Phase194.5 FWパニック・CONVERGE
Another Connect2〜ついに始動!新たな勇者〜
時の列車が待機する“時の砂漠”―――。
その片隅にある時空警察本部では、時空を超えて集められた戦士たちを交えたミーティングが、終盤を迎えていた。
「なるほど…俺たちのご先祖がとてつもない危機にさらされていて…。」
「それを救う為に僕らを呼んだってことだね…。」
「それに、過去のオラたちも危険が迫ってきている…。」
「自分が自分を救うなんて、奇妙な感じだけどね…。」
レイジから事の次第を聞かされ、各々で心境を吐露する面々。
彼らの反応を確認しつつ、レイジはさらに話を進める。
「そこで、君たちには亜空軍の拠点に侵入し、そこを破壊して欲しい。」
「拠点の強襲?!スリル満点の作戦ですね☆」
平行世界から召集されたヤスミこと渡橋泰水は、これから起こる戦いに胸を躍らせている。
「だが、もしこの強襲作戦が失敗すれば…連合軍は確実に敗北を喫することになる。」
そう、この作戦が成功するかどうかで、シードピア連合軍の命運も決まる可能性も秘められている、決して失敗は許されてないということだ…!
「大丈夫ですよ。」
そんなレイジの不安を、メンバーの一人――アカツキ・エンリュウインの一言が遮る。
俺たちの先祖はスーパー戦隊、或いは仮面ライダーとして戦い抜いてきた、俺たちの誇りでもあるんです。
彼らがいたからこそ、俺たちがいる。
彼らがいたからこそ、勇気を今でもこの胸に携えているんです!
その勇気を武器に戦えば、どんな困難だって越えられますよ!
「だから俺たちは……絶対に負けません!!」
その決意は、他の面々も一緒だった。
「私たちの先輩のプリキュアたちがピンチに立たされているなら、私たちがそれを救って見せます!世界中にハピネスを届けるために!」
未来のプリキュアの一人である、愛乃めぐみ。
「後輩のライダーたちに、戦士としての覚悟を教えてやらねばな。」
太陽の子という異名を持つライダーとなる男、南光太郎。
「亜空軍の奴らに本当の日本一と言うのを教えてやる。」
世界を流離う放浪の探偵・早川健。
「先生に教わった本当の正義を、あの人に見せて、それを僕の誇りにします!」
超能力を備えた勇気ある少年・風田三郎。
それぞれ思いは違えど、亜空軍を倒し、プラズマ界を救いたいという一心は一緒だった。
「レイジさん、僕たち、行きます!敵拠点の強襲に!」
アカツキの相棒・タツノトモヒロが、皆の決意を代弁する。
「……みんな、頼んだぞ!」
レイジは、この危険な作戦の運命を、彼らに託す…。
「さて、アカツキさん、トモヒロさん、しんのすけさん、ひまわりさん、ヤスミさん、こちらへ。」
すると、右手にパペットをつけた車掌が5人を呼ぶ。
傍らにいるメイドロボットが、大事そうなアイテムを入ったジュラルミンケースを開ける。
「これは“トッキュウチェンジャー”。スーパー戦隊“トッキュウジャー”に変身するためのアイテムよ。」
「皆さん5人を、今からトッキュウジャーに任命いたします。どうぞ一つずつお持ちください。」
こちらは敵本拠地・アドラメレクに比較的程近い空間。
そこでは、亜空軍戦闘兵部隊と交戦する二つの影があった。
「エックスバスターッ!!」
「ゼットセイバー!!」
腕のキャノンの射撃で敵を打ち落とす青いロボットと、光のレーザーサーベルで次々と切り刻む赤いロボット。
しかし、いずれもその顔は人間に近いものがある。
やがて程なく、二体のロボットは周囲の敵軍を一掃した。
「…ふう。どうやら片付いたようだな。」
「そうだな。」
「しかし、どいつもこいつもイレギュラーとは程遠いような感じだったな。」
「確かに。むしろ…、異次元の闇のような…。」
二人は今までの戦いの中で、感じたことのない違和感を感じ取っていた。
“少なくとも、自分たちの今いる場所は、全く知らない場所。”
現状で分かっているのはそのくらいのことだけだった…。
――ブアッ!!!
『!?』
背後から新手!!??
――バシュンッ!!!!
