THE IDOLM@STER SP 特別編
決戦!アイドルアルティメイト・ファイナル
〜765プロ VS 961プロ 最後の聖戦〜

TAKE 2 開戦!フリーパフォーマンス対決!



アイドルアルティメイト・決勝大会当日、PM01:00――――。







会場・幕張メッセ特設会場には、既に延べ5000人を越える観客が。



そして、客席の一番前には、10人の審査員の姿があった。







日本全国のアイドルの頂点を決める、アイドル・アルティメイト・ファイナル、いよいよ、開幕――――!



















会場の電気が消え、しばらくして会場全体にスポットライトが走る…!









同時にドラムロールが流れ、そして―――!













「Ladies and Gentlemen!!」



『Welcome to “IDOL ULTIMATE”Final Stage!!!』



バァ――――ンッ!!!



―――キャアアアァァァァァ!!!!










巨大クラッカーが音を立て、黄色い歓声が響き渡り、ついに最後の舞台の幕が開いた…!



「皆さん、こんにちわ!!!!」

まず最初に現れたのは、今回の決勝大会の司会及び進行役を勤める、この2人。

「“アイドル・アルティメイト”ファイナルへようこそ!私、今回の司会進行を勤めさせていただきます、照英です!よろしくお願いします!」

「はい、そして同じく、司会を勤めさせていただきます、“マッキー”こと西山茉希です!よろしくお願いしま〜す!」

5000人の観客が、2人の登場を声援で迎えた。

「いやぁ、マッキー、今日はすごい熱気だね!」

「ホントね、見ているこっちが圧倒されそう。」

「はい、今回のIUファイナルは、ここ、幕張メッセ特設ステージから、生放送でお届けしていこうと思います!」

この決勝ステージは、なんと生放送!

会場のお客さんだけでなく、テレビを通じて今回のライブの行く末を見守るのだ。

「そしてですねマッキー。実は今回、このファイナルを盛り上げるために、スペシャルな3人組が駆けつけてくれているんだよね!?」

「そうなんです、それでは、折角なので歌っていただきましょう!人気アイドルグループ“M-ist(ミスト)の3人で〜す!!!」

『勇気は時を越える』のイントロと共に、サプライズゲストとして登場した、M-istこと、武田聖夜(たけだ・のえる)、島田翼(しまだ・つばさ)、田中理来(たなか・りく)の3人。

「どうも、こんにちわ〜!!!」

聖夜のさわやかな声に、観客も笑顔の声援で答える。

そして、挨拶代わりにオープニングを盛り上げるために3人のパフォーマンスを披露し、会場を盛り上げた。

曲が終わると、3人は照英とマッキーのところに寄った。

「ありがとう3人とも。どうだい、実際にこうやって大人数の前で歌を披露するのって。」

「俺たちとしても非常に初めてだったんで、うまく行くかどうか心配だったんですが、盛り上げることが出来てよかったです!」

彼ら3人には、最終ステージ限定の特別審査員として、今回のファイナルステージの行く末を最後まで見届けてもらうために招かれたのだ。

「いいかい3人とも、今回の審査はとても難しいと思うけど、厳し〜く、見てやってね。」

「わかってますって。あ、ところで照英さん、マッキーさん、今回決勝に残った6名、色んな意味で凄いことになっているって話を聞いたんですけど。」

その話題が振られ、いよいよ本題に差し掛かった。

「そうなんだよ!今回の決勝ステージは想像を絶するぞ!」

「それでは早速、VTRと共に今回のファイナリスト6名にご登場いただきたいと思います、どうぞ!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

アイドル・アルティメイト――――。

それは、真のトップアイドルを目指す女の子たちの、熾烈な戦い。

今年、そのIUの歴史に、新たな風が吹き荒れる!





今年度の応募総数は、ビデオメール込みでなんと、2897通!

そこから、書類選考、ビデオ審査を経て、数回に分けて繰り広げられた過酷な予選と、準々決勝、準決勝という本選を経て、この決勝大会へと勝ち上がったのは――――。





僅かに6名!!!





それでは、決勝大会に進んだ6名を紹介しよう―――。











頭角を見せつつある期待の新星!765プロダクションからは―――!



・太陽のような明るい笑顔を武器に、高みを目指す元気印――天海春香!

・クールな性格と美しい歌声で見る人を魅了する青き翼――如月千早!

・内気な性格を変えるために、真の強き心を求める少女――萩原雪歩!




