Phase76 着装!強化装備!!


『ぐあああぁぁぁっ!!!』

『シンッ!!』


まさにB.C.F.最大の切り札だった。

彼らが繰り出した超巨大モビルスーツ・DOOMは、モビルアーマーに変形できる機構を持っている上、全身のほとんどが重火器、さらに陽電子シールドまでも搭載されていると言うのだから、これを落とすのは至難の業である。

そのDOOMの想像を絶する猛攻撃に、全員が大苦戦。

しかも、攻撃をまともに受けてしまったシンが撃墜、地面に叩きつけられ、意識を失ってしまったようなのだ。

『キャアアアァァァ!』

『うああっ!!』


さらに、その後に続くようにミネルバチームの機体が次々に撃墜されていった。





ただ、その中にレイ・ザ・バレルの機体もあったのだが、撃墜された直後、すでにコックピットは蛻の殻(もぬけのから)だった……。

















そして、彼らと共同戦線に当たっていたオルカファイターズも、大ピンチを迎えていた。

『おい、こうなったらアレを使うしかないぞ!』

「く…っ!やむを得ん!セイコー、こちらアグニス・ブラーエ!ファイナルウェポン“パワードダイダロス”の使用許可を要請する!」

その申請は、10秒と経たずに返答が届いた。



『ファイナルウェポン導入を承認する!』



『大海原の怒りをもって―――。』



『爆裂的に鎮圧せよ!!!』






同時に、キングロブスターから“パワードダイダロス・ビークルモード”が射出、一直線にアグニスの元へ向かっていった。







「パワードダイダロス、着装!!!」







『Powered Hyper up!!』














瞬間、パワードダイダロスが前方部分と後方部分に分離し、さらにそれぞれが巨大な上半身と下半身に変形し、その状態で再合体、中心部分にアグニスのシーガルが合体、背面のアダプターにコードが接続された。











「パワードダイダロス、着装完了!」











巨大な地響きと共に、ダイダルストライカーズの巨大武装が降臨した。

















『!!?な、何よあれ!?』

「DOOMと大差変わらない大きさだぞ、あれ!」

ナイトメアで上空から様子を見ていたシャムスとミューディーは、突如現れた敵の巨大兵器に驚きの声を上げた。

どうやら、肩に付けられたエンブレムからして、ダイダルストライカーズの物のようだが………。

『あの大型ビークルが変形することもだけど、まさかそこにMSが合体するなんて知らなかったわ…!』

「まだまだ俺たちと遊びたいらしいな、あいつら。」

だが、そうこなくては面白くない。

『アスラン・ザラ!変な木偶の坊、ひねり潰してやりなさい!』

















『行くぞ!』

アグニスは早速パワードダイダロスを操作し、DOOMに近づく。

『はぁっ!』

巨大な腕が、DOOMの胸部に直撃し、火花を散らす。

その攻撃で相手が多少怯むも、すぐに立て直す。

『やはりそう簡単には倒れないか、ならばこれだ!“クサナギノオオタチ”!!

取り出したのは、ロウの持つガーベラストレートがさらに巨大化したような、超巨大対艦刀だった。

『こいつを使ってぶった切る!覚悟ッ!!!』

スラスターを全開に吹かし、DOOMに接近、オオタチを持つパワードダイダロスの腕が大きく振りかぶられ、振り下ろされた。







――――バチィィィィィィン!!!





『!!!』










だが、“そうは問屋が卸さない”と言わんばかりに、またしても陽電子シールドが発動、オオタチを難なく受け止めた。

そして、そのままパワードダイダロスを押し返した。





『うわあぁっ!!』





押し返されたアグニスは体制を崩すも、すぐに持ち直した。

しかし、状況の大劣勢は変わらず。

パワードダイダロスを持ってしても、こちらのほうが不利。

どうすればいいんだ………!?











――――ドドドドドドド……!!!











