「…では…、確かに、高町なのはさんのことは、引き受けましたぞ。」
「お願いします、王行智(おう・ぎょうち)。」
オルカファイターズの主要活動拠点・キングロブスター内部では、未曾有の事態に負われ、大騒ぎになっていた。
「それにしても、まさか魔法使いのクランケが運ばれてくるとは…。しかもここまで重傷となると、一刻を争うな。」
「うむ。ドクターミハイル、すぐに緊急手術の用意を。」
「了解。ダイアナ・カプリス、今回は君の霊力を有することになるかも知れぬ。協力してくれ。」
「はい、お任せください。」
東洋医学に精通し、メンバーに応じて様々な薬を調合する技術を持つ、ダイダルストライカーズのご意見番・王行智。
元ゾロアシアのエースパイロットであり、医師免許の資格を持つ異色のメンバー、“ドクター”こと、ミハイル・コースト。
スピリチュアル・キャリバーから出向し、これまで、自らの霊力で仲間たちを癒してきた白衣の天使、ダイアナ・カプリス。
彼ら3人を中心に構成されたメディカルチームは、大海原の傷を癒す人魚のような存在となってほしいと言う願いを込め、“ヒーリング・マーメイド(Herling Mermaid)”と名づけられた。
これまで、ダイダルストライカーズのメンバーたちの命を助けてきた彼らにとって、今回は非常に大掛かりなものになりそうだ。
全ての準備を終えたH.M.は、すぐさま集中治療室になのはを搬送、そのまま緊急手術に入った。
それを見送った、兄・恭也と姉・美由希、そしてD.F.の仲間であるはやてとユーノ、さらに報告を受けて急遽駆けつけたフェイトと、はやての守護騎士たちは、これまでにない悲痛な面持ちだった。
「…恭ちゃん……なのは、大丈夫かな………。」
「……今は、祈るしかない………。」
悔しさを噛み締める恭也と、安否を誰よりも心配する美由希。
そんな二人を見て、はやて、ユーノ、フェイトは居たたまれない気持ちになっていた。
自分たちがもっとしっかりしていれば、こんな事態にはならなかったのに……。
ましてや、相手はなのはの兄と姉。
大事な家族だ。
いくら詫びようと思ってもしきれないくらい、胸が苦しかった。
こういう気持ちを“穴があったら入りたい”と言うことなのだろうか……。
重苦しい雰囲気が辺りを支配し、沈黙してから3時間後。
“ピンポーン”
手術が終わったようだ。
扉が開き、ベッドで横になり、苦しそうに呼吸を繰り返す痛々しい姿のなのはが出てきた。
「なのは!」
「なのはちゃん…!」
「しっかり……!」
フェイト、はやて、ユーノがすぐさま彼女の下へと駆け寄り、そのまま病室まで付いていった。
奥から王とミハイルの二人も出てくる。
恭也と美由希は、こみ上げる感情を抑えつつ、二人に尋ねた。
「ミハイルさん、王さん。」
「なのはの、容態は?」
二人は真剣な表情で、現状を伝えた。
「一命は取り留めたが、まだ予断は出来ない状態だ。何しろ、腹部を刺し貫かれてしまった状態だったからな。」
「意識を取り戻すには、さらなる時間を要します。それに……。」
王は、一区切り間を置いて、最も重大な問題を二人に宣告した。
「最悪の場合、立って歩くことすら、儘ならない状況になるかも知れません。」
それは、死刑宣告と同等、いや、それ以上にショックが大きい一言だった。
ヤフキエルの残骸が所狭しと転がり、その周辺には謎の黒い液体。
特有のにおいが鼻につく嫌な状況だった。
「いやだわねぇ、この臭い。鼻がおかしくなっちゃいそうよ。」
「モビルスーツ特有のオイルとかだったらまだいいんですけど……。」
「このヤフキエルの液体は、それどころの問題じゃないわよぉ。」
戦いの爪痕を見ながら、女言葉で愚痴を漏らす謎の3人組の男。
オルカファイターズの特殊部隊・“チームシーアネモネ”所属の、清流院琴音(せいりゅういん・ことね)、丘菊之丞(おか・きくのじょう)、太田斧彦(おおた・よきひこ)である。
彼ら3人は、今回の戦闘の事後処理として派遣され、今後に役立ちそうな物品の回収に回っていた。
「あら?あんなところに黒い水溜りがあるわね。斧彦、あれのサンプルを取って頂戴。」
「オッケー。」
指示を受け取った斧彦は、試験管とスポイトを取り出し、黒い液体を採取した。
それは、崩れ落ちたヤフキエルの残骸から漏れていたものだった。
「ところで琴音さん、どうしてB.C.F.はここまで大量のヤフキエルを用意できたのでしょう?」
「そうよね……あたしも気になってたのよ…、最初からこのゾロアシアとニュートラルヴィアを襲うつもりだったと考えなければこれだけの数は不可能よね……しかも、かなり前から……。」
