亜空軍によるバサラワールド襲撃作戦が着々に進行し、シードピア・メディアステーションにてエトワールたちの大猛攻が続く、そんな中、プラズマ界の守護世界・ミッドチルダでも亜空軍の大作戦が進行していた…!!!
人々が次々に避難する中、各国のテレビ局は危険を冒しつつも現状を中継し続けている。
その立体映像は、住人たちの不安をさらに煽っていた。
ハートユナイティアの中心都市である、音楽の都・メイジャーランド。
本来は美しい光景を見せるこの場所も、現在、無骨な巨大な鎧騎士と謎の飛行物体により、見るも無残な姿をさらけ出していた。
「ミルキィローズ・メタル・ブリザードッ!」
ミルキィローズが、青い薔薇の猛吹雪でけん制を仕掛け―――。
「プリキュアファイヤーストライク!!」
「プリキュアエメラルドソーサー!!」
「プリキュアサファイアアロー!!」
「プリキュアプリズムチェーン!!」
「プリキュアシューティングスター!!」
プリキュア5達の攻撃が剣を持った巨大鎧騎士たちを次々と破壊していく。
「プリキュア!ラブサンシャイン・・・」
「エスポワールシャワー・・・」
「ヒーリングブレア・・・・」
「「「フレエェッシュ!!!」」」
「プリキュア、ハピネスハリケーン!!」
更にフレッシュチームの必殺技が上空の飛行物体を次々と撃ち落す。
しかし、そんな攻撃も焼け石に水に過ぎず飛行物体が変形し地上へ次々とレーザーを放つ。
『キャ〜〜〜!!!??』
強大な火力にプリキュアたちは徐々に押されていた。
「あわわ…!!皆さん!!!!」
その状況を目の当たりにし、さらに不安が増していくチームが一つ。
それは、つい先日プリキュアとして覚醒した新参者・“スマイルプリキュア”チームである。
力を手に入れて間もなく訪れた、最大級の大ピンチ。
足がすくんでしまうものもしばしばである……。
そんなプリキュアたちの戦いを離れた位置から見ている者がいた。
フードをかぶっているため外見はわからないがただ一つわかっているのは、手に鎖が巻きついた三つ又の槍を持っているということだ。
「フン!久方ぶりに復活してみれば圧倒的ではないか。俺が出るまでもなかったか。」
余裕すら垣間見え、ほくそ笑む謎の人物。
しかし、その口元は人間のそれでなくまるで魚を模した物のようであった・・・。
一方、こちらはルイズの故郷であるハルキゲニア王国。
ここもまた亜空軍の襲撃を受けていた。
ただ一つ違っていたのは、ここの主戦力が両手が銃器状になっているタイプとドリルになっているタイプのロボットだと言うこと。
そのロボットたちが両手の武器で次々と建築物を破壊していく。
「撃て!!」
アンリエッタとウェールズが指揮する次元航行艦が砲撃を浴びせていくがその物量故に防戦一方だった。
一方、地上では精鋭騎士団である“オンディーヌ隊”が中心となり、プリムやレイドラグーンと言った亜空軍の主力戦闘兵と戦っていたが、こちらも圧倒的な物量に苦戦中だ。
「ヒャッハッ!!!」
「死ね!!」
襲撃開始と同時に突然現れた、ハンドガンになるダガーを2本持った黒いボディに緑色のラインのライオンを模した頭部の怪人と、剣になる大型銃を武器とする黒いボディに黄色いラインの虎を模した頭部の怪人の攻撃も、さらにその苦戦を煽る形になる。
おまけに、頼みの綱であるサイトたち3人がシードピアへと出発した直後だと言うから、タイミングの悪いことこの上ない。
こちらはウィッチャーズ連邦ストライクウィッチーズ基地。
亜空軍の主力戦闘機“バフォメット”が空を覆い都市を破壊していく。
現在、ウィッチャーズ連邦の各ウィッチ基地は壊滅状態にあり残存勢力が唯一壊滅を間逃れていたストライクウィッチーズ基地に集結しウィッチャーズ連邦の最終防衛線を形成していた。
「この!!」
「烈風斬!!」
「TONNERRE!!」
「STURM!!」