銃撃音と爆撃音が響き、その攻撃がDOOMに命中する。







『?!』







上空を見上げると、大掛かりな武装を取り付けた4両編成の新幹線が。

『アグニス・ブラーエ、無事か!?』

『ネ、ネガタロス!』

『これから俺も後方支援に入る、このデカブツをけん制してやる!』

『頼むぞ!』

黒き用心棒・ネガタロスの増援と援護攻撃により、アグニスにもチャンスが訪れようとしていた………!





















「召喚!“インゼクト・ズーク”!」

ケタロス=メガーヌ・アルピーノの特殊召喚術によって召喚された、小型召喚虫・インゼクト。

「ミッション、オブジェクト・シャットダウン!」

メガーヌの指示により、インゼクトたちが飛び散り、それぞれがヤフキエルの内部に侵入、中枢神経を蝕み、活動を制限させた。

「クイント、今よ!」

――――ガチャッ





[Rider Beat!!]






それと同時にカブティックゼクターの電子音声が響き、エネルギーがヘラクス=クイント・ナカジマのリボルバーナックルに注ぎ込まれた。

「ビートリボルバー・クラアァァァァッシュ!!!!」

彼女のリボルバーナックルの一撃が、ヤフキエルを5機も吹き飛ばす。











「ハイパークロックアップ!」



[HYPER CLOCK UP!!]






さらに、ゼスト=コーカサスが“ハイパーゼクター”のハイパークロックアップで、超高速移動状態に入り――――。





[Maximum Rider Power…!]



「ハイパービート!」





[Rider Beat!!]





強化版ライダービートで、自らの武器の攻撃力を上昇させると、一気にヤフキエルを10機以上蹴散らした。











「よし!ここまで砕けばもう動けないだろう。」



「こっちも片付いたわ。」



3人の周囲には、バラバラに砕け散ったヤフキエルの残骸が。

そして―――。



「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!」





――――――バギャッ!!!!






振動拳でヤフキエルをとことんまで粉砕し続けたスバルも、大健闘。

「ナイス、スバル!」

「へへっ☆」













「俺の必殺技・パート5!どぉぉりゃああぁぁっ!!!!」













怒声にも似た大声と共に響いた爆発音。

その方向を振り向くと、スバルにとっては見覚えのある顔が。

「あ、また仮面のお兄ちゃんたちだ……。」

どうやら様子からして、また前触れなくこの事件に首を突っ込んできたようだ。

「スバルさん、ティアさん!けが人の搬送、完了しました!」

「エリオ、お疲れ!」

これで当分はけが人に関しては大丈夫だろう。

すると、ここで仮面の戦士たちもドルフィンナイツに気付いたのか、その場に合流した。

「よぉ、お前ら。また会ったな!」

「どうも。」

合流してきた3人の戦士のうち、一人――白い体の金十字の仮面の戦士――は初対面だったが、触れずに置いておこう。

ともあれ、ようやく自分たちの周囲のヤフキエルは排除が完了した。

後はオルカファイターズと交戦している巨大な敵の排除だ。

「ドルフィンナイツと言ったな、また俺たちが手助けをしてやるぜ!」

「さっさとあのバケモノ級のモビルスーツを潰すぞ!」


『はい!!!』


仮面の戦士たちを先頭に、彼らは巨大モビルスーツとパワードダイダロスが交戦する地点へと向かっていった。

(……にしても、あのモノマネ野郎までここに来てるとはな…!!)















































キイイイィィィ―――――ン!!!!!









