッ!!!

「「「うがっ!!?」」」




一人の青年の叫びが聞こえたと同時に、その方向から3台のバイクが一気に迫ってきた。

怪人たちは反応が一瞬遅れたことが災いし、その3台のバイクの体当たり攻撃をまともに喰らった。

「!!??お、お前ら!?」

突撃してきた面々の顔を、モモタロスは覚えていた。

「よぉ、電王。“闇の書事件”以来だな。」

“闇の書事件”において、共闘した由縁を持つ、左翔太郎を中心とした“鳴海探偵事務所”チームだった。

「ディケイド、しばらくぶりだね。」

「お前たちだったか。」

ディケイドも彼らの存在は知っていた。

「あれ?ねぇ、あれって……。」

「……!」

ふと、翔太郎たちは、シードピアのメンバーたちの中に“仮面ライダーW”の姿があることを確認した。

「…なるほど、フィリップが感じ取っていた“もう一人のW”ってのは、あいつのことか。」

「そのようだね。」

「「……!?」」

その“もう一人のW”=愛実と甜歌はその言葉の意味が一瞬分からなかったが―――。

「翔太郎、ここはボクに任せてくれないか?」

「あぁ、任せるぜ相棒。」

その言葉と共に二人が装着したベルト、その形は丸っきり―――――!

「あ、あたしたちの“ダブルガイアドライバー”と同じ!?」

『え!?うそ!?』


驚く二人の戦士を尻目に、フィリップは手元に恐竜型ガジェットを召喚、“ファングメモリ”モードへと変形させた。

翔太郎も“ジョーカー”メモリを取り出して臨戦態勢、照井と荘吉もそれぞれ“アクセル”と“スカル”のメモリを取り出して、準備を整えた。











―――変身ッ!!!!

[FANG JOKER]

[ACCEL]

[SKULL]












その電子音声と共に風が吹き、3人の仮面ライダーが現れた。

…と同時に、ジョーカーメモリを差し込んだ翔太郎が気を失い、亜樹子にもたれる形で倒れこみ、彼女に引きずられる形でその場から離れる。







「「仮面ライダーW・ファングジョーカー!」」

「仮面ライダーアクセル!」

「仮面ライダースカル!」




―――さあ、お前の罪を数えろ!!!!








名乗り口上と共に決めたお約束の台詞。





「へっ、今更そんなの数えられるかってんだよ!!!やれぇ!!!」

―――うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!






デレプタの合図で怪人たちと仮面ライダーたちが一斉に向かい合って突撃―――。







―――ビュワワアアァン!

「!?」



「ほほ〜い☆」








…と思ったら突然、電王の目の前に亜空間の扉が開き、そこからなぜか“子供のお尻”が飛び出してきた。





『え゛!!!???』

―――ムニュ






避ける暇など当然なく、そのまま電王の顔面にお尻が乗っかった。















「なっ!?」





「へ!?」





「ん!!??」





「はぁ!?」
















もちろんこんな展開はその場にいた面々全員が全く予想していなかったこともあり、敵味方含め、全員が戦闘を中断するハメに…。



「…………ん!?」



ふと、お尻の違和感にようやく気付いたその男の子、視線を向けると――――。



「むぐぐぐぐ……。」



モモタロスが顔を仰向けにした状態で硬直していた…。



「いやぁ〜っ!」



女の子のような声をあげ、男の子はすぐにその場から飛び降りた。

「だあぁぁ〜っ!ひどい目にあったぜ…。」

「これはこれは失礼しました。」

「謝って済む場合じゃ…って!?」

「お?」

ここでようやく電王、自分の上に乗っかってきた子供の素顔を見ることが出来たのだが、その顔を見た瞬間、意識内の良太郎と共に数秒間固まった。

どこか坊主に似ていそうな丸っこい頭と、ジャガイモのような顔つき。

そして独特の声と台詞…。

忘れたくても忘れられない記憶が一気に蘇った…!