ウィッチ達の銃撃や坂本の斬撃、ペリーヌの斬撃、ハルトマンの疾風が次々とバフォメットを落としていくが、如何せん数の上は亜空軍が圧倒的有利であり、ウィッチーズの方はエースである宮藤芳佳が負傷者の治療に当たっているため、その穴を埋めることにほかのメンバーが工面することになる。
「えい!!」
ウィッチーズの中では新米に当たる坂本の教え子“服部静香”も手にした銃で応戦する。
「そうはいくか!!」
「!?」
突然現れた黒ずくめの女の攻撃に襲われそうになる静香だったが、芳佳が間に入りシールドを張ったため事なきを得たが不利な状況は変わらずだった・・・。
一方ここはクラナガンのウインディヒルズ。
ここではライジングブレイブヒーローズ、W、アクセル、スカル、特殊ライダーシステムの試作型“プロト・バース”を装備した後藤に加え、新たなるライダー・“フォーゼ”と“メテオ”が亜空軍の戦闘員たちと戦っていた。
「ブレストキャノン・シュート!!!」
「メテオストライク!!!」
「ライダー・ロケットドリルキイイィック!!!」
「「ビッカー・ファイナリュージョン!!!」」
全員が必殺技で応戦するも数で押してくるため防戦一方だ。
それをビルの上から見つめる怪しげな男。
「フフフ、このまますべてを破壊してしまいなさい!!」
手を上に挙げると同時にまるで蝶とステンドガラスを混ぜたような姿に替わる男。
すると新たな亜空の扉が開き、中から手にマシンガンを持った黒い巨大ロボットたちが転送されてくる。
「おい!なんだよありゃ!?」
その姿、アクセル(照井)は見覚えがあった。
「あれは・・・“ブラックチーフテン”!?」
「知っているのか?」
Pバース(後藤)もその姿をかつて一度だけ見たことがあるゆえ、すぐに脳裏に情報が呼び起こされた。
「かつてロボットを暴走させようとしたフォルツォイク母子が運用した自立型の戦闘ロボットです!!」
ブラックチーフテンたちはいっせいにマシンガンを構え攻撃を仕掛けようとする!!
―――ウ〜〜!!!
―――ピーポーピーポー!!!
しかし、そこへサイレンと共に、1台のパトカーと大型のトレーラー、救急車、大型消防車が乱入してくる。
「な、なんだ!?」
すると、介入してきたパトカーと救急車が―――。
「「チェンジッ!!!」」
電子的な掛け声と共にロボットに変形した…!!
『!?』
「ホールド・アップ!ブレイブポリスだ!」
懐から警察手帳を取り出し、名乗りを上げるパトカー型ロボット。
すると一緒にやってきたトレーラーから1人の少年が出てきた。
「大丈夫ですか?」
「お、お前は友永か!?」
「ここは僕たちに任せてください!」
少年はそう言うと、真っ先に敵のところへと走っていった。
「照井竜、あのロボットたちはなんだ・・・?それに、あの子は・・・?」
「“ブレイブポリス”…。対ロボット犯罪用に設立された、D.F.直属のスペシャルポリス…!」
「そして彼こそ、そのロボット刑事たちを率いる、史上初の小学生警察官・・・友永勇太警部!」
アクセルとPバースの言葉を聴き、下手をすればまた検索をかけてしまいそうなほど、フィリップは興味を持った。
「デッカード、デューク!行くよ!!」
「OK、勇太!!」
「了解、ボス!!」
――――ブレイブアップ・ジェイデッカー、デュークファイヤー!!!
少年警官・友永勇太の掛け声と、手に持つ“勇者警察手帳”のサイレンが響き、大型トレーラー“ジェイローダー”が四肢に変形しそこへパトカーが変形したロボット“デッカード”が胸部に合体。
同時に、大型消防車“ファイヤーローダー”がボディを形成し、最後に2つに分離した救急車“デューク”が両腕となって合体する。
「ジェイデッカー!!」
「デュークファイヤー!!」
2体の巨大ロボットが降り立ち、早速ブラックチーフテン相手に立ち回りを開始する。
「スーパービルドタイガー!!!」
「シャドウ丸、見参!!」
「ガンマックス、ただいま現着!!!」
更にその直後、ブレイブポリスのほかの刑事たちも合流し次々とブラックチーフテンの対処に当たる。
――――ピピピピ!!!!
