SEEDPIA CRISIS外伝 in ハルケギニア 〜結婚と裏切りと欲望の復活〜 〜Situation2:Cyclone Effect〜
ワルドのこの旅の目的は三つ。 一つは、ルイズを手に入れること。 一つは、君がウェールズから受け取った“アンリエッタの手紙”を奪うこと――。 そして―――。 「“最後の一つは、プリンス・ウェールズの抹殺”…。そう言おうとしたのかい、Old man!?」 「やはり、君はレコン・キスタだったか、ワルド子爵!!」 「なっ!!!???」 ―――ガキイイイィィィンッ!!! 攻撃を弾かれ、ウェールズの命は間一髪守られた。 「大丈夫かな、皇太子?」 「この場はミーたちに任せてくれ!」 目的を達成するどころか、不確定要素の登場と言う筋違いの事態に、さすがのワルドも取り乱さざるを得なくなった。 「貴様ら…!よくもっ!!!」 ワルドは再び自身の魔法を使って攻撃に転じようとした。 「ウェールズ皇太子!」 たまらずルイズも自身の杖を取り出して援護に回ろうとするが―――。 ―――ガシッ! 「ッ!!!」 腕をワルドに掴まれ、一瞬で彼女の背筋が凍る。 「君はもう用無しだ。引っ込んでいろ!!!」 ―――ドオオォォンッ!!! 「きゃあああぁぁぁぁぁ!!!!」 次の瞬間、ルイズは上空に思いっきり吹き飛ばされた。 「ラ・ヴァリエール!!!」 「Shit!!」 対応が間に合わなかった一同。 このままでは全身打撲は免れない……!!! 「サイトオオオオォォォォォッ!!!!!!!!」 ―――ブロロロォォォォォォッ!!!!! ―――ガシャアアァァァンッ!!!! 「ルイズ―――――ッ!!!!!!」 「なにっ!!??」 「Wow!!」 「これは…!!」 後ろ斜め上のステンドグラスが割れたと共に、2台のバイクが突入、そしてその内の一台から主の名を叫ぶ青年の声。 主の危機に駆けつけたサイトだ。 彼は、バイクから飛び降り、急降下しつつもルイズの体をしっかりと抱きとめる。 ―――ズドオオオォォォンッ!!!! その結果、すさまじい衝撃波が周囲に響き渡った。 言わずもがな、サイトはルイズの下敷きになり、彼女のダメージを最小限に抑えた。 「う、ぐっ…!!」 「……!!!」 サイトのうめき声を聞き、ルイズは自分の現状を把握した。 「さ、サイト!!??どうして…!?…って言うか、大丈夫なの!?」 「あ、あぁ…。ちょっと、無理しすぎた…。」 地面に激突した衝撃が体に走り、立ち上がるのにも一苦労だ。 「でも、どうしてここが…!?」 「…映ったんだ…、俺の左目に、ルイズの視界が…!」 その会話を聞いたワルドは、彼がいきなり現れた理由を察した。 「なるほど、主の危機が使い魔の目に映ったということか…。」 そこに、一真が歩み寄る。 取り出したのは、自分が予備として用意していた“回復薬”だった。 “水の魔法”を込めた特殊魔法薬だ。 それを、ダメージの大きい背中に塗りつける。 「全く、無茶をして…。」 「だがなサイト、結構かっこよかったぜ☆」 一真と翔太郎の笑顔、彼の勇気を賞賛した証だ。 ―――ドカアアァァンッッ!!! 「うわああぁぁぁぁ!!!!」 『!!!』 爆発音と共に礼拝堂の扉が破壊され、誰かが思いっきり吹き飛ばされてきた。 「何っ!!??」 ―――ズドオォンッ!!! 礼拝堂に祭られた始祖ブリミルの石像にぶつかったのは、ワルドが密かに雇っていたゴロツキたちだ…! その衝撃が物凄く大きかったのか、石像はバランスを崩して後ろに倒れて轟音と共にバラバラになった。 攻撃の放たれた方向を見てみると、ジャンパーソンとガンギブソンの姿があった。 