Phase84 成敗


『シマッタ…!!最後ノGUNDAMガ目覚メテシマッタカ…!!!』

シードクリスタルを奪い返された挙句、最後のGUNDAMまでも向こうの手中に収められてしまった。

ブレントにとって、最悪極まりない展開となった。

「アスラン!!」

彼の復活と覚醒に喜び、キラたち3人がミーティアを切り離し、彼の元へと合流した。

その中で、一番感極まっていたのは……。

「アスラン…っ…、心配かけやがって……、バカ野郎!!」

彼に対して恋心を寄せている、カガリだった。

「…カガリ…、ごめん…。」

アスランは彼女を抱きしめつつ、傍に居るキラとラクスにも視線を向けた。

「キラ、ラクス、お前たちにも心配かけた。」

「ううん、大丈夫だよ。」

「あなたが無事なら、何よりです。」

数年越しの仲間との再会、キラたちはどれほど待ちわびたことか…。













『オノレェ………!!コウナレバ、奥ノ手ダ!!
ガレオム!デュオン!メタリドリー!コイツラヲ叩キ潰セ!!!』














ブレントの掛け声と共に、亜空間へのゲートが開かれ、その入り口から、3体のメカ兵器が姿を見せた。

「また敵の援軍か!?」

戦闘の激化を察知したガタックはすぐさま、“ダブルカリバー”を構えた。





「スティング、ステラ、アウル、お前らのゼクターの力、借りてもいいか?」





『えっ?』





カブトが突然意味深な言葉と同時に、自らの持つパーフェクトゼクターを構えた。

「この状況を打破するためには、おそらくこの手段しかない。その代わり、お前らはほぼ無防備になっちまうが、それでもいいか?」

ザビー、ドレイク、サソード。

それらの相棒をカブトに託す。

それは同時に自分たちの命すらも彼に預けることを意味する。

下手をすれば3人が危ないが……。

「……どっちにしても、僕たちには戻る場所もないしな。」

「あぁ。こうなったら、お前に全てを預けるぜ!」

スティングとアウルは、各々のゼクターを差し出すと、サソードとドレイクは導かれるままに、パーフェクトゼクターへと合体した。

そして、ステラも……。

“絆…それは、決して断ち切れない繋がり、どんなに離れていても心は繋がっている。”だから、ステラの想いも、ザビーにのせて、一緒に戦う…!」

彼女の純粋な心と願いを、ザビーに託し、ザビーゼクターはパーフェクトゼクターの切っ先部分に合体した。

3人の思いを、ゼクターと共に受け取ったカブトは、敵に向かって突っ込んでいった。

そして、シンもまた……。

「ステラ、仲間たちと一緒に待っていてくれるか?」

「うん。シン、生きて…帰ってきて…。」

「ああ。約束だ。」

義妹との約束を交わし、シンはアスランたちの下へと合流するため――――。











『ガンダム・アーマー、ビルドアップ!!』











再び“DESTINY”を身に纏った。

















「はぁ、はぁ……。」

息を切らし、ようやくヤフキエルがいる戦闘地帯へと再び合流した良太郎だったが……。

「あ〜あ、どうやら敵がまたまた大勢出てきちゃったようだね……。」

やっぱり避けて通れそうにない。

「みんな、行くよ!」

『おう!!』

良太郎は再びベルトを装着、ケータロスを取り出し、変身コード[3・6・9・#]を入力し、通話ボタンを押し込んだ。

[モモウラキンリュウ]

「行くぜぇ!!」







――――てんこ盛りだああぁぁぁぁっ!!!!







[CLIMAX FORM]









モモタロスら4人は、それぞれの電仮面に変形し、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスがアーマーとなり、モモタロスの仮面が頭部に装着された。

