THE IDOLM@STER×DREAM CLUB 特別編
ドリームクラブ・新メニューコンペ

(原作:DaisukeP)



ココは、ピュアな大人が集まる社交場として有名な『ドリームクラブ』。

そこには、可愛いフロアレディが楽しく働いています。

コレは、ある週末のオープン日に起こった出来事です。































テレビ番組の収録後の日本テレビタレント控え室、今日も一仕事終えたダイスケと空は、一緒に今回の収録に出演していた安田大サーカスのクロちゃんから、興味深い話を聞かされた。

「「ドリームクラブ!?」」

「そっ、そこで働いてる娘が可愛いんだよね〜。」

最近出来たばかりというホストクラブ・ドリームクラブ。

その噂が最近広まってきているらしい。

「へ〜。あっ、そうだ!!クロちゃん・・・、一緒に行っていいですか?」

え!?ちょっと、先輩!!」

「良いじゃない!!この頃美味い酒が飲みたかったのよね〜。」

どうやら空さん、最近、飲み足りないらしい。

ダイスケもあきれてため息をつくしかない。

「ハァ・・・。まぁ、分かりました。けど・・・、金無いっすよ・・・。」

「大丈夫!!こないだ、また仕送りもらったから。」

クロちゃんのその発言を耳にし、ダイスケは頭が痛くなってきた。

(仕送りって・・・。あぁ・・・、またロンハースタッフと淳さんにバレたらどうなる事か・・・。前回以上の裁きになるぞこりゃ・・・。)