さらにガンギブソンは、ココノエから託された新武装・スピンドルキャノンを構えている。 砲口から硝煙が昇っていることから、先ほどの攻撃は彼のもののようだ。 「ベイビー。どうやら間に合ったようだな。」 ガンギブソンが気障な雰囲気を醸し出す口調で、様子を判断する。 「よし、ブレイド、外は任せるぜ。」 「分かった。」 「ガンギブソン、外のレコン・キスタを頼む。」 「OKだ。」 翔太郎とジャンパーソンに外の面倒を任された二人はその指示に従い、礼拝堂の外に出る。 そして、先ほど神父と神官に匿われたウェールズも、その二人に連れられてルイズたちの傍に寄る。 「皇太子様、お怪我は!?」 「大丈夫だ。ラ・ヴァリエール嬢、君は?」 「大丈夫です。」 ルイズに支えられ、サイトも立ち上がる。 先ほどの痛みも、魔法薬のおかげで徐々にひいてきた。 「さてと、そろそろあんたたちも姿を見せたらどうなんだ?」 ―――レンジャーズストライク。 「「!」」 探偵・左翔太郎の観察眼は意外と鋭く、視線を向けながら放たれた一言に、隣の“神父”と“神官”に化けていた二人は目を見合わせた。 「Oops…、既にDetect(意:見破る)されていたのか」 「フッ、まぁ、仕方があるまい。ここでお披露目するつもりだったしね。」 本来の声に戻った二人に、ワルドはさらに衝撃を受けた。 先ほど自分の正体を見破られ、自分の目的を悟られたことから、嫌な予感はしていたが…! 「き、貴様らは!!??」 ―――バサッ!!! 二人はそれぞれ着ていた衣服を脱ぎ捨てた。 そこに現れたのは、白のタキシードと白の帽子とカラフルなネクタイを着こなす壮年の男と、全身緑色のスーツの姿の戦士だった。 「ディスタンスフォース特殊部隊・“チームレンジャーズストライク”行動隊長、番場壮吉。」 「同じく、諜報偵察担当、天空忍者・シュリケンジャー!」 「「参上!」」 この意外な戦士の登場に、ワルドはまたしても意表をつかれた。 「ディスタンスフォースだと!?なぜ彼らがこのような場所に…!?我々レコン・キスタの動向を捉えていただけならまだしも、なぜ僕の狙いがウェールズの殺害だと…!?」 「その答えはSimpleだ。ミーたちはプリンス・ウェールズの父上、つまり、アルビオンのキングであるジェームズ一世に依頼されたのさ。」 「「…!!!」」 シュリケンジャーのその言葉にはウェールズも目を見開いた。 自分の父親が、いつの間にそのようなことを…!? 「信じられぬ…!あの男がこのことを予見していたと言うのか…!!」 「そういうことになるな。いずれにせよ、ジェームズ国王から託されたこの依頼を完遂させるために、これ以上彼には指一本触れさせない。」 この事態はさすがのワルドも全く考えていなかったのか、歯軋りをするほどの悔しさを顔に滲ませる。 「おのれぇ…!!」 アルビオンで達成するはずだった全ての目標の達成が非常に困難になってきたのは、ワルドにとっても計算外。 ましてやディスタンスフォースが介入してくるなど、以ての外だった。 そこに、左翔太郎が口を挿む。 「それにな、ワルド子爵。あんたには今のことに加えてもう一つ、見逃せねぇことがある。」 言いながら取り出したのは、“相棒”からもしものときに託されたアイテムだった。 ――ガシュンッ <“LUNA” MAXIMUM DRIVE> 翔太郎たちの所有する“メモリガジェット”の一体であるカメラ型アイテム・バットショットは、フィリップの愛用アイテムの一つである“ルナメモリ”を装填することでマキシマムドライブを発動、強烈な光を放つことが出来る。 「グッ!!??」 この目くらましで怯んだスキをつき―――。 「そこだ!!!」 <“HEAT” MAXIMUM DRIVE> 携帯電話が変形した“メモリガジェット”・スタッグフォンが、“ヒートメモリ”の力を借りてワルド目掛けて急速接近し、ワルドの服の左腕部分と左手の手袋を切り裂いた。 やがて閃光の目くらましも終わり、ワルドの視界も元に戻る。 「くっ、この程度で何が分かるというのだ…。」 「その答えは、あんたの左腕に聞くことだな。“自分が薬物中毒者だ”って証拠が、そこに出てるんでね。」 「!!!」 露になった左腕には、二の腕の真ん中辺りにコネクタの跡のようなものが浮き出ている。 “何も知らない”者たちにとっては、ただの刺青にしか見えないかもしれないが―――。 「“ガイアメモリ生体コネクタ”、ワルド子爵の左腕に確認。」 目が黄色く輝いたジャンパーソンの解析によって、何かが違うことが明らかになった。 「ガイアメモリだって!!??」 「ウインディヒルズでかつて蔓延していた、“記憶の麻薬”か!」 番場とシュリケンジャーもその話は聞いていたが、実際に見るのは初めてだった。 「やっぱりな…。ワルド子爵、何日か前にガイアメモリを買っていたな?」 そう言って取り出したのは、彼がハルケギニア某所でガイアメモリの取引を密かに行った決定的瞬間を捉えた写真だった。 ちなみにこの写真、彼の仲間の“情報屋”が偶然ハルケギニアを旅行していたときに目撃したときのものである。 「……!!!!」 反論する間すら与えられない“攻撃”に、ワルドは言葉も出なかった。 ガイアメモリを使う場合、使用者は特殊な手術を用いて体のどこか一箇所に生体コネクタをつけることが義務付けられている。 以後はそこからガイアメモリを挿入しなければならないが、うまくコントロールできない奴はほぼ毎日それが浮き出る。 お前がガイアメモリを購入してから何日経っているか分からないが、いずれにせよ、ガイアメモリを一度でも使っていれば、精神的な意味で徐々に病んでいき、最終的には人格をぶち壊す…。 「ま、“メモリドライバー”って言うベルト型フィルターアイテムを使っていれば、まだマシなほうかもしれないがな。」 ワルドにはあらゆる意味での逃げ場が無かった。 「目的を全て妨げられただけならいざ知らず、そこまで言われてしまったとあっては……!」 ――最早、善人を演じることももうないな…。 “全てが吹っ切れた”。 そうとってもおかしくないワルドの怒りの表情。 「ユビキタス・デル・ウィンデ!!」 その瞬間、ワルドが杖を使って分身魔法を発動、一気に取り囲んだ。 「何!?分身だと!!??」 「違う!これはただの分身ではない。」 ウェールズも同じ風系統の魔法使いゆえに、この魔法の脅威を知っていた。 「“偏在”を意味する“ユビキタス”、個々に意志を持たせた風系統の特殊魔法だ。」 「その通り。そしてこれは自身の姿のみならず、杖までも分身させることも可能だ。この姿で、僕の必殺魔法“ライトニング・クラウド”を浴びせてくれる!」 その言葉どおり、分身したワルドたちが個々で魔法を充填、周囲の空気がピリピリするほどの力が集まってきた。 「ケッ、そうはさせるか!相棒、俺を構えろ!」 その時、サイトの相棒の剣・デルフリンガーが自分を使うように進言した。 不安を感じつつも、言われるとおりにデルフリンガーを構えるサイト。 「こんなちゃちな魔法、俺には効かねぇよ!!!」 ―――ギュルルルルルッ!!!! 「何っ!!??」 これは一体どうしたことか!? デルフリンガーがワルドの魔法力を全部吸い込んでいるではないか! 「これが俺の本当の姿!初代ガンダールヴの剣・デルフリンガーさまだ!!」 意志を持つ剣・インテリジェンスソードの力がここにきて発揮されたと言うことか…!! 