『うそ…もしかして…!』

「てめぇ、しんのすけか!!??」


「おぉ!モモタロス!お久しブリブリ〜☆」

―――ズコォッ!!!


わざわざお尻を露出させて振るその姿とボケに、その場にいた全員がズッコケた。

「ところで……何してんの?」

案の定と言うか、しんのすけも周りの状況を理解していなかったようだ…。

「あのなぁ、ボウズ……。」

「お?」

しんのすけが振り向いて見上げると、怒り心頭のデレプタがいた。

「………;;;」

その姿を見てしんのすけは冷や汗をかいた。











「“何してんの?”じゃ、ねぇんだよっ!!!!!!!!!!!」

――――ドカアアァァンッ!!!!!!!

「うわああぁぁぁっ!!!!!」












怒り任せのその攻撃による衝撃波でしんのすけは吹っ飛んだ。

「あ!し、しんのすけ!!!」

―――ズバッ、ズバッ、ズバッ、ドゴッ!

「ぐはっ!!??」


この事態に一瞬の隙をつかれたモモタロスは、デレプタの連続攻撃を喰らってしまって後ずさる。

『モモタロス、どうするの!?』

「どうするっつったって…!!!」

すると、吹き飛ばされたしんのすけが即座に立ち上がって―――。







「オラも一緒に戦うぞ!」

『え゛!!??』










まさかの一言を発したと思いきや―――。







「ぶりぶりざえもん!」







しんのすけの隣にブタの顔をした変てこな人物が現れた。

「いぃ!!??で、伝説のイマジンが何で…!!??」

さらに、しんのすけの腰に“デンオウベルト”ならぬ“シンオウベルト”が装備され、これまたどこかで拾ってきたであろう“ライダーパス”を取り出した。









「変身ッ!!!」

―――“SHIN-O FORM”










シンオウベルトの中央にライダーパスが触れ、しんのすけの体にオーラスキンが纏われる。

さらに、“ぶりぶりざえもん”と呼んだ謎のイマジンもしんのすけの体に憑依し、胴体とベルトにその顔を模したパーツが宛がわれる。

そして、顔面にお尻を模したピンク色の電仮面が装備された。









「オラ、参上!」









そしてモモタロスの台詞を丸々パクった台詞でポーズを決めて、変身完了となった。

「な、何だありゃ!?」

“数多くの仮面ライダーを知る”ディケイドも、この“番外ヒーロー”的存在の“仮面ライダーしん王”については全く知らず、呆然とするしかなかった。

「おい、お前なぁ…、ふざけるのも大概にしろ!!!」

再びデレプタが攻撃を仕掛けてきた。



「とぉっ!!!」

「何!?」




しん王は意外にもその攻撃を交わしてジャンプし、バックル部のブタの鼻のパーツを自分の顔に当てた。





「“力と技の風車が回る!父よ母よ妹よ!”ビェクショ〜ン!!!!」

―――ベタッ!!!!

「グゲッ!!??」






どこかで聞いたような台詞と思ったら、ブタ鼻のパーツから鼻水が飛び出してデレプタの腕を拘束した。

「じょ、冗談だろぉ!?う、腕が動かない…!」

―――ヒュウウゥゥ、スタッ

「モモタロス、今だぞ!」

「ナイスサポートだ、しん王!」

[FULL CHARGE]


電王はそのままフリーエネルギーをデンガッシャー・ソードに込めて、一気にデレプタに詰め寄る。





「行くぜ!俺の必殺技・パート1!!!」

―――ズバッ!

「ぐあああぁぁっ!?」


すれ違いざまのエクストリームスラッシュが炸裂し、デレプタは吹き飛ばされた。









―――ガシャンガシャンガシャン!

[RIDER KICK!!]

[FANG MAXIMUM DRIVE]

「ライダーキック!!!」


「「ファングストライザー!」」

「「「たあああぁぁぁぁぁっ!!!!」」」








そして、一方でイカッターエンを初めとした残りの怪人たちも、ウインディヒルズの仮面ライダーたちの参戦によって追い詰められていった。





「一気に攻めるぞ!」

[FINAL FORM RIDE、ALL R R R RIDER!!!]

