Phase213 FWパニック・CONCLUSION-Another side-
歌姫、思いの叫び 〜虹色のフリューゲル〜


アキッキーたちがミカサで大ピンチに陥っていた頃―――。







「うわ〜……いよいよ出撃だね…。」

「な、なんか、すごく緊張してきた…。」

メディアステーション第2の防衛部隊が初陣を迎えようとしていた。





BAlleTic TaLEnted TRIangle-force』……

バトル・トライフォースと名づけられたそのチームは、“スマップライダー隊”のリーダー・マサヒロの呼びかけによって結成されたもの。

表向きは、彼が運営するアイドル養成学校であり、メディアステーションの女の子たちの憧れの場所として名の知れている場所。

しかし、その実態はS.O.S.フォースに続く第2の防衛組織の総本部であり、彼らとは異なる独自の戦闘服や特殊戦闘兵器を保有しているのだ。

もちろん、アイドル養成学校の生徒や卒業生たちの一部はこの組織に所属しており、レッスンの傍らで防衛軍としての特別な訓練を積んでいるのである。

また、普段からアイドル活動に精を出している765プロや876プロと言った面々も、裏で彼らと通じているという。





いわば、普段から戦いと言う舞台から離れたところで生活していた彼女らにとっての初戦であるがゆえ、一部メンバーがかなり緊張してしまっているのである。

「大丈夫よ、私たちならできる。」

「そうですよ、今までだってずっと訓練してきたんですから。」

一方で、そんな仲間を落ち着かせてなだめる者。

「そうそう、訓練どおりにやれば大丈夫。」

「どんな敵が出てきてもちょちょいのちょいでやっつけちゃうんだから。」

少しばかりお気楽な者。

「二人とも、もうちょっと緊張感を持ったほうがいいわよ。」

冷静になって状況を見据える者……などなど、出撃前の各々の面持ちは様々と言った様子。







―――ズドオォォンッ!!!!

『ひゃあぁぁっ!!??』
外から爆発音!?

『…嫌な予感……。』

おそらく、全員がそう感じたかもしれない…。

『『ハハハハハハ……!!!!』』

不気味な笑い声が基地内部に響く。

「通信ジャックです!!」

その瞬間、映像が映ったのは、銀色の宇宙戦艦に乗る“ロックが似合うミュージシャン”と、ペンギン型メカに乗る“銀色のコスチュームを身に付けたダンサーの姿の女性”だった。

『シードピア連合軍の皆様、残念でした!今からこのエリアはこの俺、“オンリー・ロンリー・ローリー”と――!』

『この私、“銀沢アイスかずこ”が制圧させていただいたわ!!あなたたちもさっさと投降しなさい!』

『…でないと、こいつらの餌食になってもらうぞ!!!』



<KAIZIN RIDE、“Death Worm”“METALDeath Worm”“night chaser”、“hunter-Jet”、“ultimate evil”!!>



現れたのは茶色と銀色に見れる巨大なミミズの化け物、巨大なブースターのような形状のロボット、鎖鎌を持った高速移動型ロボット、両手にはさみを装備した黒い悪魔のような機体を召喚!

それと同時に、クライナーロボとレギオノイド、カスタムギアといった量産型ロボットたちも無数に配置されていた。

「うわぁっ!?あんなに敵がいっぱいどうするの!?」

予期しなかった襲撃で慌てる一同―――!!!





『モビーディック・アンカー、射出!!』

―――バシュッ、グサササッ!!!

『えっ!!??』






見えないところから突然、チェーンに繋がれたアンカー状の物が飛び出してきてクライナーロボに刺さり、そのまま引っ張られた。





『永遠に眠っていたまえ!!』

―――ズドオォォンッ!!!!






その瞬間、エネルギー波が発生して一瞬にしてクライナーロボが破壊された!?





『『な、なにぃ!?』』

一瞬の出来事で動揺する二人。

『クライナーロボが一撃で…?!』

『どこだ!?どこにいる?!』









――ビックオー、ショータイム!!!