「俺達…参上!!」

口上を述べた後、電王はすぐさま戦場へと飛び込んでいった。































「最後のGUNDAMが目覚めたから、様子を見にきたんだけど……。」

いつの間にかゾロアシアに合流していた、闇の末裔・キバ(紅渡)。

彼もまた、ゾロアシアの現状を見据え、言葉を失っていた。

「ヤフキエルの底力は計り知れないってところだな……。」

キバットも、ベルトの状態で状況を見渡し、もはや復興は絶望的と判断した。

「だが、あいつもそろそろ力が切れる寸前だ。俺たちも行くぞ、渡!」

懐から、赤と金のフエッスルを取り出し、音色を響かせた。









「タツロット!!」









「ピュンピュンピュ〜ン、テンションフォルティッシモッ!!」

キバの封印の鍵・タツロットが召喚され、次の瞬間、キバが黄金の輝きに包まれた―――――。



























「よし、負傷者は全員運んだな!?」

「はい、なんとか。」

ドルフィンナイツたちは、負傷したゾロアシアの住人たち、そしてE.F.のメンバーたちをナイトスピアフィッシュに連れ込んだ。

かなりギリギリになるまで詰め込んだが、応急手段であるが故、やむを得ない。

『ダンチョ団長、大丈夫か!?』

「セイコー!どうにかな。」

『たった今さっき、ロンド・ミナから連絡が入った。“ドルフィンナイツは負傷者を全員収容次第、指定するポイントに集合せよ”とのことだ!』

本部・カイザーホエールから送信された指定ポイント。

そこは、アストレイバーアイランドとカイザーホエールの中間地点に位置する海底の奥深くだった。

何があるかはわからないが、今はこの場を離れるのが先決だ。

「セイコー、後で落ち合おうや!」

『よし、気をつけろ!!』

「ジーナ、全速力で脱出や!!」

「了解!ナイトスピアフィッシュ、全速力!!」

ジーナの一言を合図に、彼らの船は離陸した。











「ブライアン、どうする?」

「非常に悔しいが、仕方がない。俺たちも脱出だ!彼らについていこう!Let's go!!」

『Yes sir!!』

アレクサンダーへと戻ったファントムレイダーズの面々も、ゾロアシアからの脱出を決意。

ナイトスピアフィッシュの後についていった。

その中には、ステラと同様にシンの身を案じる、ルナマリアの姿もあった…。

「…シン…気をつけて…。」



























――――ビュウゥン!!!





『は、はやいっ!』

てれび戦士とライガーシールズを中心としたMS部隊、そしてなのはらディスタンスフォースは、空中を高速で徘徊するメタリドリーと呼ばれた翼竜型メカとの混戦模様に入っていった。

しかし、予想を上回るメタリドリーの機動性についていけず、全員てんてこ舞い状態に入っていった。

『“コリントス”、撃てーっ!!!』

L.S.の戦艦“タイタニア・イージス”のミサイル射撃で援護するも、一発も当たらない。

メタリドリーは、“お前らの力はそんなもんか?”と、挑発するかのように、余裕の雄たけびを上げた。

「相当素早いで、あのメカドラゴン。」

「攻撃が追いつきません!」

さすがのヴォルケンズも、メタリドリーのスピードには追いつけない。

「ここは任せて!バルディッシュ!

[Sonic move!]

名乗り出たフェイトが超高速移動魔法ソニックムーヴで、メタリドリーを撹乱させる手段に打って出た。

その間にも、メタリドリーの傍を駆け抜けまくり、微少ながらもダメージを与えていっている。

それを続けた結果、一瞬、メタリドリーが怯んだ。





―――今だッ!!!





[Haken Form]






“カートリッジ”をロードし、死神の鎌を髣髴とさせるメイン形態“ハーケンフォルム”に変形。

「ハーケンスラッシュ!!」

ソニックムーヴを解除し、メタリドリーの眼前に現れると、斬撃魔法を発動させ、斬りかかってきた。









瞬間、メタリドリーの黄色い目が光った。









「――――え?」









振り下ろされる寸前のタイミングで、メタリドリーの口からすさまじいスピードの閃光弾が放たれ、至近距離にいたフェイトはまともに全弾被弾した。





「ぅああっ!!!」

「「フェイトちゃんっ!!」」






なのはとはやての叫び声が重なると共に、姿勢制御を一瞬狂わせたフェイトに対し、メタリドリーは追い討ちをかけるべく、すさまじい大火球を高速で放った。

避けられる時間がない――――!!!





















――――Round Shield





















直撃の寸前、電子音声が響き渡り、目の前に円形の魔法陣シールドが展開、炎の玉を弾き返した。





「き、君は!!??」





フェイトの前に現れたのは、彼女と瓜二つの“謎の魔法少女”。

前々から接触を試みようと考えていた、あの女の子だったのだ。

その服装の形から、髪型と色、さらに手に握っている杖に至るまで、彼女のその姿はまさにフェイトの生き写し同然ととっても過言ではなかったのだ。

「ハルバード。」

[Photon lancer.]