―――ズキッ!

『うぐっ!!!???』




ディケイドが“ファイナルフォームライド”を発動した途端、“平成主役ライダー”たちが前触れなくいきなり変身、それぞれのキャラクターをモチーフにした特殊形態に変形した。

「うわあぁっ!!??」

電王の場合はいきなりモモタロスになったことにより、良太郎が弾き飛ばされてしまった。

「え?愛実!?」

「て、甜歌!!??」


そして、Wとなっていた甜歌と愛実も、“サイクロンサイクロン”“ジョーカージョーカー”へと特殊分離!

「愛実くん、乗って!」

「愛実、俺を使え!」


「オッケー!」

愛実はアギト(望)の変化した“アギトトルネイダー”に乗り、その手にはブレイド(竜一)の変化した“ブレイドブレード”が握られる。

「甜歌、俺たちも!」

「はい!」

甜歌もクウガ(卓也)が変化した“クウガゴウラム”に乗り、上空へと上がる。

「これは面白い…!」

また、スカル(荘吉)の手にはファイズ(タクミ)が変形した“ファイズブラスター”が目の前に下り、アクセル(照井)の傍にもカブト(天道)が変形した“ゼクターカブト”が飛び回る。

「ぬおっ!!??」

そして、モモタロスのもとにも、キバが変形した“キバアロー”が降りてきた。

「フッ…、サイト、これを使え!」

―――ヒュッ

「!?」

―――パシッ

“リュウキドラグレッダー”が傍らに控えるオーズ(サイト)の相棒アンクも、この展開を察したのか、“クジャク”と“コンドル”のメダルを投げ渡す。

「炎との相性がいいのはそれだ!」

「そういうことか!」

意図を察したオーズは、コンボチェンジを慣行した。



[タカ!クジャク!コンドル!]
[タ〜ジャ〜ドル〜♪]




炎の翼を持つタジャドルコンボである。





最後の準備は整った……!





「行くぞ!」

[FINAL ATTACK RIDE、D D D DECADE!!]

[ACCEL CYCLONE JOKER SKULL MAXIMUM DRIVE]

スキャニングチャージ!!>










「必殺!俺たちの必殺技!“ファイナルアタックバージョン”!!!」

モモタロスとキバアローの“エクストリームファング”から始まり―――。

ジョーカーエッジトルネイダー!」

サイクロンアサルトエクストリーム!」

スカルフォトンパニッシャー!」

アクセルメテオグランツァー!」

プロミネンスドラグーンドロップ!」






次々にファイナルアタックを炸裂させ―――。







「ディメンション・ライダーキック!!!!」

――――ドゴオォッ!!!!!