「だとしたら、結構な頭脳派の人間が向こうにいるって言うことでしょうか?」
「う〜ん…どうなのかしらね……。」
疑問を残しつつ、3人は引き続き調査を進めた………。
所変わって、こちらはエターナル・フェイス“ジェネシス・フォートレス”。
その司令室では、今回の事件に関する話題が持ち上がっていた。
司令官のデュランダルが、早速切り出した。
「ミネルバチーム諸君、よくやってくれた。特に、シン・アスカ、君の活躍ぶりは目を見張るものがあったよ。」
「いえ、そんな……///」
火事場の馬鹿力と言うべきなのかもしれない。
シードクリスタルによって異常なまでの戦闘能力を発揮したシンは、突如として復活を果たし、さらには怒涛のごときスピードでヤフキエル軍団を一気に片付けたのだ。
「ホントにすごいわよ。あたし、見直しちゃった☆」
「俺たちなんか、出る幕がなかったもんな。」
「今回はお前の手柄だな、シン。」
ルナマリア、アスラン、レイの3人がチームメイトに賞賛の声を送った。
「そんなに言うなよ、照れるじゃねぇか///☆」
さすがに、今回はシンも顔を真っ赤に染めざるを得なかった。
「そこでだ、此度の戦闘における君の活躍を称えて、コレを進呈しようと思う。」
そう言ってデュランダルが取り出したのは、金色に輝く勲章。
それを見たアスランの目が見開かれた。
「それは…ネビュラ勲章!」
ネビュラ勲章は、エターナル・フェイスの中でも、特に大きな戦績を残し、チームに貢献した戦士にのみ与えられる、栄誉あるもの。
「ミネルバチームの新人ながら、期待以上の多大な活躍と貢献を残してくれた。今の彼には、これを受け取る資格がある。…どうかね?」
シンは一瞬間をおき、そして、はっきりと告げた。
「受勲いたします!」
その言葉を受け、デュランダルが直々に、彼の制服の胸元に勲章をつけた。
「おめでとう、シン・アスカ。」
「ありがとうございます!」
敬礼を交わし、シンはこれからも戦い抜くことを、心に誓った。
だが、気にかかることが一つあった。
それは、自分のカラダの中から出てきた“あの宝石”だった。
今はそれを大事にしまっているが、どうしてあれが自分の中から出てきたのか。
いくら考えても、その答えは見出せずじまいだった………。
「キラ!ラクス!」
「無事ですか!?」
ニコルとカナードが、損傷したMSから降りて二人に駆け寄る。
今回の戦闘において、大きな損失を被ってしまったライガーシールズであったが、パイロットに死者がいなかったと言うのが不幸中の幸いであった。
特に、キラとラクスの存在は組織の中でも特に大きかった。
「うん。どうにか大丈夫。」
二人の無事な姿を見れて、こちらも安堵した。
特に、ラクスに至っては――――――。
体を震わせて彼の腕に抱きつき、今にも泣きそうな雰囲気だった。
どうやら“死ぬ間際”と言う人生上の瀬戸際を体験したせいのようだ。
かなり怖かったことが窺える。
「キラさーん!みなさ〜ん!」
聞き覚えのあるこの声。
見上げるように振り向くと、ティアーズのマサムネが1機、接近していた。
スピーカー越しに聞こえてきた声からして、やってきたのはどうやら甜歌のようだ。
マサムネは彼らの近くに着地すると、コクピットのハッチをオープンした。
中から出てきたのは案の定、甜歌だった。
「大丈夫ですか!?」
「うん、心配は要らないよ。でも、ラクスが……。」
キラが言葉を濁し、視線を向けると、わずかに体が震えているラクスが。
「え〜っと……、もしかして…凄く怖かったり、しました…?ラクスさん……?」
「素直に言いますと……、もう、死ぬかと思いました…っ…!」
ここまで脅えているラクスを見たのは、甜歌にとっては初めてかもしれない。
でも、よく考えてみると、ラクスも一人の女の子。
だれしも、非常に怖いと言う経験は一度でもあるものだ。
「あ、あはは……、あれ?」
思わず苦笑いしてしまった矢先、甜歌の視線が、キラの手に向けられた。
彼の手に握られている“蒼い宝石”。
それを眼にした瞬間、目つきが一変した。
「キキキ、キラさんっ!!!???」
「え?どどど、どうしたのテンカちゃん?」
「そそっ、その宝石は?!」
いきなり詰め寄ってきた甜歌の気迫に押されつつも、キラは彼女の言葉を理解し――――。
「あ、あぁ、これ?ラクスを死なせたくないって言う一心で叫んだら、急に体が光りだして、それで、僕の胸の中からこれが……。」
その宝石をまじまじと見つめて数秒、甜歌は何かを確信した。
「ま、間違いないかも……!ひょっとしたら、これは……“シード・クリスタル”だ!!!」
『えっ!!??』
――――シードクリスタル!!!???これが!!!???