「デルフ、お前…!」 「あんたにこんな力があったなんて…!」 サイトはもちろん、ルイズでさえもこれは予想だにしなかった。 「失敗したよ…、インテリジェンスソードの能力についてもう少し調べておくべきだったな…。」 ―――ならば、これはどうだ!! 今度はワルドの分身たちが一斉に飛び掛ってきた。 「魔法が杖に集中している!」 「“エア・ニードル”か!」 しかし、その対処法は翔太郎が持っていた。 「それなら、目には目を、風には風をだ!!」 <“CYCLONE” MAXIMUM DRIVE> 腕時計型ガジェット“スパイダーショック”に“サイクロンメモリ”を装填、蜘蛛を模った“ライブモード”に変形し、その口からワイヤーを吐き出す。 そのワイヤーが天井に突き刺さると、スパイダーショックはメモリの力で急速回転、遠心力で生み出した強風を使って、空中にいた分身たちを怯ませた。 「今だ!超忍法・影の舞!!」 「ジャンバルカン!」 その隙を突いて、シュリケンジャーの高速攻撃とジャンパーソンのガトリング射撃が炸裂し、分身たちは一気に消滅した。 「ばっ、バカな…!」 唖然とするワルドに、回復しきったばかりのサイトがデルフリンガーを手に迫ってきた。 「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」 「くっ!」 まだ痛みが残っているにも関わらず、その体に鞭を打って動き、ワルドとの勝負に挑む。 「滑稽だな、少年!やはり貴様、ルイズに恋をしていたな!?」 「!」 その中で問われた言葉に、驚いたのはルイズの方だった。 サイトが自分に恋を…!? そんなことが…!? 「彼女がお前に振り向くことなどありえないだろうに!ささやかな同情を恋と勘違いしたか!?叶わぬ恋を主人に抱いた、哀れで愚かな使い魔め!」 ―――バシッ! その罵倒の言葉と共にサイトに一撃を与えるワルド。 衝撃で吹き飛ばされるも、態勢を立て直してワルドを睨む。 そして、先ほどの罵倒の言葉に対して彼は反論せざるを得なかった。 「ふざけんな!そのルイズの恋心を利用して騙したてめぇが、それを言う資格はねぇんだよ!!!」 「ならばなぜ貴様は死地に戻ってきた!?お前の主はお前を蔑んだ!なのになぜ彼女を守ろうとする!?」 「“ルイズを守りたいから”!それ以外に理由なんてあるかよ!!」 すると、まるで今までのモヤモヤを振り切るかのように、サイトはマシンガンのように言葉を綴った。 確かに俺は平民だし、お前みたいなかっこよさや魔法の力すらも持っていない! だけど、ルイズを守りたいと願う心だけは、誰にも負けられないんだ! それに、初めてこの世界に召喚されたとき、ルイズのことがとても可愛いと思った! その日から、俺はルイズを思うたびに胸のドキドキが止まらないんだ! “貴族”のプライドに拘るばかりで、強がってばかりのルイズ。 誰かに自分の力の無さを蔑まされて、涙を流すルイズ。 言葉では拒否しても、心のどこかで俺を頼りにしているルイズ。 俺は、そんなルイズを、これからもずっと守り続けたいんだ! それが“恋心”だと言われても構わない! 叶わない恋だと言われても構わない! 俺はルイズを守る“虚無の使い魔”として、“ガンダールヴ”として、力の限り戦い続ける!!! なんなら、この場で叫んでやるぜ! 「俺はルイズが大好きだああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」 教会の内部で響いたサイトの告白と言う名の大絶叫。 彼はその言葉と共に、ワルドに向かっていった。 