{ファイアッ!}

追い討ちとして、謎の少女は、射撃魔法を駆使し、メタリドリーを撃墜させた。

しかし、雷電の直射型射撃魔法まで、フェイトと瓜二つと言う事態に、当の本人も気が動転せざるを得ない。





……だが待て。





…今……声が……“二つ”聴こえた!?

しかもその片方は、自分と同じ声……!!??

10数秒の沈黙が間を挟んだ後、現れた謎の少女は、口を開いた。













「…初めまして、だね…フェイト…。」













「!!!」













初対面なのに、なぜ自分の名を!!??



















「…育ててくれた人たちから聞いていない…?…“自分には、『本当のお母さんと、本当のお姉さん』がいる”、ってこと……。」



















―――――!!!!!



















衝撃的一言に、ディスタンスフォース全員はもちろん、今まで行動を共にしていたてれび戦士すらも絶句した。

フェイトと、その義兄を除いては……。

「……そうか…、君が…。」

現れた少女の言葉を聴き、全てを確信したクロノは、そう口にした。

そして、フェイトもまた、いつか言いたかった言葉を口にした。





















「…アリシア…姉、さん…っ…!!??」





















――えええええぇぇぇぇぇ!!!!????





















通信越しに、てれび戦士たちの驚愕の声が響けば――――。



「テスタロッサの、実の姉上!!!???」

「…あ、あの子が……!!??」




ライバル関係に当たるシグナムと、長いこと彼女の使い魔として共にしてきたアルフはもちろん。



「…フェイトちゃんの…お姉さん…!」

「…まさか…双子やったんか!?」




親友であるなのはとはやても、驚きを隠せない。















「姉さんっ!!!!」













だが、見ず知らずの片割れに出会えた感激が大きかったせいか、感極まったフェイトは、そのまま目じりに涙をたたえたままアリシアに抱きついた。

「姉さん…っ…、会えるなんて思わなかった…っ…!」

「あたしもだよ、フェイト…。」

僅かながらの抱擁を交わした後、お互いからその腕を解いた。

「この子、バルディッシュ。あたしのデバイス。」

「こっちはハルバード。フフッ、デバイスまで似ているね☆」

2人はお互いのデバイスを上に掲げて、剣が交わるように“カチン”と音を立てた。

[Nice to meet you.]

[Hello,my brother.]


それを見届けたなのはたちも、すぐに二人の下へ合流した。

アリシアは、すぐさま視線をなのはたちに移した。

「ディスタンス・フォースですね?フェイトがお世話になっているそうで……。」

「…いや、フェイトには、随分と頼りにしてもらっている。むしろ、世話になっているのはこっちのほうだ。」

代表して、クロノがアリシアの言葉に答える。

「君には、色々と聞きたいことがあるが……。」

そう言って、彼は視線をヤフキエルに向けた。

「今はこの状況の打開からだ。」



























――――ズドンッ、ズドンッ、ズドンッ!!



「くっ!」

「くそっ、隙がない…!!」

ガレオムの機敏な動きと、飛び上がって攻撃したときの地響きによって、カブトとガタックが押されていくと―――。







―――ズバッ、ズバッ!

「こんにゃろ!!」

―――ギャギャギャ……、グリッ!

―――バシュバシュバシュバシュン!!

「だぁ〜〜〜っ、射撃か剣かどっちかにしろ!!」


デュオンのパターンの定まらない攻撃に、電王もてんてこ舞い状態。













Two of them, Get out!!(そこの二人、どけ!!)」

「「!?」」














背後から聞こえた声と共に、赤と青の衣服を身に纏った謎の男が飛び出してきた。







Take this!Smart Bomb!!(これでもくらえ!スマートボムだ!!)」







男は、手に握っていた紅い謎のアイテムを、ガレオムとデュオンにそれぞれ投げつけると、凄まじい大爆発が巻き起こった。

「こ、これは!」

「いいっ!?あぶねぇ!」


危険を察知したカブトと電王は、すぐに安全圏まで退避した。

一方、大爆発の衝撃をまともに受けた二体は、体のいたるところで火花を散らせた。

そのチャンスを、彼―――マリオは見逃さなかった。













――――“Smash Ball”Power,Now!!!
(――――“スマッシュボール”発動!!!)














どこからか取り出した虹色の球体を、マリオが自らの手で握りつぶした瞬間、マリオの全身を莫大なエネルギーが駆け巡り、パワーを増幅させた。

その光景を目撃したカブトは、呆然とするのみ。

電王もびっくりしたのだが、別の意味で驚いていた。

「あ、あいつは確か…!」

「…驚いたね。」

そこに、エンペラーフォームとなったキバも合流した。

「まさか、スマッシュブラザーズも復活してたなんてね……!!」











――――Last Trump, “Mario Final”!!HA!!!
(――――最後の切り札・“マリオファイナル”!!ハッ!!!)












