Phase215 FWパニック・CONCLUSION-Another side-
もう1つの部隊、ついに出撃です!! 〜アシタノツバサ〜
アキッキー達が突如姿を消した、ちょうどそのころ………次元空間を進む1隻の戦艦があった。
白を基調として、まるでシードピア連合軍を思わせる外観。
一方で、そのブリッジ部分は『狐のお面』を彷彿とさせるかのような奇妙な形をしている。
その艦では、今まさに亜空軍に対するもう一つの反逆の狼煙をあげようとしていた……。
「では大野さん、その亜空軍って組織が、ミッドチルダを崩壊させた直接の原因だといえる存在ということですね。」
『ああ、シードピアの“闇のアーカイブ”を強奪した主犯の魔天使のブラジラ、それにその一件の共犯者であるマッドサイエンティストのDr.カゲロウ。その面々が悪事を行ったのは事実だと言える。』
そのブリッジでは、1人の青年が通信を行っている状況だった。
その格好は、黄色の基調とした和風の独特なコスチュームで、背中に巨大な筆を背負っている。
通信先の相手は、ブライトルーパーズのチームリーダーでもある、大野である。
『でも、俺としてはなんかいやな予感がするんだよな。』
「いやな予感?」
『ああ。言ってみれば何かとてつもない、とんでもない闇…。以前、君が言っていた“闇のもじ魔獣”が大いに関係していると思うんだ。』
「…!?…やはり、やつらが絡んでいたのか……!」
彼にとって聞き捨てならないキーワードが耳に届き、目を見開いた。
これはとんだ大事に発展しかねない状況だ……!
『何か危険が潜んでいるかもしれない。俺達も今、他の面々と合流してシードピアへ向かっている!!』
「わかった。俺もすぐに合流するつもりだ!!」
『頼んだぞ、立花団長。Let`s!!』
「Wiz-Wis-You!!」
立花団長と呼ばれた青年は固有の合言葉を交し合い、通信を終了させた。
するとそこに各分隊のメンバーたちが艦橋に入ってきた。
・てれび戦士に似た緑とオレンジを基調としたコスチュームを着た子供たち
・ディフォルメ化されたピンク色のアンコウの絵が描かれた、ミリタリージャケットを着た5人組の少女
・海軍服に身を包む少女たちで、分隊長はかなり太った三毛猫をダッコしており、頭には艦長帽をかぶっている
・ウィッチャーズ連邦のストライクウィッチーズと同じ格好をした少女たち
「団長、先ほど通信が入りましたが…やっぱりですか…?」
「ああ、大野さんからだ。俺の予想した通り、亜空軍ってやつらはどうやらもじ魔獣と何か関係しているようだ。」
その一言に不安が漂う一同。
「心配ないで。俺たちが保護してきた“もじもん”達も力を貸してくれるみたいやから、大丈夫やと思うで。」
「それに資料を見ると、俺たちの他にプリキュアや仮面ライダー、スーパー戦隊、歴代のヒーローたちが頑張っているんや。」
「スーパー戦隊たちが‥‥。よかった。」
その不安を赤と緑の学者服を着た2人組が拭い、一同も安堵の表情を見せる。
「だが油断をしてはいけない。俺達“W.W,Y.”もそろそろ本格的に動き始めたほうがいいかもしれないぞ。」
「わかりました。小島主任、メカの整備はできていますか?」
通信機に連絡を入れるミリタリー服の少女。
するとピンク色の作業服に身を包んだ女性の映像が映る。
「大丈夫!用意していた機動兵器の重要個所の点検も済んだし、“チームレオポン“とサーシャさんの協力でメカの故障個所も修理バッチリよ。」
映像が艦の格納庫内に切り替わり、各種装備や戦力の姿が次々と映る。
その中にいた、黄色い作業服を着た少女たちもメンテナンスOKといったように笑顔をを見せてくれる。
『それに、武装のほうも心配ないぞ!!』
『今のうちに各部署に頼んで、各機が使用可能な換装火器はありったけ用意しておいた!!』
「もしもの時のために簡易用の補修キットと予備のカートリッジも入れているから!」
更にツインテールの少女、ショートヘアーに片眼鏡と黒いチョーカーが特徴的な少女、ポニーテールが特徴的な少女が火器の安全性を伝える。
「みんな、わかっているな!?俺たちの目的は“闇のもじ魔獣の本体の保護”と“シードピア連合軍の一同への援護”それに“難民たちの救助”だ!!」
「はい!!」
「必要なのは、“勇気”、“友情”、“遊び心”!そして――!!』
――WIZ-WIZ-YOU-!!!