「!!??」
その最中、突然、勇太の持つ“勇者警察手帳”が鳴り出す。
慌てて警察手帳を開くと、通信画面に勇太の上司でもある、ブレイブポリス司令官・冴島十三の顔が映る。
『諸君!緊急事態だ!!』
「どうしたんです!?」
『亜空軍が刑務所に大挙して押し入り、そこに収容していた次元犯罪者たちを脱獄させたと言う報告が入った!!』
「『!!??』」
その報告に驚く一同。
「冴島総監、その脱獄した犯罪者とは!?」
「そのデータをそっちに送る!!!」
彼らの目の前に現れた空間ディスプレイに、脱獄した面々の写真が現れた。
●アナコンダ伯爵 “秘密結社ホワイトスネーク団首領”
●ヒエール・ジョコマン “自称『歴史(ヒストリー)トレンドクリエイター』”
●マカオ、ジョマ “双子の違法魔導師、総称:『オカマ魔女』”
●ヘクソン “超能力犯罪者”
●パラダイスキング “大規模爆弾テロ犯”
そのあまりにも個性的過ぎる、いや“あらゆる意味で濃すぎる”顔ぶれは、勇太もかつて見た覚えがあった。
「ちょっと待ってください!この人たちって“野原さん達が関係した事件の犯人達”じゃ?」
『ああ、その通りだ!おそらく自分たちの配下にすべく脱走させたのだろう。なにより奴らがブラックチーフテンを復活させているのが何よりの証拠だ!』
ビルの上からその様子を見ていた蝶の怪人――スワローテイルファンガイアは、彼らのやり取りを聞き、邪悪な笑みを浮かべる。
「気付くのが少々遅かったようですね。やってしまいなさい!!」
そして彼のその指示で再びブラックチーフテンが転送され、戦いは消耗戦へと移行していく。
破滅に向かいつつある世界。
逃げ遅れた人々の悲痛な悲鳴。
その、負の連鎖が絶え間なく続く状況に、ニューフェイスたちは徐々に絶望感にのまれつつあった・・・・・!!
『諦めちゃダメです(だ)!!!』
『!?』
4つのエリアで偶然にも異口同音の一言。その一言にニューフェイスたちは驚く。
「確かに正直言って今の状況は最悪だ。でもな、絶対に諦めちゃいけない!」
「そう、それに俺たちは知っている。こんな危機的状況でも絶対にあきらめなかった人のことを!」
「あの“ディメンジョントレイン暴走事件”でみんなが絶望に落ちつつあった中・・・・、」
「ただ一人絶望せず立ち向かい・・・・」
「そして、私たちを勝利に導いた・・・・・」
――――赤き勇者“アカレッド”を・・・・・!
R1(ヒカル)、ファイヤー1(タツヤ)、芳佳、アンリエッタ、キュアブロッサムからそれぞれ発せられたその名に、ただ一人反応した人物がいた。
「アカレッド・・・・あのスーパー戦隊のリーダーだった・・・・?」
「友子、知ってるの!?」
「私、あの事件の時、現場にいたから・・・・・。」
“フォーゼ”率いる、通称“仮面ライダー部”のメンバーである野座間友子。
実はあの“ディメンジョントレインジャック事件”の際、偶然その現場におり、オーズ、ひいてはプリキュア、レスキューブレイバー、ウィッチ、そしてスーパー戦隊の活躍を見ていたのだ。
その励ましが力となり再び立ち向かう一同。
「案外ねばっていたようだが…、残念ながらここまでだ!!」
しかし、ミッドチルダの遥か上空から見ていたブラジラの目が光り、ついに運命の時はきた―――!!
―――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!
「こ、これは!!??」
「レジアス司令!ミッドチルダ全域で次元干渉エネルギーが!!!」
「何だと!!??」
揺れる各世界、そして空は不気味な色と化し怪しげな光がミッドチルダを包み込んだ―――!!!