――CAST IN THE NAME OF GOD.
――YA NOT GUILTY.






――ゴゴゴゴゴゴ……

『『な、なんだ!?』』

――バゴオオォォンッ!!!

『『うおおぉぉっ!!??』』




すると、突然地面が揺れて中から黒い巨大ロボットが出てくる。



『ビックオー、アクション!!』

――バゴオオォォンッ!!!

「グワッ!?」




現れた巨大ロボットはその巨大な剛腕を使い、ローリーのロボットを吹き飛ばす。

銀沢は、その黒いロボットの姿を改めて見た途端、その正体を思い出す。

「あれは確か、巨大メガデウス・ビックオー!!」

いつ、誰の手によって開発されたのかは定かではないが、自ら意志を持ち、自分に相応しいドミュナス=主を見定めると言う謎の存在。

それが、黒きメガデウス、ビッグオーである。

「やれやれ…、やはり亜空軍相手にネゴシエーションは通用しないか…。悪いが味方に味方をさせてもらう!!B.T.フォース、手を貸すぞ!!」

そして、その選ばれしドミュナスであるロジャーが、操縦席から外部通信を使ってB.T.フォースに連絡、彼らの援護を再確認した。

「クッ、どうしたら……!?」

劣勢に経たされた二人。

そこに二人の怪人が現れる。

『ローリー様、かずこ様、ここは我々にお任せを!!』

『2人は落ち着いてみてるべぇ。』

それは、トリガー式スプレーの顔を持った怪人と、酸素ボンベをモチーフにしたと思われる怪人だった。

『よし、お前ら頼んだぞ!!』

『『かしこまり〜!!』』





―――サンギョー・カクメーイ!!!





すると邪な光が発生して、怪人たちが超巨大化!

『それでは皆様ご唱和ください!!1、2、3、ダ〜!!!!!』

スプレーの怪人の気合と共に、口から何かが噴射された!?

「なんの!!」

即座にビックオーが両腕の装甲でガードする。



――ブスブスブス……

『?!』




……だが、よく見るとビックオーの装甲部分が溶けているではないか!

「なんだと!?」

「ダァーッハッハ!!見たか!俺様の溶解スプレー攻撃を!!」

「溶解液だって!?」

まさかの攻撃に油断したロジャー。

「こっちもいるべぇ!“アカサビーム”!」

その隙を突いたボンベ怪人が足に向かって、光線をビックオーの足に放つ!

反撃に出るためペダルを踏もうとするロジャーだが、ペダルが踏み出せず動きが止まる。

「!?…なんだ、動かない…!?」

ビックオーをよく見てみると関節部分が錆付いていているではないか!?

「なっ?!今度は赤錆だと!?」

思わぬ攻撃が立て続けに繰り出され、ロジャーもあせる。

「よぉし、一気にとどめをさしてやる!」

ローリーはこの好機を逃すまいと、自身のメカをロボット形態に変形、手にした槍を構え攻撃を開始―――。









「ブーストナックルだにぃ!」

「くらえ!!幻影弓矢(いくわよ、リュージョンアロー)!!」

―――ドドドドオオォンッ!!!!

「グワッ!!??」








突然飛んできたロボットの鉄拳とビームの弓矢が飛んできてモライマーズロボにダメージを与える。

そこに立っていた2つの影。

1体は青を基調にした、いかにもスーパーロボットというようなロボット。

もう1体は、例えるなら“漆黒の堕天使”というイメージがピッタリのロボット。

更に左腕にハサミを装備したロボットと青い大型銃を持った両翼の鳥のようなロボットも一緒にあった。

「きらりちゃん!蘭子さん!」

「美嘉さん!莉嘉ちゃん!」

「おまたっせだにぃ!」

「亜空の使者よ!この黒きブリュンヒルデが、貴様らをヘルヘイムに送ってくれようぞ!!」
(亜空軍、私たちが、あなたたちを倒してあげるわ!!)