ともあれ、早速その店に急行することに。

「それでは行きましょう。」























東京の都会のどこかに、そのホストクラブ“ドリームクラブ”は存在する。

意気揚々と出かけていった3人だったが、ダイスケと空は実際にその店を目の当たりにして―――。

「デカッ!!」

その意外な大きさにビックリしてしまった。

「エリカちゃんらが働く『シャノワール』の倍ね・・・。」

どうやらこの店、かなりの規模のようだ。

「徳井さ〜ん、空さ〜ん!!急いで行きますよ〜。」

「あっ、ハイ!!」

「今行くわ・・・。」















早速店内へ。

するといきなり受付の内装の豪華さに、目を奪われてしまう。

そんな二人を連れて、クロちゃんは早速受付を済ませる。

「いらっしゃいませ!!」

「こんばんは〜、今日は友人を連れてきたんですが・・・。」

「構いませんよ。」

ここで空が受付の店員に質問をする。

「私は女でも楽しめますか?」

「えぇ、女性でも楽しめる店も目指してますから。」

「ありがとう。」

この快いサービスが、何よりも嬉しいものである。

「それでは、ご指名は誰にしますか。」

「クロちゃんのお任せにします。」

「同じく。」

「それじゃあ、亜麻音ちゃんで。」

「かしこまりました。」

受付を完了し、いよいよ、指名したホストガールの待つ部屋の中へ向かった。

















ホストガールの待つ店内、そこもまたホストクラブの名に相応しい優雅且つ豪華な彩色。

しかも店内のほぼ中央には、これまた豪華な巨大噴水までもが設置されている。

社交場とはかけ離れているかのような独特の雰囲気に包まれているようだ。

「凄い・・・、こんな店初めて見たぞ。」

「本当にそうね。」

ダイスケと空も、この何ともいえない空間に、言葉を失うほどだ。

「「いらっしゃいませ!!」」

「「いらっしゃいませ!!」」


移動する傍らで、エプロンドレスを身に着けた店員たちが元気よく挨拶する。

席についてからほどなく、一人のホストガールが現れた。

「こんばんは、指名してくれてありがとうございます。」

紅色の髪にピンク色のリボンを左右に一つずつ結んでいるこの少女こそ、クロちゃんご指名のホストガールだった。

「亜麻音ちゃん、今日も可愛いね。あっ、紹介するね。彼らは芸人仲間の・・・。」

「はじめまして、765プロの徳井ダイスケです。」

「同じく、765プロの中川空です。」

「はい、よろしくお願いします☆」

挨拶を済ませ、亜麻音と呼ばれた女の子も席に着く。

「早速、何か飲みませんか?」

「そうですね・・・、あなた、ビールが好みですね。」

質疑に対する開口一番で、ダイスケがいきなり亜麻音の好みを言い当てた。

いきなりの展開に当てられた本人も驚く。

「どうして分かるんですか?」

「グルメレポーターの勘って言っておきましょうか。あっ、自分はあんまりお酒飲めないので、この『ドリームカクテルライト』をお願いします。」

「私は、『ジンライム』にするわ。」

「それじゃあ、クロちゃんと亜麻音ちゃんはビールって事で。」

「かしこまりました。」















程なくして、それぞれの注文のドリンクが運ばれてきた。

「お待たせしました。」

「それじゃあ、乾杯しよっか。」

「そうね。」



「「乾杯〜!!」」



―――カチン☆



グラスを合わせて音を立たせ、早速一口……。

ここでダイスケ、グルメレポーターらしいコメントを添えてきた。

「へ〜、これが『ドリームカクテルライト』・・・。香りと風味も良い。ソレにアルコールも少なめってのが良いですね。」

高評価をいただけたことに亜麻音も少し嬉しそうな顔と共に彼に感心する。

「ダイスケさんって、そういうのに詳しいですね。」

「コイツは、地方のグルメ番組を中心にやってるの。ただ、酒とタバコとワサビが苦手なのよ・・・。」

「ちょっと、先輩〜!!」

それはちょっと余計。

空のコメントはダイスケのそれよりもちょっと辛口な様子。

「フフッ、面白いですね。」

そんな二人の掛け合いに、亜麻音も笑みを零す。

「ただ・・・。」

「ただ?」

ふと、ダイスケが、ドリンクの注文の際に見せてもらったメニューに関して意見を口にする。

「先程、メニューを見せてもらったんですが・・・、おつまみ類がちょっと少ないんですよ。」 「確かに・・・、『ナッツ盛り合わせ』、『フライドポテト』、『オムライス』っていった軽食に、『フルーツ盛り合わせ』っていった『大人の社交場』に欠かせないメニューは有るけど、なんか看板メニューが無いとパッとしないのよね・・・。」

ダイスケの相方である空も同意見だった様子。

「一応、(せつ)さん手作りのケーキは有るんですけど・・・。」

ドリームクラブの自称パティシエ・雪の作るケーキ。

それを聞いたダイスケ、どんな味がするか興味が出てきたようだ。

「お?じゃあ、ソレをもらおうか。後、指名料は俺が払うから、雪さん呼んでくれないかな。」

「分かりました。」













数分後、赤朽葉色とでも表現するべきだろうか、そんな感じの色合いのショートヘアの女の子が現れた。

「うわ〜!!人気グルメレポーターのダイスケさんに雪のケーキを食べてもらえるなんて嬉しい〜!!」

どうやら雪はダイスケのことをよく知っていた様子、彼女のテンションは現在最高潮だ。

「ありがとう。今日のメニュー名は?」

「ん〜っと・・・、『雪のミルキーアラモード』だよ!!」

「なるほど・・・、プリンアラモードか・・・。色・見た目は、共に悪くないな。」

―――パクッ

早速そのプリンアラモードを一口……。

ダイスケの評価は?