『!!』
しかし、別方向から放たれた攻撃でその敵は四散した。
「危なかったな、大丈夫か?」
凛々しい青年の声が聞こえ、振り向くと――。
『ッ!?』
「え…!!」
「えっ!!??」
お互いが驚き、その相棒たちも驚いた。
現れたのは、自分と瓜二つととっても差し支えない青いボディを纏った青年と、そのパートナーと思しき同年代の女の子だった。
「…ボクと…同じ…!?」
「こりゃ、一体…!?」
「どうなっているんだ…!?」
全員が混乱しかけた、そのとき…。
「あらら、珍しい鉢合わせですわね。」
『!!??』
いつの間にか、巨大な二足歩行戦車に乗っている女性が、似通ったような姿の小型ロボット数体を引き連れて現れていた。
「トロン!来ていたのか。」
「空賊ボーン一家か!」
『………え?』
お互いに、「知ってるの?」といわんばかりのリアクションをとったのは、言うまでもない。
「まぁ、混乱するのも無理はありませんし、一つずつ簡単に説明しますわ。」
二度にわたって異世界での激闘を経験し、その中で異世界のロックマンと遭遇したことのある彼女が仲介役となる。
「エックス、ゼロ。こっちの二人は“ロック・ヴォルナット”と“ロール・キャスケット”。私と同じ世界の出身で、古代遺跡の発掘を生業としているディグアウターのコンビですわ。」
「あ、どうも。」
「初めまして。」
「ロック、ロール。彼らは“エックス”と“ゼロ”。別次元の世界で“イレギュラーハンター”として活動するレプリロイドですわ。」
「よろしく。」
「フン。」
不思議な雰囲気の中、トロンは自身の経験を交えつつ、様々な経緯を語りだした。
その中で、エックスとロックは“何だか親近感を感じる…。姿形の意味じゃなくて、もっと別の大きな…”と、言葉で表現できない何かを感じていたのは、別の話…。
――ドカアァァンッ!!!!
一方こちらは、“バサラワールド”から迷い込んだネームレス・ハウンドたち。
北斗星司と大道克己という二人の戦士と邂逅を遂げたのもつかの間、彼らの因縁の宿敵・ヤプールとアイズドーパントが出現し、交戦状態に陥っていたのだ。
当然、異世界の超人と超常的な力を持つ怪人には敵うはずもなく、クルト、リエラ、イムカを除くメンバーたちは大ダメージを受けていた。
「ほう…我らを相手になかなかやるではないか…。」
アイズドーパント、3人の意外な健闘振りを少しは評価する。
「これでも幾重に渡って様々な場所を渡り歩いたものでね。」
「その中で、経験したことのない敵とも対等にやりあってきたもの!」
「お前たちのような異形の怪物とも戦ってきた。これくらいのダメージ、どうってこともない!」
その言葉を聴き、星司と克己も頼もしさを感じていた。
「君たちのような勇ましさ、とても頼もしいぞ。」
「そうだよなぁ。これくらい足掻いて見せねぇとな!」
…とはいえ、これまでの間で彼ら二人もダメージを受け、克己に至ってはこれ以上は自身の体すらも保てるかどうかも危ういギリギリの状態だったため、自分たちの苦戦は必至だった。
「フッ、いつまで意地をはれるかなぁ!!??」
ヤプールが追撃の光線を放つ!
―――シュバッ、ドドドォォンッ!!!
「何ッ!!??」
別方向から飛んできた炎の玉がヤプールの光線を相殺した。
さらに、いつの間にか一行が不思議な光に包まれ、宙に浮いている!?
「これは…!?」
一行も何が起こっているか全く把握できなかった。
しかし、その詮索をする間もなく、一行はその謎の力で、背後にいつの間にか開いていた亜空間の出口目掛けて放り出されてしまった。
それと同時に亜空間の出口も閉じられてしまった…。
「…っ…!一体どうなっているんだ…!?」
「だが、すぐに見つけてやるからな…。」
アイズドーパントとヤプールは、すぐに彼らの追跡を開始した…。
その様子を見ていた鳴滝。
傍らにいる白銀のハリネズミと、紫色のネコに話しかける。
「ご苦労だったな。シルバー、ブレイズ。」
「亜空軍を倒すための仲間は多いほうがいい。それだけだ。」
「今回のことは貸しにしてあげるわ。」
---to be continued---
☆あとがき
以降の展開に繋がる裏エピソード第2弾、前触れ無しの突発掲載となりました。
これらも大元はアキッキーさんから頂いていますが、僕のほうで大幅な脚色を加えさせてもらってます。