まるでジェット機が超高速で駆け抜けるかのような音が、ネビュラオーシャンに響く。

そこを駆け抜けるのは、大型武装バイクにビーム砲が付けられたかのような、特殊マシンが3機。

SEEDを持つものにのみ与えられる切り札、ミーティアスライガーである。

「お、お、押し潰されそうな圧迫感だ……!!」

キラが操縦席の中で苦しそうに声をあげている。

それもそのはず。

なんとこのミーティアスライガー、限界最高速度が1200km/hオーバーと言う驚異的な数字をたたき出すほどの、モンスターマシンでもある。

「ラクス、カガリ、だ、大丈夫!?」

『ちょ、ちょっと、大丈夫じゃ、ないかも、しれません…。』

『こんなに、早、すぎる…なんて、思っ、てもなかっ、た、からな…。』

さすがにきつかったか……。

[まもなく、ゾロアシアワールド。まもなく、ゾロアシアワールド]

『!』


操縦席のコンピューターが、目的地の到着を告げてきた。

「よし!ラクス!カガリ!」

『は、はい!』

『おう!』











『ミーティア・バトルアタッチメント・フォーメーション!!!』





HYPER BUILD UP!!














電子音声と共に、ミーティアが高速移動しながら展開。

背面にコードが接続され、そのまま体が背もたれの部分にしっかりと固定、体の上半身を交差するように、ベルトも取り付けられた。

バイクの操縦席と前面部を担っていた部分は左右真っ二つに割れ、180度回転し、ジェットエンジンの両脇に固定。

さらに、キャノン砲の部分が適合者の両腕に握られた。













「ミーティアスライガー・バトルフォーム―――。」







「「着装完了!!」」














直後、3人は挨拶代わりを言わんばかりに、ミサイルの砲門を断続的に展開、一斉射撃を放った。















――――ドカドカドカドカ………!!!!















突如、巨大モビルスーツがどこからか砲撃を受けた。

その光景を、現場に向かっていたスバルたちは見逃さなかった。

「え?なに?どうしたの!?!?」

全員が混乱する中――――。

『!?モモタロス!!あれを見て!!』

「?」

意識の奥に入っている良太郎の言葉で、電王(ソードフォーム)が視線を動かした。

すると――――――――。







「うおっ!?」





『!?』







ある方向に向けたと同時に驚きの声を上げた電王に対し、他の全員も異変に気付き、振り返った。





「どうしたの!?」

「おい、あ、あれって、ひょっとして、GUNDAMじゃねぇのか!!?」







『えっ!!??』









全員が上空へと視線を移すと、そこには――――。









超大型装備を身に纏って浮遊する、3人のGUNDAMの姿があった。















「で、でかっ!!!」







「す、すごい!!」


















予想もし得ない介入者が現れたことに驚いたのは、彼らだけではなかった。

「あ、あれはGUNDAM!!??しかも、何よあの装備は!!??」

上空で様子を窺っていたミューディーたちも、予想外のGUNDAMの登場に驚くも、冷静なシャムスが状況を推測した。

『見た目からしてかなり頑丈そうだが、デカイ分小回りに弱いはずだ!俺が撃ち落としてやる!』

シャムスはナイトメアのスラスターを吹かし、手始めに黄金の鎧のGUNDAMに迫った。

しかし、振りかぶられたバスターブレードの一撃は―――。





















命中する、どころか――――――。





















逆にバスターブレードを、溶断された。





















「なっ!!!???」









『なにぃっ!!!??』
















GUNDAMの右腕に装備された巨大な砲門は、実は巨大なビームサーベルにもなっていたのだ。

黄金の鎧を纏った戦士は、ブレードを溶断すると、そのままそのサーベルを――――。















MSのヘッドカメラに突き立てた。















『ぐあっ!!センサーとカメラをやられた!!』





「シャムス!!」












どうやら深追いは厳禁のようだ。

ミューディーはすぐさま、シャムスを回収、そのまま母艦へと着艦していった。



















「カガリ、大丈夫!?」

『あぁ、ナイトメアがいきなり現れて、ちょっとビビッたが、問題はなかった。』

敵のモビルスーツがいきなりカガリに接近してきて、思わず自分が援護に回ろうかと思っていたが、どうやら退かせることに成功したようだ。

[ほう、少しは出来るようだな。]

『!?』

通信回線に何者かが入ってきたようだ。

しかも、悪徳的な雰囲気の男性の声。

ミーティアに取り付けられた通信システムが起動し、画面が表示された。

眼から赤い涙を流しているかのような、少々不気味なデジタル表示だ。

「き、君は……!?」

[フォンブレイバー01だ、ゼロワンとでも呼べ。]

唐突的な、謎の存在の登場に、3人は戸惑った。

「僕らに何か用!?」

[大したことじゃない。ただ、お前たちに警告を言いに来ただけだ。]

―――警告!?