…う〜む、なにやら蘭子の台詞が中二病に聞こえるのは自分だけだろうか…?

『くそまた新しい増援ね!!』

ともあれ、相手の増援が増えて銀沢とローリーは焦りを感じてきた。





『おあいにく様!!味方の援軍は――。』

『こっちにもいるデース!!』

―――!!??








「Balwisyal lNescell “gungnir” tron…♪」
「Imyuteus “amenohabakiri” tron…♪」
「killter “Ichaival” tron…♪」
「seilien coffin “Airgetlam” tron…♪」
「Various shul “shagana” tron…♪」
「Zeios “igalima” raizen tron…♪」




突然、歌が聞こえてきたと思いきや、現場に向かっていた6人の少女が戦闘用のバトルスーツを着装した!





―――たああああぁぁぁぁっ!!!!

――ドゴゴゴゴオオォォンッ!!!!!

「「グハァッ!!!???」」






…と思ったら即座に、黄色い服の少女の鉄拳、青い服の少女の刀の斬撃、赤い服の少女の大型ミサイル、銀の服の少女のビーム、ピンクの服の少女の鋸付きのヨーヨー、緑の服の少女の鎌の斬撃が立て続けに怪人たちに炸裂。

予想もしなかった攻撃力に怯まされた。

『こ、こいつら、うわさに聞いたシンフォギアの奏者か!?』

B.T.フォースの誇る最大の遊撃戦力がそろった。

「ここは誰も遠さないよ!!」

「覚悟してもらおう!!」

自信に満ち満ちたシンフォギアチームの威圧感に圧されるローリーと銀沢。





「その戦い、我々も参加させてもらおう!!」

――!!!???






新たな怪人の声が!?

…と、一同が油断したその時―――。







『ヒカエオロ――――――ッ!!!!!!』







黒い騎士型怪人が4人の配下と共に一斉に巨大化してB.T.フォースの前に現れた!!!

「えええぇぇぇっ!!!??」

「きょ、巨大化した!!?」

亜空軍に加担する闇の手先の一人・ザイガンとその配下軍団である。

「おおっ、ザイガン!」

「ローリー様、かずこ様、ここは我らにお任せを。」

「フッ、ならば任せるわ!!」

その厚意を受け取り、二人は後ろに下がる。

「まとめて叩き潰してやる!!いでよ!!」

<MACHINE RIDE、“AKAI-KYUUBI”“BAG-ZORD,“RYOUSANGATA-GIFT“!!>


その声とともに繰り出された“マシンライド”カード。

今回は“赤い狐の忍者型ロボット”、“全身重火器の巨大ロボット”、加えてヴァグラスのバグゾードが召喚された!

「ついでにお前らも合体シロ!!!」

<ATTACK RIDE、“MACHINE FUSION”!!>

それに続き、バンゴという名の怪人が新しいカードを使う。

するとバラバラにされたクライナーロボが融合し、“盾と剣を持った巨大ロボ”と“巨大な怪物を模した巨大ロボット”に変貌した。

「合体しただと!?」

まさかの戦力登場にうろたえるロジャー。

「ついでにこいつたちもおまけよ!!」

だが、間髪いれず銀沢が結晶状の物体をあたりにばら撒いた。

すると今度は、赤い円形の中から様々な怪物が現れる。

「こいつらは…“アルカ・ノイズ”!?」

シードピア世界における災厄の存在が、逆に意図的に生み出した存在、“アルカ・ノイズ”。

かつて自分たちが対峙し、撃破した存在が再び現れたことに怯む一同。

「…大丈夫!!見て!!」

そういう響の視線の先には――――。









「卯月ちゃん、千歌ちゃん、ツバサさん、行くよ!!」

「うん、穂乃果。私たち“B.T.フォース”もここから戦闘参加だよ!!」

「うん、みんなのために頑張らないと!!」

「よしみんな、合体よ!!」

『はい!!』








B.T.フォースの主力ロボが大集合していた――!!!!!