サイトのその告白はルイズの心を高鳴らせた。 おおぉぉ!!!! いいぜ相棒、その意気だ、その心の震えだ! 虚無の使い魔“ガンダールヴ”は、そうやって心を震わせて力を溜めて威力を発揮するんだ! お前の抱く“恋”だけでなく、“怒り”、“悲しみ”、“喜び”、心を昂らせるその震えがお前の力の源となる! 「忘れるな!俺はただの道具に過ぎない、戦うのはお前だ!」 ガンダールヴのかつての相棒・デルフリンガーも、このテンションの上がる展開に心を震わせていた。 しかし、これでワルドが引き下がるはずが無い。 「ならば、その恋をこの場で終わらせるまでだ!!!」 ワルドはエア・ニードルの力を最大限まで高め、サイト目掛けて突進してきた。 (あいつ、この戦場で大胆なことをぶちまけやがって…。) その影で、今までの戦いを静かに見ていた一人の男が…。 (…だが、“愛する誰かを守りたい”と願う心…、あの“恋”もまた純粋な“欲望”だ。) ―――あいつなら、“あの力”を使える!!! その男は、瞬時に動き出し―――。 ―――――ガシッッ!!!!! 「!!??」 「…!!」 ワルドの腕を“異形の右手”で掴んで攻撃を遮った。 しかも、エア・ニードルがサイトの胸を貫く数センチ手前で。 「なっ!!??」 このタイミングでの予想外の介入者に、ワルドも意表をつかれた。 「ブリミルの石像の中に封印されてからどれくらい経ったかは知らねぇが、封印を解かれて見てみれば、面白いことになってるじゃねぇか。」 ―――ハァッ! ―――ズドオォンッ!! 「ぬおっ!!??」 カウンター攻撃を喰らったワルドは、再び奥まで吹き飛ばされた。 「……あ、あなたは…!?」 助けられた喜びよりも、意外な存在の登場に困惑する気持ちが強かったのか、サイトは呆然としていた。 しかし、彼の存在をいち早く察したのは、デルフだった。 「こいつぁ驚いた…。あんた、“グリード”だろ!」 「「!?」」 “欲望”を意味する怪人・グリード。 数百年前に生み出された伝説の存在だ。 「フッ、俺のことを知っていたか。話が早い。」 デルフの言葉を肯定する代わり、笑みを浮かべて背後を見る男。 その表情には余裕すらも窺える。 「欲望の化身・グリード…、その名の通り、人の欲望を糧として力を集める存在…!」 ワルドは立ち上がりながら、改めてその存在を目に焼き付ける。 「なぜその存在が、向こうの味方をするのだ…!?」 「決まってるだろ!俺はこのガキを相棒に決めた。それだけのことだ。」 「お、俺を!?」 指をさされながら言われたその言葉に、サイトもさすがに困惑した。 「あぁ。お前に死なれてもらっちゃ困るんでな。」 …とりあえず分かったことは、“味方が増えた”と言うことだろうか。 「お前、名前は?」 「え?……平賀才人(ひらが・さいと)…。」 サイト、俺はお前のさっきの言葉に感心したんだ。 『愛する誰かを守りたい』。 人間ならば一度ならずとも願うその心。 陰りのない光に似た純粋な心に、俺は興味を持ったんだ。 お前が望むなら、その守るための力を俺が与えてやるぞ。 「…!」 唐突に言われたその言葉に戸惑いを感じたサイトだったが、ワルドは目の前で次々に起こった予想外の展開に、体裁をとる余裕すらも失われていた。 「おのれぇ…!」 最早、手段を選んでいる暇も無い。 「よもやこの僕が後れを取ることになろうとは…!」 そう判断したワルドは、懐から“あのアイテム”と、それに関連した特殊アダプターを取り出した。 「こうなったら、みんなまとめて消し飛ばしてくれる!!!!!!」 ―――ガチャッ!! <“COMMANDER” UPGLADE> --to be continued--