シードピア史上かつてない壮大なスケールで行われた「シードピアLFY」。
敏腕プロデューサー・中川空のアイディアによって始まったライブも、大成功を収め、全ての陣営にとってこれ以上ない最高の思いでともなった。
そんな興奮が覚めやらぬ、ライガーシールズ本部・GLBの広報課のオフィス。
「LFYも終わったし・・・、次はどんな仕事が有るかしらね・・・。」
「けど・・・、亜空軍の戦力は広がってますし・・・。」
空課長とダイスケが書類整理に追われていた。
「ところで・・・、アイツらは・・・。」
「チーフ達は、戦略会議の警備。ソラは、外回りですが・・・。」
「ですが・・・?」
「雷電が急に休んでるんですよね。」
……雷電がお休み?
珍しいこともある。
「分かったわ・・・。」
その夜、自宅の部屋で、空は一人考えていた。
ちなみに、傍らでは彼女の相棒のポケモン・マリルがぐっすりと眠っている……。
(あの、生真面目な雷電がライガーシールズの任務を休むなんて・・・。なんか裏が有りそうね。)
「こうなりゃ・・・。」
そう言って彼女は、CVPメンバーの乃木坂春香の元へ無線を入れた。
「あっ、春香!!私、空よ。明日は、用事無い?」
(大丈夫ですが・・・、何か会ったのですか?)
「ううん。ただ、アンタ達しか出来ない事だからちょっと協力して欲しいの。」
春香は一瞬戸惑ったが、自分にしか出来ないことなら、協力しないわけには行かないだろう。
(分かりました。協力致します。)
「ありがとう。詳しくは、明日ライガーシールズ広報課の事務所で話すわ。なるべく、アイツらが来るまでにね。」
翌日―――。
「おはようございま〜す!!」
いつもどおり元気よくGLBに出勤してきたダイスケの目の前には……。
「おはようございます、ダイスケさん。」
いかにも有名推理小説に出てきそうな衣装を着た乃木坂家の皆さんが・・・。
「おはよう、乃木坂さ・・・って!!どうしているの!?」
ダイスケは、春香がここに来るなんてことは一切聞いておらず、寝耳に水だった。
「私が呼んだのよ。」
「先輩が?」
「詳しくはもうすぐ話すわ。」
後に、連絡を受け取っていたであろう、アキッキー、マリア、タツノコースケ、リョウカも合流。
事の端末を聞いたダイスケも、彼女の話を聞いて納得の表情になった。
「なるほど・・・。最近休みまくってる雷電の調査を俺達でやるんだな。」
「そういう事。ただ、雷電にはバレないように!!」
「分かりました。」
「そんじゃ、任務開始!!」
アプリリウス銀座内某所―――。
アキッキーとマリアが早速、雷電の写真を持って聞き込み調査。
しかし……。
「コイツ最近見なかったか?」
「フム・・・、見てないね。」
「ありがとう。」
なかなか有力な情報がつかめない………。
「お兄ちゃん!!」
そこにマリアが合流。
「どうだった?」
「ダメ。手がかり無し・・・。」
コレだけ調査しても手がかりゼロとは……。
「センサーをフルに使っても分からないなんて、雷電って何処に住んでるんだよ〜!!」
―――ピフイィィン!!
と、その瞬間、アキッキーが持っていたセンサーに大きな反応が。
(コレは・・・、転移反応!!)
アキッキーはすぐに位置情報を割り出した。
「マリア!!課長に連絡。」
「えっ・・・。」
「この地区に転移反応がセンサーにあった!!後、部屋にあるトランク持ってきといて。」
「分かった!!」
「それと・・・。」
「大丈夫!!ピンチの時は、彼らがいるから!!」
「そうかい・・・。」
連絡を取り合ったメンバーたちは全員集合し、一路、雷電の家へと向かった。
「ココが雷電の家・・・。」
「でけぇな・・・。」
「ああ・・・」
センサーの反応を手がかりに、ようやく雷電の家にたどり着いたのだが……。
その家の予想以上の大きさに、全員呆然としてしまった……。
「とにかく、探そう。」
「あぁ。」
扉の前に立ち、空が声をかける。
「雷電〜!!見舞いに来たわよ〜!!」
……………。
………。
全然反応無し……。
「出ないわね。」
「えぇ。」
居留守なのか、それとも……。
「こうなりゃ、ブッ壊して突入よ!!」
「リルッ!!」
((えっ・・・。))
空の一言とマリルの気合の一声で、全員が耳を疑った。
「ウォリャアァァ〜!!」
「リッ・・・ル〜!!」
―――ブシュー!!