いずれも現役のトップアイドルに負けず劣らずの能力の持ち主。

ボーカル系とダンス系のレベルが大きい彼女たちは、その高い歌唱力と優雅な踊りで、ファンの心をがっちり掴めるか!?







それに対するは、実力伯仲の屈指の強豪!961プロダクション所属のこの3名―――!



・魅力的なプロポーションを武器に、相手の心を釘付けにする――星井美希!

・琉球の風を身に纏う、沖縄出身のダンス系アイドル――我那覇響!

・やわらかな月の光を背負う、お嬢様気質の北欧系クォーター――四条貴音!




961プロ自慢の3人組『Project Fairy』がIUファイナルに揃い踏み!

どのジャンルにおいても無類の強さを誇る彼女たちが、やはりアイドル界の頂点に君臨するのだろうか!?







いざ、アイドルの頂点を目指すべく、最後の一騎打ち!







その運命を決め、結末を見届けるのは君たちだ!







アイドル・アルティメイト・ファイナル

765プロ VS 961プロ 天下分け目の大聖戦!!!



運命のゴングが鳴る!!!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

VTRの映像と並行して、ナレーションの紹介と共に登場した6人のアイドルが、観客の拍手と熱い声援に出迎えられる。

時折聴こえてくる声援に対して手を振るのも忘れない。

「はい、なんとこの決勝大会は765プロのアイドル3人と961プロのアイドル3人がその雌雄を決すると言うわけで…、どうなるか非常に楽しみですね!」

「そうですね、ミストとしてはいかがですか?」

「同じアイドルとして、最後の最後までどうなるか分かりませんし、この後の彼女たちのパフォーマンス、俺たちとしてもとても楽しみです!」

「彼女たちのファンの一人として、結末まで見届けさせていただきたいと思います!」

「ぜひとも最後まで楽しんでいただきたいと思います!さぁ、それではここで今回のアイドル・アルティメイト・ファイナル、ルールを説明させていただきます!」









☆アイドルアルティメイト・ファイナル ルール説明

・決勝戦は、フリーパフォーマンス対決

・ファイナリスト6名は、それぞれの楽曲を一曲ずつ披露してもらう

・披露する楽曲は、カバー曲、オリジナル曲、一切問わない

・6人の全てのパフォーマンスが終了した後、会場のお客様5000人+審査員&M-istによる最終投票を行う

・最終的に、最も多い獲得票を得たアイドルが、今大会の優勝者となる









公平を喫するために、くじ引きで順番を決定する。









その結果―――。









1.千早、2.美希、3.貴音、4.雪歩、5.響、6.春香





と言う順番となった。







(うぅ〜…、わたしが一番最後か…、一番緊張してきた〜。)

最後と言うことはステージのトリ。

一番の盛り上げどころだ。

春香は別の意味での大きなプレッシャーに押されてきていた。









そしていよいよ、最後の戦いが始まった……!!!





