『ライジンオー、無敵合体!!』

『ガンバルガー、ミラクル合体!!』

『ゴウザウラー、熱血合体!!』

『ダイテイオー、勝利合体!!』








掛け声と共に各メカがそれぞれ合体していき、4体の巨大ロボットが降臨した!!







「絶対無敵の正義のロボット、絶対無敵ライジンオー!!」

「元気いっぱいミラクル忍者、元気爆発ガンバルガ―!!」

「熱い血を燃やす最強の戦士、熱血最強ゴウザウラー!!」

「勝利を呼ぶ正義の帝王、完全勝利ダイテイオー!!」








その後に続くのは、同じくB.T.フォースが所有するスーパーロボットの一団。







「悪を打ち砕く正義の鉄拳、超闘士グルンガスト推参だにぃ!!」

「悪を貫く漆黒の堕天使、“アンジュルグ・ノワール”参る!!」

「悪を挟み込む青き百舌、ビルトビルガー…」

「悪を打ち抜く青き隼、ビルトファルケン!!」

『見参!!』








「ええ〜ぃ、まとめて叩き潰してやる!!掛れ!!」

ザイガンの掛け声を受けて突撃してくる亜空軍のロボットたち。







――バキュゥン!!、ズドドドォォォンッ!!!!

『のわああぁぁぁっ!!!???』








その勢いを食い止めたさらなる影。

それは、B.T.フォースの背後からの攻撃だった。

一同が振り向くと、そこには5体のロボットが姿を見せていた。

その中心である白いロボットの胸には、シンボルマークであるBPのマークが刻まれている。

そのロボットの肩には、一人の少年の姿があり、懐からアイテムを取り出した。

「ホールドアップ!勇者警察隊“ブレイブポリス”、参上ッ!!!」

それはなんと“警察手帳”型のモバイルアイテム。

そしてこの少年こそ、ブレイブポリスの“ボス”である少年警部、友永勇太であった!

「ぶ、ブレイブポリスだと!?」

「よりにもよって増援ですって…?!」

予想し得なかった攻撃にまたまた怯まされたローリーたち。

その間に、勇太は“警察手帳”を使って周囲の面々に通信回線を繋ぐ。

「シードピアの皆さん、僕たちブレイブポリスも亜空軍を倒すために力を貸します!一緒に戦いましょう!」

思わぬ加勢が現れ戸惑う面々だったが、“亜空軍を倒す”と言う言葉でこちらの味方と判断したのは、この男だった。

「……フッ、君のような少年に背中を押されるとは思わなかったが、味方は一人でも多いほうが心強い。」

黒いメガデウスのドミュナスであるネゴシエイター、その言葉を信じる意志を固めた。

「このロジャー・スミス、君の勇気を買わせてもらおう!」

彼の言葉に続き、B.T.フォース一同も彼らの協力を承認することにした。

「あたしたちも力を貸すよ!」

「一緒に頑張りましょう!」





「よぉぉし、みんな、いくよ!!!!」

『おう!!!!!!』














(まったく、シードピア連合軍のロボットってのは強そうだね……でも!!)

(“最後の切り札”を握っているのは私達だからね!!)






劣勢の雰囲気にもかかわらず、ほくそ笑んだ表情のローリーと銀沢。





彼らのその手には、<MOJI-MAJUU “FUTEKUSAARU”> <MOJI-MAZYU “REIKA”> <DEMON-QUEEN>と書かれたカードが握られていた…………。



---to be continued---


☆あとがき

大幅に遅れてしまいましたが、今回は213話の裏パートを掲載させていただきました。
メディアステーション第2の防衛チーム・“BTフォース”の本格参戦です!!

あ、ちなみに終盤部分のブレイブポリスの登場は僕が独断で組み込みました……というか、『“200話”以来出番がなかったんじゃねぇか!?』と言うことを今更ながら思い出して、その救済も兼ねて急遽組み込みました。
……やっぱり、参戦作品、増やしすぎましたね、超絶的に膨大に。(×_×)








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