「味もミルクの風味が出ている。しかも、人気店員の手作りってのも高い!!」

「やったぁ〜!!誉められた!!」

高評価をもらい、雪はさらにテンションが上がった。

「確かに・・・、コレ春香に食べさせてあげたいわ。」

「いや、先輩・・・、春香ちゃんは未成年だからココ入れませんよ。」

「冗談だって・・・。」

こうして、亜麻音さんと雪っちゃんと楽しくにぎやかに過ごした。























とっぷりと日が暮れて、夜の11時前。

久しぶりに酒を満喫した空も、おいしい再度メニューを満喫したダイスケもご満悦。

帰りがけ、見送りに亜麻音と雪が表に来ていた。

「今日は、楽しかったです。」

「コッチこそ、良い時間が過ごせたよ。」

ここで、今回の一件でプロデューサーの血が再び騒いだのか、空が2人にこんな提案を出した。

「そうだ、近いうちに・・・、地方番組の取材でこの店にタレントの三浦あずさを連れて行きたいと思ってるから、オーナーさんにアポを取っておいてもらえるかな。」

「分かりました、オーナーに伝えておきます。」

「頼むよ。」

どうやら、空の頭の中で何かいい考えが浮かんだ様子。

「取れたら私にメールか電話して!!」

「ハイ!!」

「新しいメニューが完成したらメールするね!!」

「ハハッ・・・、楽しみにしてるよ。」

















2人と別れ、クロちゃんとも別れ、事務所への帰路に付く中、今回のドリームクラブの一件で話に花を咲かせる空とダイスケ。

「みんな良い娘ばっかりですね。」

2人も今回のホストクラブが、かなり気に入った様子だ。

「本当ね。そういえば・・・。」

「ん?どうかしましたか?」

「ううん・・・。何でもない!!さっ、帰りましょ。」

……何か思い当たったことがあったらしいが…?

「変な先輩・・・。」

ダイスケはそれが何なのか、分からなかった……。



















































その翌日、こちらはドリームクラブのオーナー執務室。

「オーナー、亜麻音ですが・・・。」

「雪もいるよ〜!!」

「二人とも、どうぞ。」

「「失礼します。」」

昨日の営業で、空、ダイスケ、クロちゃんとご一緒した亜麻音と雪が入ってきた。

「実は、オーナーにお話したい事が・・・。」

早速、亜麻音は先日の出来事をオーナーに報告した……。









「それで、徳井ダイスケさんと中川空さんからの要望で近いうちに取材したいと・・・。」

「へ〜、あの二人が来ていたのか・・・。」

意外な客の来店とその要望に、オーナーも少し意外な気分だった。

「私の日替わりデザートをダイスケさんが誉めてくれたんですよ。」

「そりゃ凄いな・・・。」

「あと、今回の取材には、オーナーの好きな三浦あずささんも来店されるそうです。」

なんとオーナー、三浦あずさのファンだったらしい。

その彼女が近々来店とあっては、断るわけには行くまい。

亜麻音のその言葉を聞いた直後、オーナーは即決した。

「よし、取材OKだ!!」

「ありがとうございます、オーナー。」

これで今度の取材の手配もOKだ。

「あっ、もう一つ報告が!!」

「なんだい?」

雪が昨日の出来事の中にあった、ダイスケの意見を報告する。

それは、ドリームクラブのメニューに関することだ。

「ダイスケさんがオーナーに、オリジナルのメニューを少し増やして欲しいって。私の手作りケーキでもちょっとは看板メニューになるかもしれないけど、実は・・・、ダイスケさんの意見と同じなんだよね。」

メニューが増えて、しかも看板メニューが作れれば、それをネタにさらなる接客も出来るし、宣伝効果にも繋がる。

これは店としては、聞かぬフリは出来ないだろう。

「なるほど・・・。それじゃあ、雪さん、厨房のスタッフにこの件を伝えてください。それと、新メニューを開発した者全員にボーナスを出すと。」

「分かりました!!よ〜し、雪も頑張るぞ〜!!」

オーナーの決断を聞き、雪もますますテンションがあがり、気合も入る。

「それでは、失礼しました。」

報告が終了し、2人はオーナー室をあとにした。

「さてと、早速765プロに電話しますか・・・。」

オーナーは手元の電話の受話器をとり、765プロの電話番号を入力した……。































その一件の直後、765プロ本社の電話が鳴り響いた。

事務員の小鳥が電話に出て、直後に空に声をかける。

「空さん、『ドリームクラブ』から電話です。」

「ん?は〜い。」

すぐに彼女も電話を取る。

「ハイ、お電話代わりました、中川空です。あっ、ドリームクラブのオーナーさんですか・・・。」

『実は・・・、今回のあなた達の依頼を受けたいと思ってまして・・・。』

その一言を聞き、空の顔に笑みがこぼれた。 「あ・・・、ありがとうございます!!」

『取材の日は、新作メニューのコンペも開催しようかと・・・。』

「あっ、昨日のアレ採用してくれたんですか。ありがとうございます。」

向こうの準備は上々のようだ。

『詳しい日時はまた後日連絡しますので・・・。』

「分かりました。ところで・・・、研修で来ている961プロ所属の娘達の様子はどうですか?」

『理保(りほ)さんと魅杏(みあん)さんと魔璃(まり)さんですか・・・?みんな元気ですよ。』

そう、実はドリームクラブのホストの名簿の中に載っていた、理保、魅杏、魔璃の3人。

なんと彼女たちは961プロ所属のアイドルでもあると言うから驚きである。

どうやら研修としてドリームクラブに来ているようだが……。

「そう・・・。961プロの社長さんから、『たまには、新しくなった事務所にも顔を出しなさいね。後、理保と魅杏は、グラビアの仕事が沢山きてるから困ってる』って言ってましたよ。」