1.千早→<目が逢う瞬間(とき)>




☆審査員からの印象



○審査委員長:杉浦太陽
「さすがは“765プロおすすめ”の人材。歌唱力はさすがだね。」

中田あすみ
「声の張りも悪くないし、なかなかいいんじゃないか?」







2.美希→<relations>




☆審査員からの印象



スバル・ナカジマ(CV:斉藤千和)
「この人も上手…声の大きさも張りもいい具合…!」

ウェンツ瑛士
「ヴィジュアルもなかなかいいし、ダンスも文句なしだな。」







3.貴音→<フタリの記憶>




☆審査員からの印象



ティアナ・ランスター(CV:中原麻衣)
「切ないバラードソング…、それに合わせた完璧な歌唱力…、申し分ないわね。」

千葉一磨
「まるで自分の心情を歌っているかのようだ……。」







4.雪歩→<Kosmos,Cosmos>




☆審査員からの印象



高町なのは(CV:田村ゆかり)
「声の大きさにちょっと不安が残ると思うけど…、まぁ、問題なしかしら?」

細田羅夢
「明るい表情と、テクノポップに合わせたユニークなダンス、見た目で言えば文句なしね。」







5.響→<迷走Mind>




☆審査員からの印象



いとうせいこう
「アップテンポな曲調とクールなダンス。まるで特撮ヒーロー番組の主題歌にもなりそうな感じだ…。」

フェイト・T・ハラオウン(CV:水樹奈々)
「とてもカッコよかった…。それにしても、今日の審査はやっぱり難しいわね……。」















さすがはIU決勝戦。

ここまで5人全員が持てる力を存分に発揮するほどの、高いパフォーマンスを披露していた。

甲乙の付けがたい名勝負になると、審査員も予め推測はしていたものの、ここまでレベルが高いとは思わなかった。

いよいよ残すは、あと一人――――。















舞台で着々と問題なく進行する中、舞台袖では一番最後に登場することになっている春香が、これまでで一番の緊張を見せていた。

「はわわ……もうすぐだ〜…。」

心臓がこれ以上ないくらいにドキドキしている。

自分の胸に手を当てなくても判るくらいに、鼓動が大きくなっているのを感じる。

「……緊張してる?」

そんな彼女の傍らに、空が現れた。

「あ、プロデューサーさん…、すみません…最後の最後で、こんな…。」

「あやまる必要ないわよ。でも、ここにきてそれじゃ……」

大本番、しかもこれが正真正銘最後のステージだ。

緊張しないはずがない。

彼女の心には、これまでにない巨大なプレッシャーがのしかかっているのだから…。

…とはいえ、いつまでもこれだと……。





「「はるるん☆」」





「?」





突然聴こえた聞きなれた愛称。

彼女のことをそれで呼ぶのは、彼女たちしかいない。

「あ、亜美ちゃん、真美ちゃん。」

「お?みんな来てくれたんだ!」

双子の亜美と真美を先頭に、これまで春香たちと共に戦ってきた仲間たち―――765プロのアイドルたちが全員集合していた。

「はるるん、なんだかむずかしい顔してるぞ?」

「すこしリラックスしたほうがいいよ!」

「そうですよ、堅苦しい表情では、歌もまともに歌えませんから。」

亜美と真美の笑顔と、あずさのおっとりとしながらも優しい言葉。

「ボクたちは今までだって、このプレッシャーと隣りあわせで戦ってきたんだよ!」

「そんなところで怖気づいてたら、どうにもならないよ!」

「プレッシャーなんか、あんたの自慢の歌で吹っ飛ばして、全力で、当たって砕けなさい!」

「くだけちゃダメだってば、伊織ちゃん!でも、春香ちゃん!今の春香ちゃんなら、きっと歌えるはずだよ!」

真、律子、伊織、やよいからの叱咤激励。

そして、先ほど歌い終えた千早と雪歩も合流してきた。

「春香、失敗を恐れないで。今まで私たちは、どんなときでもプロデューサーがいてくれて、そして何より、春香の傍には常に私たちがいるんだから…!」

「せめて、自分自身に負けないでください!自分の中にある恐怖から立ち直れないときは、私たちが支えてあげます!」

「だから、春香!」











『最後まで頑張って!!!!!!!!!』











「み、みんな……!!!」











そうだ…、自分には、今までこの数ヶ月間を共に戦ってきた仲間たち、そして、オーディションで落ちてしまった幾多のアイドルたちの思いもある。

そんな彼女たちの思いも一身に受けて、全力で歌い上げる……!

春香の迷いは晴れた。

最後まで、悔いを残さず歌い上げてみせる!





『さぁ、いよいよ残すはラスト一人!』

『765プロの天海春香さんの登場です!!』






司会の案内により、いよいよ春香の出番が来た。





「プロデューサーさん!みんな!」





――――行ってきます!!!!


『行ってらっしゃい!!!!』






全員に見送られ、春香はステージに立った。





















6.春香→<I Want>




☆M-ist(ミスト)からの印象



武田聖夜
「さっきの響さんに対抗してか、これもまたカッコいいダンス…!」

島田 翼
「歌も旨いし、ビジュアルもいい感じなんじゃない!?」

田中理来
「これって、もう誰が勝ってもおかしくないと思うよ!?」









こうして、全てのパフォーマンスが終了した……。



























いよいよ最後の審査の時が来た……!

ステージ上には、歌い終えたアイドルたち6人が、そのときを静かに待つ。

「さぁ、いよいよこの瞬間がやってきてまいりました!アイドルアルティメイト・ファイナル、いよいよ最終投票です!