―――バキッ!!
空課長自慢の鉄拳とマリルの「みずでっぽう」こうげきで、雷電の家のドアが破壊された。
(((本当に壊したよ・・・。)))
今の光景で、メンバーたち全員は背筋が凍ってしまった。
「ココらは、二手になって調査。何か見つけたら無線で報告!!」
「「了解!!」」
早速、空、ダイスケ、乃木坂家一同はキッチンを捜索。
そこには、どれもシードピアで有名な人気激安ブランドや人気激安ショップのアイテムがズラリと陳列されていた。
「そういえば・・・、雷電の奴、意外とドケチなんだよな・・・。」
「確かに・・・。ココに有るお皿はシードピアでは激安で高性能として有名ですね。」
と、いきなりアキッキーから緊急通信が。
(コチラ、アキッキー!!地下ガレージで、転移反応跡を発見!!)
「了解!!コチラもすぐ行くわ。ダイスケ、マリル、春香、行くわよ。」
「あっ、はい・・・。」
「了解!!」
「リルッ!!リッルル〜!!」
ちなみに、マリルのナップザックには、なぜかサイダーの缶が大量に入っていた・・・。
メンバーたちはアキッキーからの連絡を受け地下ガレージに合流した。
しかし……。
(何よコレ・・・。)
(あぁ・・・。)
(マジかよ・・・。)
空、ダイスケ、アキッキーはもちろん、メンバー全員が大呆然。
「コレはガレージっていうより・・・」
―――MSの格納庫だろ(でしょ)〜!!
確かに・・・、外観は普通のガレージだが、唯一、MSよりちょっと大きいサイズのハンガーが搭載されてるだけだった・・・。
「本当に転移反応なんてあった・・・キャッ!!。」
―――ガコン
「へっ・・・?」
―――フイイィィィン!!
ふとした拍子で春香が何かのスイッチを入れてしまったため、ソラとタツノコースケ以外のメンバーたちがその機械の影響に巻き込まれてしまった。
「まさか・・・。」
「俺達・・・。」
「飛ばされた〜!!」
――――フウォワァン!!
その瞬間、一瞬で二人以外のメンバーたちが消えてしまった。
「うわ〜!!みんながいなくなっちゃった!!」
突発過ぎる急展開にソラが取り乱し、タツノコースケも混乱しかけたが…。
「と、とりあえず、念の為に、キラ達へ連絡しとこう!」
「そうですね・・・。」
一先ずキラたちにこの件を報告することに……。
「みんな、大丈夫かな……。無事でいてくれよ…。」
いきなり謎の装置で転移されてしまったメンバーたち。
「よっと!!」
「リルッ!!」
空とマリルは見事着地するが、他のメンバーたちは・・・。
「ウゲッ!!」
「キャッ!!」
―――ムニュ
「あっ・・・。」
「「・・・。」」
………ダイスケ、着地に失敗した上、非常に間の悪い雰囲気を作ってしまった。
「「何時まで春香(さん)の胸触ってるの(んだよ)!!」」
―――スパアァァン!!