「…そうか……お前がなのはを……。」
「はい…。」
オルカファイターズ・キングロブスターのメインブリッジ。
そこでは、リーダー格3人を交えて、恭也と美由希が、3人の魔法使いが話す過去の一件に耳を傾けていた。
なのはが魔法に出会い、魔導師として活動することになった切っ掛け。
それによって彼女が巻き込まれた色々な事件。
その裏で活動している大型組織の存在。
その全てを、告白した。
同時に、ユーノの心の奥から“罪悪感”もこみ上げてきていた。
「…僕が彼女を巻き込んでしまったんです。ましてや、あなたたちの目の前で彼女に被害が出てしまったとなっては……、僕は……申し訳がたたなくて…っ……。」
責任感がとても強いのか、必要以上に自分を責め続けるユーノに、フェイトやはやてはもちろん、その場に居たメンバーたちも言葉が出なかった。
しかし、その沈黙の中、恭也は怒りを露にするどころか、和らいだ表情を浮かべ、ユーノの肩に手を添えた。
「…お前が謝る必要はない…。むしろ、ありがとうな、なのはの傍に居てくれて…。」
「…!?」
「…ある意味じゃ、俺と美由希にも責任はある…。」
『えっ?』
沈黙を開いた恭也の、予想外の言葉に、全員が眼を丸くした。
「今思えば、なのはは、もとから一人っきりで居ることが多かったんだ、小さい頃から。」
表情を暗くしたなのはの兄と姉は、ゆっくりと過去のことを語り始めた………。
あいつが5歳ぐらいのときだったかな…、父さんが大事件に巻き込まれて、瀕死の重傷を負ったときがあった。
一命は取り留めたけれど、意識を取り戻すのに膨大な時間を要した上に、父さんは体中に大きな傷跡を何箇所も残していて、その痛々しい姿を見たときは、とても胸が痛かった……。
そのとき、美由希は専ら父さんの看病ばかり。
同時に、母さんが始めた喫茶店も、軌道に乗り始めた時期だったから、俺は毎回そっちの手伝いばっかりで……。
5人家族の末っ子だったなのはは、ずっと家で独りきりで居ることが多かった。
なのは……あの時期はもっと、あたしや恭ちゃん、父さんや母さんに甘えても良かった時期だったのに、それが滅多に出来ずに育っていったの。
父さんも母さんも、「もっと自分たちに甘える姿を見せてほしかった」って、寂しがってた……。
そんな複雑な環境だったせいか、辛いことを抱え込んでも、「大丈夫だよ」、「気にしないで」って、あたしたちの前では笑ってくれてたけど……、知らないところであの子が泣いているんじゃないかって考えると、何も出来ない自分が、とても悔しくて……。
『家族がいるのに、孤独感を重々しく感じる。』
そんな環境で育っていった、小学生相当の女の子。
今思うと、それはとても辛い事実だった。
親や兄弟に甘えることが出来ず、自分の辛いことすら抱え込んでしまう少女。
そのときの心の痛みは、どれほど重いものかと思うと、自分の心すらも苦しくなってしまう。
気付けば、美由希は瞼に涙を湛えていた。
「…っ…、なのはちゃん……、可哀想ですぅ…っ…。」
話を聞いていたオペレーターのシーはもちろん、メルも、プラムも、杏里でさえも、二人が語った過去の切ない内容に、涙しないわけがなかった。
ややあって、セイコーが口を開いた。
「恭也、美由希、一番辛いときであるからこそ、家族である君たちが傍に居てあげるべきだ。おそらく、現状で彼女を支えて上げられるのは、君たちぐらいだろう。……後を頼むぞ。」
「「……はいっ。」」
気遣いを受け取った二人は、妹の眠る病室へと向かった。