「765プロ対961プロの全面対決ともなったこの決勝大会、果たして最強のトップアイドルの称号を掴むのは、どのアイドルなのでしょうか!?」

そして、このステージ、今回が最後と言うわけで、ステージの両端にはそれぞれ、961プロダクションの社長・黒井崇男、反対側には765プロの高木社長、プロデューサー・中川空、そして765プロのアイドルたちがそれぞれのイメージカラーのステージ衣装を身に着けた状態で駆けつけていた。

「それでは、まずは審査員の皆さんとM-istの投票から始めて行きたいと思います。」







・審査員とM-istの投票の持ち点は、一人3点(音符のマークが付けられた立方体のブロック)

ファイナリストたちが後ろを向いている状態で、それぞれの前に設置されたテーブルの上に、順番に点数を横に並べていく







また、公平を喫するために、黒井社長と、765プロの関係者全員にも後ろを向いてもらい、誰が誰に投票したかを判らなくした。



「ではまず、M-istから。」



3人の手にそれぞれ、運命を握るミニブロックが手渡された。

「でも、これはかなりムズイんじゃね?」

「結構いい勝負だったと思うよ?」

「誰でもいいと思うんだけどなぁ……。」

全員が固唾を呑んで見守り、待つことしばし……。

「よし!」

「俺も決めた!」

聖夜と翼が決め、それぞれに票を投じる。

「う〜ん…。」

数秒遅れて、理来もようやく決め、票を静かに入れた。

「おい理来、お前、今2票入れた!?」

「うん、あの人の歌、凄く印象に残っちゃって…。」

なんと、理来は春香に2票を投じたのだ。

この差は大きいぞ…!

「なるほど…わかりました!」

「続いて、審査員の皆さん、投票をお願いします。」

審査員席で見守っていた人たちも投票を開始する。

一人ずつ、それぞれの前で間隔を取りつつ移動していたため、誰が何表入れたかはわからない……。

どうやらかなり判りづらくしたようだ。

そして―――。









「審査員の投票が終了しました!」

「ステージの皆さん、前を向いてください!」


全員が前を向いた。











「よしっ!」









票を見た瞬間、ガッツポーズを見せたのは―――。









合計で8票を獲得した響だった。









審査員の投票は、以下の通り。









響:8票

千早、美希:7票

春香、貴音:6票

雪歩:5票











この時点でもかなりの接戦!

それぞれの上下の差がわずか1票ずつ。

ほぼ横並びの状態だ……!

「審査員の皆さんの投票でも横ばい状態…!わずかながら961プロの響ちゃんのほうがやや上と言ったところでしょうか……。」

「しかし、全ての結末は会場の皆さんからの一般投票にかかっています!!」











・一般投票は一人につき1票のみ

・各自、それぞれの名前が書かれた、表裏の違う色画用紙が3枚セットで、それぞれ片方の端が透明のビニールテープで留められている状態で配られている

・その色画用紙を胸の前に出して、ステージに向けて見せて、誰に投票するかを決定する

(春香→赤、千早→青、雪歩→白、美希→黄緑、響→浅葱色、貴音→臙脂色)

・尚、一度出した色は変更不可能

集計が終了するまで、色画用紙は決して下ろしてはいけない











泣いても笑っても、この投票で全てが決まる……!!!

「皆さん、よろしいですね?!それでは、一般投票を開始します!色画用紙をお出しください、どうぞ!!!

BGMが流れ出したと共に、観客が一斉に色画用紙を提示する。

しかし、さすがに色がほとんどまちまちと言った様子。

集計スタッフも一苦労である。

…だが、今回のファイナリストは6名、ソレに対して観客は述べ5000人の大収容人数。

苦労しないはずがないか…。











そして、計算すること、およそ5分……。











「は〜い、計算が終了しました〜、下ろしていただいて結構で〜す、ご協力ありがとうございま〜す!」

マッキーの呼びかけにより、観客全員が色画用紙を下ろした。

これからいよいよ、票の集計だ。

「さぁ〜、もうまもなく全ての結果が揃うということで…!ドキドキしますね。」

「はい。さあ、この一般投票と先ほどの審査員投票を合計して、いよいよ、全ての結果が明らかになります!」

胸の高鳴りも、期待と不安が入り混じった影響により、ここからが最高潮…!

そして、さらに待つこと3分…。









「照英さん、マッキーさん!」

「「!?」」

「僕の下に、最終結果が届けられました!」










審査委員長の杉浦太陽の声により、全員が静まり返った。

ついにこの時が来た……!









「それでは、アイドルアルティメイト・ファイナル、総合優勝者の発表でございます!」

「杉浦太陽審査委員長、よろしくお願いします!」




--to be continued--




☆あとがき
色んな意味でのボルテージが最高潮……と言ったところで区切ってしまいました。
さぁ、いよいよ次の後編で最終決着が付きます!
さらに、思わぬ乱入者も登場!?果たしてそれは!!??








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