マリオの掛け声と共に、彼の両手から凄まじい大火球が放たれた。

だが、その先には―――――。















「うげ!?おい、GUNDAM!危ないぞ!!!」















ヤフキエルと戦っている5機のGUNDAMの姿があった。

しかも、大火球は猛烈な勢いでガレオムとデュオンを巻き込みつつ、ヤフキエルとGUNDAMに迫りつつあった。

「!?」

この事態にいち早く察知したのは、シンだった。

「みんな、避けろ!!!」

『!!!』


叫び声に反応したキラたちと共に、シンは瞬時に上空へ舞い上がった。

『ナニッ!?』

反応が一瞬遅れたブレントは、ガレオム、デュオン共々、すさまじい炎の渦をまともに受けた。

『グオオオオオォォォォッ!!!???』

またしてもバランスを大きく崩したブレントは、そのまま仰向けになって倒れた。

「ふぇ〜……、危なかったぜ…。」

『でも、今の炎はすごい……!!』

「さすがは、スマッシュブラザーズのリーダーだね☆」

なんだか美味しいところを持っていかれたような雰囲気だが、再びダメージを与えることが出来たので、よしとしよう。

「ウググ…、オノレェ…ッ…!?グオ!?」

すると、ヤフキエルに異変が起こった。

今までならば、多少のダメージでもうろたえることなく立ち上がっていたはずなのだが、今回だけは立ち上がるのに異様に時間をかけている。

しかも、ヤフキエルそのものから不可解な協和音が響いていた。

「あん?何だ、あの変な音は?」

『ヤフキエルから、出ているような……。』

電王とキバはもちろん、その異変はGUNDAMにも、てれび戦士やライガーシールズ、オルカファイターズ、さらにはディスタンス・フォースの魔導師たちにも届いていた。

この異変の真意をいち早く察知したのは、カブトだった。

「…そう言うことか。お前たち、解ったぞ。

「なにっ!?」









体全体が小刻みに揺れていて、それと同時に奇怪な音を出している。

その音の根源はヤフキエル、それも、あのヤフキエルの顔面を担っていた鉄の板から発せられている。

このことから察するに、あのヤフキエルは、特殊な音波によって操られていると言う推察が出来る。

だが、さっきの大火炎によってその音波の均等が崩れて、自己崩壊を起こしかけている可能性が高い!











つまり、『ヤフキエルの制御を担う特殊音波に異常が生じ、体全体が崩れかけている』と言うことだ。

カブトの推察が正しいとなると、さらにそれを追い込んでいけば、最大のチャンスが訪れるかもしれない。

「GUNDAM、お前たちの能力でヤフキエルの制御音波を完全崩壊させるんだ!」

―――ただ、ちょっとあのデカイ腕が邪魔みたいだがな。

カブトの提案を聞き、真っ先に動いたのは――――。













「そう言うことなら――――!」

「わたくしたちに、お任せください!!!」


















左右に展開したラクス(CREED)とアスラン(JUSTICE)だった。

現状のヤフキエルの補正に戸惑っていたブレントは、あっさりと彼らの接近を許してしまった。








[[Exceed Cristal Charge]]











「ジャベリンフェザーブレード!!」

「ファトゥムグリフォンアタック!!」














エネルギーがチャージされた各々の装備が、ヤフキエルの巨大な腕を破壊する。













―――4・0・2+ENTER









[SHIRANUI Striker Pack, Set up.]










カガリはその間、ビルドマイザーにコードを入力し、背中のバックパックの装備の変更を行った。



シラヌイ―――別名・ドラグーンストライカー。

カガリのそれと同じく、黄金の彩色が施された特殊装備。

キラのFREEDOMの持つドラグーンシステムと、同等の機能を持つ。













[[Exceed Cristal Charge]]