「世界よ、我が闇によって一つになるがいい!!!」
―――“ミキシングローバル!!!!”
ブラジラは、自身の持つ天装宝玉・“スカイックオーブ”、“シーイックオーブ”、“ランディックオーブ”の3種類を一気に天装し、力を解き放った……!!!!
「アウトブレイク・ダークゴセイパワー!!!!」
『うわ〜〜〜〜〜〜〜!!!?!?!?!?!?』
その日、『ミッドチルダ』はプラズマ界から消え去った……。
『たあああぁぁぁぁっ!!!!』
ブラジラのダークゴセイパワーが発動される、僅か10分前。
メディアステーション・ライブ会場での戦いも、一気に終盤戦まで持ち込まれていた。
「シャークジョーズ!!!」 「パンサークロー!!!」
「ぐおっ!!??」
バルシャーク(翔太)の牙を模した攻撃と、バルパンサー(北斗)の引っ掻き攻撃が同時にカナリアネジラーに同時ヒットすると――。
「バルカンスティック!!」
バルイーグル(冬馬)が固有武器のバルカンスティックを剣に変化させ、一気に詰め寄ってとどめの一撃!
「先代直伝・“飛羽返し”!!!!」
―――ズバッ、ズバッ!!!!
「うぎゃああぁぁっ!!!!」
「「ダブル・ウイングガントレット!!!」」
―――ドゴゴッ!!!
「ぶぐっ!!!」
ボイスジゲンの相手をするジェットマンは、まずはホワイトスワン(みゆき)、ブルースワロー(かがみ)のダブルパンチに始まり――。
「うおおおおぉぉぉぉ!!!!」
イエローオウル(幸生)が自慢の怪力を生かした大攻撃を仕掛ける!
「岩石落とし!!!」
―――バコッ!!!!
「ぎゃふっ!!!」
それに怯んだボイスジゲンの隙を突き―――。
「ホーク!」
「コンドル!」
「イーグル!」
「「「トリプルフィニッシュ!!!」」」
―――ズバズバズバッ!!!
「があああぁぁぁぁっ!!!!」
レッドホーク、ブラックコンドル、グリーンイーグルによる、ブリンガーソード3連続斬りが炸裂した!!!
「超忍法・牙走り!!!」
―――きゃああぁぁぁっ!!!
固有武器“スタッグブレイカー”を使い、ネリエスを吹き飛ばしたクワガライジャー(こなた)。
「バイソンロッド!!!」
「サイカッター!!!」
「ドルフィンアロー!!!」
その後に続き、ライブマンの3人が固有武器で追い討ちをかけ、さらにダメージ。
そして――――。
「バケットスクーパー!!!」
両手にバケットスクーパーを装備したボウケンイエロー(つかさ)がネリエスに詰め寄り―――。
「スクーパーファントム!!!」
―――ドガァッ!!!
「あああぁぁぁっ!!!!」
懐からのアッパーカットで一気に吹き飛ばした。
「おのれぇぇ!!!」
「おっと!」
――――ガキンッ!!!
怒りを露わにしたデインハルトが、剣を使って攻撃を仕掛けるが、アバレブルー(コロナ)のトリケラバンカーが盾となり、攻撃を防ぐ。
「グランドインフェルノ!!」
「イエローフライングアタック!!」
――――ゴゴゴゴゴ!!!
―――ズガガガッ!!!
そこにアバレブラック(ななこ)の地震攻撃とアバレイエロー(シャンテ)のダガー攻撃が連続で炸裂し、デインハルトを怯ませる。
「小癪な!!」
体勢を立て直そうと―――。
「ティラノロッド・サークルムーン!!!」
「ボウケンボー・レッドゾーンクラッシュ!!!」
アバレッド(リオ)とボウケンレッド(トーマ)、二人のレッドの同時攻撃が一気に炸裂した。
「うわああぁぁぁぁ!!!」
残るはエトワール。
だが、亜空軍の行動隊長としての意地か、簡単に引き下がるはずがなかった。
「おのれスーパー戦隊ども!ニャ〜〜っ!!!」
掛け声と共に電撃を放つが―――。
「電撃拳・エレクトロフィスト!!!」
デカブレイク(空課長)もブレスロットルの力による電撃で応戦。
その隙を突いて――――。
<SUMMON、“GAO-MAIN-BUSTER”>
「!?」
“ガオメインバスター”と言うバズーカ型アイテムを召喚したミクが、タイムファイヤー(コースケ)と共に背後から攻撃!