会話の様子を聞く限り、アイドルとしての仕事も軌道に乗っているようだ。

『3人に伝えておきます。』

「お願いします。」

と、今度はオーナーから意外な発言が飛び出してきた。

『コッチからは、ナオさんが『菊地真さんに1回会いに来てね。』って言ってましたよって』

「伝えておきますけど・・・、ナオさんと真って・・・、知り合い何ですか?」

『えぇ。彼女が師範代を勤めてる道場に、幼い菊地さんが稽古に来ていたそうです。』

ドリームクラブのホストガールのナオ。

ボーイッシュ且つキュートな外見とは裏腹に、実は彼女は大学生でしかも空手の師範代の実力者。

確かに真と気が合いそうだ。

『以前、道場の方へ挨拶に来られたそうですが・・・、その日は、出掛けていて・・・。』

(あぁ、あの時ね・・・。)

空、どうやらそれに関して心当たりがある様子。

「えぇ、覚えてますよ。なるほど・・・。」

『いつか、空さんとも組手をしませんかって言ってましたよ。』

「えぇ、何時でも受け付けます」

『そりゃ強そうな言葉を・・・。』

その後も空はオーナーと長電話。

色んな話を盛り上げていった。

「・・・それでは、失礼します。」

―――ガチャッ

そして、電話をきった直後。

「ヨッシャ〜!!」 空は両腕でガッツポーズを決めて喜んでいた。





























その夕方、この日のスケジュールを全て終えたダイスケとあずさが戻ってきた。

「ただいま戻りました〜!!」

「おっ帰り〜!!」

かなりのハイテンションで出迎えた空。

「空さん・・・、笑顔ですけど・・・、なにか有りましたか?」

「ダイスケ、昨日の夜に、クロちゃんと行った店覚えてる?」

「そりゃ覚えてますよ、『ドリームクラブ』ですが・・・?」

「近いうちに、ドリームクラブに取材へ行くわよ。」

その言葉を聴き、ダイスケの脳裏で例の場面がリフレインされた。

「取材・・・。あっ、昨日の帰りに、亜麻音さんと雪っちゃんに頼みましたね。」

「思い出した?」

「当然!!」

「近いうちに・・・、亜麻音さん達からメールが来ると思うから・・・。」

次第に2人だけで話がヒートアップし、あずさは何が何の話やら理解不能に…。

「あの・・・、何の話をしてるんですか?」

困惑した状態であずさが話の輪に加わる。

「あっ、すみません。実は昨日・・・安田大サーカスのクロちゃんと一緒に行った店から取材の申し入れが会ったんだよ。」

「へ〜、そんな事が・・・。」

と、空はここで報告事項を伝えた。

「後、ダイスケ・・・。アンタ昨日、新作メニュー追加を提案したわよね。」

「ハイ・・・。」

「それ、採用されたからそのコンペも行うって。」

「えっ!マジですか!!」

「うん、マジ。」

これにはダイスケもますますテンションがあがる。

「確認ですが・・・、ロケにはあずささんも行くんですよね。」

「当たり前でしょ!!765プロアイドル唯一成人してるんだから・・・。」

「こりゃ、ロケが楽しみだな・・・。」

「私も楽しみです〜。」



















































そんなこんなで取材当日・・・

ロケバス内で、空、ダイスケ、あずさの3人が今回の取材の段取りを確認する。

「さぁ、今日はドリームクラブの撮影よ!!」

空はこの日を待ち望んでいたのか、テンションはマックスだった。

「今朝、雪っちゃんと亜麻音さんからメールが来ました。」

「なんて?」

メール内容はこちら。



>雪「新作メニュー楽しみにしていてね」



>亜麻音「取材を上手に出来るか心配だけど頑張ります。」



「二人らしいわね。」

「二人とも楽しそうね。」

機体に胸が躍る中、ADが3人に声をかける。