「カガリ、行くよ!」

「おう!」


先陣を切ったアスランとラクスの攻撃により、活路を見出した二人は、迷わずにエネルギーをチャージ。

そのエネルギーが二人のドラグーンパックに注ぎ込まれた。













「「デュアルドラグーン・フルバースト!!!!」」















二人のドラグーンの一斉射撃が、ヤフキエルの鉄板に集中砲火。

見事に全弾クリーンヒット。

その瞬間、全てのヤフキエルに組み込まれた降魔細胞が、完全自己崩壊を引き起こし、全体の9割前後が繊維状となり、ついに自分の体の保持が不可能となった。

「うおおおおぉぉぉぉっ!!!!!」

この好機を逃すまいと、DESTINYを身に纏ったシンが、最後に残った中心部の鉄板に突っ込んでいった。

しかし、ヤフキエルもこれ以上はやらせまいと、鉄板の後ろから無数の細かい触手を伸ばし、シンを捕獲せんと包み込んだ。

「ハンドビーム・インパルス!!!」

だが、これでやられているシンではない。

手のひらに設置された二つのハンドビーム砲が、さらに追い討ちを仕掛ける。

「グオオオォォォッ!!!??」

苦悶の声を上げたブレントは、さらに怯んだ。

瞬間、シンは自らに迫ってくる触手の存在に気付き、一時退避。

大きな距離を保った。





























「みんな!俺に力を貸してくれ!!!!」





























その叫びに、なのは、フェイト、はやて率いるヴォルケンリッター、カブト、電王、キバが応えた。





























「レイジングハート、“エクセリオンモード”!」

「バルディッシュ、“ザンバーフォーム”!」

[[Drive Ignition!!]]


不屈の心を持つ魔導師の杖は、少女の意志に応えてその形を光の槍へと変貌させ、金色の戦斧も主の意志を受け、その形を巨大な長剣へと変貌させた。

そして、二人がそれらを構えると、二人で培ってきた最強の魔法を発動させた。

「久々におっきいの、いきますっ!!!」

「N&F 中距離殲滅コンビネーション!!!」

[[Blast Calamity Shoot Stand by!!]]
















「みんな、こっちも行くで!力を貸してぇな!」

『御意!』
「はっ!」
「おっしゃ!」
「まかせて!」
「心得た!」


雲海の守護騎士たちも、その魔法力を夜天の主に集中させた。

彼女が剣十字の杖を掲げ、砲撃体制をとった。

「「戦場に流れる、その音色―――!」」

「「戦士たちに、安息と言う眠りを与えん―――!」」


魔法力が、彼らを象徴する三角形の魔法陣に集中された…!















「いよいよ、年貢の納め時だ…、ヤフキエル…!」

カブトも、スティングたち3人のゼクターが合体された“パーフェクトゼクター”を、ガンモードに変形させ、構えた。

そして、剣の鍔の部分にある4つのボタンを連続で押し込んだ。





[Kabuto Thebee Drake Sasword Power!! All Zecter Combine!!]





さらに、ダメ押しと言わんばかりに――――。




―――ガチャッ!


[Maximum Rider Power…!!]





ハイパーゼクターで攻撃力をさらに倍増、そのエネルギーが腕を伝い、パーフェクトゼクターに注ぎ込まれた。















「ここまで来たら、やけくそでクライマックスだ!!!」



電王も、ベルトのケータロスのボタンを押し込み、ミュージックホーンを響かせると、ライダーパスを取り出してすぐさまセタッチした。



[Charge and up!!]



そして、胸部のリュウタロスの電仮面が展開され、フリーエネルギーが急速チャージされていった。















「渡、俺たちも決めるぞ!」



さらにキバも、左腕のタツロットのインペリアルスロットを高速回転させた。



今回は――――“紫色のハンマーの絵柄”がそろった。



ドッガフィーバーッ!!



同時に魔鉄槌・ドッガハンマーが出現し、タツロットが合体した。

「カチャッ!」

すると、キバがドッガハンマーを構えたと同時に、タツロットの口から紫色の雷の球体が吐き出され、キバの目の前で静止した。















“シン、今こそDESTINYの攻撃力の真骨頂を発揮するときだ!!!”





「…あぁ、ジュンイチ!」

脳裏でジュンイチの余裕の表情が浮かび、シンはそれに応えるため、コードを入力した。







1・6・0・0+ENTER







[Final Clash. Exceed Cristal Charge]







エネルギーがシンの両手に注ぎ込まれていった。























その瞬間――――。























「エンペラー・サンダースラップ!!!