それを見送った後、数刻を待って、口を開いた。
「さて……、3人とも、聞いたとおりだ。なのはちゃんの治療は、引き続きこちらのほうで全面的に引き受ける。これは人道的な特別処置だ。」
「「「……お願いします。」」」
一方、今回の一件でまたしても大打撃と大損害を負ったB.C.F.は…………。
「ぐぬぬぬぬ………!」
「うぐぐぐぐ………!」
『おのれぇ〜〜……!』
ジブリール、マティス、天海僧正の3人が、またしても怒りに震えていた。
「くそっ……!!」
ロンド・ギナも、予想を覆す信じがたい大逆転に、怒りを隠しきれなかった。
「一体何なのよ、あの輝きは!?」
『あの不可思議な力、我でも感じたことが一度もないぞ!』
「あれさえなければ、我々はついに勝利を収めることが出来たのに………!」
「このような事態になろうとは……!」
すると、謁見の間に、ブレントがやってきた。
「皆さん……此度の件では貢献できずに、申し訳ありませんでした…。」
謝罪の言葉を述べるブレントに対し、ロンドは気遣う。
「いや、我々にとっても予想だにしないことだった。君だけの責任ではない。」
『しかし、あの不可思議な輝きは何だったのだ………。』
不可思議な輝き――――――。
それはおそらく、ニュートラルヴィアとゾロアシアでそれぞれ確認された、あの強大な光のことであろう。
「……その光に関して、今後から徹底的に調べる必要がありそうですね。」
「あなたに言われずとも、分かっているわ、ブレント。」
あれがもしも、今後の戦いを左右するものであるとするなら、こちらが不利になることは避けられない。
「ブレント、次なる強襲作戦の準備はどうなっている?」
「ご心配には及びません。すでに次なる作戦の準備を始めております。ただ、全ての準備が整うまで、まだ時間がかかることかと思われますが……。」
『一日…いや、一秒でも早く準備を進めるのだ。よいな?我々ナチュラルとB.C.F.の運命は貴様の手にかかっておるのだからな。』
「承知、いたしております、天海僧正。」
………フッ、今はお前たちB.C.F.に力を貸しているが、所詮は仮初めの強力でしかない。
『GUNDAM』さえ見つかり、それを手に入れることが出来れば、もはやこのシードピアには用はないのだからな。
それに、今はあの忌まわしきD.F.の高町なのはも動けぬ状況。
今のうちに事を運べばよいだけの話だからな………。
まぁ、せいぜいB.C.F.の連中には大いに働いてほしいものだ……“我ら”のためにな………。
フフフフフフフ………。
「……そうか、ディスタンス・フォースの主力が堕ちたか。」
「はい、これで当分の間は、奴らも手出しは出来ますまい。」
「さらにシードクリスタルの出現も確認されております。GUNDAMを発見できるもの、時間の問題と思われます。」
ゾロアシア、“パトリック・ザラ”の屋敷・地下奥深くでは、謎の異形の存在、叉丹と殺女が報告を行っていた。
それを耳にしたパトリックの表情が、嬉々するものになった。
「…“主”によって復活して2年近く、ついにその念願を成就させるときがやってきたか…!」
もしどこかの連中がシードクリスタルに関する事項を耳にしていれば、さらなるチャンスが広がる。
「お前たち、再びニュートラルヴィアの隠密行動につけ!」
「「御意!」」
指示を受け取り、二人は妖術を駆使した転移術でこの場を去った。
我が主、ブレント・ファーロングさま……、我らの悲願であるGUNDAMまで、もうすぐですぞ……!