「ガオメインバスター!!!」
「DVバルカン!!!」
―――ドドドドォォン!!!
「ぐにゃっ!!??」
連続射撃攻撃で一瞬怯んだエトワール。
その隙を見逃さなかったゴーオンレッド(ソラ)が、さらなる一撃―――!
「サーベルストレートォッ!!!」
―――シャキイィィンッ!!!
「うぎゃあああぁぁぁっ!!!!!!」
怒涛の連続攻撃で一気に追い込まれた亜空軍。
「よし、一気に止めだ!!!」
「みんな、これを使って!!!」
<FINAL ATTACK、“DICE-O BAZOOKA”、“FIRE-BAZOOKA”、“SUPER-DINOBOMBER”、“VIMOTION-BUSTER”>
ミクの取り出した新たなカードの力で、最後の攻撃を司る武器が現れた。
「「「「スーパーダイノボンバー!!!!」」」」
アバレンジャーは、それぞれの固有武器を合体させた特殊大砲。
「「「バイモーションバスター!!!」」」
ライブマンには、砲身がピストン運動する真っ白な大砲。
「ファイヤーバズーカ、スタンバイ!」
「「「「OK!!!!」」」」
ジェットマンの5人には、赤いバギーが変形した大型のバズーカ砲。
「「「「「ダイスオーバズーカ!!!!!」」」」」
そして、空課長たち広報課の面々とミクつかさの手には、大型のダイスが幾つも合体した大型のバズーカ型アイテムが握られた。
「必殺!」
「「スーパー戦隊!」」
「「コラボレーション・ダイナマイト!!!!」」
『ファイヤー!!!!!!』
4つのバズーカ砲の一斉射撃が放たれ、四体の怪人が一気に致命傷を負った。
「まままま、マズイ!!!」
極限まで追い詰められたエトワールは、そそくさと退場しようと考えたが―――。
「逃がすもんか!!!!」
「ゲッ!!!」
いつの間にか背後に回りこんでいたトーマが、両手持ちの特殊大型射撃武器を構えて待ち受けていた。
トーマの胸部にはボウケンジャーのエンブレムをあしらった銀色の装甲が装備されており、彼の両側についたつかさとこなたがその体を支える。
「デュアルクラッシャー・ミキサーヘッド、GO!!!」
その掛け声で、武器から特殊コンクリート弾が放たれ、エトワールの体をがっちりと固めてしまった。
「ニャニャニャ!!!???」
そして、これでチェックメイトと言わんばかりに―――。
<FINAL ATTACK、“VULCAN-BALL”>
「最後は俺たちが決めるぞ!バルカンボールだ!!!」
「「おうっ!!!」」
ミクから渡されたバルカンボールを、ビーチバレーの要領でパスを回す。
「ワン!」
イーグルのサーブから始まり―――。
「ツー!」
シャークがレシーブ―――。
「スリー!」
パンサーがトスで一気にボールを高く上げ―――。
「とおっ!!!」
最後にイーグルが飛び上がってボールの高さまで上昇した瞬間に―――。
「スーパー戦隊コンビネーションアタック!!!」
―――フィニイィッシュ!!!!!
―――バシィッ!!!!
ボールをスマッシュ!
――――ドギャアアァァァン!!!
「ぎゃぐふっ!!!!!」
エトワールの顔面にクリーンヒットし、そのまま壁に叩きつけられた。
「こ、こんニャはずでは……!」
―――ドッカアアアァァァァン!!!!!