まずはキバの雷球が、ドッガハンマーによって打ち出され、ヤフキエルを麻痺させる。















「必殺・ボイスターズシャウト!!!」



続けざま、電王のフリーエネルギーミサイルが無数に放たれて大ダメージを与えたと同時に―――。















[Ultimate Hyper Cyclone]



カブトのパーフェクトゼクターが、“マキシマムハイパーサイクロン”よりもさらに数段上を行く攻撃力の、超大型砲撃を放つ。















「全力全開!!」



「疾風迅雷!!」




「「ブラスト・シュ―――――――トッッ!!!!!!!」」










「『天空に響け、終焉の笛!』」



――――ラグナロクッ!!!!!






ディスタンスフォース最強の大規模砲撃魔法“ブラスト・ブレイカーシュート”が炸裂。















そしてそのとどめには――――。















両手を合わせ、絡ませあい、いかにも“一発行くぞ”みたいな構えを取ったシンが―――。









「天地震撼!!!」



『爆竜咆哮!!!』




――ドルオーラキャノンブレイカー!!!!








全てのエネルギーを収束させた大威力砲撃を放った。























「グアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!!!」























その瞬間、まばゆい閃光に包まれ、ヤフキエルはブレント共々、崩壊を始めた……。













閃光と共に、ヤフキエルの体を構築していた降魔細胞は、散り散りとなり、瞬間、天使の翼のかけらを彷彿とする、白い羽へと変貌した。

同時に――――。









―――グラッ









上空にいたシンが突然、糸が切れた人形のように崩れ、地表に落下し始めた。









「ッ!!!!」









いち早く察したステラは、すぐに彼のもとへ駆け寄った。









「おにいちゃああああぁぁぁぁん!!!!!!!」









飛び込みつつ、必死に伸ばしたその両手は―――――。















しっかりとシンの体を抱きとめた。















ただし、勢いが付きすぎたのか、ステラは体ごと地面を滑り、怪我をしてしまったのだが……。















「……ッ…痛…ぃ…!」

「お、おい、ステラ!大丈夫か!?」

思いも寄らない状況に、スティング、アウル、フレイらも二人の傍による。

だが、二人の心配をよそに、ステラはシンに声をかける。

いつの間にか、彼の体を覆っていたはずのガンダムアーマーも、装着が解除されていた。

「シン、シン…!」

体を揺すられた影響か、シンはすぐに目を覚まし、ゆっくりと目をこじ開けた。







「…ぁ………ス、テ…ラ……。」







「シン…ッ…!」







またしても感極まったのか、ステラは義兄の体を強く抱きしめた。













「ありがとう、お兄ちゃん…、生きてくれて……っ…!」













「…っ…ステラ……っ…!」













シンも、義妹の想いに応えるべく、その華奢な体を抱きしめる。

どうやら、二人のその絆は、義兄妹以上と言ったところのようだ。

その光景を見ていた一同も、顔を綻ばせずにはいられない………、はずだったのだが………。























「……!?おい、カブト、あれを見ろ!!!」























視線を逸らしたガタックが突然声を上げた。











何事かと思い、視線を動かすと―――――。











信じられないものが飛び込んできた。











ヤフキエルの崩壊の後に現れたもの、それは――――――。











「――――ッ!!!!あ、あれは!!!!」











それに見覚えのあるスティングら、元B.C.F.メンバーは、さらに驚愕した。











「フ、フレスベルグ!!!???」











船体を切り裂かれ、原形を留めるのに精一杯のフレスベルグの、哀れな姿が全員の目に飛び込んできたのだ。

















「――――――ッ!!!!!」







イヤアアアアアアァァァァァァァァッ!!!!!!!!


















その瞬間、フレイの叫び声が響いた。























だが、それと同時に、ガレオムの瞳が輝きを取り戻していた―――――――!



---to be continued---


☆あとがき
A4原稿8枚強と言う色んな意味での大ボリュームとなった第84話、いかがでしたでしょうか?
過去最大の必殺技の大乱舞、ご堪能いただけたのではないかと思います。
自分自身としても、ここまで書いたのは計算外だったかもと思っております(苦笑)

さて、突然ですが、次回を以っていよいよ第3章終幕とさせていただきたいと思います。
果たして第3章の結末は?そして、戦士たちを待つ新たな運命とは!?


<おまけと言う名の次回予告>

???:「ここは……?」
(突如として暗闇に包まれた街に、突如現れた一人の青年……。)
(服装は、黒のジャケットに黒いズボンと言う、暗めな服装。)
(彷徨ううちに、視界にある建物が映る。)
???:「あれは………“ガーディアン・ライガー・ビルディング(G.L.B.)”……!」
(首から提げているトイカメラで写真を撮る……。)
???:「“シードピア”の亜空迷宮か……。」










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