最後はディケイドのライダーキックで全員が爆散した。







「ぐぐぐ…、畜生!」

デレプタ、思わぬ敗戦に歯がゆさを覚え、一時撤退した。













「ふう、お前ら、お疲れ!」

「あぁ。」

ライダーたちは全員変身解除。

どうにか一息付けられる状況になった。

「翔太郎、フィリップ、今回は助かったぜ。」

「また世話になっちまうな、ディケイド。」

お互いに握手しあう士と翔太郎。

「てれび戦士、同じ“仮面ライダーW”として、一緒に戦おう。」

「はい!」

「こちらこそ!」

フィリップも、改めて甜歌と愛実に挨拶。









「ほほ〜い☆☆☆☆」

「うわああぁぁぁぁぁ!!!!!」

『!?』










いきなり響いた悲鳴としんのすけの声に、何事かと思って全員が振り向いた瞬間―――。

『え゛!?』

「「「ふぇ!?」」」


しんのすけがラブプリアの乙女たちに猛烈アピールをしていた。

「ねぇねぇお姉さん、オラとおデートしなぁい?」

「あ、ダメ…っ、抱きつ、い、ちゃ…、あぁん!」

しかも現在そのしんのすけ、焔耶と言うボーイッシュな乙女の豊満なバストに抱きついていた。

彼女は肌が一際敏感すぎるゆえ、過剰と言えるほどに反応してしまっている。

「お嬢さん、僕に釣られてみないかい?」

挙句にはいつの間にか、侑斗に憑依したウラタロスまでもが合流し、星をナンパしようとしているではないか。

「ぶー、どうしてあたしたちは!」

「無視されるのだぁ!」


ただし、“背がちっちゃくて胸が小さい”つながりの鈴々と蒲公英は、あっさりと自分らを無視してしまったために、蚊帳の外となったことにご立腹なご様子だが……。

「だぁ〜っ、あのスケベ野郎!」

モモタロス、お約束の状況に怒り―――。



「君たちは―――。」

「「見ちゃだめ!」」




フィリップとタクミと加賀美がすぐさま“未成年”のてれび戦士たちの目を隠す。

「……お前は行かないのか?」

サイトの相棒・アンクが、何気ない爆弾発言を投下する。

「バカ!俺がアッチ行ったらルイズにおしおきされちまうし!」

“巨乳”にコンプレックスを持つルイズの性格をイヤと言うほど知っているサイト、確かに彼女たちの存在は目を奪われそうだが、彼女たちに対してデレデレになってしまったら今度こそおしまいだ。











そう、この後のあの二人のように……。











―――ガシッ!

「!!!???」

「しんちゃん…、ウラタロス…?」

「「は、はいっ!!??」」












良太郎の低い声が背後に聞こえたと思いきや、しんのすけとウラタロスの頭を良太郎が鷲掴みしていた。

「あ゛…!」

モモタロスは今後の展開をいち早く察したが、既に遅かったようだ。

良太郎は焔耶に引っ付いたしんのすけを力ずくで引き剥がし、ウラタロス共々その場から離れる。















「…あのねぇ…、いくら目の前に凄くキレイな女の子たちが揃ってるからって言って……!!!」

















―真っ先にナンパするなあああぁぁぁぁぁ!!!!!!!

―――グリグリグリグリグリグリ!!!!!!!!

「のおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!?????」








滅多に見せない良太郎の怒りがここで大爆発してしまった。









『……;;;;;;;;;;』









これは全員呆然とするしかなかったのは言うまでもないだろう…。

「…モモタロス、良太郎って、あんな性格だったっけか?」

「いや、俺たちでもあんな良太郎は滅多に見ない…。」

そこまで良太郎は穏やかな性格だということだ、普段は……。

しかし、あぁなったら収まるまで止められない。















……とりあえず、一言。























『だめだこりゃ。』



KYなシリアスブレイカーは、しばらくほっとくとしよう。



---to be continued---


☆あとがき
一ヶ月以上お待たせしてすみませんっ!!!!!!(土下座)



……はい、ようやく完成できました第158話の平成ライダーパート編でございます。
いつぞやの予告どおり、クレヨンしんちゃんこと野原しんのすけ、登場早々雰囲気を取り乱してくれました。(笑)
そして最後のセクハラ場面、しんちゃんだけでは物足りないと考え、ウラタロスにも一役買っていただきました。(笑)
侑斗にとってはとばっちりですけどね(苦笑)

さて、またまた唐突ではありますが、アキッキーさんの希望で次回予告をスピードルにお任せすることになりました!
それじゃ、後はよろしくね☆


↓  ↓  ↓  ↓  ↓




<次回予告!!!!>



ドルドル!!スピードルだ!!

俺達が向かった場所でも怪人たちが所狭しと大暴れ!

そこには、シャナたちの世界の住人が巻き込まれていたんだ!!

悪の手に落ちた友達を救いたい5人の青春真っ只中のメンツがその若さを爆発させた時!!

それに呼応する形で3つの車を司る大いなる戦士たちが復活するんだぜ!!







次回、シードピアクライシス第159話―――!
フュージョンワールドパニック・Research No.4
『炎神高速、激走!ビークルセンタイ!!』



GO−ON!!










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