無念の台詞と共にエトワールは大爆発、同時にエトワールに仕えていた怪人たちも爆散した。
その爆散の直後、“気”を思わせる何かが炎の中から放たれ、それらが声を失った者たちに吸い込まれた。
さらに、今回の(ある意味での)一番の被害者だった、美希、千早、春日、若林からも、同様の“気”が出てきて、それらが入れ替わるように入っていった。
「ぐっ!?ゲホゲホゲホ…!」
「何だったのぉ!?」
突発的だったのか、“気”が口の中に入った際に咳き込んでしまった。
しかし、よくよく聞くと……。
「あれ!?…みんな、声が戻ってるよ!?」
『え!!??』
唯の言葉を聴き、全員が一斉に間抜けな声を発した。
「それに…、千早さんと美希ちゃんの声も元通りになってる…!」
「あ……!」
「そう言われれば……!」
そして、春日と若林も…!
「俺たちの声も…!」
「元通りだ!!!」
『やった〜〜っ!!!!!!!!』
会場は一気に大歓声と拍手に包まれた。
その最中、騒ぎを聞きつけた門矢 士(ディケイド)が合流してきた。
「あれ?……どうやら一足遅かったようだな……。」
喜びに浸る一同の中、コースケが士の存在に気付き、駆け寄った。
「ディケイド!どうしてここに!?」
「この会場で亜空軍が暴れてるって話を聞いて、嫌な予感がして来て見たんだが……、どうやら片付いたらしいな。」
「何とかね。」
今回は士も彼らに対して、余計な心配をしたようだ。
「おい!みんな!」
「「!?」」
ふと、ムウの声が聞こえ、二人はすぐに彼のところへ合流する。
「ムウさん、どうしたんですか!?」
「見ろ。化け猫野郎が残っている!」
「「!」」
なんとエトワール、スーパー戦隊の攻撃を受けても爆散せずに残っていた。
ただ、仮面の奥の瞳は光が宿っておらず、完全に意識を失っている状況だと思われる。
「やられてもしぶといなぁ……。」
「とにかく、もし意識を取り戻したらまたやられる。早く始末を―――。」
―――ピカアァァァッ!!!!!
『!!!???』
突然エトワールが白く輝きだした。
思わず全員その場から後ずさり…。
しかしよく見ると、なんとエトワールの体が4つに分かれ始めているではないか!
そして、ようやく光が収まると………。
「…!?」
「え……!?」
――ええええええぇぇぇぇぇぇっ!!!!!????
ついさっきまで“エトワール”と言う一つの存在だった化け猫が、4人の少女になってしまった。
共通的な特徴を言えば、以下の通り――――。
・身長はおよそ110cmほど、外見年齢はギリギリ10歳?
・ネコ耳、ネコの手足、尻尾を持つ。
・肌の露出度が他のメンバーよりもかなり高い。
その共通事項を目視した途端――――。
「嘘だろ……!!??」
『…?』
ディケイドこと士が思わず言葉を漏らした。
“見覚えがある”と言うのは明らかだ…、今のリアクションは……。
「何で“バサラワールド”の“ニャンバン族”がこんなところに…!!!」
『“ニャンバン族”……!!!???』
案の定、聞きなれない一族の名前を耳にして、全員が首をかしげた。
――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!
『!!!!!!??????』
と、次の瞬間、今度はメディアステーション全体が大きく揺れ始めた。
「なっ何だ、今度は!?地震か!!??」
「馬鹿言うな!ここは宇宙空間やぞ!!」
「だったら、この振動は何なんですか!!??」
全員がこの揺れで身動きが出来なくなった、その瞬間――――!
――ギュワアアアァァァァッ!!!!!!
『うわああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!』
………メディアステーション全域が真っ白な光に包まれた……。
---to be continued---
☆あとがき
いよいよ第5章・フュージョンワールドウォーズ編というタイトルに相応しい舞台が整ってきてまいりました、第152話の更新です。
おそらく、今回の終盤で登場した“ニャンバン族”、皆さんにとっては予想外の人選だったのではないでしょうか。
今回、行動隊長としてエトワールを抜擢したのは、実はこういう展開をやりたかったからだったりします(笑)
さて、次回は再びスマッシュブラザーズの神殿にスポットを当てます。
どうやらハルヒとマスターハンドがようやく和解するらしいですよ!