「皆さん、もうすぐ着きますよ〜!!」

「「「は〜い!!」」」

ロケバスのフロントガラスの向こうには、優雅な佇まいのドリームクラブが映り始めていた。

























ドリームクラブ玄関に到着したとき、すでにクラブのオーナーが空たちを出迎えていた。

「いらっしゃいませ。ようこそ、ドリームクラブへ。」

オーナーに習って会釈を返すスタッフ一同と空たち3人。

「今日は、撮影に協力頂きありがとうございます。」

「こちらこそ、うちの店員らの間でも765プロのアイドルの皆さんは人気ですから。」

「ふふっ、ありがとうございます〜。」

取材スタッフのメンバーたちがいそいそと機材の準備を進める中、空とオーナーが今回の取材に関する話を進める。

「今日は、VIP席で取材したいのですが・・・。」

「構いません。」



















ドリームクラブ内部に設けられたVIP席。

今回はそこを貸しきっての撮影だ。

早速、3人はカクテルを注文して舌鼓……。

「うん、美味しい!!」

「ほろ甘くてすっきりとした味ですね。」

「こういうカクテルも悪くないわね。」

「ありがとうございます。」

ますます機嫌が良くなっていったようだ。

「ハイカット!!OKです。」

ディレクターの合図で、次のテープの準備がなされる。

「お疲れ様です!!ところでオーナーさん?」

「なんでしょうか。」

「この後のコンペも撮影は・・・。」

「大丈夫です。」

「ありがとうございます。」

次はいよいよ、今回のメインでもある、追加メニューのコンペの撮影だ。

果たして、どんな料理が出てくるのか……。





























まずは1品目、出てきたのは―――。

「コレは・・・?」

「カレーですよね・・・?」

「実は、私の作品なんですよ。」

トップバッターは亜麻音の料理。

「へ〜、亜麻音さんの・・・。でっ、名前は?」

「タイトルは・・・、『亜麻音のサグマトン』です。」

「なるほど・・・、マトン=羊肉を使用したカレーだね。」

「ハイ!!」

ここで、亜麻音が作った料理のタイトルに関して疑問に思ったことが。

「羊肉ね・・・。ところで・・・、サグってなに?」

「サグって言うのはインドのほうれん草みたいな野菜です。」(尚、『編集者・コースケの独り言』にて、このサグに関する重要情報アリ。)

「なるほど・・・。」

「最も、サグは日本に無いので、ほうれん草で代用しましたが・・・。」

「いや、構わないよ。」

早速料理の試食、あずさが一口……。

―――パクッ

「あら・・・、なんかちょうど良い辛さですね。」

「あっ、本当だ!!酒飲んだ後に食べても美味いわ。」

空も、このカレーの味にはご満悦のようだ。

さて、ダイスケの評価は……?

クミンにターメリックっていったスパイスをたくさん使ってるからお酒に合いますね。あと、ウコンを入れれば合格です。」

「なるほど・・・。」



















続いて2品目は、るいの作品。

「今度は肉料理ね。」

見た目からして、煮込み料理のようだが……?

「ダイスケさん、コレも分かりますか?」

あずさの問に対し、ダイスケは見た目だけでさらりと言い当てた。

「コレは・・・、フランスに伝わる『ブッフ・ブルギニヨン』っていうブルゴーニュ地方の牛肉の煮込み料理ですね。」

料理名だけでなく、国や地方まで言い当てたダイスケに、周囲のスタッフも『へぇ〜』と感心する。

「まぁ、そんなのも分かるんですか。」

「暇さえ有ればいろんなレシピを見てるんで・・・。」

「へぇ〜。あっ、このメニューの名は『るいのブッフ・ブルギニヨン』です。」

―――ズスッ。

早速、そのスープを一口……。

その感想は?