「ゲフォ〜!!」
アキッキーと空の愛の鞭が2発同時に炸裂。
「ダイスケさん、最低・・・。」
「やっぱり、『ダイスケさんは女の胸が1番好き』って噂は本当だったんだ・・・。」
「二人とも〜!!」
マリアとリョウカもダイスケに冷ややかな視線を送るのみ。
「この馬鹿は良いから・・・。この世界を調査しないとね。アキッキー、なんか分かった?」
「いいえ・・・。」
「とにかく・・・、街が見えたから行ってみましょう。」
「「了解!!」」
とりあえず、視界に入ったとある街のバーに入る。
「すいません。」
「何ですか・・・?」
「コチラは、プリンセス・ハルカと言いまして私達はその従者でございます。実は・・・、ある人を探してるんです。」
空が前に出て、簡潔にことの次第を話す。
全てを理解したマスターは…。
「なるほど・・・。つまり、皆さん方は雷電さんの知り合いですか。良かったら彼の部屋にご案内しましょう。」
「ありがとうございます。では、皆さん。参りましょう。」
「はい・・・。」
快く、雷電のもとへと案内してもらえることに…。
たどり着いたのはバーの2階の個室。
――コンコンッ
ドアをノックし、静かに扉を開ける。
「雷電さん、客ですよ。」
「俺に・・・って皆さん!!」
ようやく雷電を発見。
「ゴメン・・・、来ちゃった。」
「何かあったら呼んでください。」
「あぁ。彼女らを案内してくれてありがとう。」
マスターが部屋から退出し、この場には空たちだけが残った。
「早速で悪いんだけど・・・、私達に分かるように、1から順に話してくれる?」
「・・・。分かりました・・・。」
ここで、雷電に代わって説明しよう。
空たちが飛ばされてきた場所は、雷電の故郷とでも言うべき異世界・レイアード。
彼は元々、この世界で“レイヴン”と呼ばれる、人型機動兵器・「アーマード・コア」を操る傭兵でもあった。
しかし、突如現れた謎のゲートの調査の最中に、雷電は偶然、異世界シードピアへとたどり着き、これまでも数回にわたる調査を繰り返していた。
ちなみに、空が雷電をライガーシールズへスカウトしたのは、彼がシードピアへのゲートを発見してから大分経った後だと言う…。
しかし、それ以後も彼はレイヴンの所属として、時折開きっぱなしのゲートの向こうのレイアードに里帰りし、依頼主からの新たな任務を請け負っていたのだ。
今回、雷電が突然姿を消したのも、その任務があったからだったのだ。
「・・・なるほどね。話はだいたい分かったわ・・・。」
「じゃあ・・・。」
「コレからもその任務を続けるように!!」
「ありがとうございます!!」
事態を理解した空は、雷電の今後の活躍を応援することにした。
「兄貴〜!!」
「ナナマル、今は来客中だ。話は後にしてくれ・・・。」
突然部屋に入ってきた一人の青年。
このナナマルという男、雷電の知り合いのようだが……。
「すまない・・・。って、そんな事より大変だ!!街に・・・、見たこと無い怪物が・・・!!」
「「怪物〜!?」」
大規模な事件が起こったようだ。
「大型のACじゃないのか?」
「ううん・・・。何て言うんだろう、ドラゴンみたいなのが街を壊してるんだ!!」
ただならぬ予感がする……。
全員がそう感じた。
「私達も行ってみましょう。」
「「「了解!!」」」
雷電と共に空たちも現場へと急行することにした。
到着したのは街の近くの荒野。
そこで暴れていたのは………。
「ギャオオォッ!!」
「アレは・・・、バンギラス!!どうしてポケモンがこの街にいるのよ!!」
そう、それはポケモンのバンギラスと同様だった。
「課長・・・、アレには金属反応・・・。つまり・・・、メカっすよ」
「そう・・・。」
メカバンギラス……。
これを使って大胆な破壊活動を行う者がいるとしたら……。
「ダ〜ッハッハッハ〜!!」
「その声は誰だ!?」
案の定、彼らのお出ましだった。
「その声は誰だ!?っと聞かれたら・・・。」 「答えてあげるが世の情け。」
「世界の破壊を防ぐため!!」 「世界の平和を守るため!!」
「愛と憎しみの悪を貫く。」 「ラブリーチャーミーな敵役!!」
「ムサシ!!」 「コジロウ!!」
「銀河を駆けるロケット団の二人には・・・。」
「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ!!」
「あっ、ニャ〜んてな!!」
「ソーナンスッ!!」
亜空軍に加担する下っ端メンバーのロケット団の二人がまたしても現れた!
「ヤッパリ、アンタらか・・・。あの時(LFY)のリベンジでもする気!?あいにく、オールスターズは元の世界にいるのよ!!」
「今回はコイツニャ!!」
―――ガシッ!!