[“レクイエムコロニー”の方角から、85.48±4.6%の確率で、新たな敵が介入してくる。そのデカブツを倒した後も、気を抜くな。]

『!?』

耳を疑った。

まさかこの巨大モビルスーツ戦は、その戦いの前哨でしかないとでも言うのか!?





























てれび戦士とライガーシールズたちの目を盗み、密かに時空の狭間を駈け、ゾロアシアに入り込んだ天道と加賀美。

傍らには、彼らが愛用する専用特殊バイク・エクステンダーシリーズ、彼らの周囲にはカブトゼクターとガタックゼクター、さらには、見覚えのない2機の同型のゼクターまでもが。

「しかし、実際見てみると、ホント、デカイな……。」

絶句する加賀美の視線には、オルカファイターズと交戦する大型モビルスーツの姿があった。

「GUNDAMも加わっているようだが、やっぱり心配だな……、あいつら、勝てるのかな……。」

だが、そんな状況でも、クールに対処するのが、加賀美の戦友・天道だった。

「きっと、大丈夫だ……。それに、おばあちゃんも言っていた…、“自分が望みさえすれば、運命は絶えず自分に味方する!”…ってな…!」

“希望を手にするために、常に前だけを見据えろ”。

或いはそう言うことかも知れない。

彼の祖母も、深い格言を残したものだ…!

「…違いない!」

「さて、そろそろ俺たちも行くぞ!未来を掴むために!」

「おう!!」

同時に、二人の手にそれぞれ相棒のゼクターが握られた。







「「変身!!」」



―――ジャキンッ!!!



[[HENSHIN!!]]










カブトとガタックのライダースーツが纏われ、いきなり“ライダーフォーム”へと変身した。

二人のゼクターも、装着したと同時にゼクターホーンが変形している。

[Change! Beetle!!]

[Change! Stag Beetle!!]


さらに、飛びまわっていた2機の謎のゼクターも、二人の手に握られた。

アイコンタクトを交わし、それぞれをベルトのクロックアップスイッチ(左側)に装着した。













「「ハイパーキャストオフ!!」」



―――ガチャッ!!



[[HYPER CAST OFF!!!]]












超強化式カブトムシ型サポートデバイス・“ハイパーゼクター”の“ゼクターホーン”が押し倒された瞬間、二人の体を膨大なエネルギーが駆け巡り、二人の姿を大幅に変化させていった。













[Change HYPER Beetle!!]



[Change HYPER Stag Beetle!!]




---to be continued---


☆あとがき
新年一発目のSEEDPIA CRISISの更新となった第76話、強化装備のオンパレード的流れとなりました!
特に、今回の終盤で登場したハイパーカブト&ハイパーガタック、次回には戦士たちに勝利への道を拓きますよ!

ネタバレでぶっちゃけるなら、“ハイパーダブルライダーキック”、出ます!!!


*次回予告と言う名のおまけ

(人気の静まり返った、ミーティアの整備ルーム………)

(そのパソコンの前で、待機状態の形で静かに時を過ごす、ゼロワン………。)

―――ヴィーッ!ヴィーッ!ヴィーッ!ヴィーッ!……………。

(けたたましく鳴り響くブザー、パソコンの画面には『Emergency!!!』の警告文字が)

>ゼロワン「………ム?……なんだ…?」

(液晶画面の顔を開き、パソコンのモニターを見つめる。)

(数秒後、警告音が静まったと共に、メッセージが表示。)

>メッセージ『B.C.F.旗艦“フレスベルグ” SIGNAL LOST

>ゼロワン「……!?……なんだと……!!?」










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