「なんか、小玉ねぎが甘くて美味しいですね。」

「ソースに使ってるワインは、やっぱりブルゴーニュ地方の物ですか?」

「えぇ。やるからには本場の品を使わないとって思って・・・。」

「なるほどね・・・。」

どうやら材料から本格的のようだ。



















続いては3品目。

「今度は『ちらし寿司』か・・・。」

彩りも華やかなちらし寿司が出てきた。

「私は、江戸前派が好きなんですけど・・・、この『ちらし寿司』は?」

「岡山辺りに伝わるバラのちらし寿司ですね。ちなみに・・・、僕はどちらも好きです。」

「ソレは良いから。作ったのは・・・、ナオさんね。」

実は、ナオがコレを選んだのは理由があった。

「ハイ!!これ、真の試合や昇段試験で勝った時にみんなで食べたんですよ。」

「へ〜、真食べたんだ。」

この料理は、二人にとっての縁起物ともとれるようだ。

「それなら、今度でいいから真との思い出話を聞きたいな。」

「えぇ、良いですよ。」

さて、気になるお味は?

――――パクッ。

「バラのちらし寿司も悪くないですね。」

「でしょ!?シャリのお酢加減もちょうど良いし・・・。」

プロの寿司職人みたいな味ね。」

「ありがとうございます!!」

ナオの意外な一面が垣間見れたようだ。



















さて、いよいよトリを飾る4品目―――。

「最後は、雪っちゃんのデザートね!!」

「ウンッ!!」

自信満々に取り出してきたのは、たくさんのデザートが盛られた大きなプレートだった。

「タイトルは『雪っちゃんのくまさんドルチェ〜ウインタースペシャル〜』だよ!!」

「なるほど・・・、ドルチェの盛合せか・・・。」

ちなみに、“ドルチェ”とはイタリア語で甘い、甘美な、優しい、柔らかいの意味の言葉。

また、英語の「スイーツ」や日本語の「甘味」と同様に甘いもの全般、デザートの意味もある。

「雪がこの日の為に作った取って置きだよ。」

そして、その盛り合わせにはワンポイントとして可愛らしいものがちょこんと置かれてある。

「この、くまの人形は、なんだか可愛く作ってあるわね〜。」

しかも、ダイスケの鋭い観察眼で、さらにビックリな事実が。

「あずささん。コレ、マジパンで作られてるから食べれますよ。」

「そうなんですか・・・。けど、可愛くて食べれませんね。」

そのくまの人形もそうだが、プレートに載っているドルチェのバリエーションも中々のものだった。

「あっ、今回のドルチェは、白い容器に入ってるのは、パンナコッタで、隣はティラミスかしら。」

「凄〜い、良く分かったね!!」

「まぁ、私もグルメレポートをちょっとやってるから・・・。」

そんなこんなで、これで以上4種類の新メニュー候補が出揃った。























さて、今回の総評はどうだろうか?