「ブイッ!!」
「イーブイ!!」
なんと、あっという間にマリアのイーブイが捕獲されてしまった。
「よっしゃあ、捕獲成功!!」
「さっさとズラかって、ラボへ届けるわよ!!」
「オウッ!!」
「ほな、バイニャ・・・。」
「なるほどね・・・。」
ロケット団がそのまま退散しようとしたとき―――。
どこからか確信に満ちた声が聴こえた。
「つまり、マリアちゃんのイーブイは元々ロケット団の研究施設で作られた人工ポケモンか・・・。しかしこの作戦もソレまでだよ!!」
「ニャッ・・・!!」
ダイスケ、いつの間にかマリアのイーブイを奪取!
「大樹さんじゃ無いけど・・・、マリアちゃん達の大事なポケモンは返してもらうよ・・・。」
「ダイスケ、ナイス!!んじゃ各自攻撃開始!!」
「「「了解!!」」」
空課長の合図でメンバーたちが一斉に攻撃開始。
「マリア、トランク!!」
「OK!!」
その間にアキッキーは…。
「装着(イーックイップ)!!」
某勇者シリーズを彷彿とするような気合とセリフを発すると共に、戦闘モードに移行した。
「オッシャァ〜!!」
気合の掛け声と共に準備完了!
「あのメカポケモンは俺達が食い止めます!!」
「任せたわよ!!」
「ナナマル、行くぞ!!」
「オウヨッ!!」
雷電とナナマル二人は機動兵器・アーマードコアに乗り込み、メカバンギラスを押さえる。
「よっ・・・と!!」
「空さん!!」
リョウカと合流した空は、懐からD-バックラーを取り出し、装着した。
「久しぶりの新カード・・・、行ってみよっか!!」
意気揚々にカードホルダーから新カードを取り出してみると……。
「って、コレら全部マリアちゃん専用カードか・・・。」
なんと取り出したカード全部、マリア専用カードだったと言うから驚きである。
早速、空はそれらのカードをマリアに手渡した。
「ありがとうございます!!現れよ!!ルーク!!」
―――SUMMON DRIVE、「TAILS OF THE ABYSS」-Luke fone Fabre-(ルーク・フォン・ファブレ)
「やってやるぜ!!」
現れたのはオレンジ色のロングヘアと白いジャケットを纏った好青年だ。
「リョウカと空さんは、コレに!!」
マリアから手渡されたカードは、いずれも召喚憑依のカード。
―――POSSESSION DRIVE、「TAILS OF DESTINY」-Rutee Kartret-(ルーティ・カトレット)
―――POSSESSION DRIVE、「TAILS OF THE ABYSS」-Tear Grants-(ティア・グランツ)
「さぁ・・・、やるわよ!!」
「えぇ・・・。」
――雷電&ナナマル&アキッキーVSメカバンギラス戦――
「オラオラオラ〜!!ナナマル様のお通りだ〜!!」
アーマードコアを操り、武器を連射しまくるナナマル。
(ナナマル!!今回は、アリーナ戦じゃないからな!!なるべく無駄弾を使うなよ!!)
そんな彼に釘を刺す雷電だったが……。
「分かってるよ!!ソコだ!!」
(本当かな・・・。)
数分後、雷電が当初から予感していた悪い予感が的中した・・・。
―――ガガガッ・・・カチッカチッ。
「ヤベッ、弾切れしちまった!!」
(だから、無駄弾を使うなって言っただろ!!)
通信越しに雷電のツッコミが響く。
「悪い!!こうなりゃ・・・、アニキ!!俺が囮になる!!そのスキを突いてトドメを刺してくれ!!」
(いつもの作戦だな!!)
そう言って、ナナマルはレーザーブレード以外の全兵装を取り外した。
「ホラ、ソコのメカ怪獣ッ!!コッチコッチ〜!!」
メカバンギラスを旨く誘導し、目的のポイントまで近づけ、そして――!
「今だ!!アキッキー!!」
「何時でも行けるぜ〜、オラよ!!」
「全兵装一斉射撃!!」
アキッキーと雷電の一斉同時攻撃がメカバンギラスに炸裂!
「ギャオオォッ!!」
――――ズシイィィン!!