チームの合言葉を交わし、気合を入れなおした一同。
「よし、早速持ち場についてくれ!次元航行船“ファイン・ウインド”、出港だ!!岬艦長、指揮は任せるぞ!!」
「了解!!シロちゃん、ココちゃん、マロンちゃん、ミーちゃん出港用意!!」
「了解!!」
“Wizardry Wise Young-characters”―――。
『ウィザードリーワイズヤングキャラクターズ』=通称:ウィズ・ウィズ・ユアーズ(Wiz-Wis-You-rs)
『妙技を持つ賢き若者たち』の別名を持つ彼女達こそ、ブライトルーパーズと並ぶルヴェラ防衛の第2部隊で機動兵器戦と艦隊戦の精鋭が集まった、最強チームの称号である!!
………さて、こちらは第五やたがらす丸。
先ほどまで、立花団長と通信をしていた大野のいる通信室だ。
…これでいい、増援の目処は整った。
しかし…どうあっても不安はつきない。
亜空軍は絶対何か仕掛けてくるはずだ…。私たちも用心した方がいいな。
立花からの連絡を仲間たちに知らせれば、彼らの中では安堵感が流れるはずだ。
しかし、大野はまだ、脳裏に引っかかる不安要素がぬぐいきれないでいた……。
『キャアアアアァァァ!!!!』
『うわあああぁぁぁ!!??』
『!?』
そんなとき、何かわからないが、男女の悲鳴が彼の耳に届いた!?
「なんだ今の声は!?と、とにかく助けに行かないと!!…って、一体どこに行けばいいんだ!?」
―――キラッ!!
「!!!」
突発的な事態に焦った大野の前に、いきなり一枚のカードが現れた…!
<CHOSINSEI FLASH-MAN“RED-FLASH”>
「これはたしか……スーパー戦隊達の力が込められたカード!!…しかし、なぜこれが…………、ッ!!!???」
その時、突然カードが輝きだし、気が付けば大野の姿が消えていた‥‥。
もちろん、やたがらす丸の仲間たちも、こんな唐突な事態が起こっていたことなど、知るはずもなかった…。
「……そう、亜空軍って奴らのせいでミッドチルダは消滅。通信もなかなか通じないわけね。」
「はい、こちらの方でも何度も通信を試みていますが…、いつ通信が回復するかなどの目処が立っていません。」
所変わって、ディスタンスフォース本局“プロヴィデント・フォートレス”。
その一角に設けられた、“ミッド地上本部中継所”では、長い髪を持つ1人の女性が報告を受けていた。
「……わかったわ。あとのことは全部私がやっておくから安心していなさい。」
「了解。“ソフィ司令官”も、お気をつけてください。」
“ソフィ”―――。
ディスタンス・フォースのミッド地上本部の新たな司令官として抜擢された、若手のキャリアウーマンである。
“闇の書事件”を皮切りにユウキ・テルミの引き起こした様々な事件から、組織の実質的トップが世界を混乱に陥れようとしたというスキャンダルが発覚し“最高評議会総辞職事件”へと大発展。
その結果、地上本部の大規模な組織改変が行われていたのだ。
ソフィは、そんな新生地上本部のシンボルとして迎えられた存在。
彼女が必死になって行ってきた部隊整理のおかげで、地上本部内の反対勢力が一掃されただけでなく、ミッドチルダで悪事を行ってきた各次元犯罪者の逮捕や処罰、独立機動部隊『リトルバスターズ』の設立や様々な装備提供などのバックアップにも貢献。
さらには肩身が狭い思いをしてきたレジアスたち――旧強硬派局員も面倒を見てきたなど、組織内で抱えていたあらゆる闇を取り除いてきた、期待の星である。
そんな彼女、実はこの本局で“今後のシードピアでの戦局”に関する重要な会議に出席していたこともあり、たまたまミッドチルダを離れていたため、亜空軍のミキシングローバルの影響から逃れていたのだ。
確かに…亜空軍のしでかしたことが重罪なのはわかる。
しかし、なぜかしら…?
何か私は大きな見落としをしていたというの…?
その見落としに“あいつら”が関与していたというの…?
様々な考えを張り巡らせるソフィは、急遽用意してもらった自分のデスクにつき、ひそかに自ら保管していた特S級次元犯罪者のファイルをチェックしていた。
もしもこのリストに載っている面々が関与しているとなると…、最早あらゆる意味で収拾がつかなくなる…!!
「急がないといけないわ…!!早いうちに“あの計画”を完成させて、リーダーになってくれそうな“あの人”に渡さないと‥‥!!」
そう言って、ノートパソコンのキーをたたくソフィ。
そのファイルには、ただ一言、こう表記されていた………。
--極秘--
<GALAXY-SQUAD organization PROJECT>
---to be continued---
☆あとがき
新たに他の面々も動き出したようです…!!
さらにディスタンス・フォースの新たな女性司令官とは…、僕も意表をつかれました。
しかも彼女の組織再構築の貢献度が凄まじすぎるの何のって…、自分もこれの10分の1は貢献したいものです。(苦笑)