グルメレポーターのダイスケに、判定してもらうとしよう。

「さて・・・、コンペの結果だけど・・・、まず全体的に味は美味しいけど、どれもコストが少々高い。」 意外にも材料費のコストで注文が出てしまったようだ。

さらに、ダイスケからそれぞれの料理に対する改善案が出された。

「まず、亜麻音さんの『サグマトン』ですが、羊肉の代わりに、鶏肉を使用しても悪くは有りません。」

「なるほど・・・。スパイスの配合比率はさっきので構いませんか?」

「えぇ。次に・・・、るいさんの『ブルギニヨン』は、ワインの銘柄をコチラにしたら良いと思います。」

そう言ってダイスケは、どこからかワインのボトルを取り出してきた。

「このワインは?」

「ある雑誌の特集に組まれてました。ブルゴーニュ地方では最近急浮上してるワイナリーで作られたワインです。値段も安くて美味しいですよ。」

早速味見をしてみると……。

「なるほど、本当ですね・・・。」

どうやら、るいも納得の味だったようだ。

しかし、新しい味の発見と思えば、大きな収穫だ。

「ナオさんのちらし寿司は、岡山風のも良いんですが、ココは江戸前にしてみませんか?」

「江戸前か・・・。やってみます!!」

ナオにとって“江戸前”は未知の領域のようだ。

ここは腕の見せ所だろう。

「最後に、雪っちゃんのドルチェですけど、逆になんかアクセントとなるのがアレば採用かな・・・。」

「アクセント……例えば・・・?」

「そうですね…。ちょっと、キッチン借ります。」

そうしてダイスケはテキパキとドルチェのソースを作り始めた・・・。

「よし、出来た!!」

出来上がったのは、ジャムに似た感じのソース。

雪は早速それを味見してみる……。

「アレ・・・、パンナコッタにかけるとこのジャム美味しくなりそう。」

「でしょ!!」

「ダイスケさん、ありがとうございます。」

「良いって事。」

こうして、ドリームクラブの新メニューコンペが終了した……。





























取材を終えて、スタッフが先に撤収した頃、ドリームクラブの玄関でオーナーが空たちの見送りに……。

「今日はありがとうございました。」

するとオーナー、懐から3枚のカードを取り出した。

「コレは、今日のお礼に。貴方達専用の『ドリームクラブ会員証』です。」

意外なプレゼントを受け取ることが出来た3人は、満面の笑みでそれを受け取った。

「「「ありがとうございます。」」」

これで、いつでも好きなときにこの店に入れる。

「それでは、失礼します。」

姿が小さくなるまで見送ったオーナーの顔も、満足そうな笑顔だった。

「あの人達なら、良いPRが出来そうですね。」































ドリームクラブ―――。





それは、ピュアな心を持つもののみが入会を許される、大人の社交場。





現実に疲れた人たちの心の安らぎを求めるピュアな方は、一度、ここに来てみてはいかがですか?





きっと、不思議な体験が待っていることかもしれませんよ☆



















―――ようこそ、ドリームクラブへ!!
―――(Welcome to DREAM CLUB!!)




































おまけ









後日談ではあるが、その後のテレビ朝日で――――。

―――スパアアァァン!!

「ぎゃああぁぁぁぁ!!」

クロちゃんがひどい目にあっている光景が空とダイスケの目に映っていた……。

様子からしてどうやら……。

「クロちゃん・・・、またバレたみたいね・・・。」

「しかも、付き合ってる娘がいるのに、亜麻音ちゃんと浮気していたからヒドイよ・・・。」

「本当よね・・・。」

どんな状況になってしまったかは、読者のご想像にお任せするとしよう。



--THE END--



あとがきと言う名のフリートークin765プロ本社
   空「今回は、今話題の人気ゲーム『ドリームクラブ』とコラボしてみました〜!!」
ダイスケ「ちなみに・・・、今回劇中に出てきた『サグマトン』、『ブッフ・ブルギニヨン』、『ちらし寿司』は、
    『はばたきウォッチャー』と言う雑誌の人気企画、『男の子にでもできる料理教室』に掲載してますので
     作りたかったら、コチラを見てくださいね。」(それぞれ、2002年冬号、2003年夏号、2003年秋号掲載。)
   空「ところでさ・・・、最近思ったんだけど・・・。」
ダイスケ「何?」
   空「雪っちゃんってさ・・・、熊みたいな人が好みって聞いたけど・・・、
     クロちゃんの好みは、亜麻音ちゃんより、雪っちゃんの方が良かったんじゃない?」
ダイスケ「それなんだけど・・・、俺・・・雪っちゃんに惚れたんだよね・・・。」
   空「えっ・・・。」
ダイスケ「なんか、最近やよい達を見ていたら雪っちゃんを思い出すのよね・・・。」
   空「こんの・・・、ど阿呆〜!!」
――――ドガッ、バキッ、パチィーン!!
ダイスケ「ゲフォ〜!!」
   空「たくっ・・・、あのロリコン野郎は・・・。帰る!!」
ダイスケ「次・・・、次回は、『らき☆すた』とクロスです・・・。ガクッ」

編集者・コースケの後書き

いやー、今回のSSも中々面白かったです☆
でもクロちゃん、浮気は良くないでしょ(苦笑)

さて、ここで皆さんにご報告があります。
本文中に出てきた『サグマトン』の『サグ』と言う材料、本文では『インドにおけるほうれん草のようなもの』と書かれておりますが、編集中にこちらで調べた結果、どうやらその解釈は間違っていたようなのです。
実は、サグとは“菜の花”のことを意味しており、ほうれん草の場合、ヒンドゥー語で“パラク”と呼ばれるとか。
しかも、ほうれん草=サグと言うのは、日本人のみの解釈と言うことだそうです。
詳しくは下記のリンク先で。

サグについて(某ブログのページへとリンク)







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