見事に仕留めた。
「やったな・・・。」
「あぁ・・・。」
――空&マリア&リョウカVSロケット団――
「出てこい!ハブネイク」
「サボネア!!いけッ!」
一方、ロケット団も負けじと所有するポケモンを一斉に繰り出した、のだが……。
「サボ〜!!」
「痛いってか・・・、アッチと戦うの!!」
「ッシャァァ!!」
出だしからサボネア、ボケに走ったか……。
「イーブイ、“でんこうせっか”!!」
「ブイッ!!」
イーブイの電光石火のスピードで敵を翻弄している隙に―――。
―――ATTACK DRIVE、[APIERS AQUA]
「いくわよっ・・・。アピアース・アクアッ!!」
ティアに変身したリョウカの特殊能力で、水のフィールドが発生。
「イーブイ!!そのフィールドに入ってシャワーズに超進化!!」
「キュッイ〜!!」
なんと、水の石を使わずしてイーブイを進化させてしまった。
「コレぞ、私達の必勝コンボ!!シャワーズ、“あまごい”!!」
さらに、そこに空のマリルが合流した。
「マリル!!“ロック・オン”してからの・・・。」
「リルッ!!」
「「ハイドロポンプ!!」」
二匹の水ポケモンの最強技・ハイドロポンプが炸裂、するかと思いきや―――!
「ソーナンス!!やっておしまい!!」
「ソーナンスッ!!」
ソーナンスの十八番・カウンターでハイドロポンプを弾いた。
「カウンターで弾かれたっ!?・・・けど、もう1つ切り札が有るのよね・・・。マリル!!」
「リルッ!!」
―――ゴクゴク・・・。
ナップザックから何か飲料水を取り出して、それを一本分マリルに飲ませた瞬間――。
「リルッルルッルリリル〜!!」
マリルがいきなり急変した。
「マリル!!アンタの酔拳を見せなさい!!」
「リッルッ〜!!」
ほろ酔い状態でマリルが敵に向かっていった。
(先輩・・・、マリルに何飲ませたんですか?)
(雷電の家にあったサイコソーダ!!)
(えぇっ!!)
あの時マリルのナップザックに入っていたソーダは、雷電のものだったのだ。
(そしたら、マリルはキス魔になるはずでは・・・。)
(あの時は、コーラだったでしょ!!アレには炭酸が入っているからマリルにとっては、酔拳が出来るのよ!!)
……空課長のマリル、どういう体の構造しているんだ…?
(ってか・・・、先輩、それじゃあ泥棒なんじゃ・・・。)
(大丈夫、雷電には後で弁償代金を払っとくから・・・。)
(…にしても、酔拳なら普通酒じゃあ・・・。)
そんなダイスケの考えを余所に――。
―――ATTACK DRIVE、[PIKOHAN]
「ピコハン!!」
「ルーク!!」
―――FINAL ATTACK DRIVE、[RADIANT HAUL]
「これでも食らえッ!!『レイディアント・ハウル』!!」
―――ATTACK DRIVE、[SNIPE AIR]
「スナイプ・エア!!」
―――キキキキッ
リョウカ、マリア、ルーク、空の4人同時コンボ攻撃が発動!
次の瞬間―――。
「今よ、マリル!!メガトンパンチ!!」
「リッルッ〜!!」
―――ドカ〜ン!!
最後のシメとしてマリルの強烈なメガトンパンチが炸裂した。
「「「やなかんじ〜!!」」」
「ソーナンスッ!!」
これにて、一件落着!
その後、街の酒場で一人酒を飲んでいたナナマルのところに―――。
「相席良い?」
「どうぞ。」
空がダイスケを連れてやってきた。
すると、いきなり話を切り出した。
「ナナマル君だっけ・・・。話は、雷電から聞いてるわ。」
「えっ・・・。」
「あぁ、実は“この街に雷電以外に腕が強いレイヴンは?”って聞いたら、君だって言う声が多かったんだ・・・。」
様子からして、どうやら空課長、久々に有力な人材を見つけたようだ。
「ねぇ、良かったら・・・、一緒に私達の世界に来ない?」
異世界への勧誘、それは実質、ライガーシールズのサポートメンバーの勧誘でもあった。
「良いんですか?」
「ウチらも・・・、ちょっと戦力が欲しかったのよ・・・。内容は雷電のサポートで、今ならたまに行われるアリーナ戦の出場も許可するわ!!」
この優遇をナナマルは逃すわけには行かないと判断したのか、1分と経たずに―――。
「ありがとうございます!!」
承諾した。
「コレからはよろしくな!!」
「ハイッ、よろしくお願いします!!」
こうして、ライガーシールズの強力なバックアップメンバーが加わった。
「空さ〜ん!!ブリッツライナーが来ましたよ〜!!」
「OK、今行くわ!!」
「それじゃあ、アニキと一緒に来るんで!!」
「後でな!!」
これからのナナマルの活躍に期待するとしよう。
―オマケ―
数日後、雷電の家のガレージ兼AC格納庫の転送装置が動き出した。
―――フィィン!!
