ここは福岡Yahoo!ドームの高槻やよい控え室。
今日はここでプロ野球の『福岡ソフトバンクホークス対阪神タイガース』の交流戦が行われる。
その控え室の扉の前では、765プロの敏腕プロデューサー・中川空が静かに佇んでいた。
実は、今回の始球式に際して、ホークスから『始球式に出演するアイドルを、そちらから一人出してくれないか』と言う依頼の電話が事務所に舞い込んできたである。
これに対し、765プロからは、かねてからのホークスファンである菊池真が適任と判断し、彼女を指名したのだが、直前になって急に咳と高熱による風邪でダウンしてしまった。
そこで、真と同じくホークスファンという高槻やよいを指名することになったのだ。
「いよいよか・・・。」
腕時計を確認、まもなく試合開始の時刻だ。
「空さ〜ん、どうですかこのユニフォーム!!」
すると、準備を済ませてきたやよいが控え室から出てきた。
「うん、パンツ部分をハーフパンツにしたのは正解ね!!似合ってるわよ!!」
「ありがとうございます!!けど・・・、阪神のファンって野次が凄いって有名ですよね・・・。」
「そうね・・・。私はプロ野球に興味は無いけど、小さい頃から親父に後楽園や東京ドームに『伝統の1戦』を見に行かされてるから・・・、それは分かるわ・・・。けど、野次に負けないで始球式をしっかりやりましょう!!」
「ハイッ!!あっ、その前に・・・。」
「OK!!」
「「ハイッタ〜ッチ!!イェイ!!」」
――――パシィィン!!
このハイタッチで、やよいは緊張感が抜けたようだ。
早速、大歓声の待つグラウンドへ……。
Yahoo!ドームグラウンドは両チームのファンで客席は満員。
今や遅しと、そのときを待つ。
「これより、始球式を始めます。始球式は高槻やよいさんです。」
ウグイス嬢のアナウンスが響き、ファンの歓声と共にやよいが登場した。
「皆さ〜ん、本日は『福岡ソフトバンクホークスVS阪神タイガース戦』に起こし頂きありがとうございま〜す!!今日は、ソフトバンクと阪神の両選手の皆さん頑張って下さ〜い!!」
やよいにとっては初めてとなる、プロ野球のマウンド。
ピッチャーのポジションにつき、準備が整った。
「プレイボール!!」
バッターボックスに立つ球審の合図で、始球式が始まった。
その裏で、実況の声も響く。
「さぁ、大きく降りかぶって・・・投げた!!」
―――――ブンッ
「ストライ〜ク!!」
「芝原!!大きくふってストライク!!」
「ありがとうございました!!」
歓声と拍手が響き、始球式は大成功、やよいは見事に大役を成し遂げたのだった。
「良く練習したね・・・。」
「ハイッ!!これも芝原選手のおかげです!!」
バッターボックスに立った芝原選手に対しても、スマイルのサービスを欠かさない、765プロのアイドルであった。
--THE END--
あとがきと言う名のフリートーク(DaisukeP[以下:D]、中川空[以下:空])
いかがですか?
空「なるほどね〜!!昨日は交流戦が開幕してドォーモデー成功したしね〜!!」
まあね・・・。試合は『1-1』の結局引き分けたけど・・・、盛り上がったなら良いじゃん。
空「そうね。けど・・・、心配なのは真君だけど・・・。」
大丈夫。今流行ってる新型インフルエンザよりは軽い症状だってお母さんが言っていたよ。
空「それは、良かった・・・。」