『ヤフキエル襲撃事件』から一夜が明けた早朝――――。
ニュートラルヴィアとゾロアシアで、復旧作業が始まった頃。
プシュ―――――ッ
「あ、あ、あ、あああぁぁぁぁぁ〜〜!!!!」
ガッシャ―――――ン!
「???」
復旧作業の手伝いをしていたライガーシールズのアンディは、自転車が壊れたかのような音を聞きつけ、すぐさま現場に駆けつけた。
すると―――――。
「ありゃりゃ。」
建物の瓦礫に頭から突っ込んでいた一人の青年の姿が。
その傍らには、彼のものと思われる自転車が転がっていた。
「おいキミ、大丈夫か!?」
「いたたた…、はい、すみません…、自転車のタイヤが、いきなりパンクして。」
どうやら頭を強く打ってしまったのか、相当痛そうに頭を両手で抱えていた。
「立てるか?」
「はい、なんとか……。」
アンディに支えてもらい、青年はようやく瓦礫の中から脱出した。
「ありがとうございました。」
「大事にならなくて、よかったな。この近くにサイクルショップがあるから、そこで修理してもらいな。」
「はい、そうします。」
青年はそう言って立ち去ろうとしたが―――――。
「おろ?おーい、青年!」
「はい?」
急に呼び止められて、何だろうと思い振り返ると―――――。
「これ、キミのか?」
そう言ってアンディが上に掲げたもの、それは厚手の黒いパスのようなもの。
それを見た瞬間、青年の顔が真っ青になり、すぐさま自分の身の回りを調べた。
すると、普段ポケットにしまっているはずのそれがなかった。
「すみませーん!」
その後、なんとかサイクルショップで自転車のタイヤを直してもらい、店を出た。
「はぁ、危なかったな〜……、このパス失くしちゃったら怖いなぁ……。」
二度とドジはしたくないと必死に願いながら、彼は再び自転車に乗った。
「それにしても……実際に眼にすると“ホントに戦争してるんだ”って感じるなぁ……。」
ゆっくりと走りながら市街地の現状を見渡す。
そこら中に兵器の残骸が転がり、建物も崩壊するんじゃないかと言うことまでダメージを負っている。
{おい、そっちの状況はどうなんだ。}
「うん、大きな事件があったみたい。ところどころでビルも崩れかけてるよ。」
脳裏に聞こえた声に対して、青年は自分の見た目をありのままに伝える。
{それにしても、“あの次元犯罪者”がここに紛れているって話、信用していいのか?}
「……わからないけれど、やらなきゃいけないことがあるってことだけは、わかる気がする……。」
{…おめぇのその予感、後でデカイ形で的中するから怖ぇんだよなぁ………。}
長い間連れ添っている“声の主”は、彼の性格を良く知っている。
{ま、何かあったらまた、“俺たち”を呼びな。}
{どんな餌で釣れるか、こっちも楽しみだからね。}
{それに、俺らも久々の大仕事になりそうやしな。}
{何だかボクも楽しみでさ、早く外に出てみたぁい☆}
「うん、そうするよ…でも…、ほどほどにね。度が過ぎることをやったら………僕も怒るからね。」
青年の低い声の言葉に、“全員”がゾッとした。
{{{{ハ、ハイッ!!!}}}}
外見は頼りないように見えるが、実際は人一倍根性がある。
仲間たちは彼―――野上良太郎―――のことを、誰よりも熟知していた……。
「さて……いよいよですねぇ……。」
そして、某所では一人の中年紳士がチャーハンを食していたのであった。
これから先のことを案じながら……。
「我々、“デンライナーポリス”の、再活動のときが、やってきたようですねぇ………。」
---to be continued---
☆あとがき
……どこまで凄い状況にするんでしょうかね…、僕って…(苦笑)
はい、『仮面ライダー電王』メンバーがシードピアに電撃参戦でございます。
実を言うと、本編をまともに見れていない状況だったりするんですよね。
なので、レンタルDVDなどでレギュラーメンバーたちの大体の雰囲気を手繰り寄せつつ、書いているって感じです。(汗)
なんとか形になれるように頑張ります。(苦笑)
さて、次回ですが、アキッキーさんの提供してくれたアイデアチーム・ダイダルストライカーズから、設定で先行公開した“あのチーム”が登場です!
そして、ついにGUNDAMの封印を解くべく、レイシー兄弟、キラ、ラクスがカオティクスルーインに乗り込みます!