―――ガチャン!!
開かれたゲートから、雷電とナナマルの二人がやってきた。
「ナナマル、今日からココがオマエの家だ!!」
「アニキ!!お世話になります!!」
どうやらこれからナナマルは、この家に居候するつもりらしい。
しかし、意気揚々とリビングに上がった瞬間―――。
「ただいま・・・ってなんじゃこりゃあ〜!!」
部屋が思いっきり散らかっていた。
「コレがアニキの部屋か・・・。ちょっと散らかってますね・・・。」
(変だな・・・、ちゃんと出発前に片付け等したのに・・・。)
とりあえず二人で片づけをしようとしたそのとき。
「あっ・・・、アニキ!!机の上に手紙が有りますよ!!」
「何々・・・。」
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雷電へ
昨日雷電の世界へ来る前に、悪いけど、あなたの家をガサ入れさしてもらったわよ!!
あっ・・・、壊した玄関の修理費とマリルが盗ったサイコソーダの代金は、私が払っておいたわ。
空より
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その瞬間。
「課長〜!!」
雷電の心からの叫びが、シードピアの夜に響き渡ったのは、言うまでもない……。
--THE END--
【あとがきという名のフリートーク】
ナナマル「今回はオイラとアニキが主役の作品いかがだったかな!?」
雷電「とにかく・・・、あんだけ暴れたんだから、コレからは、広報課の皆さんと一緒にやっていくんだぞ!!」
ナナマル「オウッ!!」
雷電「ところで・・・ナナマル・・・。」
ナナマル「なんだい、アニキ?」
雷電「今回、お前が初登場なんだから・・・、自己紹介ぐらいしたらどうだ?」
ナナマル「いっけね!!今からするよ!!」
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名前 ナナマル・フィリーナ(Cv山口勝平)
性別:男 / 年齢:14歳 / 身長:156cm / 体重:55Kg
趣味:手品、テーブルゲーム / 特技 野球(ゴルゴに教わった)
口癖 「オイラが正義だ!!」
雷電が住む『アーマード・コア』の世界・レイアードで活躍する若き少年レイヴン。
雷電の事を『アニキ』と呼んで慕っている。
性格は能天気で楽観主義者。勝負事が大好きで、常に自分の勝負運を試そうとする自称・勝負師。
本人いわく、「No.1は、アニキで、オイラは目指すならNo.2」というのが信条。
見た目は格好良く、運動神経も抜群、心優しいので、同世代の女の子にモテる。
(モチーフ:タスク・シングウジ[スパロボOG] + キアラ・フィリーナ[エレメント・ハンター])
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ナナマル「こんな感じ!!」
雷電「自己紹介もしたし・・・、そろそろ本社に出発するか!!(キラさん達に、色々と迷惑かけたしな・・・。)」
ナナマル「オウッ!!」
今回のカードリスト(いずれも、出典は『ティルズシリーズ』)
○ルーティ・カトレット
○ルーク・フォン・ファブレ
○ティア・グランツ
上記の三枚のカードは、いずれもマリアちゃんが扱う専用カード。
彼女は、『ティルズ・オブ』シリーズの戦士達を扱えるのだ!!
基本的に、『シンフォニア』、『ディスティニー』をメインに使う。
編集者・コースケの独り言
DaisukePさんから贈られて来た、シードピア番外エピソード、いかがでしたでしょうか?
雷電さんが主役と言うことで、シードピアの雷電さんの故郷として、異世界レイアードが初登場いたしました。
さらに、久々に召喚憑依ネタも登場と言うことで、番外編史上稀に見る大ボリュームの内容となりました☆
ちなみに、雷電さんがレイアード出身と言う設定は、以前に掲示板で雷電さん自身が追加設定として希望したものです。
今回の編集に当たり、その設定を大々的に取り入れさせていただきました☆